共同研究・競争的資金等の研究 - 成瀬 恵治
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長期継代培養細胞を用いた視細胞イオンチャネル異常疾患研究のための実験系構築
研究課題/領域番号:17659539 2005年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究
大日向 浩, 吉田 晃敏, 高井 章, 成瀬 恵治, 宮津 基, 高井 佳子
配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )
ヒト網膜芽細胞腫(Y79株とWERI-Rb-1株)においてnystaatin法による全細胞電位固定実験をおこない、イオンチャネルの同定を試みた。その結果、tetraetahylammonium (TEA)や4-anminopyridineに感受性を示す少なくとも2種類のK^+チャネル、テトロドトキシン(TTX)に感受性を示すNa^+チャネルnifedipineに比較的弱い感受性を示すCa^<2+>チャネルなど、いずれも膜電位依存性のイオンチャネルの存在が示唆された。
RT-PCR法により、先天性停止性夜盲症(FSNB)における遺伝子変異が報告されているL型Caチャネルα「サブユニットの網膜アイソフォーム遺伝子(CACNAIF)が、少なくともmRNAレベルではヒト網膜芽細胞腫培養細胞にも発現していることを確認した。現在さらにα_2-、β_1-、β_2-、γ-およびδ-サブユニットの発現を検討中である。今後は、抗体をもちいたWestern blotの実験を進め、タンパクレベルでの発現も検討する。
現在、CACNAIFについてsiRNAをいくつか作成し、そのノックダウンを試みている。十分な発現抑制を起すsiRNAが得られたら、特に上記のCa^<2+>チャネル電流の変化に注目した電気生理学的実験を進める予定である。さらに、CACNAIFをノックダウンしたのち、 FSNBにみられるいくつかの点突然変異を人為的に組込んだものを発現させ、電気生理学的特性を調べる。
上記と並行して、同一の実験装置を用いウシ毛様体筋の単離細胞を短期培養したものにおいて、先に本研究グループの発見したムスカリン受容体刺激により開口する2種類の非選択性陽イオンチャネルおよびその開口調節に関わる信号伝達系の性質を詳細に検討した。その結果、これらのチャネルはM3型ムスカリン受容体からG_<q/11>を経て送られる信号に応じて開口することを示す見を得た。 -
光駆動ナノメカトロニクスの提案開発
研究課題/領域番号:17206023 2005年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
生田 幸士, 加藤 大香士, 太田 祐介, 池内 真志, 長谷川 忠大, 成瀬 恵治, 山田 章
配分額:50700000円 ( 直接経費:39000000円 、 間接経費:11700000円 )
従来のマイクロアクチュエータと根本的に異なる,光エネルギだけで駆動制御する、新たな「光駆動ナノメカトロニクス」の世界を開拓するための研究を行った.
1)基本概念の構築
従来のマイクロアクチュエータは,可動素子とエネルギ伝達用のリード線の両者のマイクロ化が不可欠であった.しかし,光駆動の場合,単に透明な材質でマイクロ,ナノスケールの可動部品があれば,可視,赤外レーザの照射により,レーザトラッピングの原理で,外部から遠隔駆動できる.さらに,透明ビーズの光トラップなど従来の光駆動では,運動の自由度は1/2に限定されていた.1/2とは,単に物体を押す作用だけで,物体を引っ張る方向の自由度はないからである.他方,本研究で提案している光駆動ナノマシンは,ロボットハンドのように,押す方向と引く方向に加え,ひねるなど,完全な6自由度を実現できる大きなメリットを持つ.細胞操作など微細作業に完全な6自由度をもたらすことができる.
2)製作手法
本研究室の独自開発のマイクロ光造形法の一つである「高速2光子ナノ光造形法」を用いて,軸付きギアなど可動メカニズムを100ナノメータの分解能で製作できた.ロボットマニピュレータと同様,多自由度を持つ10ミクロンのサイズのナノマニピュレータの試作に成功した.
3)基本特性の実証
YAGレーザをナノマニュピレータ内に焦点を合わせ,十分な早さで遠隔駆動することに成功した.10Hz以上の応答性も確認した.
4)遠隔操縦システムの構築
把持,リスト,アームの3自由度を持つ光駆動ナノマニピュレータと操縦用マスターハンドを開発した.リアルタイムでの操縦実験で,光学顕微鏡下のスライドグラス上の水滴内で数ミクロン径の細胞を操作し、画像認識により、細胞の反力を計測する系を開発した.
以上のように、「光駆動ナノメカトロニクス」の将来の応用をめざし、非バイオ系とバイオ系の双方にわたる、広範なナノ操作の可能性を実証した。 -
機械受容チャネルを核としたメカノバイオロジーの創成
研究課題/領域番号:16GS0308 2004年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術創成研究費
曽我部 正博, 辰巳 仁史, 成瀬 恵治, 吉村 建二郎, 吉村 建二郎, 成瀬 恵治
配分額:497640000円 ( 直接経費:382800000円 、 間接経費:114840000円 )
細胞の機械刺激受容・応答能は生命現象を支える根幹機能であるが、その分子機構は全く未解明であった。本研究では、(1)変異体を用いた実験とシミュレーションにより、機械刺激受容チャネルである細菌Mscの張力感知部位を同定し、活性化過程における膜脂質との相互作用・張力感知とチャネル開閉の連関の詳細を明らかにした。(2)細胞骨格であるストレス繊維が、チャネルや接着斑と分子複合体を形成し機械刺激の伝達・収斂といった役割を担うこと、さらに、それ自体が機械刺激感知のセンサーであること、を見出した。(3)応用研究として新規機械刺激受容チャネルブロッカーの探索を行い、心臓の不整脈治療薬の候補を見出した。
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軟骨細胞に最適化したバイオリアクターの開発
研究課題/領域番号:16659406 2004年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究
石黒 直樹, 西田 佳弘, 成瀬 恵治
配分額:3300000円 ( 直接経費:3300000円 )
目的:軟骨細胞移植の臨床研究に向けて均質で高品質な培養軟骨細胞を短時間に多量に供給可能な培養装置(バイオリアクター)の開発とその最適な培養条件を検討する。
研究方法及び結果
(1)ウサギ軟骨細胞を大腿骨、頸骨より採取し、SOX9遺伝子発現を指標に単層培養にて細胞増殖能を検討した。増殖した細胞を再びアガロースゲルを使用した3次元培養法にて培養、細胞増殖と基質合成能、SOX9遺伝子発現を調べた。SOX9,Type II collagen, Aggrecan遺伝子の発現をRT-PCRにて定量的に確認した。これら軟骨形質に関わる遺伝子は単層培養では培養早期から低下を示した。単層培養を継代することにより失われた軟骨細胞の形質はSOX9遺伝子の導入のみでは困難であった。又3次元培養に戻しても部分的な回復に止まった。現状の単層培養による細胞増殖では培養期間に限度があることが判明した。
(2)機械的刺激下培養条件での軟骨細胞培養 ヒト軟骨細胞様細胞株HCS2/8に3次元下に機械的刺激を加える装置を作成した。細胞をコラーゲン内に3次元培養しこれに変形力を加えて細胞に圧縮と伸張変形を起こすことができた。3次元培養で各種力学的刺激を軟骨細胞に加えることにより軟骨細胞の代謝に変化が起こることを示した。特にII型コラーゲンとアグリカン合成能は条件により大きく影響を受けることが明らかとなった。
考案:本研究により単層培養の軟骨細胞増殖に限界があることが確認された。これは遺伝子導入では回復困難であるため、脱分化させない培養条件が必須である。3次元培養下での機械的刺激によって基質合成活性を高め、軟骨細胞形質の維持が可能であることが明らかとなった。今後は装置の最適化と大型化を図る。軟骨細胞単層培養による増殖から、3次元培養、大型バイオリアクターによる形質維持と基質合成により適切な軟骨擬似組織が臨床研究材料として提供できるように更に研究を進める予定である。 -
チャネル病としての緑内障への分子生物学的アプローチ
研究課題/領域番号:15659407 2003年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究
高井 章, 吉田 晃敏, 三宅 養三, 成瀬 恵治, 大日向 浩, 内海 計
配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )
1.本研究では、房水流出路として重要な働きをする毛様体平滑筋の張力維持に必要なCa^<2+>イオン流入経路として機能するイオンチャネルをコードしていると考えられているtransient receptor potenrial canonical(trpc) geneの異常が緑内障の発症に関与する可能性につき検討した。これまで動物における緑内障は、ぶどう膜炎などによる続発性のものがイヌやウマで数例報告されているに過ぎない。今回、実験動物のtrpc遺伝子を変化させることにより緑内障の実験モデル作成するために役立つと思われる、下記のようなデータを得た。
2.ヒトおよびマウスについて現在までに報告されている7種の哺乳類型trpc遺伝子の既知配列をもとにいろいろなプライマペアを合成、RT-PCRによりウシおよびヒト毛様体筋において発現しているtrp遺伝子を定量的に検索し、trpc1,3,4および6に対応するmRNAの存在を確認した。
3.上記trpcの大半について全cDNA配列を決定するとともに、蛍光抗体染色法により、これらによりコードされる蛋白質が、毛様体筋細胞膜に発現していることを確認した。。
4.得られたcDNAを発現ベクトルに組み込んだものを単独、またはM_3型ムスカリン受容体遺伝子と同時に、培養細胞の細胞内に導入、発現してくるチャネルの性質を電気生理学的に検討する段階に漕着けた。現在、trpc遺伝子のpore-forming regionに相当する部分を改変し、培養細胞に発現させ、チャネル活性への影響を調べる実験を進めている。
5.今後、これまでに得られたデータに基づき、各種trpc遺伝子をノックアウトしたマウスを作成を試みる計画である。そのような実験動物から採取した組織を用い、収縮実験や、パッチクランプ法を用いた電気生理学的実験を行うことにより緑内障の発生メカニズムを分子レベルで検討することを目指す。 -
バイオ化学ICを基盤とする次世代医療ナノデバイス群の開発
研究課題/領域番号:15206027 2003年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
生田 幸士, 加藤 大香士, 成瀬 恵治, 長倉 俊明, 長谷川 忠大, 森島 昭男, 丸尾 昭二
配分額:50310000円 ( 直接経費:38700000円 、 間接経費:11610000円 )
生化学分野における多種多用な合成と分析を全工程マイクロ領域で行うことができる新概念デバイス「バイオ化学ICチップ」の多様化とバイオ応用を目的とし、チップ素材から細胞チップへの適用まで、組織的な研究開発を行った。
2001年に世界初の無細胞タンパク合成用化学ICチップを、当初の蛍の発光酵素ルシファラーゼから、バイオマーカとして有名なGFP(緑色蛍光蛋白)の長時間連続合成系まで発展させた。これにより、我々の「無細胞蛋白合成用化学ICチップ群」の有効性と汎用性が実証された。
「細胞内蔵型バイオ化学IC」の基盤技術として、細胞適合性を有する光硬化樹脂の探索と、表面修飾、表面構造、マイクロ構造製作法等を研究し、所定の時間細胞が培養可能な条件を見出した。一般に光硬化樹脂は開始剤の毒性が細胞に悪影響を与えるため、このような基礎研究が不可欠となる。
各種マイクロ光造形法の中で、化学ICのハイブリッド構造の製作に不可欠な自由液面方式のマイクロ光造形法を、10ミクロン以下の加工分解能を達成することにも成功した。液状樹脂をならすスキージの角度と素材を最適化した。その結果、マイクロ流路径を10ミクロン以下にするだけでなく、細胞接着面の平坦性の改善にも大きく貢献した。
顕微鏡下における細胞操作を高度化するため、独自開発の高速2光子ナノ光造形法で作製した可動機構を持つナノマシンをレーザトラッピングで遠隔駆動する「光駆動ナノマシン」を提案・開発した。数ミクロンのナノピンセット、並進回転が可能なナノニードル、細胞膜の力学特性を計測するナノムーバー、10ミクロン長の3自由度光駆動ナノマニピュレータ等を作製し、有効性を実証した。
さらに将来、化学ICを体内に埋め込み薬物や抗がん剤などを放出するための基礎研究としてポリ乳酸など生分解性樹脂を用いた3次元マイクロ造形法を考案、開発した。本装置の分解能は50ミクロンであるが、従来のような毒性溶媒を一切用いないため、細胞培養も可能であることが実証された。 -
SAチャネルの構造機能連関と生理機能の解明
研究課題/領域番号:13480216 2001年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
曽我部 正博, 飯田 秀利, 成瀬 恵治, 辰巳 仁史
配分額:14500000円 ( 直接経費:14500000円 )
本研究の目的は、1)既同定SAチャネルの構造活性連関の解明、2)新規高等生物SAチャネルの同定と解析、および3)機械刺激依存性細胞応答のシグナル機構に挙けるSAチャネルと細胞骨格の役割解析である。研究機関中に得られた主要な結果を以下の通りである。(1)細菌SAチャネルMscLの機械感知ドメインの同定:唯一高次構造が判明しているMscLの開閉機構を知る目的で機械刺激感知ドメインの探索を行い、それが脂質膜の細胞外側境界近傍に位置する疎水性アミノ酸残基であることを発見した。その位置は力学的に最も硬く相互作用しているリン脂質グリセロール基と一致しており、膜張力を感知するには合理的な仕組みであることが分かった。(2)心筋SAチャネルSAKCAり遺伝子同定と活性化機構:我々はトリ心筋から伸展感受性BigKcaチャネルSAKCAを新規クローニングし、C末端中の59アミン酸残基からなるSTREXが機械刺激感知ドメインであることを同定した。またこれと連結して膜張力をSTREXに伝達するアクチン結合性の補助蛋白質を同定した。(3)S4チャネル活性化における細胞骨格の役割:高等生物SAチャネルでは細胞骨格(ストレス線維)がSAチャネルへの力伝達媒体であることを証明した。(4)細胞応答とSAチャネルの関係:転写因子NF-KBの活性化を対象にして機械刺激の時間モードとシグナル系の関係を解析した。周期的あるいは一過的機械刺激に対する細胞応答では、SAチャネルが細胞の主要な機械センサーとなり下流シグナル系を賦活するが、持続的機械刺激では、むしろインテグリンシグナル系が主要になることを発見した。.
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新規クローニングした心筋機械受容チャネルの解析
研究課題/領域番号:13470009 2001年 - 2002年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
成瀬 恵治
配分額:9500000円 ( 直接経費:9500000円 )
SAチャネルの機械受容機構は多くの研究があるのにもかかわらず不明な点が多い。これまでの研究により、トリ心筋細胞に存在する数種類の機械受容チャネルのうち、特に約280pSのコンダクタンスをもつSAチャネルについて詳しい解析を行なった。パッチクランプ法による解析の結果、SA-K_<Ca,ATP>チャネルであることが判明した。このチャネルはガドリニウムによりブロックされるというSAチャネルの一般的性質を持つとともに、細胞質側のカルシウム濃度によって制御されるBK(Big K)チャネルであった。BKチャネルの遺伝子配列を基に幾つかのdegenerate primersを作成し、トリ心筋細胞から作成したcDNAライボラリーに対してPCRを試みたところPCR産物が得られ、それをプローブとしてライブラリーをスクリーニングしたところ、約3.5kbpのクローンを得ることが出来た。このクローンを発現ベクターに組込み、パッチクランプ法にて解析を行なった結果、膜伸展刺激に応じて開確率を上昇させる機械受容チャネルであることが判明した。この機械受容チャネルをSAKCAと命名し、その構造-機能連関を解析したところ、STREX配列とよばれる59アミノ酸からなるalternative splicingが重要であることが判明した。この配列を除去したミュータントでは機械受容活性はまったく消失した。しかし、他種(マウス・ウサギ)のSTREX配列を持つvariantで機械受容活性はまったく報告されていないことから、トリSTREX配列に特異的な部位が機械受容活性に重要な役割を果たしていることが示唆された。その配列に基づきミュータントAla^<674> to Thr^<674>を作成したところ、完全に機械受容活性を抑制することに成功した。STREX-GFPをSAKCAと共発現したところ細胞膜にGFPが検出され、機械感受性をブロックすることが出来た。
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バイオ化学ICの創製
研究課題/領域番号:13305017 2001年 - 2002年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
生田 幸士, 長倉 俊明, 成瀬 恵治, 丸尾 昭二, 長谷川 忠大, 野方 誠
配分額:56290000円 ( 直接経費:43300000円 、 間接経費:12990000円 )
我々が独自開発してきた「化学IC」の内部に、各種細胞を内包したバイオ化学ICを開発するために下記の基礎研究を行った。1.高耐久性マイクロポンプの開発と無細胞蛋白合成への応用密着性の高い新型バルブを提案・開発し、耐久性の高い高性能マイクロポンプチップを作製した。本マイクロポンプを用いて、マイクロチップ内で7時間にわたり無細胞蛋白合成を行うことに初めて成功した。ポンプもマイクロ化することにより、蛋白合成用化学ICを、テーラーメード医療や体内埋込型デバイスへ応用することが可能となった。2.マイクロホモジナイザー化学ICの開発生化学や細胞生物学において必要不可欠な前処理操作であるホモジナイズ処理を行うための化学ICを開発した。本チップでは、圧電素子の振幅をホーンで拡大して、チップ内でキャビテーションを誘起する。これによりチャンバー内の細胞を破砕する。試作チップでは、わずか3秒間のホモジナイズにより、100%の効率で細胞(PC12)を破砕することに成功した。このチップによって、バイオ化学IC内部で培養した細胞を破砕し、有用タンパクなどを精製することが可能となる。3.光硬化樹脂材料の生体適合性検証長期間安定して細胞を培養するバイオチップを作製するには、生体適合性の高い光硬化性樹脂材料が必要不可欠である。我々は、複数種の医療用光硬化性樹脂を用いて、実際に細胞培養試験を行った。その結果、高い生体適合性を有する光硬化性樹脂を見いだした。さらに光硬化性樹脂製マイクロチャンバーの生体適合性を高めるために各種コーティング手法の検討を行い、有効なコーティング剤を決定した。その結果、96時間以上にわたって細胞を長期培養することに成功した。以上の基礎実験から、バイオ化学ICの実現に向けての基礎を築いた。
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毛様体筋収縮調節メカニズムへの分子生物学的アプローチ
研究課題/領域番号:13470365 2001年 - 2002年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
高井 章, 上村 大輔, 磯部 稔, 吉田 晃敏, 成瀬 恵治, 三宅 養三
配分額:13300000円 ( 直接経費:13300000円 )
毛様体筋は、視覚遠近調節、眼圧調節に与る重要な眼内平滑筋組織である。この筋は、副交感神経支配下にあって、迅速に一定レベルの張力を発生し(初期相)、そのレベルを安定に保持する(保持相)という特徴を示し、これが速やかな焦点合わせと保持とを可能にしている。いずれの相においても細胞内Ca^<2+>イオンが最終的な調節因子であることは疑いないが、Ca^<2+>の動員経路には違いがあり、初期相では細胞内からの迅速な遊離が、保持相では細胞外からの流入が重要とされる。2年間にわたり、従来ほとんど不明であった保持相におけるCa^<2+>イオン流入経路の本体の同定を目指した研究を展開し、つぎの様な成果を得た。
a.伝達物質作動性チャネルを形成する可能性が注目されている非選択性陽イオンチャネルの毛様体筋における発現を調べるために、ヒトおよびマウスについて現在までに報告されている7種の哺乳類型trp遺伝子の既知配列をもとに種々のプライマペアを合成、RT-PCRにより、ウシ、モルモットおよびヒト毛様体筋において発現しているtrp遺伝子を定量的に検索した。その結果、いずれの種においても、trp1,trp3,trp4,trp6がかなり多く発現していることが確かめられたが、trp2,trp5については各々5種類以上のプライマペアを用いて検討したにもかかわらずPCRによる増幅が見られなかった。
b.これまで決定されていなかった、ウシ、モルモットのtrpの全cDNA配列を決定した。
c.得られたcDNAを発現ベクトルに組み込んだものを単独、またはM_3型ムスカリン受容体遺伝子と同時に、培養細胞の細胞内に導入、発現してくるチャネルの性質を電気生理学的に検討することができる段階に漕着けた。
d.現在、trp遺伝子のpore-foming regionに相当する部分を改変し、培養細胞に発現させ、チャネル活性への影響を調べる実験を進めつつある。
e.ある種のNSCCを強く活性化する作用を持つことで知られる神経性海産魚食中毒の原因物質の一つマイトトキシンなどの毛様体筋細胞への作用について電気生理学的検討を行った。 -
チャネル病としての緑内障への分子生物学的研究法導入
研究課題/領域番号:13877287 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽的研究
高井 章, 成瀬 恵治, 三宅 養三
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
1.従来、緑内障の原因遺伝子としては、trabecular meshwork glucocorticoid response(TIGR)gene等の変異が知られているのみである。本研究では、房水流出路として重要な働きをする毛様体平滑筋の張力維持に必要なCa^<2+>イオン流入経路として機能するイオンチャネルを発現すると考えられているtransient receptor potenrial(trp)geneの異常が緑内障の発症に関与する可能性につき検討した。これまで動物における緑内障は、ぶどう膜炎などによる続発性のものがイヌやウマで数例報告されているに過ぎない。今回、実験動物のtrp遺伝子を変化させることにより緑内障の実験モデル作成するために役立つと思われる、下記のようなデータを得た。
2.ヒトおよびマウスについて現在までに報告されている7種の哺乳類型trp遺伝子の既知配列をもとにいろいろなプライマペアを合成、RT-PCRによりウシおよびヒト毛様体筋において発現しているtrp遺伝子を定量的に検索した。
3.PCR産物の塩基配列を決定、さらに、その大半について全cDNA配列を決定した。
4.得られたcDNAを発現ベクトルに組み込んだものを単独、またはM_3型ムスカリン受容体遺伝子と同時に、培養細胞の細胞内に導入、発現してくるチャネルの性質を電気生理学的に検討する段階に漕着けた。現在、trp遺伝子のpore-forming regionに相当する部分を改変し、培養細胞に発現させ、チャネル活性への影響を調べる実験を進めている。
5.今後、これまでに得られたデータに基づき、各種trp遺伝子をノックアウトしたマウスを作成を試みる計画である。そのような実験動物から採取した組織を用い、収縮実験や、パッチクランプ法を用いた電気生理学的実験を行うことにより緑内障の発生メカニズムを分子レベルで検討することを目指す。 -
高速単一細胞伸展装置の開発
研究課題/領域番号:13878134 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽的研究
曽我部 正博, 成瀬 恵治
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
あらゆる細胞が伸展刺激に応答することが明らかになりつつある。その分子機構を知るには機械センサーの同定が一義的に重要である。これまでにCa^<2+>透過性SA(Stretch activated)チャネルが伸展センサーとして同定され、その活性化が細胞内Ca^<2+>レベルの上昇を導くことが分かっている。しかしCa^<2+>が細胞のどの場所からどのような時間経過で上昇するのかは全く分かっていない。これを知るには単一細胞を顕微鏡の視野内で移動させずに定量的かつ高速に伸展する技術が必要である。
本申請では伸展刺激依存性Caトランジェントの高時空間分解能測定を実現する高速単一細胞伸展装置を開発した。
【単一細胞伸展装置の原理と方法】厚さ00番のプラズマコートしたカバーグラス2枚を200μmの間隔でシリコンチャンバーの底面に機械的に密着させることができた。したがって、チャンバーを伸展すれば伸展される部分は2枚のカバーグラスにはさまれた200μmの部分だけである。血管内皮細胞ならば200μmの間隔には1-3個の細胞が存在する。一方のカバーグラスをステージ上に固定し、もう一方のカバーグラスを引っ張り、固定されているカバーグラスの端に近い細胞を観察すれば60倍の対物レンズを用いても決して視野から外れることはなく、細胞が引っ張られた方向に伸展する様子が、焦点もずれることなく観察することができた。可動側のカバーグラスはピエゾ素子を用いて高速に駆動することができた。
【本装置でおこなった実験】
・40μm(全長の20%相当)を伸展するのに約15msecの速さで伸展することが可能であった。
・単一血管内皮細胞の伸展様子を解析することができた。
・細胞内Caトランジェントの時空間挙動を解析することができた。 -
機械受容機構の解明―メカノリセプターの分子実体は何か―
研究課題/領域番号:11670037 1999年 - 2000年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
成瀬 恵治
配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )
<HUVECのSAチャネルのクローニング>
HUVECよりcDNAライボラリーを作成し、発現ベクター(pcDNA3.1)に組込んだ.あらかじめ伸展依存性Caトランジェントがないことを確認したHEK細胞に25グループに分けた上記ライボラリーを遺伝子導入した。伸展可能シリコンチャンバー上に培養した遺伝子導入細胞にカルシウム蛍光色素FURA2を負荷し伸展刺激を与え、カルシウム上昇がある群を選んだ.現在、数群の伸展依存性Caトランジェントを起こすグループを同定した。
くトリ心筋SAチャネルのクローニング>
培養鶏胚心筋細胞には数種類のSAチャネルが存在する。このうちCa依存性Kチャネルの特徴を備えたSAチャネルがあるので、degenerate primerを作り、PCR産物を得,これを用いて12日鶏胚心筋細胞より得られたファージライボラリーをスクリーニングしたところORFが約3kbpのクローンを得た.これを発現ベクターに組込みCHO細胞に発現させたところ、培養鶏胚心筋細胞にパッチクランプをしたときに観察されたものと同じ性質のSAチャネルを観察する事が出来た。これは既知のイオンチャネルと数アミノ酸の相違があった。現在種々のミューテーションを加える事により機能-構造連関を解析しているところである。 -
血管内皮細胞の機械刺激受容機構の解明
研究課題/領域番号:09770025 1997年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
成瀬 恵治
配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )
機樋受容リセプターである機械受容チャネルのクローニングを目指した。研究実施計画に従い、いくつかのチャネルの種を通して保存されている領域に対するdegenerate primerを作製し血管内皮細胞および心筋細胞に対してスクリーニングを行った。これまでのところ心筋細胞においてカルシウム依存性・ATP感受性の機械受容チャネルの部分的なシークエンスを確認した。
電気生理学的解析:トリ培養心筋細胞には5種類の機械受容チャネルが存在することを確認した。特に、コンダクタンスが200pSの機械受容チャネルについて解析を進めたところ、細胞内カルシウムに感受性を持ちサソリ毒キャリブドトキシンにより阻害される巨大コンダクタンス型カルシウム依存性カリウムチャネル(BK channel)であることが判明した(Am.J.Physiol.印刷中)。
分子生物学的解析:上記の機械受容チャネルのクローニングを行った。(1)BK channelの保存領域に対するdegenerate primerを作製た。(2)PCRを行ったところ予想される分子量にPCR産物が増幅された。(3)PCR産物をTAクローニングしシークエンスを行ったところ既知の塩基配列と高い相同性を持つ部分を得ることができた。(4)培養心筋細胞からmRNAを抽出しcDNAライボラリーを作製した。(5)cCDNAライボラリーをλファージベクターに組込んだ。(6)上記配列をプローブとしプラークハイブリダイゼーションを行った。
(7)3種類の陽性クローンが取れた。(2)これまで確認されているトリBK channelと高い相同性があることが確認できた。(9)発現ベクターを構築した。(10)パッチクランプにて解析中である。 -
SAチャネルの分子生物学と生理学の展開に関する共同研究
研究課題/領域番号:09044283 1997年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際学術研究
曽我部 正博, SACHS Freder, FREDERICK Sa, 成瀬 恵治, SOCHS Freder
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
SAチャネルはあらゆる細胞に発現しており、細胞の基本機能に関わる重要なチャネルであると考えられている。ところがこのチャネルの生理機能は未だにつまびらかではなく、また大腸菌のそれを除いてはその蛋白質も遺伝子も同定されていない。この2つの問題を解決することがSAチャネルを巡る最大の課題である。本研究の目的は、日米双方の努力と協力によってこの二つの課題の突破口を探ることにある。第一の課題については、SAチャネルCa^<2+>透過性を利用して、伸展刺激によるCa^<2+>流入量の測定からSAチャネル活動度を評価するという方法が開発され、これを応用して低浸透圧刺激時の細胞体積調節にSAチャネルが重要な役割を果たすことが明らかとなった(日本側)。また血管内皮細胞の伸展依存性形態変化においてもSAチャネルの生理的役割が解明された(日本側)。一方米国側では原子間力顕微鏡(AFM)のカンチレバーを使った培養心筋細胞への定量的機械刺激法を開発し、全細胞電流との同時記録に成功して伸展誘発性の心筋活動を説明することに成功した。
第二の課題については、線虫の機械受容ミュータントから分離された仮想のチャネル遺伝子mecの配列を元に、そのホモログをショウジョウバエからRTPCR法で単離する試みがなされたが、事実上失敗に終わった(日本側)。一方米国側では多種類の天然蜘蛛毒をスクリーニングし、ある種の蜘蛛毒中にSAチャネルの特異的ブロッカーとなるペプチド成分を発見したが、未だに安定した単一標品を得るには至っていない。しかしながら、ごく最近我々は、酵母から真核生物としては初めてのCa^<2+>透過性SAチャネルの遺伝子(mi d-1)のクローニングに成功した(論文投稿中)。この遺伝子が同定されたことによって、なすべき研究の範囲が大きく広がった。この国際学術研究で築いてきた日米のパートナーシップを生かして、SAチャネルの次なる発展に向けた共同研究を進める予定である。 -
伸展刺激による血管内皮細胞リモデリングの分子機構
研究課題/領域番号:09281213 1997年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 重点領域研究
曽我部 正博, 成瀬 恵治
配分額:1900000円 ( 直接経費:1900000円 )
血管内皮細胞は、紡錘形を呈し血管走行に対してその長軸を平行に配列している。この形態や配列は血流に対する機械的抵抗を激弱し、内皮細胞の血管壁からの剥離を防ぐという大切な意義がある。本研究の最終目的は、培養内皮細胞を用いて伸展刺激による形態配列応答の分子機構の全容を明らかにすることにある。これまでに伸展受容体(SAチャネル)とセカンドメッセンジャー(Ca^<2+>)の同定、形態変化に伴うストレスファイバーの動態、および接着斑会合蛋白質(接着斑キナーゼ、FAK)のチロシン燐酸化について解析してきた。本年度は主としてFAKの分子生物学的解析とその上流に位置するチロシンキナーゼ(src)の生化学的解析、およびキナーゼ活性化と細胞内Ca^<2+>増加の関連について解析し、以下の結果を得た。1)FAKアンチセンスの効果:アンチセンス処理後48時間でFAKの発現抑制のピークが観察され、その時点での処理細胞のFAK発現量はセンス処理細胞の10%以下であった。アンチセンス処理細胞の外観には特に変化はみられず、フィブロネクチン処理のシコリン膜にも安定に生着した。しかしこれに所定の伸展刺激を加えても形態反応は誘起されなかった。FAKとそのチロシン燐酸化が形態応答に極めて重要であることが強く示唆された。2)伸展刺激によるsrcの活性化:FAKの上流に位置する可能性の高いチロシンキナーゼとしてsrcに注目し、その活性の伸展刺激依存性を解析した。その結果、伸展刺激開始直後から活性が上昇し続け、約20分でピークを迎えることが分かった。その時間経過パタンは、やや先行する形で、FAKのチロシン燐酸化の時間経過パタンとよく一致した。またこの活性上昇は、細胞外Ca^<2+>に依存し、ガドリニウム(Gd^<3+>)で抑制されたので、<SAチャネル→細胞内Ca^<2+>上昇>の下流に位置することが強く示唆された。
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血管内皮細胞の機械刺激受容応答機構の研究
研究課題/領域番号:08770033 1996年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
成瀬 恵治
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
本年度の研究目的は(1)細胞内カルシウムの空間的動態の解析(濃度上昇の空間的不均一性が生じるか否か)と(2)接着斑蛋白質チロシンリン酸化の空間的不均一性の解析を行い、血管内皮細胞における形態および細胞骨格の空間的不均一応答との関連を解明することにあった。
結果
(1)細胞内カルシウム空間的動態
外液カルシウム濃度が100uMでは伸展刺激による形態変化が起こることを示しているが細胞内カルシウムを均一に上昇させる目的でionomycinを加え細胞内カルシウム濃度も100uMにした。これはFura2を用いたカルシウム蛍光測光にて確認している。細胞内カルシウム濃度をこのようにして均一に100uMにしたとき(かなり高い濃度で、伸展刺激によるカルシウム濃度上昇よりもはるかに高い濃度)でも伸展刺激により形態変化を惹起することができた。この実験結果は細胞内カルシウムの空間的分布に局所性がなくてもよいことを示唆している。しかし、細胞内カルシウムの上昇がないと形態変化は起こらないことから細胞内カルシウムの上昇は必要条件ではあるが十分条件ではない。現在、細胞内カルシウムイメージングを行い確認を行っている。
(2)接着斑蛋白質チロシンリン酸化の空間的不均一性
細胞に伸展刺激を与え固定後、抗リン酸化チロシン抗体にてチロシンリン酸化蛋白を検出した。我々の研究から接着斑蛋白が強くチロシンリン酸化を受けることを示している。今回免疫染色により、接着斑に一致して抗リン酸化チロシン抗体に染色される部位が認められた。面白いことにその部位は伸展方向とは垂直方向、すなわち細胞が伸びていく方向の接着斑に強く認められた。 -
血管内皮細胞における機械受容チャネルの研究
研究課題/領域番号:07770030 1995年 - 1996年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
成瀬 恵治
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
血管内皮細胞は血管内では紡錘形を呈し、その長軸を血管軸に平行に向けて配向しているが、培養系ではこのような特徴的形態を示さない。前年度までの研究により周期的伸展刺激を与えることにより伸展方向に垂直な方向へ細胞が配向し、それが機械受容チャネルのブロッカーで阻害されることを確認した。本年度は機械的な刺激を与えたときの形態学的反応を特に、細胞骨格(actin)・細胞接着班(vinculin)に着目して解明をめざした。研究計画に従い、下記の成果を得た。
細胞骨格関連蛋白質であるactin及びvinculinの精製を行い、かつ機能を失うことなく蛍光色素によりラベルすることができた。SDSーPAGEにて色素が蛋白と共有結合していることを確認した。マイクロインジェクションシステムを用いて、蛍光色素標識蛋白を細胞内へ導入した。数分後、細胞内においてストレスフアイバーに一致して蛍光像が得られた。これはストレスファイバーにactinが組み込まれたことを意味する。vinculinに関しては、弱いながらも接着班に一致して蛍光像が得られた。
シリコン膜上に培養した細胞内へ注入後、周期的伸展刺激を与えながらストレスファイバーの経時的変化をSITカメラにて撮影しビデオに記録した。周期的伸展刺激によりストレスファイバーが変化していく様子を記録することが出来た。細胞接着班に関しては現在、解析中である。 -
血管内皮細胞における機械受容チャネルの研究
研究課題/領域番号:06770029 1994年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
成瀬 恵治
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )
本研究によって下記の結果を得た。
1・低浸透圧による機械刺激
低浸透圧処理による機械刺激を期待する場合、細胞膜伸展の度合いを評価しなければならない。接着細胞において体積増加による細胞膜の伸展の度合いを定量するために膜に蛍光色素を取り込ませ標識しリアルタイム共焦点レーザー顕微鏡を用いて縦断層面の経時的変化(z-t)の観察をした。その結果、低浸透圧刺激による膜伸展の時間経過を定量的に測定することができた。また従来、浮遊細胞系で報告されている調節性体積減少を確認することができた。
2・シリコン膜による機械刺激
従来の方式では伸展刺激時に焦点面がずれ、振動が大きい等のデメリットがあり、顕微鏡観察・電気生理学的手法は困難であった。本研究では従来法に改良を加え伸展時に焦点面がずれたり振動が少ない装置を開発した。
現在、1・2の方法を駆使して定量的に機械刺激を与え機械受容チャネルを活性化し、生じる電気生理学的現象をパッチクランプ法にて記録している。