共同研究・競争的資金等の研究 - 大野 充昭
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フルオシノロンアセトニド(FA)を用いた変形性関節症の予防・治療法の開発
研究課題/領域番号:15K20480 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
日本に約1000万人の患者がいると言われる変形性関節症は,慢性の関節炎を伴う関節疾患であるが,未だ確実な治療は存在しない.我々は,形性関節症の治療法の開発を目的としてスクリーニングをし,フルオシノロンアセトニド(FA)を強力な軟骨細胞分化促進作用を有する薬剤として同定した.実際,免疫不全マウスの大腿骨膝蓋面に軟骨全層欠損を作製し,FAとTGF-β3刺激したヒト骨髄由来間葉系間質細胞を欠損部に移植した.その結果,軟骨欠損部ほぼ完全に再生された.
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研究課題/領域番号:15K15707 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大島 正充, 窪木 拓男, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
本研究課題は、再生器官の発生に関わる時間軸・形態形成を制御しうるマスター遺伝子の探索を目的とした。生物種固有の発生メカニズムに基づく同一個体内の乳歯・永久歯の発生時間軸の違いに着目して、イヌ乳歯歯胚・永久歯歯胚の発現遺伝子をcDNAマイクロアレイにて比較検討したところ、FGF14およびFEZF2遺伝子を見出した。この中で、FGF14におけるマウスの歯胚発生に及ぼす影響を解析したところ、歯胚発生における上皮幹細胞やエナメル芽細胞に影響を与えていることが示唆された。
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ステムセルエイジングの制御に向けたアミノ酸による間葉系幹細胞未分化性維持
研究課題/領域番号:15K15708 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 大野 充昭, 前川 賢治, 秋山 謙太郎, 大島 正充
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
我々は,骨髄由来間葉系幹細胞 (BMSCs)の未分化維持に特定のアミノ酸が関わっていると考え,スクリーニングを行い,トリプトファンがBMSCsの幹細胞性維持に関与している事を突き止めた.実際,in vitroにおいて,トリプトファン処理により,BMSCsのコロニー形成能や細胞遊走能が上昇することが明らかとなった.また,マウスにトリプトファンを腹腔内投与すると,骨髄内の間葉系幹細胞数が増加し,骨髄内の海綿骨量が増加すること,また,骨欠損部の骨再生が促進される事が明らかとなった.本結果は,骨再生の新たな治療法の開発や,幹細胞老化により生じる骨疾患の新たな治療に繋がると考える.
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研究課題/領域番号:26253088 2014年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 大島 正充, 辻 孝, 大野 充昭, 淺原 弘嗣, 秋山 謙太郎, 内部 健太
配分額:41600000円 ( 直接経費:32000000円 、 間接経費:9600000円 )
歯の喪失に対して,生理的活性を有した完全な歯を再生することに大きな期待が寄せられている.近年我々は,細胞を三次元に配置することで器官の原基を再生することが可能な器官原基法の開発に成功した.しかし,未だ歯の発生に関わる遺伝子の解明にはつながっていない.そこで,我々は,歯の発生に関わる遺伝子の探索を目的に解析を行った.その結果,いくつかの歯の発生および発生の時間軸に関わる候補遺伝子を絞り込むことに成功した.今後,これらの遺伝子の機能解析を行っていく予定である.
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次世代シークエンサーによるインプラント周囲細菌叢の網羅的解析と個別化抗菌療法開発
研究課題/領域番号:26861637 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
大野 彩, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
インプラント周囲炎は細菌感染による疾患であるが,未だ細菌構成は明らかではない.我々は,インプラント周囲炎罹患インプラント体の滲出液から,群レベル,属レベルでクラスター解析を行った.その結果,インプラント体周囲の細菌叢には個人差があること,インプラント周囲炎罹患インプラント体と歯周病罹患歯が類似した細菌叢に,健全インプラント体と健全歯が類似した細菌叢にある傾向が明らかとなった.
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研究課題/領域番号:26713053 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 若手研究(A)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:22490000円 ( 直接経費:17300000円 、 間接経費:5190000円 )
本申請研究は,創傷治癒過程における,再生の場に宿主間葉系幹細胞を集積させることによって組織を再生させる新規再生療法を開発することを目的とする.マウス大腿骨骨欠損モデルにおいて,宿主間葉系幹細胞の集積が,骨欠損作製後1日で確認され,cDNAマイクロアレイ法による網羅的解析では,幹細胞集積因子として炎症性サイトカインのひとつであるTNFaが検出された.TNFaが間葉系幹細胞の機能に与える影響を検討したところ,TNFaによって,幹細胞の増殖が抑制されるとともに,走化性が向上し,さらにはFASLの発現が促進されることによって免疫調節能が促進されていることが明らかとなった.
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間葉系幹細胞ニッチという観点から見た歯槽骨創傷治癒メカニズムの解明
研究課題/領域番号:26861639 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
創傷治癒過程において、周りの組織から遊走した幹細胞が重要な働きを担っていることが知られている。そこで我々は、抜歯窩創傷治癒部位に多くの幹細胞が集まると推測し、抜歯三日後の抜歯窩より細胞の単離し、骨髄由来間葉系幹細胞と比較検討した。その結果、抜歯窩由来細胞は、骨髄由来間葉系幹細胞と同様に骨芽細胞、脂肪細胞分化能を有している細胞群であった。また興味深いことに、抜歯窩由来細胞は歯根膜組織を再生可能な細胞群であることが、イヌ歯根膜再生モデルにおいて明らかとなった。
本結果は、歯根膜組織に抜歯窩由来間葉系幹細胞のニッチが存在する可能性が示唆している。 -
難治性神経疾患の新規治療法開発-歯髄由来幹細胞の新たな生物学的機能-
研究課題/領域番号:26670837 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
本研究は難治性神経疾患モデルとして広く使用されている実験的脳脊髄炎モデルマウスに対して、ヒト歯髄由来間葉系幹細胞(DPSCs)ならびに骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCSs)を全身投与し, その治療効果の検討ならびに神経再生メカニズム解明を目的として行った.その結果、DPSCs,BMSCsともに全身投与後下肢の麻痺症状改善が見られただけでなく,免疫学的観点から制御性T細胞の回復ならびに炎症性Th17細胞の抑制も観察されたことから、DPSCsの治療効果がBMSCsと遜色無い事が判明した.しかしながら傷害神経部位への投与幹細胞の検出には至らず、神経再生のメカニズム解明は不明のままである.
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付着歯肉に特異的に発現 する遺伝子.蛋白の同定 とその機能解析
研究課題/領域番号:25893138 2013年08月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
熊崎 明日香, 窪木 拓男, 大野 充昭, 植田 淳二
配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )
付着歯肉特異的遺伝子の同定を目的に,ラットの付着歯肉および可動粘膜から間葉細胞を採取し,機能解析を行った.その結果,可動粘膜由来間葉細胞の方が,付着歯肉由来のものと比較し,細胞接着,増殖,遊走能は有意に高かった.次に,PFA固定にて固定されたこれらの線維芽細胞上にヒト上皮細胞株を播種し,上皮細胞の角化に与える影響を検討した.その結果,付着歯肉由来間葉細胞上で培養した方が有意に上皮細胞の角化は促進された.以上の結果より,間葉細胞の接着因子が上皮の角化を制御していることが明らかとなった.現在,cDNA microarrayのデータと照らし合わせ,網羅的に解析している.
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間葉系幹細胞ニッチという観点から見た歯槽骨創傷治癒メカニズムの解明
2013年04月 - 2016年03月
若手研究B
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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BMP-2の環境選択的な骨誘導/抑制メカニズムの解明および適応症の探索
研究課題/領域番号:25463050 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, 秋山 謙太郎, 新川 重彦
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
BMP-2は骨欠損、骨関連疾患の治療薬として、広く臨床応用されている。しかし、我々は,BMP-2の骨髄腔内において骨形成を抑制するという既存の報告と相反する大変興味深い結果を得てきた。そこで、本研究では、環境選択的な骨誘導/抑制メカニズムを解明し、BMP-2を応用したより確実で予見性の高い骨造成法を開発を目的とし研究を進めた。マウス実験において、骨髄の有無がBMP-2の骨形成能と大きく関わっていることが明らかとなった。更に、大型動物モデルを用い適応症を検討した結果、直接BMP-2が骨髄に作用しない、ソケットリフト、ソケットプリザベーション等の術式に最適であることが明らかとなった。
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研究課題/領域番号:25670818 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 大野 充昭, 秋山 謙太郎, 園山 亘
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
近年, microRNA (miRNA)が細胞の性質決定に重要な役割を果たしている事が知られている.我々は,組織幹細胞未分化維持に関わるmiRNAを同定することを目的に,ヒト歯髄細胞および歯根膜細胞から高い幹細胞性を持つSide population (SP)細胞をセルソーターにて分離し, miRNA アレイおよびin silico解析を行った.その結果,幹細胞関連遺伝子の一つであるNANOG をターゲットとするmiR-720が同定された.実際,miR-720の強制発現,発現抑制実験の結果,miR-720がNANOGの発現を制御し,幹細胞性を制御していることが明らかとなった.
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ヒト歯髄幹細胞による自己免疫性脳炎の治療効果とそのメカニズムの検討
研究課題/領域番号:24890135 2012年08月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
実験的脳脊髄炎に対するヒト歯髄由来幹細胞の全身投与の治療効果をヒト骨髄由来幹細胞と比較検討した結果,脊髄炎の症状である下肢の麻痺を含む臨床症状において,いずれの幹細胞投与群でも明らかな治療効果を認める事ができた.しかしながら,免疫学的観点から評価した場合,骨髄由来幹細胞投与群において,歯髄由来幹細胞投与群よりも,免疫寛容獲得の指標となる抑制性T細胞の誘導効果が高い事が明らかとなった.
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インプラント周囲炎の生物学的病態解明と予防的診断プロトコルの開発
研究課題/領域番号:24792083 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, 大野 彩
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究の目的であるインプラント周囲炎の発症,進行に関与する生物学的マーカーの同定と臨床的リスク因子の検討を達成するために,過去の文献,診療録調査をもとに作成した臨床診査プロトコルを用い,初期インプラント周囲炎患者に対する前向き調査を開始した.研究対象者5名の診査時平均年齢は71.0±4.6歳で,口腔内の平均インプラント体埋入本数は4.8±2.4本,インプラント周囲炎と診断されたインプラント体数は1.4±0.5本であった.また,インプラント体ならびに天然歯周囲ポケットからペーパーポイントを用いて浸出液を採取した結果,本手法にて16S rRNA解析に必要な細菌DNA量を採取可能であった.
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変形性関節症の予防や治療を目指した結合組織成長因子発現制御ペプチドの探索と評価
研究課題/領域番号:24792142 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, ハラ エミリオ サトシ, 新川 重彦, 中島 隆
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
結合組織成長因子(CTGF/ CCN2)は,軟骨細胞の増殖・成熟及び基質合成を促進し,関節軟骨を修復できることが報告されている.本研究では,CCN2の発現を亢進する新規化合物を網羅的に探索し,in vitroにてその機能解析を行った.
その結果,CCN2の発現を促進する因子として同定されたハルミンは軟骨分化促進作用,抗炎症作用の双方を持ち合わせる変形性関節症の予防,治療に有用な分子である可能性が示唆された. -
歯乳頭由来幹細胞(SCAP)のニッチの解析による新たな間葉系幹細胞維持機構の解明
研究課題/領域番号:24659875 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
園山 亘, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
生体内では,多くの器官に組織幹細胞が存在し,組織の恒常性の維持や修復に関与し,これらの組織幹細胞は,それぞれの組織内でニッチと呼ばれる特有な微小環境中に存在し,その幹細胞性を維持していることがよく知られている.そこで我々は幹細胞ニッチに関わる因子として,Ccn4遺伝子に注目し,Ccn4が歯の発生や創傷治癒に関与している可能性を明らかとした.今後,Ccn4遺伝子とニッチの維持機構の関係を明らかにしていく予定である.
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変形性関節症ならびに軟骨分化における WISP-1 遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:23890122 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
大野 充昭
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
本研究は,変形性関節症の原因遺伝子のひとつと推測されているWISP-1 遺伝子に着目し,変形性関節症及び軟骨分化への関与を解明することを目的としている.今回我々は,WISP-1 遺伝子欠損マウスの膝関節において,変形性関節症様組織像を呈することを明らかにした.さらに,in vitroにおいて,WISP-1 遺伝子を過剰発現させることにより,軟骨細胞の分化が促進されることを明らかにした.今回の研究結果から,WISP-1 遺伝子が軟骨分化,形成に影響し,変形性関節症の発症に関与する可能性が示唆された.
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研究課題/領域番号:23659899 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 園山 亘, 内部 健太, 大野 充昭
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
我々は,組織幹細胞の未分化維持に関わる因子の探索を目的にスクリーニングを行い,TNF-αが未分化維持に変わっていることを明らかとしてきた.実際,ヒト由来歯髄細胞をTNF-α刺激することで,未分化幹細胞マーカーであるCD146やSSEA4 の発現レベルが上昇することを明らかとしてきた.さらに,いくつかのmicroRNAが未分化維持に関わっていることを突き詰めた.
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高脂血症治療薬;スタチンを応用した象牙質形成促進作用を持つ新規覆髄材の開発
研究課題/領域番号:22592150 2010年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡本 洋介, 窪木 拓男, 松香 芳三, 園山 亘, 大野 充昭
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
1.in vitroでのスタチンの歯髄幹綱胞における作用機序の検討
スタチンはメバロン酸経路の上流にあるHMG-CoA還元酵素を抑制しコレステロール産生の抑制することが報告されている。歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell : DPSC)でも同様の作用機序であるか検討するため,HMG-CoAの下流に位置するメバロン酸を用いた。培地にスタチン1μMとメバロン酸1mMの濃度で同時に添加し,MTS法で細胞増殖に与える影響を検討した。その結果,5日目にスタチン単独での細胞増殖抑制効果が消失していることを確認した。
またスタチンはメバロン酸経路の中間産物の抑制により,Rho経路を介し細胞周期をG1/S期で停止させることが報告されている。そこで細胞周期に与える影響を検討するため,スタチン1μM添加し3日間培養したDPSCをPIにて染色後,FACSを用い解析を行った。その結果,G0/G1期への集積像およびG2/M期ピークの減弱が観察された。以上の結果よりDPSCにおけるスタチンの作用はメバロン酸-Rho経路を介していることが示唆された。
2,イヌを用いた覆髄モデルの作製
本研究の臨床モデルは,歯髄に近接したカリエスが考えられる。そこで本研究ではビーグル犬(1歳齢)の犬歯を用い覆髄モデルを作製した。歯の遠心面がら近心に向け歯科用5倍速エンジンで窩洞の形成を行い,通常の歯科用覆髄剤を用い覆髄処置を行い,歯科用セメントを用い窩洞の充填を行った。1か月後に組織を回収し,通法に従い組織標本を作製した。その結果,安定して歯髄に近接した窩洞を形成できていることが確認された。
次に,このイヌ覆髄モデルを用い,スタチンの象牙質形成効果を検討した。つまり,スタチン2mMならびにPBSを各10μlを含むコラーゲンスポンジを覆髄剤として窩洞内に設置し,歯科用セメントにて充填した。1か月後に組織を回収し,組織標本を作製しHE染色を行なった結果,2mMのスタチンに有意な象牙質形成促進作用は認められなかった。 -
変形性関節症ならびに軟骨分化におけるWISP-1遺伝子の機能解析
2010年04月 - 2012年03月
研究活動スタート支援
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金