共同研究・競争的資金等の研究 - 窪木 拓男
-
歯乳頭由来幹細胞(SCAP)のニッチの解析による新たな間葉系幹細胞維持機構の解明
研究課題/領域番号:24659875 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
園山 亘, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
生体内では,多くの器官に組織幹細胞が存在し,組織の恒常性の維持や修復に関与し,これらの組織幹細胞は,それぞれの組織内でニッチと呼ばれる特有な微小環境中に存在し,その幹細胞性を維持していることがよく知られている.そこで我々は幹細胞ニッチに関わる因子として,Ccn4遺伝子に注目し,Ccn4が歯の発生や創傷治癒に関与している可能性を明らかとした.今後,Ccn4遺伝子とニッチの維持機構の関係を明らかにしていく予定である.
-
変形性関節症の予防や治療を目指した結合組織成長因子発現制御ペプチドの探索と評価
研究課題/領域番号:24792142 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, ハラ エミリオ サトシ, 新川 重彦, 中島 隆
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
結合組織成長因子(CTGF/ CCN2)は,軟骨細胞の増殖・成熟及び基質合成を促進し,関節軟骨を修復できることが報告されている.本研究では,CCN2の発現を亢進する新規化合物を網羅的に探索し,in vitroにてその機能解析を行った.
その結果,CCN2の発現を促進する因子として同定されたハルミンは軟骨分化促進作用,抗炎症作用の双方を持ち合わせる変形性関節症の予防,治療に有用な分子である可能性が示唆された. -
接着性および従来型ブリッジの超長期予後調査と次世代臨床データ蓄積システムの構築
研究課題/領域番号:23792227 2011年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
峯 篤史, 矢谷 博文, 窪木 拓男, 大野 彩, 吉田 利正, 黒崎 陽子, 三野 卓哉
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
1989年4月から1992年3月の間に岡山大学歯学部附属病院第一補綴科で装着された3ユニット接着ブリッジ群(n = 86)と3ユニット従来型ブリッジ群(n = 100)の予後を調査した.接着ブリッジおよび従来型ブリッジの10年生存率は69 %と72 %,25年累積生存率は50 %と46 %であり,累積生存率に有意な差は認められなかった(p = 0.88).
トラブルの内容比較としては「除去」が従来型ブリッジで有意に多かったが(p = 0.01).「ブリッジの種類」「性別」「年齢」「残存歯数」「装着部位」「支台歯の状態」はトラブル発生の有無に影響を与える因子とならなかった(p = 0.82). -
ニューロモジュレーターであるセロトニン動態から見た睡眠時ブラキシズム発症機序解明
研究課題/領域番号:23390442 2011年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
水口 一, 窪木 拓男, 十川 千春, 前川 賢治, 十川 紀夫, 北山 滋雄, 松香 芳三
配分額:18200000円 ( 直接経費:14000000円 、 間接経費:4200000円 )
岡山大学歯学部6年時生全員を対象に自宅にて3日間連続してSB頻度を測定させ,同時にSB測定の翌朝採取した静脈血より血小板分画中のSERT量,総蛋白質量およびSERTによる5-HT取り込み能(取り込み量,取り込み速度,親和性)を計測した。解析対象被験者(男性/女性;22名/21名,平均年齢25.4+/-2.56歳)の3日間のSBレベルとSERTの5-HT取り込み量との間には,有意な負の相関が認められた(p<0.05, ρ=-0.31,Spearmanの順位相関係数)。これより睡眠時ブラキシズムの頻度にはSERTによる5-HT輸送能の差異が関与していた。
-
研究課題/領域番号:23659898 2011年 - 2013年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
前川 賢治, 岡 久雄, 窪木 拓男
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
脳卒中後に生じる中枢性の顔面神経麻痺等により,口腔周囲筋機能が低下し,運動性の咀嚼障害が生じることは少なくない。本申請では,このような患者の口腔周囲筋の連鎖的な筋活動を誘発可能な電気刺激法の確立を試みたが困難であった。従って,このような運動性の咀嚼障害をもつ介護者に対する介護がどれだけ負担となるのかを明らかとすることにより,口腔機能のリハビリテーションの重要性の認知度の向上と新しいリハビリテーション法の開発に間接的に寄与できるのではないかと考えた。その結果,全要支援・要介護高齢者225名を対象に検討し,口腔ケアや食事の時間,残存歯数といった咀嚼機能に関係する因子は介護負担に影響を与えていた。
-
BMPー2の骨髄環境下における骨髄ニッチ形成・骨形成抑制メカニズムの解明
研究課題/領域番号:23890123 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
縄稚 久美子, 笈田 育尚, 園山 亘, 窪木 拓男
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
本研究は,BMP-2 が骨髄腔内・外で相反する機能を持つという背景のもと,BMP-2 の骨髄腔内の骨代謝環境に与える影響および分子メカニズムを明らかにすることを目的とした.BMP-2 のマウス大腿骨骨髄腔内における骨形成を抑制するという,これまでの報告とは全く異なる結果を骨形態学的,分子生物学的に明らかにした.現在までに,このメカニズムの解明のため,ネガティフィードバック機構や,免疫学の観点からアプローチを行い,興味深いデータを得た.
-
研究課題/領域番号:23659899 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 園山 亘, 内部 健太, 大野 充昭
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
我々は,組織幹細胞の未分化維持に関わる因子の探索を目的にスクリーニングを行い,TNF-αが未分化維持に変わっていることを明らかとしてきた.実際,ヒト由来歯髄細胞をTNF-α刺激することで,未分化幹細胞マーカーであるCD146やSSEA4 の発現レベルが上昇することを明らかとしてきた.さらに,いくつかのmicroRNAが未分化維持に関わっていることを突き詰めた.
-
研究課題/領域番号:23659897 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
松香 芳三, 窪木 拓男, 松尾 龍二, 小熊 恵二, 山本 由弥子, 熊田 愛
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
ラット三叉神経節細胞を分離し、マトリゲル処理を行った 37℃ CO_2チャンバー内で培養した。また、海馬細胞は市販のものを使用した。経時的に、細胞形態の変化を観察・記録し、コントロール群と比較したところ、A 型ボツリヌス毒素添加群の方が細胞寿命が長期化することが観察された。また、細胞から発生する樹状突起長を計測すると、A 型ボツリヌス毒素添加群の方が長いことが理解できた。
-
低分子化合物ライブラリーを用いた骨形成過程における新規BMP2活性制御因子の探索
研究課題/領域番号:23592844 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
藤澤 拓生, 園山 亘, 窪木 拓男, 服部 高子
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
骨欠損部に対して骨形成タンパク(BMP)を用いて骨造を図る方法は次世代の骨造法の最も有望な方法と考えられているが,ターゲットとする細胞の応答性の低さから大量のタンパクが必要となり高コストとなること,および大量のタンパク投与による副作用のリスクが高まる危険があり,より低用量で高効果の得られる投与方法の開発が望まれている。そこで本研究はBMPの生理活性を増強する低分子化合物を同定し,その機能を解明することを目的に以下の実験を行った。
まず初めに一次スクリーニングとして低分子化合物(FDA approved Drug Library)の細胞増殖能,細胞障害度ならびにBMP-2の生物学的活性に与える影響について検討した。細胞増殖能についてはMTS assayで,細胞障害度に関してはLDH assayでそれぞれ評価した。BMP-2の生物学的活性に関してはBMP-2シグナルの増強の有無をBMP-2にのみ特異的な反応を示すId-1プロモーター領域を有するレポーター遺伝子を導入したC2C12細胞を用いたルシフェラーゼアッセイで評価した。その結果,640個の低分子化合物ライブラリーから細胞に障害を与えることなくBMP-2の生物学的活性を相乗的に増強する,あるいは化合物単体でBMP-2様の生物学的活性を示す可能性のある化合物を40個抽出した。さらに二次スクリーニングとしてin vitroでアルカリホスファターゼ活性の測定とアリザリンレッド染色による石灰化能の検討を行い40個の候補化合物からBMP-2の骨形成能を増強している可能性のある化合物を7個抽出した。 -
研究課題/領域番号:22249064 2010年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 滝川 正春, 園山 亘, 辻 孝, 浅原 弘嗣
配分額:46670000円 ( 直接経費:35900000円 、 間接経費:10770000円 )
歯の発生は歯科リハビリテーション学にとって究極の目標である.我々はヒトへの応用を考え,大型動物の胎生後の組織を用い,器官原基法を応用することで歯の発生しうるかを検討してきた.そして,世界ではじめて,胎生後の組織を用い,生理機能を有する歯を再生することに成功した.また,歯の発生メカニズムを明らかにするため,転写因子の一つであるHox遺伝子に注目し,いくつかのHox遺伝子が歯の発生に特異的に発現していることを明らかとした.
-
研究課題/領域番号:22390365 2010年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松香 芳三, 窪木 拓男, 山本 由弥子, 熊田 愛, 小熊 恵二
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
シナプス小胞内への取り込み時に機能するボツリヌス毒素重鎖を蛍光標識したものをラット顔面部に注射したところ、同側の三叉神経節細胞で染色が確認された。反対側や染色液のみの注射では染色は観察されなかった。神経軸索輸送を阻害するコルヒチンを投与したラットでも染色は観察されなかった。三叉神経障害性疼痛モデルにおける温熱刺激(疼痛刺激)に対して、ボツリヌス毒素を顔面部皮膚に投与後には疼痛の減弱が観察された。また、末梢神経障害性疼痛モデルの知覚神経節にボツリヌス毒素を直接投与することにより、鎮痛反応が観察された。
-
研究課題/領域番号:22390366 2010年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前川 賢治, 早川 聡, 園山 亘, 窪木 拓男, 伊藤 嘉浩, 峯 篤史
配分額:19240000円 ( 直接経費:14800000円 、 間接経費:4440000円 )
これまで我々が開発してきた生体内でインプラント表面にアパタイトを析出可能なチタン表面は,純チタンのみに応用可能なものであった.しかしながら実際に臨床で使用されているチタンインプラントは,チタン合金製であるため,この技術を臨床応用するためには,チタン合金に同様の性能を付与する必要があった.今回,我々は,チタン合金表面に対する新たな熱化学処理方法(LPD法)を確立することにより,生体内でアパタイトを析出可能なチタン合金表面への酸化膜作製方法を開発した.LPD法で表面改質したチタン合金表面には問題なく細胞接着が生じ,ラット骨髄由来間葉系幹細胞の骨芽細胞分化が亢進される傾向にあることが明らかとなった.
-
高脂血症治療薬;スタチンを応用した象牙質形成促進作用を持つ新規覆髄材の開発
研究課題/領域番号:22592150 2010年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡本 洋介, 窪木 拓男, 松香 芳三, 園山 亘, 大野 充昭
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
1.in vitroでのスタチンの歯髄幹綱胞における作用機序の検討
スタチンはメバロン酸経路の上流にあるHMG-CoA還元酵素を抑制しコレステロール産生の抑制することが報告されている。歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell : DPSC)でも同様の作用機序であるか検討するため,HMG-CoAの下流に位置するメバロン酸を用いた。培地にスタチン1μMとメバロン酸1mMの濃度で同時に添加し,MTS法で細胞増殖に与える影響を検討した。その結果,5日目にスタチン単独での細胞増殖抑制効果が消失していることを確認した。
またスタチンはメバロン酸経路の中間産物の抑制により,Rho経路を介し細胞周期をG1/S期で停止させることが報告されている。そこで細胞周期に与える影響を検討するため,スタチン1μM添加し3日間培養したDPSCをPIにて染色後,FACSを用い解析を行った。その結果,G0/G1期への集積像およびG2/M期ピークの減弱が観察された。以上の結果よりDPSCにおけるスタチンの作用はメバロン酸-Rho経路を介していることが示唆された。
2,イヌを用いた覆髄モデルの作製
本研究の臨床モデルは,歯髄に近接したカリエスが考えられる。そこで本研究ではビーグル犬(1歳齢)の犬歯を用い覆髄モデルを作製した。歯の遠心面がら近心に向け歯科用5倍速エンジンで窩洞の形成を行い,通常の歯科用覆髄剤を用い覆髄処置を行い,歯科用セメントを用い窩洞の充填を行った。1か月後に組織を回収し,通法に従い組織標本を作製した。その結果,安定して歯髄に近接した窩洞を形成できていることが確認された。
次に,このイヌ覆髄モデルを用い,スタチンの象牙質形成効果を検討した。つまり,スタチン2mMならびにPBSを各10μlを含むコラーゲンスポンジを覆髄剤として窩洞内に設置し,歯科用セメントにて充填した。1か月後に組織を回収し,組織標本を作製しHE染色を行なった結果,2mMのスタチンに有意な象牙質形成促進作用は認められなかった。 -
分子イメージングとバイオマーカー探索による慢性筋痛の局所病態解析
研究課題/領域番号:22592151 2010年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
小野 剛, 前川 賢治, 水口 一, 松香 芳三, 窪木 拓男
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
我々は,以前,近赤外線分光法を用いて慢性筋痛を訴える被験者の有痛筋組織内では,筋作業や交感神経活動亢進時の筋組織内の血管拡張機能が低下している所見を得た.さらに分子イメージング技術であるPositron emission tomography (PET)を用いて,筋組織のエネルギー源であるグルコースの取り込み量を僧帽筋に慢性筋痛を訴える被験者の僧帽筋と,非筋痛者の僧帽筋内とで比較した結果,筋痛者の僧帽筋組織内のグルコース取り込み量が非筋痛者のそれに比較して有意に抑制されることを明らかとした.これらの知見から更に慢性筋痛の病態を明らかとすることを目的に,筋組織内代謝と組織内血流の相互関係に着目した.相互関係を明らかとするためには,グルコース代謝の指標となる18F-FDGと,血流の指標となる150の筋組織内取り込み量をPETでダイレクトに測定することが有効と考え,150ガスをプローブとして実験に用いる手法の確立を目指して予備的検討を行っている.その一方で,150ガスを用いた血流動態評価が技術的な問題等で困難な場合に備え,血流の絶対量が測定可能な近赤外線分光計(オメガモニターBOM-L1 TR W)を用いて測定する血流動態測定の予備的検討も同時進行させている.加えて,最近,PETを用いた実験的研究で虚血のマーカーとして最近着目されている64Cu-ATSMを研究に用いることが可能かどうかも含めて検討中である.さらに,動物を対象としてPETを用いた基礎研究を開始することも考慮にいれ,理研分子イメージングセンターの研究者にコンタクトを取り準備を開始した.採択決定が11月となり,今年度の実質的な研究期間が3ヶ月と短かったため,実際の研究データの採取は来年度行う予定である
-
インプラント周囲炎の早期診断ならびに新規治療法の開発
研究課題/領域番号:21592451 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山崎 聖也, 窪木 拓男, 荒川 光, 小野 剛
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の目的はインプラント周囲の炎症を未然に察知するためにインプラント周囲の炎症性歯肉を採取し特異的な生物学的マーカーを同定することである.昨年度に引き続き,当科で口腔インプラント治療を行った患者の中でどれだけの患者がインプラント周囲炎によりインプラントを喪失しているのかを把握する目的で,これまでに当院で口腔インプラント治療を行った患者のデータベースの整理を行った.過去15年間に当科にて口腔インプラント治療を行った全患者は453名であった,これらの患者に埋入されているインプラント体1本1本について追跡調査をおこないインプラント周囲炎の発症頻度ならびにインプラント周囲に炎症を引き起こすリスクファクターについて調査した.また,インプラント周囲に特異的に炎症が起こるのか(隣在歯から炎症が波及しているのではないか)を確認するためにインプラントの隣在歯に起こるトラブルの詳細を同時に調査した.
《方法》
1.1990年2月から2007年3月までの間に当科にて口腔インプラント治療を受けた全患者393人1062本の中でオッセオインテグレーションが獲得されたものが721本であった.これらのインプラント体を対象に多変量解析による生存分析をおこなった
2.多数歯の遊離端欠損患者に対して,インプラント群と可撤性部分床義歯群を選別し,欠損の隣在歯におこる炎症に起因するトラブルの発生を生存分析を用いて比較した
《結果》
1.インプラント体の10年累積生存率は94%であり.10本のインプラント体が除去に至っていた.インプラント体が除去に至るリスク要因は上部構造が術者可撤式である事と喫煙習慣である事が明らかとなった
2.インプラントと可撤性部分床義歯では欠損部の隣在歯におけるトラブルの発生率は有意に可撤性部分床義歯の方が高かった
今後はこれらの結果をふまえてインプラント体を除去するに至ったインプラント周囲炎をもった患者のインプラント体周囲歯肉からインプラント周囲に起こる炎症の特異的なマーカーを具体的に調査していく予定である -
症型分類(治療難易度)に基づく補綴治療の診療ガイドラインの策定と妥当性の検証
研究課題/領域番号:21249092 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
平井 敏博, 佐々木 啓一, 佐藤 裕二, 石橋 寛二, 窪木 拓男, 馬場 一美, 秀島 雅之, 小林 博, 櫻井 薫, 鱒見 進一, 越野 寿, 會田 英紀, 木村 彩, 河野 舞, 小山 重人, 北川 昇, 田邊 憲昌, 塚崎 弘明, 若林 則幸, 竜 正大, 河野 稔広
配分額:46150000円 ( 直接経費:35500000円 、 間接経費:10650000円 )
本研究の目的は、補綴歯科治療の難易度に基づく診療ガイドラインを策定し、その妥当性を検証することである。多施設共同研究の実施によって、新たに考案された多軸診断プロトコルが補綴歯科治療の難易度を計るのに有用であり、信頼性が高いことが確認された。本研究の成果により、エビデンスにもとづいた診療ガイドラインに則った補綴歯科診療の実施が可能になることは、診療の質および安全性の向上と効率化に繋がると考える。
-
新規間葉系幹細胞のヒト幼弱智歯歯胚からの分離と象牙質再生への応用
研究課題/領域番号:20592267 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
完山 学, 土本 洋平, 窪木 拓男, 園山 亘, 片岡 健, 完山 学
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では,ヒト幼弱智歯から新規に分離した歯胚由来間葉細胞と歯原性上皮細胞を用いて,in vitroで上皮間葉相互作用を再現することを目的とした.その結果,歯小嚢から分離・培養した上皮細胞はアメロゲニン遺伝子の発現を認め,歯肉から分離・培養した上皮細胞と比較して増殖能が高い歯原性上皮細胞であることが確認できた.この細胞と歯乳頭由来間葉細胞を混合共培養法すると上皮細胞の分化が促進された
-
口腔インプラントは在宅・介護現場における要介護高齢者の口腔ケアの妨げになる?
研究課題/領域番号:20592264 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
荒川 光, 窪木 拓男, 松香 芳三, 完山 学, 山崎 聖也, 木村 彩, 野田 ?志, 山本 道代
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
口腔インプラント治療を受けた高齢者が全身状態の変化,特に痴呆,循環器系疾患によってリコールに応じることができなくなる実態が明らかになった.また,インプラント義歯を装着した健康な高齢者もメインテナンスの方法に対する疑問,インプラント体の予後への不安を抱いており,口腔インプラント治療を施術した我々歯科医師側の情報提示不足,さらに患者の高齢化を見据えた長期のケアプランの再考が求められていることがわかった
-
研究課題/領域番号:20249077 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
五十嵐 順正, 佐々木 啓一, 古谷野 潔, 窪木 拓男, 前田 芳信, 馬場 一美, 赤川 安正, 春日井 昇平, 笛木 賢治, 小山 重人, 塚崎 弘明, 池邉 一典, 荻野 洋一郎, 是竹 克紀, 吉田 英子, 近藤 尚知, 黒田 真司, 青 藍一郎, 大井田 督仁, 酒井 良幸, 藤木 健吾, 岡野 耕大, 庄井 和人, 高市 敦士, 杉浦 健純, 井上 美智子, 佐藤 有加, 石澤 由起子, 吉田 晴奈, 山藤 千紗子, 枦山 智博, 森田 晃司, 木村 彩, 磯兼 衣里, 山田 昭人, 山根 晃一, 横山 政宣東
配分額:34060000円 ( 直接経費:26200000円 、 間接経費:7860000円 )
臼歯部遊離端欠損(短縮歯列)への補綴治療効果を明らかにすることを目的とし,7施設において短縮歯列に対して経過観察,または部分床義歯またはインプラント義歯による補綴治療が口腔関連QoLと咀嚼能力に及ぼす影響を検討した.その結果,欠損歯数の増加に伴い,口腔関連QoLと咀嚼能力が低下するが,補綴治療により向上が認められ,短縮歯列に対する補綴治療の有用性が示唆された.
-
研究課題/領域番号:20249078 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
辻 孝, 窪木 拓男, 春日井 昇平, 友岡 康弘, 山本 照子, 園山 亘, 齋藤 正寛
配分額:48620000円 ( 直接経費:37400000円 、 間接経費:11220000円 )
人為的な細胞操作技術によって歯の器官原基である再生歯胚を作製し、歯の喪失部位に移植することにより、成体の口腔内で発生・萌出し、咬合機能、歯根膜機能、神経機能を有する機能的な歯が再生することを示した。さらに、再生歯胚から歯と歯周組織にて構成される完成した再生歯を作製して移植をすることにより、生着ならびに機能することが明らかとなった。これらのことから、再生歯胚ならびに再生歯の移植による機能的な歯の再生医療の実現可能性が示された。