共同研究・競争的資金等の研究 - 大野 充昭
-
細胞バーコーディング技術を応用したin vivo高解像度細胞系譜解析システムの構築
研究課題/領域番号:24K21302 2024年06月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
大野 充昭
配分額:26000000円 ( 直接経費:20000000円 、 間接経費:6000000円 )
-
液滴トランスクリプトーミクスによる相分離を介した細胞分化制御機構の解明
研究課題/領域番号:24H00652 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 高江洲 かずみ, 滝川 正春, 青山 絵理子, 大野 充昭
配分額:48100000円 ( 直接経費:37000000円 、 間接経費:11100000円 )
-
相分離下での転写制御を解明するドロップレットーミクスの開発
研究課題/領域番号:23K17439 2023年06月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 高江洲 かずみ, 滝川 正春, 青山 絵理子, 大野 充昭
配分額:25740000円 ( 直接経費:19800000円 、 間接経費:5940000円 )
-
口腔器官の再構築から器官の発生・再生の統一原理を解明する統合生物学国際研究拠点 国際共著
2022年10月 - 2023年03月
岡山大学 国際研究拠点形成支援事業
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:5000000円 ( 直接経費:5000000円 )
-
1細胞エピゲノム解析から紐解く象牙芽細胞分化制御メカニズムと治療法への応用
研究課題/領域番号:22H03280 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
-
口腔インプラント体表面改質剤の開発
2022年04月 - 2023年03月
国立大学法人岡山大学 AMED橋渡し研究支援 シーズA
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )
-
薬剤関連顎骨壊死の予防,治療を目的とした抜歯窩周囲骨に対する中空骨小腔化抑制・治療剤の開発
2022年04月 - 2023年03月
岡山大学 AMED橋渡し研究支援 シーズA
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
-
時空間的トランスクリプトーム解析・iPS干渉法を応用した歯の再生技術の開発
研究課題/領域番号:21H04842 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志
担当区分:研究分担者
配分額:42510000円 ( 直接経費:32700000円 、 間接経費:9810000円 )
本申請研究では,「臓器としての歯の再生」を最終目的に,1細胞レベルでのRNA発現解析に加えて,時空間情報を加味した遺伝子発現解析法を駆使し,歯胚発生における1細胞レベル時空間的トランスクリプトームMapを構築し,これらのデータベースをもとに,iPS干渉法を応用し,歯原性上皮・間葉細胞の誘導方法を開発する.そして,器官原基法により,非歯原性細胞から,生理的機能を有した臓器としての歯を世界で初めて再生することを目的としている.
本年度は,歯胚発生における1細胞レベル時空間特異的トランスクリプトームMapを構築した.
具体的には,マウスE10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E18.5の歯胚および非歯原性口腔粘膜組織を摘出し,酵素処理にて約1万細胞の単一細胞を得て,Single cell RNA-Seq (scRNA-Seq)解析し,どの細胞が,どの遺伝子を,どの程度発現しているか1細胞レベルで解析を行った.また,メッシュ状に位置情報となるインデックス配列が付加されたスライドガラスに,E10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E16.5の歯胚を含むマウス頭部前頭断の凍結切片を貼り付け,HE染色を行い,組織学的情報を取得した.次に,スライド上でmRNAを単離,位置情報のインデックス配列が付加されたcDNAを合成し,ライブラリー作製後にシークエンスを行い,インデックス情報から,二次元空間での遺伝子発現情報を構築し,遺伝子発現Mapを構築した. -
空間的トランスクリプトーム解析を応用した歯胚発生キーファクターの解明
研究課題/領域番号:20K21678 2020年07月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮
担当区分:研究代表者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
歯を含む上皮間葉相互作用により発生する臓器は,特定部位の上皮組織が肥厚し,間葉組織に陥入することで生じる。そして,上皮細胞が様々なサイトカインを分泌し,間葉細胞の遺伝子発現を制御することで発生が開始する。これまで,多くの研究者は,歯胚発生の運命決定メカニズムを明らかにするため,発生過程の組織から経時的にRNAを抽出し,網羅的解析を行ってきた。しかし,発生過程において,歯胚を構成するすべての細胞が同じ挙動を示すわけではなく,細胞同士が上皮間葉相互作用を含む様々なコミュニケーションを取りながらダイナミックに変化するため,これまでの細胞集団の平均値的解析では,発生メカニズムを詳細に捉えることは困難であった。そこで,本研究では,Single Cell RNA-SeqやSlide-Seqなどの最新の科学技術を応用し,誰も成し遂げることができなかった歯胚発生の運命決定メカニズムを明らかにすることを目的に以下の計画を立てた。歯胚発生初期のマウス歯胚および非歯原性口腔粘膜組織を単離し,scRNA-Seqにて1細胞解析を行う。次に,位置情報を有したSlide-Seqにて解析し,間葉細胞と相互作用を起こしている上皮細胞群が特異的に発現している転写因子を抽出し,scRNA-Seqの結果と照らし合わせて関連因子を絞り込む。そして,オルガノイド技術を応用することで,口腔粘膜組織から歯胚発生を誘導可能な転写因子,つまり歯胚発生における運命決定転写因子を同定する.
今年度は, 発生初期の歯胚をマウスから単離し,scRNA-Seq解析およびSlide-Seq解析を行った。現在,これらの解析から歯胚発生初期に重要な役割を担っているであろう転写因子を抽出している。 -
BMP-2を応用した発生フィールドの再起動による臓器として骨髄再生
研究課題/領域番号:20KK0377 2020年 - 2023年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
大野 充昭
-
骨髄微小環境における骨形成・吸収メカニズムの分子基盤の解明と治療戦略
研究課題/領域番号:19H03842 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎, 淺田 騰, 枝松 緑
担当区分:研究代表者
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
BMP-2は,有効な骨再生療法を提供するとして大変期待されている.一方,我々は,骨髄腔内にBMP-2を投与すると逆に,骨形成が抑制され,骨髄腔が拡大するという大変興味深い知見を得た.本申請研究では,骨髄細胞のシングルセル解析にて,BMP-2投与による骨形成抑制・骨髄腔拡大に関わっている細胞を抽出し,これら候補細胞が,BMP-2投与下で骨髄ニッチや骨髄腔の維持にどの様にして関わっているのかを解析する. そして,上記の解析より,骨髄ニッチや骨髄腔の維持に関わりが深い細胞や分子を抽出し,その欠損マウスを用いてBMP-2にて骨形成が誘導可能か検証し,骨髄腔の維持に関わる細胞やその分子を同定する予定である.
令和元年度は,間葉系幹細胞が可視化されたCXCL12-GFPマウス,骨芽細胞が可視化されたCol1a1-GFPマウス,破骨細胞が可視化されたTrap-Tomatoマウスを用いて,BMP-2の骨髄内投与によりこれらの細胞がどのような挙動を取るか,詳細に検討した.また,BMP-2を骨髄内に投与による骨髄細胞分画の変化をフローサイトメーターにて詳細に検討し,single cell RNA-seq解析の条件検討を行った.
また,in vitroにてBMP-2が骨芽細胞分化に与える影響をどの骨髄細胞が抑制的に制御しているかを明らかにするため,B細胞,T細胞,ミエロイド系細胞をマグネットビーズが付与された抗体を用いて分離し,骨芽細胞分化に与える影響を検討し,どの骨髄細胞が間葉系細胞の骨形成能を抑制しているか絞り込みを行った. -
BMP−2の環境選択的骨誘導/抑制メカニズムの解明・応用に基づく骨再生療法 の開発
2016年04月 - 2019年03月
基盤研究(B)
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
-
空間的1細胞エピゲノム解析から紐解く歯胚発生メカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K22188 2024年06月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 大野 充昭, 王 紫儀
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
-
骨髄由来間葉系幹細胞を起点とした新たな口腔癌転移メカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K13130 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
河合 穂高, 中野 敬介, 大野 充昭, 長塚 仁, 高畠 清文
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
-
1細胞解析で解き明かすMSCsの免疫調節メカニズムとオートファジー
研究課題/領域番号:24K02633 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
-
業 口腔器官の再構築から器官の発生・再生の統一原理を解明する統合生物学国際研究拠点
2023年10月 - 2024年03月
国際研究拠点形成支援事業
担当区分:研究代表者
-
独創的in vitro迅速石灰化スクリーニングシステムを応用した骨形成制御因子の探索
研究課題/領域番号:23K18591 2023年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
ハラ エミリオ・サトシ, 大野 充昭
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
-
1細胞解析による基底膜の形成機序を軸とした再上皮化メカニズムの解明
研究課題/領域番号:23K09100 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
米澤 朋子, 大野 充昭, 百田 龍輔
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
-
1細胞解析を応用した抜歯窩間葉系幹細胞の同定とその臨床応用に向けた基盤研究
研究課題/領域番号:23K09275 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
國友 由理, 大野 充昭, 北川 若奈
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
-
マスティカトリマイオカインの概念確立による咀嚼筋機能の新機軸
研究課題/領域番号:23K09265 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
前川 賢治, 大野 充昭, 小正 聡, 本田 義知
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
-
MSC/2型Mφ1細胞間連携による炎症・再生連関促進の分子メカニズム解明
研究課題/領域番号:22K19627 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
-
空間情報に紐づけられた遺伝子発現解析から探る口蓋裂発生機序の解明への挑戦
研究課題/領域番号:22K19624 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
上岡 寛, 早野 暁, 大野 充昭
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
-
BMP-2誘導性骨髄から紐解く骨髄ニッチ細胞・CAR細胞の起源と発生メカニズム
研究課題/領域番号:22K19625 2022年06月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
大野 充昭, 窪木 拓男
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
-
咀嚼が唾液中BDNFならびに認知症発症に与える影響-ヒト高齢者を対象とした研究-
研究課題/領域番号:22K10101 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 山下 徹, 黒崎 陽子
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
-
高齢者の低栄養における腸内細菌叢の役割解明と新規シンバイオティクス療法の開発
研究課題/領域番号:22K10057 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
小山 絵理, 後藤 和義, 大野 彩, 窪木 拓男, 大森 江, 大野 充昭
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
-
時空間的トランスクリプトーム解析を応用した歯肉角化制御メカニズムの解明
研究課題/領域番号:22K10100 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 納所 秋二, 大野 充昭, 窪木 拓男, 大野 彩
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
-
1細胞エピゲノム解析から紐解く象牙芽細胞分化制御メカニズムと治療法への応用
研究課題/領域番号:23K24538 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 王 紫儀
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本研究では,歯科界において必須の情報でありながら未解決である象牙芽細胞マスター遺伝子の同定,さらにはダイレクトリプログラミングによる象牙芽細胞分化誘導法を確立する.具体的には,位置情報を付加した1細胞レベルでの解析に加えて,細胞分化の時間軸を加味した分化経 路推定解析を駆使し,候補転写因子群の抽出を行う.そして,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法を駆使して象牙芽細胞分化のマスター遺伝子を同定し,同定したマスター遺伝子や誘導した象牙芽細胞を利用して,象牙質再生療法の基盤技術を確立する事を目的としている.
2022年度に,生後5~7日齢のCol1a1-GFPマウスの歯胚を摘出後,酵素処理により細胞の単一化を行った.GFP陽性象牙芽細胞およびGFP陽性骨芽 細胞が含まれる CD45 (白血球),Ter119 (赤血球),CD31 (血管内皮細胞)陰性分画に存在する細胞をセルソーターにて分離し,約5000個の単一細胞を得て,シングル解析システム (10x chromium)にてscRNA-seq解析を実施した.そして,細胞のアノテーションを行い,間葉系幹細胞が象牙芽細胞へと分化する過程を,velocity解析およびtrajectory解析を駆使し,解析した.その結果,歯胚に存在するMki67陽性の細胞増殖能が高い間葉系幹細胞を同定することができた.また,この細胞が,全象牙細胞から象牙芽細胞へと分化する過程を明らかにすることができた.
今後,本結果から抽出された遺伝子に対し,機能解析を行う予定である. -
体細胞分化の鍵となる遺伝子探索のための新方法論:インバース・ジェネティクスの開拓
研究課題/領域番号:21K19603 2021年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 高江洲 かずみ, 青山 絵理子, 滝川 正春, 大野 充昭
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
初年度である本年度は、本研究で提唱する「インバース・ジェネティクス方法論」を、軟骨細胞を用いて検証することを第一の目的と定め研究を進めた。当初の予定ではマウス肋軟骨細胞を用いる予定であったが、長鎖非コードRNA (lncRNA) 遺伝子の数がはるかに多いこと、およびフィーダー細胞としてマウス由来SNL細胞を使うことを考慮しヒト軟骨細胞を用いた検討から開始することとした。理論上は可能だが軟骨細胞からiPS細胞を作成できたという報告はまだない。したがってまず山中4因子 (OSKM) を強制発現するレンチウイルスベクターを作成し、ヒト軟骨細胞に導入、リプログラミングが起こるかどうかをコロニー形成を指標に検討した。その結果OSKM導入発現2週間後には多数のコロニーの形成が見られ、軟骨細胞もiPS細胞化しうることが確認された。この結果を受けて、iPS干渉法によって仮説の妥当性とSOX9遺伝子の軟骨細胞分化の機能確認に進んだ。すなわち軟骨細胞にOSKMに加えてSOX9を発現させることでリプログラミングが阻止されるかを検証した。その結果SOX9発現によって形成されるコロニーは減少したがゼロにはならなかった。これはSOX9が単独で軟骨細胞分化を決定しているのではないためと考えている。そして次にシングルセル解析に進むにあたっては、解析前にフィーダー細胞を除去する必要がある。そのため以上の研究に並行して、蛍光色素mCherryを発現するSNL細胞を新たに樹立し、フローサイトメトリーで除去するシステムを整えてきた。ここまでは順調であったが、この実験システムではリプログラミング効率が十分ではなく、シングルセル解析で有意な結果を得るために必要なOSKM導入細胞数の確保が難しいことが分かってきた。そこで最近開発された一体型山中因子発現ウイルスベクターを試したところ、予備実験で飛躍的に高い導入効率が得られた。来年度はこのシステムを用いて研究を先に進める予定である。
-
Mφオートファジー異常から見た歯周病やインプラント周囲炎の新規治療戦略
研究課題/領域番号:21H03131 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
本研究は,歯周病やインプラント周囲炎における病態形成メカニズムを,歯槽骨破壊局所に集積するMφの活性化に注目し,オートファジー異常の観点から解明するとともに,炎症性サイトカインの産生経路を特定し,免疫トレランス獲得につながる新たな検査技術や 新規組織再生療 法開発につなげることを目的としている. 本年度の研究実績の概要を以下に示す.
1)実験的マウス周囲炎モデルにおけるマクロファージの分布
週齢の異なるマウス(C57BL/6, 5週齢および50週齢)の下顎第一臼歯に5-0絹糸を結紮した結果,5週齢と比較して50週齢で明らかな歯槽骨破壊が観察された.また,蛍光免疫染色によるマクロファージの分布を確認したところ,50週齢で炎症巣周囲に多くのマクロファージが分布していた.特に,炎症性マクロファージであるCD80陽性M1の分布が観察され,抗炎症性であるCD206陽性M2の分布は5週齢と比べて少ないことがわかった.また,組織の免疫トレランス維持に重要な役割を果たすと考えられている間葉系幹細胞の分布を検討したところ,50週齢ではPDGFra陽性間葉系幹細胞の分布は少ないことがわかった.
2)週齢の違いによる間葉系幹細胞とマクロファージの相互作用
5週齢,50週齢それぞれから単離・培養したマクロファージと間葉系幹細胞をカルチャーインサートを用いて共培養したところ,5週齢間葉系幹細胞はM1からM2へのマクロファージの極性変化を強く誘導したのに対して,50週齢間葉系幹細胞ではあまり誘導されないことがわかった. -
変形性関節症におけるエピジェネティクスを介したWISP1遺伝子発現制御機構の解明
研究課題/領域番号:21K10019 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 あずさ, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
世界でも群を抜いた高齢化率を示している我が国において,医療費や介護給付費による財源圧迫を回避すべく健康寿命の延伸は喫緊の課題であり,国民が要支援となる最大の原因である変形性関節症 (OA) の発症原因や予防法の解明は,臨床的・医療経済学的に大変意義深い.これまでに変形性関節症の原因遺伝子のひとつとされているWISP1遺伝子に着目し,WISP1遺伝子の発現抑制下では変形性関節症の進行が抑制されることを証明してきたが,本研究では,変形性関節症の予防法の確立を視野に入れ,変形性関節症を発症した関節軟骨でWISP1遺伝子がどのように発現制御されているのか解明することを目的としている.
ヒト間葉系幹細胞 (hBMSCs) の軟骨分化過程ではDNAメチル基転移酵素 (DNMT3A) が高発現しており,DNMT3Aを強制発現させたhBMSCsでは軟骨分化が促進されることがわかっているが,軟骨細胞分化に伴い発現することが確認されているWISP1遺伝子が,軟骨細胞分化過程においてどのようにDNAメチル化修飾の影響を受けるのかを検討した.DNAメチル化阻害薬である5-aza-2-deoxycytidine (5-aza) で24時間処理したhBMSCsをマイクロマス培養法にて21日間培養し,軟骨細胞分化過程におけるWISP1遺伝子の発現パターンを定量性RT-PCR法にて評価したところ,コントロール群と比較して5-aza処理群ではWISP1遺伝子の発現は低下しており,脱メチル化によりWISP1遺伝子の発現が低下することが確認された. -
コンタクトオステオジェネシスの概念に基づく口腔インプラント体表面改質剤の開発
2021年04月 - 2022年03月
橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA)
大野充昭,大野彩,窪木拓男,大橋俊孝
担当区分:研究代表者
-
Stem cell agingの観点からの運動器老化メカニズムの解明
2021年04月 - 2022年03月
公益財団法人 中冨健康科学振興財団 研究助成
大野充昭
担当区分:研究代表者
-
薬剤関連顎骨壊死の予防,治療を目的とした抜歯窩周囲骨に対する中空骨小腔化抑制・治療剤の開発
2021年04月 - 2022年03月
橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA) 2021年4月 - 2022年3月
窪木拓男,大野充昭,大野彩
担当区分:研究分担者
-
iPS干渉法を利用した間葉系幹細胞の幹細胞性制御機構の解明
研究課題/領域番号:20K21679 2020年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 渡辺 亮, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
担当区分:研究分担者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
近年,加齢変化が引き起こす疾患群に共通するホストの本質的変化として,ステムセルエイジングが注目されている。我々は加齢に伴い間葉系幹細胞(MSCs)の免疫調節能が著明に低下すること,また,骨芽細胞分化能の低下と脂肪細胞分化傾向への転換により,脂肪髄を呈することも明らかにしてきた。その結果,傷害組織で休眠から覚める,もしくは新たに動員されるMSCsの機能が低下し,局所の組織修復能や免疫調節能が低下,加齢性疾患の罹患感受性が上昇すると考えられる。したがって,骨髄MSCsの老化を防ぎ,幹細胞性が高いフラクションをいかに保つかが,これらの加齢性疾患におけるホストの病因の理解,さらには予防と治療に寄与するものと考えられる。そこで本研究は,骨髄MSCsの幹細胞性維持機構を解明することを目的に以下の計画を立てた。1)MSCs幹細胞性維持に関わる因子の探索:ヒト骨髄MSCsとヒト成人皮膚線維芽細胞 (hADFs)から,RNAを抽出し,RNA-Seqにて網羅的に比較検討を行い,転写因子に焦点を絞り,データベースを構築し,関連遺伝子を抽出する。2) 1)にて抽出した関連遺伝子から,iPS干渉法を駆使し,骨髄MSCsの幹細胞性維持に関わるマスター遺伝子の同定を試みる。また,このマスター遺伝子を利用して,hADFsからMSCsを作成する技術を確立する。今年度は,MSCs幹細胞性維持に関わる因子の探索を目的に,ヒト骨髄MSCsとhADFsから,RNAを抽出し,RNA-Seqにて網羅的に比較検討を行い,転写因子に焦点を絞り,データベースを構築し,関連遺伝子を抽出した。そして,抽出した転写因子の強制発現ベクターを作製し,iPS干渉法にて,さらなる絞り込みに成功した。
-
細胞膜ナノフラグメントを核とした初期骨髄形成過程の理解とその再現および制御
研究課題/領域番号:20H04534 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
ハラ エミリオ・サトシ, 松本 卓也, 大野 充昭, 長岡 紀幸, 岡田 正弘, 藤枝 俊宣
担当区分:研究分担者
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
骨髄形成のメカニズムを解明することは、in vitroにて生体を模倣した骨髄組織を構築することが可能となり、骨-造血疾患のドラッグスクリーニングや再生治療の技術開発への新たな展開に繋がることが期待されるが、未だ達成されていない。我々はこれまでに、「細胞膜ナノフラグメント」が海綿骨形成に重要な役割を果たすことを発表した。また、海綿骨形成後に、間葉系幹細胞などの細胞が海綿骨の表面に定着し、骨髄を形成することが明らかとなった。つまり、「細胞膜ナノフラグメント」は海綿骨・骨髄初期形成に関与していることが示唆された。さらに、培養細胞から細胞膜ナノフラグメントを単離する手法を確立し、この細胞膜ナノフラグメントを用いることで、in vitroにて海綿骨形成を迅速に誘導することに成功した。
本研究では、海綿骨-骨髄形成過程について、生物学・材料科学的に解析する。また、リバースエンジニアリング的に骨髄初期形成過程をin vitroで模倣・構築し、その制御を試みる。そして、骨髄初期の構造と機能を精密に再現することで、細胞膜ナノフラグメントを基盤とした骨髄の初期形成メカニズムを再検討し、より深い理解を目指す。
本年度は以下の実験を実施した。
1)新生児マウス大腿骨骨端部における海綿骨の初期形成時期(生後6日目)から骨髄初期形成時期(生後12日目)の組織変化を組織学的・材料学的に解析した。また、骨髄初期の三次元的情報を得る為、新生児マウス大腿骨骨端部の骨髄初期形成時期を集束イオンビーム・走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)を用いの三次元観察を行うための準備を行った。
2)骨髄初期形成に関与する細胞集団の遺伝子発現パターンを次世代シーケンサーを用いて解析を行った。これらの解析により、海綿骨の形態変化、ならびに海綿骨に定着し、骨髄を形成する細胞集団の遺伝子発現パターンなどの特徴を明らかにすることが期待できる。 -
基底膜構成分子の誘導制御による低侵襲角化歯肉獲得療法の確立
研究課題/領域番号:19H03841 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前川 賢治, 窪木 拓男, 冨田 秀太, ハラ エミリオ・サトシ, 大橋 俊孝, 大野 充昭
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
基底膜直下に存在する角化歯肉由来間葉細胞と非角化歯肉由来間葉細胞の遺伝子発現の相違を明らかにすることで,上皮細胞の角化に関わっている間葉細胞からのシグナル分子を抽出することが可能であると考える。そこで,令和元年度は,レーザーマイクロダイセクション法とRNA-Seq を組み合わせた候補因子の抽出を目的に,以下の実験を実施してきた。
間葉組織は,筋肉や脂肪など様々な組織を含むことから,マクロレベルで口蓋粘膜から間葉組織を採取すると,様々な組織を含んでしまう。基底膜直下の間葉組織の遺伝子発現解析を正確にするには,特異的に組織を採取することが可能なレーザーマイクロダイセクション法を用いる必要がある。そこで,マウスの口蓋粘膜(角化粘膜)と頬粘膜(非角化粘膜)の凍結組織切片を作製し,サンプルの厚み,固定方法,染色方法,レーザーの強度の調整等,様々な条件検討を行い,本組織において最適な条件を見出した。そして,これらのサンプルからRNAを抽出し,RNA-seqが可能な質の高いRNAが回収できていることを,TapStation (アジレント)にて確認した。
また、in vitroにおいて,角化粘膜の間葉組織に高発現している遺伝子をRNA-seq解析から抽出後,さらなる候補因子の絞り込みをin vitroにて行う予定である。そこで,令和元年度は,ヒト口腔扁平上皮癌由来の口腔粘膜上皮細胞であるTR146と,ヒト口腔粘膜細胞由来線維芽細胞を用いた三次元共培養実験モデルを構築すべく,コラーゲンゲルの種類,濃度や細胞の濃度などの条件検討を行い,正常な口腔粘膜組織に類似したin vitro モデル構築に適正な条件の絞り込みを終えた。 -
CCNsの細胞内新機能~細胞外新情報伝達系の解明と共通分子基盤の確立及びその応用
研究課題/領域番号:19H03817 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
滝川 正春, 青山 絵理子, 星島 光博, 久保田 聡, 西田 崇, 江口 傑徳, 大野 充昭, 鈴木 守
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
サブテーマ1: CCNタンパク質の意外な新機能について。1-1)CCN2結合因子として分泌小胞の細胞内輸送に関与するタンパク質Rab14をyeast two-hybrid法で同定し、両者がCCN2のIGFBPドメインを介して結合することを解明した。また、Cos7細胞に両タンパク質を強制発現して、両者が細胞内で共局在することを確認した。さらに、軟骨細胞においてRab14あるいはCCN2の発現を阻害すると小胞体ストレスマーカーの発現が上昇すること、Rab14とCCN2の相互作用が軟骨細胞のアグリカン分泌に重要であることも解明した。即ち、分泌タンパク質CCN2が細胞内で機能するという意外な事実を見いだした。1-2)CCN2 が神経栄養因子様の活性を持っていることを新たに見いだした。また、脂肪細胞分化を抑制すること、骨細胞から産生され骨のリモデリングに重要な役割を果たすことなどCCN2の新機能を見いだした。
サブテーマ2: CCNタンパク質の細胞外小胞を介した情報ネットワークの形成について。好転移性がん細胞LuM1が産生する細胞外ベジクル (EV)が低転移性大腸がん細胞Colon26のEVよりMMP3とCCN2を多量に含有すること、このEVが血流を介して、皮下に移植したColon26癌の増殖を強く増強することを見いだした。また、 同オンコゾーム由来のMMP3が標的細胞中でCCN2を誘導することを見いだした。
サブテーマ3: 構造ー機能解析とその展開について。ヒトCCN2全長タンパク質の立体構造を決めるため、ヒトCCN2組換えタンパク質を用いて、BINDS(創薬等先端技術支援基盤プラットホーム) の支援のもと、約800条件で結晶化を試みたが結晶は確認できず、また、FGF2との複合体の結晶化も進めるべく、同複合体の分離を試みたが、沈殿が生じてしまった。現在、これらの条件検討を継続中である。 -
生後の骨・軟骨発達におけるアグリカン新機能を新規Acan変異マウスにより解明する
研究課題/領域番号:19K09649 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大橋 俊孝, 大野 充昭, 西田 圭一郎
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
生後発達および生体恒常性維持におけるAcanの役割を明らかにするため,Acanfl/flマウスを作製し,タモキシフェン(TAM)誘導性時期特異的Acan全身ノックアウトマウスを樹立した.アグリカンの欠損がECMネットワークの乱れがECMの硬さとTGFβスーパーファミリーの発現に影響し軟骨細胞の増殖分化に影響するという仮説を立て,これを同モデルで検証することを行っている.これまでの主な成果として,透過電子顕微鏡観察から上記ノックアウトマウス脛骨成長板の軟骨細胞の形態異常・カラム配列の乱れ・肥大軟骨層のアポトーシス亢進を認め,アグリカンが生後の骨成長に重要であることを明らかにした.成長板の軟骨細胞が増殖すべきところ、周囲のアグリカンが欠損することにより、異常な細胞接着を生じ,細胞分裂からの細胞形態の平坦化と層状化を阻害していると仮説を立て、そのメカニズムを検討中である.原子間力顕微鏡によるECMの硬さの解析を共同研究者Aszodi博士と引き続き共同研究中で在る.研究成果の一部は日本軟骨代謝学会等で発表あるいは発表予定である.
-
咀嚼が認知機能に与える影響の検討および認知症早期診断バイオマーカーの網羅的探索
研究課題/領域番号:19K10205 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 山下 徹, 黒崎 陽子
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究の目的は,①ヒト高齢者において,試験的咀嚼運動刺激が,唾液や血液中BDNF濃度に及ぼす影響を検討すること,②ある要介護高齢者集団において,唾液や血液中のBDNF濃度が咀嚼能力ならびに認知機能と関連しているかを検討すること,③BDNFに加えて認知症発症の早期バイオマーカーを唾液中から網羅的に探索することである.
本年はまず,昨年より作成を開始していた目的①に関する倫理委員会の書類を完成させ,本学の倫理委員会に申請をした.本研究は,ヒトへの侵襲は少ないものの,介入研究であるために倫理的な配慮が担保された研究計画が求められた.そこで目的①の検討の予備的実験を含めた研究計画に修正をすることで倫理委員会の承認を得た(臨2102-001).具体的な計画は以下である.まず,Ⅰ:トライアルとして2名の成人健常者を対象に,無刺激ガム(唾液検査で用いる無味、無香料のガム)を用いた試験的咀嚼運動刺激を行わせ,唾液と血液中BDNF濃度に影響を与えうる無刺激ガムを用いた試験的咀嚼運動時間や唾液と血液採取のタイミングを検討する.つぎに,Ⅱ:6名の成人健常者を対象に,Ⅰで決定した咀嚼時間や唾液と血液採取のタイミングを適用した無刺激ガムを用いた試験的咀嚼刺激を介入,ガムを舌の上に置く非咀嚼試験をコントロールとしたクロスオーバー試験を行い,ガム咀嚼により唾液と血液中BDNF濃度がどのように推移するかを検討する. -
薬剤関連顎骨壊死の骨髄微小環境と大腸菌由来BMP-2の応用
研究課題/領域番号:19K10246 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
昨年度は,我々が開発を進めている,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体がMRONJの発症を予防できるか検討し,部分的であるが,抜歯窩の骨再生を促進すること,抜歯窩内に再生される骨の壊死を抑制することを明らかにした。今年度は,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体がMRONJの治療に有効か検討した。具体的には,8-12週齢雌マウスに,3週間,週2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行い,MRONJモデルマウスの作製を行った。薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行った。14日後に組織切片を作製し,観察した結果,抜歯窩は全く治癒されていないことが確認された。そこで次に,抜歯14日目の抜歯窩を掻爬し,そこにrhBMP-2とbeta-TCPの複合体を移植した。4週後に回収し組織学的に評価した結果,非投与群の抜歯窩において骨性治癒はほとんど確認できなかった。一方,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体を移植した群において,抜歯窩は完全に骨により治癒していることが確認された。以上の結果より,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体は,MRONJにより生じた顎骨壊死の治療に有効である可能性が示された。現在,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体の効果を詳しく検討しており,今後その作用機序を明らかにする予定である。
-
ステムセルエイジングの制御に向けた間葉系幹細胞未分化性維持機構の解明
研究課題/領域番号:18K19646 2018年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 大野 充昭, 宝田 剛志, 渡辺 亮, 大野 彩, 秋山 謙太郎, 升井 伸治
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
老化による間葉系幹細胞 (MSCs)の能力低下が,加齢変化に伴う様々な疾患の発症に関与していることから,如何にMSCsの老化を防ぐかが重要な課題である.そこで本申請研究では,骨髄由来MSCs (BMSCs)の幹細胞性維持に必須な転写因子を同定することを目的とする.若齢マウスおよび老齢マウス由来MSCsの比較,ヒトBMSCsとヒト皮膚線維芽細胞の比較より,若齢マウス由来BMSCとヒトBMSCsに高発現している転写因子を抽出した.さらに,iPS干渉法を応用し,BMSCに重要な転写因子の抽出を行った.現在,BMSCsにおけるこれらの転写因子の機能を解析中である.
-
iPS干渉法を応用した歯胚発生メカニズムの理解と歯の再生技術への応用
研究課題/領域番号:18H02991 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本申請研究は,歯科医学において未達成の重要な研究課題である「エナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子」を同定し,それを利用して生理機能を有した臓器としての歯の再生法を開発することを目的としている。具体的には,1器官原基法を応用した発生学的アプローチ,2レーザーマイクロダイセクションを応用した組織学的アプローチ,3既知の重要な転写因子を利用した絞り込み等の技術を総動員してエナメル芽細胞・象牙芽細胞分化時におけるマスター遺伝子の絞り込みを行い,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法(iPS干渉法)やゲノム編集技術を駆使してエナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定する。
これまでに,発生過程の歯胚から定期的に組織を回収し,RNA-Seq解析データ,ヒト歯乳頭由来間葉系幹細胞 (以下, hSCAP),ヒト骨髄由来間葉系幹細胞,ヒト成人皮膚由来線維芽細胞 (以下, hADF)のRNA-Seq解析データを照らし合わせ,幹細胞の象牙芽細胞への分化や象牙芽細胞自身の分化に関わっている可能性がある転写因子を抽出した。そして,hSCAPに山中4因子と上記で抽出された転写因子を一つずつ入れ,どの転写因子が山中4因子の導入によるiPS細胞への誘導を阻害するのか検討した。その結果,13転写因子がiPS細胞への誘導を阻害することが明らかとなった。本年度は,これらの転写因子をhADRに遺伝子導入し,hADFがhSCAPにdirect reprogramingされていないか様々な方法で検討した。その結果,hADFがhSCAPに特徴的な細胞へと誘導されていることが明らかとなった。今後,どの転写因子がhSCAPへのdirect reprogramingに必須な転写因子かを明らかにする予定である。 -
変形性関節症の発症予防を目指したWISP遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:18K09682 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 あずさ, 窪木 拓男, 大野 充昭, ハラ エミリオ・サトシ, 吉岡 裕也
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では,国民が要支援となる最大の原因となっている変形性関節症 (OA) の原因遺伝子のひとつであると考えられているWISP1に着目し,OAの発症メカニズムを解明することで治療法ならびに予防法を確立することを目的としているが,昨年度までに3種類のOAモデルマウス,すなわち ①加齢モデル,②機械的負荷モデル,③炎症誘発モデルの作製に成功し,更にはWISP1遺伝子欠損マウスを用いて作製したOAモデルマウスでは,野生型と比較してOAの進行度が低下していること,その背景にWISP1遺伝子の欠損下では軟骨基質分解酵素のmRNA発現量が低下していることを報告した.
今年度は,このWISP1遺伝子の有無による軟骨基質分解酵素のmRNA発現量の違いが,実際に軟骨組織の破壊に関係しているかどうかを確認する目的で,野生型とWISP1遺伝子欠損マウスを用いて炎症誘発OAモデルマウスを作製し,6週間後に回収した膝関節で作製した組織切片にて,タンパク質分解酵素で切断されたAggrecanの局在を確認することができるネオエピトープ抗体を用いた免疫組織化学を行った.その結果,WISP1遺伝子欠損マウスの膝関節軟骨組織では野生型と比較して発色が低下しており,WISP1遺伝子欠損マウスの膝関節軟骨組織ではAggrecanのタンパク質分解性が低下していることが確認された.
以上より,WISP1は軟骨基質分解酵素の分泌を促進することでOAを悪化させている可能性について,遺伝子レベルのみならずタンパク質レベルにおいても確認された. -
光操作技術による生体内間葉系幹細胞の集積に関する分子理解と歯槽骨関連疾患への応用
研究課題/領域番号:17H04399 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宝田 剛志, 窪木 拓男, 大野 充昭, 佐藤 守俊, 戸村 道夫, 戸口田 淳也, 渡辺 亮
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
抜歯窩創傷治癒過程に必須な間葉系幹細胞に関する従来の研究は、培養条件下での解析や、外来性移植MSCの効果の検証が主である。しかしこの現状では、生体内MSCの「内在性」の組織修復システムを理解することは難しい。申請者らは、青光照射でDNA組み換え反応をコントロールできる光活性型Cre(Photoactivatable(PA)-Cre)に着目し、このPA-Cre技術と、テトラサイクリン誘導発現系システム(TetON/OFF)のActb locusへのノックイン技術を組み合わせることで、R1年度は、in vivoでのlight/Dox-dependentなDNA組み換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)の開発に成功した。R2年度は、同マウスと交配するための、各種tTAマウス(ROSA-tTA:全身性にtTAを発現するマウス、Foxp3-tTAマウス:制御性T細胞にてtTAを発現するマウス、LepR-tTAマウス:LepR陽性間葉系間質細胞にてtTAを発現するマウス)の開発を目指した。これらのマウスは、それぞれのtargeting vectorを作成し、CRISPR/Cas9の系でノックインさせることで樹立することを目指した。産仔のGenotypingの結果、正しくノックインされたマウスを選別することに成功した。現在は、それぞれのtTAマウスとTRE-PA-Creマウスを交配することで、「細胞種特異的」「時間・空間(光照射時/部位)特異的」な精度を持つ生体内遺伝子操作技術の立証と、空間部位特異的な細胞機能の理解を目指している。
-
BMP-2含有人工骨膜の難治性骨疾患・骨癒合不全治療への応用
研究課題/領域番号:17K11750 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大野 彩, 大野 充昭, 窪木 拓男, 三野 卓哉, 宝田 剛志, 笈田 育尚
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では,BMP-2含有PLGAメンブレン(BMP-2含有人工骨膜)の臨床応用に向け,イヌインプラント周囲炎骨欠損モデルでの有用性を検討した.イヌインプラント周囲炎モデルのインプラント周囲骨欠損部に自家骨を移植したが,十分な骨再生は認められなかった.次に,本モデルの骨欠損部に,BMP-2含有β-TCPを移植し,その周囲をBMP-2含有人工骨膜にて被覆した.対照群にはBMP-2含有β-TCPのみを移植した.その結果,BMP-2含有人工骨膜被覆群では,対照群と比較し骨再生が促された.以上の結果より,BMP-2含有人工骨膜は,インプラント周囲炎などの難治症例において有用である可能性が示唆された.
-
間葉系幹細胞の機能低下から見た歯周病やインプラント周囲炎発症の新規理解と対策
研究課題/領域番号:17H04392 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大島 正充, 大野 充昭
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
本研究は,骨髄由来間葉系幹細胞(MSCs)の機能が,宿主の加齢変化によってどのように影響を受けるのかを解明するとともに,MSCsの機能低下が,歯周病やインプラント周囲炎などの歯周組織における感染性・炎症性疾患の発症や病状の進行にどのように関与するのかを解明することを目的としている.その結果,週齢の異なるマウスに実験的歯周病を誘導すると,週齢が上がるに連れて,歯周病による骨吸収が進行した.そこで,5週,50週齢マウス由来MSCsの機能を分析したところ,50週齢では細胞増殖,骨芽細胞分化能力が明らかに低下する一方で,脂肪細胞への分化能力が亢進するとともに,免疫調節能の低下が認められた.
-
生理的歯の再生に向けた象牙芽細胞マスター遺伝子の探索
2017年04月 - 2018年03月
公益財団法人岡山医学振興会第17回公募助成金
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
-
必須アミノ酸トリプトファンによる幹細胞老化制御機構の解明・骨質改善治療への応用
研究課題/領域番号:17K11751 2017年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 大野 彩, 宝田 剛志, 大野 充昭
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
口腔インプラント治療は,人工歯根が歯槽骨や顎骨と結合することにより強固な骨支持を得るため,骨量と骨質が重要な因子となる.しかし,日本人は欧米人と比べ歯槽骨が解剖学的に菲薄で,インプラント体埋入のために骨造成が必要な場合も少なくない.また,高齢化の進む日本で増加傾向にある骨粗鬆症患者へ口腔インプラント治療がなされる場合も多く,多くの研究者が骨造成や骨質改善に関する研究を進めてきた.
我々は,これまでの研究から骨髄由来間葉系幹細胞の幹細胞性維持という観点からスクリーニングし,同定したトリプトファンが,骨質改善や骨の創傷治癒を促進することが明らかにした.この結果は,トリプトファンの投与が口腔インプラントの骨結合促進においても有用である可能性を強く示唆するものである.しかし,口腔インプラントの埋入に伴うトリプトファンの投与が,①骨のリモデリングを担う骨芽細胞,破骨細胞や間葉系幹細胞にどのような影響を与えるのか,また,②インプラント体の初期固定や長期予後に有意に働くのか,また,トリプトファンによる幹細胞の活性化が骨粗鬆症をはじめとする老化疾患に対して有効なのか,未だその詳細は明らかでない.
そこで,本研究ではトリプトファンの骨代謝関連細胞に与える効果の検討を行うこととした.トリプトファンと間葉系幹細胞の骨芽細胞分化との関係性は明らかにしてきたが,破骨細胞との関係性は未だ不明である.はじめに,トリプトファンが破骨細胞分化に与える影響を検討した.すなわちトリプトファンを投与したマウスの大腿骨を経時的 (0, 3, 7, 14日)にサンプリングし,組織学的,分子生物学的に検討する計画をした.しかし本研究では研究期間が短く解析,評価するまでには至らなかった.
<BR>
<BR>
. -
研究課題/領域番号:16H06991 2016年08月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
古味 佳子, 窪木 拓男, 秋山 謙太郎, 大野 充昭, 丸濱 功太郎, 吉岡 裕也, 國友 雅義
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
本研究は,間葉系幹細胞の損傷組織への誘導集積させることで組織再生を促進する因子として注目されているHMGB1が骨髄由来間葉系幹細胞に与える影響を明らかとし,より効率的な組織再生療法を開発することが目的である.マウス大腿骨骨欠損モデルにおいて宿主間葉系幹細胞は骨欠損作製後1日に骨欠損部に集積し,幹細胞集積部位周囲にHMGB1の発現も確認された.in vitroにおけるHMGB1の間葉系幹細胞の機能に与える影響については,幹細胞性, 増殖ならびに走化性について明らかな影響は認められなかった.HMGB1の存在下で影響の起こりうる幹細胞の多分化能や免疫調節能についても今後のさらなる検討が必要である.
-
研究課題/領域番号:16H06989 2016年08月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
小山 絵理, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:2860000円 ( 直接経費:2200000円 、 間接経費:660000円 )
本邦の慢性腎臓病 (CKD)患者は年々増加しており,CKD患者の生命予後や合併症発症と口腔健康が関連することが報告され,口腔-腎連関が注目されている.
そこで本申請研究では,シャント感染部の細菌叢を明らかにし,口腔内細菌叢との関係を明らかにすることとした.次世代シークエンサーを用いた16SrRNA解析の結果,口腔内細菌叢に黄色ブドウ球菌が多くを占める患者が数人存在した.また,これらの患者の口腔内細菌叢と感染シャントの細菌叢が類似しており,口腔内に特異的に存在する菌がシャント感染部から検出された. -
歯髄細胞の幹細胞化を応用した新規治療法の開発
研究課題/領域番号:16K11600 2016年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
宮城 麻友, 井上 美穂, 松香 芳三, 大野 充昭
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
今年度は育児休業により研究中断中であるが、計画遅延のため、研究分担者に歯髄細胞に作用させるシグナル経路制御因子の検討および覆髄モデル作成の条件確認を依頼した。
-
大腸菌発現系由来rhBMP-2含有β-TCP製人工骨を用いた再生療法の開発
研究課題/領域番号:16K11624 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 大野 充昭, 窪木 拓男, 大野 彩, 笈田 育尚
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
BMP-2を用いた骨再生療法は,自家骨移植に代わる最も有望な治療法として欧米を中心に実施されているが,未だ日本で承認されたBMP-2製剤は存在しない.我々は,大腸菌発現系を用いて生理活性を有したBMP-2タンパク質を作製することに成功した.そして,本申請研究では,イヌソケットプリザベーションモデルにおいて我々の開発品であるBMP-2/β-TCPが強力に骨形成を誘導することを明らかにした.
-
BMP-2の環境選択的骨誘導/抑制メカニズムの解明・応用に基づく骨再生療法の開発
研究課題/領域番号:16H05524 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 大島 正充, 大野 彩, 大橋 俊孝, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
BMP-2は骨形成を強力に誘導する成長因子として知られている.しかし,我々は,本研究において,骨形成を含むBMP-2の効果は骨髄内において著しく抑制され,本抑制効果は,骨髄細胞が直接骨芽細胞に作用することで生じていることを明らかにした.本研究成果は,BMP-2の臨床応用において,BMP-2の副作用その作用機序の一部を明らかにした大変重要な知見である.
-
16SrRNA解析を応用した高齢者の低栄養起因口腔・腸内細菌叢の網羅的探索
研究課題/領域番号:16K11590 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
水口 真実, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
要介護高齢者の腸内細菌叢ならびに代謝産物を網羅的に解析した結果,門レベルでは過体重者において細菌叢Xの比率,低体重者において細菌叢Yの比率が有意に増加していた.属レベルでは,BMIと正の相関にある細菌として細菌叢Z,負の相関にある細菌として細菌叢Aが抽出された.また一部の低体重者のサンプルが同じクラスターに分布していることが明らかとなった.
-
研究課題/領域番号:16K15802 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
象牙芽細胞分化の制御メカニズムのみならず,象牙芽細胞の分化に関わるマスター遺伝子は未だ不明である.そこで,我々は,象牙芽細胞分化に関わるマスター遺伝子の探索を目的に,組織学的・発生学的観点から網羅的解析を行った.その結果,いくつかの象牙芽細胞分化に関わる候補遺伝子を絞り込むことができた.今後,これらの遺伝子の機能解析を行っていく予定である.
-
研究課題/領域番号:16K15801 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
前川 賢治, 大野 充昭, 水口 一, 窪木 拓男
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
抗高脂血症剤服用によるミトコンドリアの機能障害が筋痛発症に関与している可能性が多数報告され,服用者の中でも,血中のビタミンDが欠乏した個体で筋痛の発症が有意に高いことが知られることから,ビタミンD機能と筋痛の関係の解明を試みた。
その結果,マウスを対象とした筋組織内でのビタミンD受容体の遺伝子発現量は,筋痛を発症しやすい僧帽筋や咬筋において四肢筋よりも有意に高く,ビタミンD機能が筋痛と関連している可能性が示された。また,ラットの咬筋に侵害刺激を付加した際の中枢神経系の疼痛感受性マーカー(c-fos)の発現陽性細胞数は,ビタミンD欠乏状態で増加傾向にあり,疼痛感受性が亢進する可能性が考えられた。 -
研究課題/領域番号:15H05026 2015年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前川 賢治, 大野 充昭, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大島 正充
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
角化歯肉は歯やインプラントの長期予後を確保するために重要だが,その再生治療は確立されておらず,自己組織移植による治療に依存している。実際,角化歯肉がどのようなメカニズムで形成されているか分かっていない。本研究で上皮の発生や恒常性維持に重要な基底膜に着目した解析を行った結果,角化歯肉の基底膜には,非角化歯肉と比べて,特定の成分が高発現していることが明らかとなった。さらにin vitroにおいて,同定した成分の機能解析を行った結果,口腔粘膜上皮細胞の角化を亢進する作用を認め,口腔粘膜上皮の角化を制御するメカニズムの一端を突き止めた。
-
CCNファミリータンパク質の臨床応用に向けた分子基盤の確立と橋渡し研究
研究課題/領域番号:15H05014 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
滝川 正春, 青山 絵理子, 久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 志茂 剛, 大野 充昭, 星島 光博, 長岡 紀幸, 古松 毅之
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
CCNタンパク質の機能特異的受容体の同定として、 CCN2の増殖特異的受容体を同定した。4つのCCN2個別モジュールのうち、血管新生活性は、IGFBPおよびTSP1モジュールが強かった。また、IGFBP-TSP1モジュール結合体は特に強い血管新生活性を示した。なお、線維化促進活性はTSP1モジュールが強い活性を示した。超低出力パルス超音波は軟骨細胞のCCN2誘導を介して軟骨基質の産生を促進した。また、その作用はCaイオンチャネルTRPV4を介していた。その他、CCN3が実験的OAモデルでOAの予防・治療に効果があること、CCN4が骨髄間葉系細胞の軟骨細胞への分化を促進することを明らかにした。
-
研究課題/領域番号:15K20439 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大野 彩
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
インプラント周囲炎は細菌感染による疾患であるが,未だ細菌構成は明らかではな
い.我々は,6名のインプラント周囲炎罹患インプラント体の滲出液から,属レベルでクラスター解析を行った.その結果,複数のインプラント周囲炎部に認めたものの,歯周病罹患歯には認めなかった菌として5種,そして複数のインプラント周囲炎部に認めたものの,健全インプラント体には認めなかった菌として5種が同定された. -
健全な歯周組織再生を目的とした角化歯肉誘導治療薬の開発
2015年04月 - 2017年03月
AMED 橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA)
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
-
フルオシノロンアセトニド(FA)を用いた変形性関節症の予防・治療法の開発
研究課題/領域番号:15K20480 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
日本に約1000万人の患者がいると言われる変形性関節症は,慢性の関節炎を伴う関節疾患であるが,未だ確実な治療は存在しない.我々は,形性関節症の治療法の開発を目的としてスクリーニングをし,フルオシノロンアセトニド(FA)を強力な軟骨細胞分化促進作用を有する薬剤として同定した.実際,免疫不全マウスの大腿骨膝蓋面に軟骨全層欠損を作製し,FAとTGF-β3刺激したヒト骨髄由来間葉系間質細胞を欠損部に移植した.その結果,軟骨欠損部ほぼ完全に再生された.
-
研究課題/領域番号:15K15707 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大島 正充, 窪木 拓男, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
本研究課題は、再生器官の発生に関わる時間軸・形態形成を制御しうるマスター遺伝子の探索を目的とした。生物種固有の発生メカニズムに基づく同一個体内の乳歯・永久歯の発生時間軸の違いに着目して、イヌ乳歯歯胚・永久歯歯胚の発現遺伝子をcDNAマイクロアレイにて比較検討したところ、FGF14およびFEZF2遺伝子を見出した。この中で、FGF14におけるマウスの歯胚発生に及ぼす影響を解析したところ、歯胚発生における上皮幹細胞やエナメル芽細胞に影響を与えていることが示唆された。
-
ステムセルエイジングの制御に向けたアミノ酸による間葉系幹細胞未分化性維持
研究課題/領域番号:15K15708 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 大野 充昭, 前川 賢治, 秋山 謙太郎, 大島 正充
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
我々は,骨髄由来間葉系幹細胞 (BMSCs)の未分化維持に特定のアミノ酸が関わっていると考え,スクリーニングを行い,トリプトファンがBMSCsの幹細胞性維持に関与している事を突き止めた.実際,in vitroにおいて,トリプトファン処理により,BMSCsのコロニー形成能や細胞遊走能が上昇することが明らかとなった.また,マウスにトリプトファンを腹腔内投与すると,骨髄内の間葉系幹細胞数が増加し,骨髄内の海綿骨量が増加すること,また,骨欠損部の骨再生が促進される事が明らかとなった.本結果は,骨再生の新たな治療法の開発や,幹細胞老化により生じる骨疾患の新たな治療に繋がると考える.
-
研究課題/領域番号:26253088 2014年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 大島 正充, 辻 孝, 大野 充昭, 淺原 弘嗣, 秋山 謙太郎, 内部 健太
配分額:41600000円 ( 直接経費:32000000円 、 間接経費:9600000円 )
歯の喪失に対して,生理的活性を有した完全な歯を再生することに大きな期待が寄せられている.近年我々は,細胞を三次元に配置することで器官の原基を再生することが可能な器官原基法の開発に成功した.しかし,未だ歯の発生に関わる遺伝子の解明にはつながっていない.そこで,我々は,歯の発生に関わる遺伝子の探索を目的に解析を行った.その結果,いくつかの歯の発生および発生の時間軸に関わる候補遺伝子を絞り込むことに成功した.今後,これらの遺伝子の機能解析を行っていく予定である.
-
次世代シークエンサーによるインプラント周囲細菌叢の網羅的解析と個別化抗菌療法開発
研究課題/領域番号:26861637 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
大野 彩, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
インプラント周囲炎は細菌感染による疾患であるが,未だ細菌構成は明らかではない.我々は,インプラント周囲炎罹患インプラント体の滲出液から,群レベル,属レベルでクラスター解析を行った.その結果,インプラント体周囲の細菌叢には個人差があること,インプラント周囲炎罹患インプラント体と歯周病罹患歯が類似した細菌叢に,健全インプラント体と健全歯が類似した細菌叢にある傾向が明らかとなった.
-
研究課題/領域番号:26713053 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 若手研究(A)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:22490000円 ( 直接経費:17300000円 、 間接経費:5190000円 )
本申請研究は,創傷治癒過程における,再生の場に宿主間葉系幹細胞を集積させることによって組織を再生させる新規再生療法を開発することを目的とする.マウス大腿骨骨欠損モデルにおいて,宿主間葉系幹細胞の集積が,骨欠損作製後1日で確認され,cDNAマイクロアレイ法による網羅的解析では,幹細胞集積因子として炎症性サイトカインのひとつであるTNFaが検出された.TNFaが間葉系幹細胞の機能に与える影響を検討したところ,TNFaによって,幹細胞の増殖が抑制されるとともに,走化性が向上し,さらにはFASLの発現が促進されることによって免疫調節能が促進されていることが明らかとなった.
-
間葉系幹細胞ニッチという観点から見た歯槽骨創傷治癒メカニズムの解明
研究課題/領域番号:26861639 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
創傷治癒過程において、周りの組織から遊走した幹細胞が重要な働きを担っていることが知られている。そこで我々は、抜歯窩創傷治癒部位に多くの幹細胞が集まると推測し、抜歯三日後の抜歯窩より細胞の単離し、骨髄由来間葉系幹細胞と比較検討した。その結果、抜歯窩由来細胞は、骨髄由来間葉系幹細胞と同様に骨芽細胞、脂肪細胞分化能を有している細胞群であった。また興味深いことに、抜歯窩由来細胞は歯根膜組織を再生可能な細胞群であることが、イヌ歯根膜再生モデルにおいて明らかとなった。
本結果は、歯根膜組織に抜歯窩由来間葉系幹細胞のニッチが存在する可能性が示唆している。 -
難治性神経疾患の新規治療法開発-歯髄由来幹細胞の新たな生物学的機能-
研究課題/領域番号:26670837 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
本研究は難治性神経疾患モデルとして広く使用されている実験的脳脊髄炎モデルマウスに対して、ヒト歯髄由来間葉系幹細胞(DPSCs)ならびに骨髄由来間葉系幹細胞(BMSCSs)を全身投与し, その治療効果の検討ならびに神経再生メカニズム解明を目的として行った.その結果、DPSCs,BMSCsともに全身投与後下肢の麻痺症状改善が見られただけでなく,免疫学的観点から制御性T細胞の回復ならびに炎症性Th17細胞の抑制も観察されたことから、DPSCsの治療効果がBMSCsと遜色無い事が判明した.しかしながら傷害神経部位への投与幹細胞の検出には至らず、神経再生のメカニズム解明は不明のままである.
-
付着歯肉に特異的に発現 する遺伝子.蛋白の同定 とその機能解析
研究課題/領域番号:25893138 2013年08月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
熊崎 明日香, 窪木 拓男, 大野 充昭, 植田 淳二
配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )
付着歯肉特異的遺伝子の同定を目的に,ラットの付着歯肉および可動粘膜から間葉細胞を採取し,機能解析を行った.その結果,可動粘膜由来間葉細胞の方が,付着歯肉由来のものと比較し,細胞接着,増殖,遊走能は有意に高かった.次に,PFA固定にて固定されたこれらの線維芽細胞上にヒト上皮細胞株を播種し,上皮細胞の角化に与える影響を検討した.その結果,付着歯肉由来間葉細胞上で培養した方が有意に上皮細胞の角化は促進された.以上の結果より,間葉細胞の接着因子が上皮の角化を制御していることが明らかとなった.現在,cDNA microarrayのデータと照らし合わせ,網羅的に解析している.
-
間葉系幹細胞ニッチという観点から見た歯槽骨創傷治癒メカニズムの解明
2013年04月 - 2016年03月
若手研究B
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
-
BMP-2の環境選択的な骨誘導/抑制メカニズムの解明および適応症の探索
研究課題/領域番号:25463050 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, 秋山 謙太郎, 新川 重彦
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
BMP-2は骨欠損、骨関連疾患の治療薬として、広く臨床応用されている。しかし、我々は,BMP-2の骨髄腔内において骨形成を抑制するという既存の報告と相反する大変興味深い結果を得てきた。そこで、本研究では、環境選択的な骨誘導/抑制メカニズムを解明し、BMP-2を応用したより確実で予見性の高い骨造成法を開発を目的とし研究を進めた。マウス実験において、骨髄の有無がBMP-2の骨形成能と大きく関わっていることが明らかとなった。更に、大型動物モデルを用い適応症を検討した結果、直接BMP-2が骨髄に作用しない、ソケットリフト、ソケットプリザベーション等の術式に最適であることが明らかとなった。
-
研究課題/領域番号:25670818 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 大野 充昭, 秋山 謙太郎, 園山 亘
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
近年, microRNA (miRNA)が細胞の性質決定に重要な役割を果たしている事が知られている.我々は,組織幹細胞未分化維持に関わるmiRNAを同定することを目的に,ヒト歯髄細胞および歯根膜細胞から高い幹細胞性を持つSide population (SP)細胞をセルソーターにて分離し, miRNA アレイおよびin silico解析を行った.その結果,幹細胞関連遺伝子の一つであるNANOG をターゲットとするmiR-720が同定された.実際,miR-720の強制発現,発現抑制実験の結果,miR-720がNANOGの発現を制御し,幹細胞性を制御していることが明らかとなった.
-
ヒト歯髄幹細胞による自己免疫性脳炎の治療効果とそのメカニズムの検討
研究課題/領域番号:24890135 2012年08月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大島 正充
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
実験的脳脊髄炎に対するヒト歯髄由来幹細胞の全身投与の治療効果をヒト骨髄由来幹細胞と比較検討した結果,脊髄炎の症状である下肢の麻痺を含む臨床症状において,いずれの幹細胞投与群でも明らかな治療効果を認める事ができた.しかしながら,免疫学的観点から評価した場合,骨髄由来幹細胞投与群において,歯髄由来幹細胞投与群よりも,免疫寛容獲得の指標となる抑制性T細胞の誘導効果が高い事が明らかとなった.
-
インプラント周囲炎の生物学的病態解明と予防的診断プロトコルの開発
研究課題/領域番号:24792083 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, 大野 彩
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究の目的であるインプラント周囲炎の発症,進行に関与する生物学的マーカーの同定と臨床的リスク因子の検討を達成するために,過去の文献,診療録調査をもとに作成した臨床診査プロトコルを用い,初期インプラント周囲炎患者に対する前向き調査を開始した.研究対象者5名の診査時平均年齢は71.0±4.6歳で,口腔内の平均インプラント体埋入本数は4.8±2.4本,インプラント周囲炎と診断されたインプラント体数は1.4±0.5本であった.また,インプラント体ならびに天然歯周囲ポケットからペーパーポイントを用いて浸出液を採取した結果,本手法にて16S rRNA解析に必要な細菌DNA量を採取可能であった.
-
変形性関節症の予防や治療を目指した結合組織成長因子発現制御ペプチドの探索と評価
研究課題/領域番号:24792142 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 園山 亘, 大野 充昭, ハラ エミリオ サトシ, 新川 重彦, 中島 隆
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
結合組織成長因子(CTGF/ CCN2)は,軟骨細胞の増殖・成熟及び基質合成を促進し,関節軟骨を修復できることが報告されている.本研究では,CCN2の発現を亢進する新規化合物を網羅的に探索し,in vitroにてその機能解析を行った.
その結果,CCN2の発現を促進する因子として同定されたハルミンは軟骨分化促進作用,抗炎症作用の双方を持ち合わせる変形性関節症の予防,治療に有用な分子である可能性が示唆された. -
歯乳頭由来幹細胞(SCAP)のニッチの解析による新たな間葉系幹細胞維持機構の解明
研究課題/領域番号:24659875 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
園山 亘, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
生体内では,多くの器官に組織幹細胞が存在し,組織の恒常性の維持や修復に関与し,これらの組織幹細胞は,それぞれの組織内でニッチと呼ばれる特有な微小環境中に存在し,その幹細胞性を維持していることがよく知られている.そこで我々は幹細胞ニッチに関わる因子として,Ccn4遺伝子に注目し,Ccn4が歯の発生や創傷治癒に関与している可能性を明らかとした.今後,Ccn4遺伝子とニッチの維持機構の関係を明らかにしていく予定である.
-
変形性関節症ならびに軟骨分化における WISP-1 遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:23890122 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
大野 充昭
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
本研究は,変形性関節症の原因遺伝子のひとつと推測されているWISP-1 遺伝子に着目し,変形性関節症及び軟骨分化への関与を解明することを目的としている.今回我々は,WISP-1 遺伝子欠損マウスの膝関節において,変形性関節症様組織像を呈することを明らかにした.さらに,in vitroにおいて,WISP-1 遺伝子を過剰発現させることにより,軟骨細胞の分化が促進されることを明らかにした.今回の研究結果から,WISP-1 遺伝子が軟骨分化,形成に影響し,変形性関節症の発症に関与する可能性が示唆された.
-
研究課題/領域番号:23659899 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
窪木 拓男, 園山 亘, 内部 健太, 大野 充昭
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
我々は,組織幹細胞の未分化維持に関わる因子の探索を目的にスクリーニングを行い,TNF-αが未分化維持に変わっていることを明らかとしてきた.実際,ヒト由来歯髄細胞をTNF-α刺激することで,未分化幹細胞マーカーであるCD146やSSEA4 の発現レベルが上昇することを明らかとしてきた.さらに,いくつかのmicroRNAが未分化維持に関わっていることを突き詰めた.
-
高脂血症治療薬;スタチンを応用した象牙質形成促進作用を持つ新規覆髄材の開発
研究課題/領域番号:22592150 2010年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡本 洋介, 窪木 拓男, 松香 芳三, 園山 亘, 大野 充昭
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
1.in vitroでのスタチンの歯髄幹綱胞における作用機序の検討
スタチンはメバロン酸経路の上流にあるHMG-CoA還元酵素を抑制しコレステロール産生の抑制することが報告されている。歯髄幹細胞(Dental Pulp Stem Cell : DPSC)でも同様の作用機序であるか検討するため,HMG-CoAの下流に位置するメバロン酸を用いた。培地にスタチン1μMとメバロン酸1mMの濃度で同時に添加し,MTS法で細胞増殖に与える影響を検討した。その結果,5日目にスタチン単独での細胞増殖抑制効果が消失していることを確認した。
またスタチンはメバロン酸経路の中間産物の抑制により,Rho経路を介し細胞周期をG1/S期で停止させることが報告されている。そこで細胞周期に与える影響を検討するため,スタチン1μM添加し3日間培養したDPSCをPIにて染色後,FACSを用い解析を行った。その結果,G0/G1期への集積像およびG2/M期ピークの減弱が観察された。以上の結果よりDPSCにおけるスタチンの作用はメバロン酸-Rho経路を介していることが示唆された。
2,イヌを用いた覆髄モデルの作製
本研究の臨床モデルは,歯髄に近接したカリエスが考えられる。そこで本研究ではビーグル犬(1歳齢)の犬歯を用い覆髄モデルを作製した。歯の遠心面がら近心に向け歯科用5倍速エンジンで窩洞の形成を行い,通常の歯科用覆髄剤を用い覆髄処置を行い,歯科用セメントを用い窩洞の充填を行った。1か月後に組織を回収し,通法に従い組織標本を作製した。その結果,安定して歯髄に近接した窩洞を形成できていることが確認された。
次に,このイヌ覆髄モデルを用い,スタチンの象牙質形成効果を検討した。つまり,スタチン2mMならびにPBSを各10μlを含むコラーゲンスポンジを覆髄剤として窩洞内に設置し,歯科用セメントにて充填した。1か月後に組織を回収し,組織標本を作製しHE染色を行なった結果,2mMのスタチンに有意な象牙質形成促進作用は認められなかった。 -
変形性関節症ならびに軟骨分化におけるWISP-1遺伝子の機能解析
2010年04月 - 2012年03月
研究活動スタート支援
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金