共同研究・競争的資金等の研究 - 大野 充昭
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MSC/2型Mφ1細胞間連携による炎症・再生連関促進の分子メカニズム解明
研究課題/領域番号:22K19627 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
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空間情報に紐づけられた遺伝子発現解析から探る口蓋裂発生機序の解明への挑戦
研究課題/領域番号:22K19624 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
上岡 寛, 早野 暁, 大野 充昭
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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BMP-2誘導性骨髄から紐解く骨髄ニッチ細胞・CAR細胞の起源と発生メカニズム
研究課題/領域番号:22K19625 2022年06月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
大野 充昭, 窪木 拓男
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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咀嚼が唾液中BDNFならびに認知症発症に与える影響-ヒト高齢者を対象とした研究-
研究課題/領域番号:22K10101 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 山下 徹, 黒崎 陽子
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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高齢者の低栄養における腸内細菌叢の役割解明と新規シンバイオティクス療法の開発
研究課題/領域番号:22K10057 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
小山 絵理, 後藤 和義, 大野 彩, 窪木 拓男, 大森 江, 大野 充昭
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
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時空間的トランスクリプトーム解析を応用した歯肉角化制御メカニズムの解明
研究課題/領域番号:22K10100 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 納所 秋二, 大野 充昭, 窪木 拓男, 大野 彩
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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1細胞エピゲノム解析から紐解く象牙芽細胞分化制御メカニズムと治療法への応用
研究課題/領域番号:23K24538 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 王 紫儀
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本研究では,歯科界において必須の情報でありながら未解決である象牙芽細胞マスター遺伝子の同定,さらにはダイレクトリプログラミングによる象牙芽細胞分化誘導法を確立する.具体的には,位置情報を付加した1細胞レベルでの解析に加えて,細胞分化の時間軸を加味した分化経 路推定解析を駆使し,候補転写因子群の抽出を行う.そして,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法を駆使して象牙芽細胞分化のマスター遺伝子を同定し,同定したマスター遺伝子や誘導した象牙芽細胞を利用して,象牙質再生療法の基盤技術を確立する事を目的としている.
2022年度に,生後5~7日齢のCol1a1-GFPマウスの歯胚を摘出後,酵素処理により細胞の単一化を行った.GFP陽性象牙芽細胞およびGFP陽性骨芽 細胞が含まれる CD45 (白血球),Ter119 (赤血球),CD31 (血管内皮細胞)陰性分画に存在する細胞をセルソーターにて分離し,約5000個の単一細胞を得て,シングル解析システム (10x chromium)にてscRNA-seq解析を実施した.そして,細胞のアノテーションを行い,間葉系幹細胞が象牙芽細胞へと分化する過程を,velocity解析およびtrajectory解析を駆使し,解析した.その結果,歯胚に存在するMki67陽性の細胞増殖能が高い間葉系幹細胞を同定することができた.また,この細胞が,全象牙細胞から象牙芽細胞へと分化する過程を明らかにすることができた.
今後,本結果から抽出された遺伝子に対し,機能解析を行う予定である. -
体細胞分化の鍵となる遺伝子探索のための新方法論:インバース・ジェネティクスの開拓
研究課題/領域番号:21K19603 2021年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 高江洲 かずみ, 青山 絵理子, 滝川 正春, 大野 充昭
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
初年度である本年度は、本研究で提唱する「インバース・ジェネティクス方法論」を、軟骨細胞を用いて検証することを第一の目的と定め研究を進めた。当初の予定ではマウス肋軟骨細胞を用いる予定であったが、長鎖非コードRNA (lncRNA) 遺伝子の数がはるかに多いこと、およびフィーダー細胞としてマウス由来SNL細胞を使うことを考慮しヒト軟骨細胞を用いた検討から開始することとした。理論上は可能だが軟骨細胞からiPS細胞を作成できたという報告はまだない。したがってまず山中4因子 (OSKM) を強制発現するレンチウイルスベクターを作成し、ヒト軟骨細胞に導入、リプログラミングが起こるかどうかをコロニー形成を指標に検討した。その結果OSKM導入発現2週間後には多数のコロニーの形成が見られ、軟骨細胞もiPS細胞化しうることが確認された。この結果を受けて、iPS干渉法によって仮説の妥当性とSOX9遺伝子の軟骨細胞分化の機能確認に進んだ。すなわち軟骨細胞にOSKMに加えてSOX9を発現させることでリプログラミングが阻止されるかを検証した。その結果SOX9発現によって形成されるコロニーは減少したがゼロにはならなかった。これはSOX9が単独で軟骨細胞分化を決定しているのではないためと考えている。そして次にシングルセル解析に進むにあたっては、解析前にフィーダー細胞を除去する必要がある。そのため以上の研究に並行して、蛍光色素mCherryを発現するSNL細胞を新たに樹立し、フローサイトメトリーで除去するシステムを整えてきた。ここまでは順調であったが、この実験システムではリプログラミング効率が十分ではなく、シングルセル解析で有意な結果を得るために必要なOSKM導入細胞数の確保が難しいことが分かってきた。そこで最近開発された一体型山中因子発現ウイルスベクターを試したところ、予備実験で飛躍的に高い導入効率が得られた。来年度はこのシステムを用いて研究を先に進める予定である。
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Mφオートファジー異常から見た歯周病やインプラント周囲炎の新規治療戦略
研究課題/領域番号:21H03131 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大野 充昭
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
本研究は,歯周病やインプラント周囲炎における病態形成メカニズムを,歯槽骨破壊局所に集積するMφの活性化に注目し,オートファジー異常の観点から解明するとともに,炎症性サイトカインの産生経路を特定し,免疫トレランス獲得につながる新たな検査技術や 新規組織再生療 法開発につなげることを目的としている. 本年度の研究実績の概要を以下に示す.
1)実験的マウス周囲炎モデルにおけるマクロファージの分布
週齢の異なるマウス(C57BL/6, 5週齢および50週齢)の下顎第一臼歯に5-0絹糸を結紮した結果,5週齢と比較して50週齢で明らかな歯槽骨破壊が観察された.また,蛍光免疫染色によるマクロファージの分布を確認したところ,50週齢で炎症巣周囲に多くのマクロファージが分布していた.特に,炎症性マクロファージであるCD80陽性M1の分布が観察され,抗炎症性であるCD206陽性M2の分布は5週齢と比べて少ないことがわかった.また,組織の免疫トレランス維持に重要な役割を果たすと考えられている間葉系幹細胞の分布を検討したところ,50週齢ではPDGFra陽性間葉系幹細胞の分布は少ないことがわかった.
2)週齢の違いによる間葉系幹細胞とマクロファージの相互作用
5週齢,50週齢それぞれから単離・培養したマクロファージと間葉系幹細胞をカルチャーインサートを用いて共培養したところ,5週齢間葉系幹細胞はM1からM2へのマクロファージの極性変化を強く誘導したのに対して,50週齢間葉系幹細胞ではあまり誘導されないことがわかった. -
変形性関節症におけるエピジェネティクスを介したWISP1遺伝子発現制御機構の解明
研究課題/領域番号:21K10019 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 あずさ, 窪木 拓男, 大野 充昭
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
世界でも群を抜いた高齢化率を示している我が国において,医療費や介護給付費による財源圧迫を回避すべく健康寿命の延伸は喫緊の課題であり,国民が要支援となる最大の原因である変形性関節症 (OA) の発症原因や予防法の解明は,臨床的・医療経済学的に大変意義深い.これまでに変形性関節症の原因遺伝子のひとつとされているWISP1遺伝子に着目し,WISP1遺伝子の発現抑制下では変形性関節症の進行が抑制されることを証明してきたが,本研究では,変形性関節症の予防法の確立を視野に入れ,変形性関節症を発症した関節軟骨でWISP1遺伝子がどのように発現制御されているのか解明することを目的としている.
ヒト間葉系幹細胞 (hBMSCs) の軟骨分化過程ではDNAメチル基転移酵素 (DNMT3A) が高発現しており,DNMT3Aを強制発現させたhBMSCsでは軟骨分化が促進されることがわかっているが,軟骨細胞分化に伴い発現することが確認されているWISP1遺伝子が,軟骨細胞分化過程においてどのようにDNAメチル化修飾の影響を受けるのかを検討した.DNAメチル化阻害薬である5-aza-2-deoxycytidine (5-aza) で24時間処理したhBMSCsをマイクロマス培養法にて21日間培養し,軟骨細胞分化過程におけるWISP1遺伝子の発現パターンを定量性RT-PCR法にて評価したところ,コントロール群と比較して5-aza処理群ではWISP1遺伝子の発現は低下しており,脱メチル化によりWISP1遺伝子の発現が低下することが確認された. -
コンタクトオステオジェネシスの概念に基づく口腔インプラント体表面改質剤の開発
2021年04月 - 2022年03月
橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA)
大野充昭,大野彩,窪木拓男,大橋俊孝
担当区分:研究代表者
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Stem cell agingの観点からの運動器老化メカニズムの解明
2021年04月 - 2022年03月
公益財団法人 中冨健康科学振興財団 研究助成
大野充昭
担当区分:研究代表者
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薬剤関連顎骨壊死の予防,治療を目的とした抜歯窩周囲骨に対する中空骨小腔化抑制・治療剤の開発
2021年04月 - 2022年03月
橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA) 2021年4月 - 2022年3月
窪木拓男,大野充昭,大野彩
担当区分:研究分担者
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iPS干渉法を利用した間葉系幹細胞の幹細胞性制御機構の解明
研究課題/領域番号:20K21679 2020年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 渡辺 亮, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
担当区分:研究分担者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
近年,加齢変化が引き起こす疾患群に共通するホストの本質的変化として,ステムセルエイジングが注目されている。我々は加齢に伴い間葉系幹細胞(MSCs)の免疫調節能が著明に低下すること,また,骨芽細胞分化能の低下と脂肪細胞分化傾向への転換により,脂肪髄を呈することも明らかにしてきた。その結果,傷害組織で休眠から覚める,もしくは新たに動員されるMSCsの機能が低下し,局所の組織修復能や免疫調節能が低下,加齢性疾患の罹患感受性が上昇すると考えられる。したがって,骨髄MSCsの老化を防ぎ,幹細胞性が高いフラクションをいかに保つかが,これらの加齢性疾患におけるホストの病因の理解,さらには予防と治療に寄与するものと考えられる。そこで本研究は,骨髄MSCsの幹細胞性維持機構を解明することを目的に以下の計画を立てた。1)MSCs幹細胞性維持に関わる因子の探索:ヒト骨髄MSCsとヒト成人皮膚線維芽細胞 (hADFs)から,RNAを抽出し,RNA-Seqにて網羅的に比較検討を行い,転写因子に焦点を絞り,データベースを構築し,関連遺伝子を抽出する。2) 1)にて抽出した関連遺伝子から,iPS干渉法を駆使し,骨髄MSCsの幹細胞性維持に関わるマスター遺伝子の同定を試みる。また,このマスター遺伝子を利用して,hADFsからMSCsを作成する技術を確立する。今年度は,MSCs幹細胞性維持に関わる因子の探索を目的に,ヒト骨髄MSCsとhADFsから,RNAを抽出し,RNA-Seqにて網羅的に比較検討を行い,転写因子に焦点を絞り,データベースを構築し,関連遺伝子を抽出した。そして,抽出した転写因子の強制発現ベクターを作製し,iPS干渉法にて,さらなる絞り込みに成功した。
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細胞膜ナノフラグメントを核とした初期骨髄形成過程の理解とその再現および制御
研究課題/領域番号:20H04534 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
ハラ エミリオ・サトシ, 松本 卓也, 大野 充昭, 長岡 紀幸, 岡田 正弘, 藤枝 俊宣
担当区分:研究分担者
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
骨髄形成のメカニズムを解明することは、in vitroにて生体を模倣した骨髄組織を構築することが可能となり、骨-造血疾患のドラッグスクリーニングや再生治療の技術開発への新たな展開に繋がることが期待されるが、未だ達成されていない。我々はこれまでに、「細胞膜ナノフラグメント」が海綿骨形成に重要な役割を果たすことを発表した。また、海綿骨形成後に、間葉系幹細胞などの細胞が海綿骨の表面に定着し、骨髄を形成することが明らかとなった。つまり、「細胞膜ナノフラグメント」は海綿骨・骨髄初期形成に関与していることが示唆された。さらに、培養細胞から細胞膜ナノフラグメントを単離する手法を確立し、この細胞膜ナノフラグメントを用いることで、in vitroにて海綿骨形成を迅速に誘導することに成功した。
本研究では、海綿骨-骨髄形成過程について、生物学・材料科学的に解析する。また、リバースエンジニアリング的に骨髄初期形成過程をin vitroで模倣・構築し、その制御を試みる。そして、骨髄初期の構造と機能を精密に再現することで、細胞膜ナノフラグメントを基盤とした骨髄の初期形成メカニズムを再検討し、より深い理解を目指す。
本年度は以下の実験を実施した。
1)新生児マウス大腿骨骨端部における海綿骨の初期形成時期(生後6日目)から骨髄初期形成時期(生後12日目)の組織変化を組織学的・材料学的に解析した。また、骨髄初期の三次元的情報を得る為、新生児マウス大腿骨骨端部の骨髄初期形成時期を集束イオンビーム・走査型電子顕微鏡(FIB-SEM)を用いの三次元観察を行うための準備を行った。
2)骨髄初期形成に関与する細胞集団の遺伝子発現パターンを次世代シーケンサーを用いて解析を行った。これらの解析により、海綿骨の形態変化、ならびに海綿骨に定着し、骨髄を形成する細胞集団の遺伝子発現パターンなどの特徴を明らかにすることが期待できる。 -
基底膜構成分子の誘導制御による低侵襲角化歯肉獲得療法の確立
研究課題/領域番号:19H03841 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前川 賢治, 窪木 拓男, 冨田 秀太, ハラ エミリオ・サトシ, 大橋 俊孝, 大野 充昭
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
基底膜直下に存在する角化歯肉由来間葉細胞と非角化歯肉由来間葉細胞の遺伝子発現の相違を明らかにすることで,上皮細胞の角化に関わっている間葉細胞からのシグナル分子を抽出することが可能であると考える。そこで,令和元年度は,レーザーマイクロダイセクション法とRNA-Seq を組み合わせた候補因子の抽出を目的に,以下の実験を実施してきた。
間葉組織は,筋肉や脂肪など様々な組織を含むことから,マクロレベルで口蓋粘膜から間葉組織を採取すると,様々な組織を含んでしまう。基底膜直下の間葉組織の遺伝子発現解析を正確にするには,特異的に組織を採取することが可能なレーザーマイクロダイセクション法を用いる必要がある。そこで,マウスの口蓋粘膜(角化粘膜)と頬粘膜(非角化粘膜)の凍結組織切片を作製し,サンプルの厚み,固定方法,染色方法,レーザーの強度の調整等,様々な条件検討を行い,本組織において最適な条件を見出した。そして,これらのサンプルからRNAを抽出し,RNA-seqが可能な質の高いRNAが回収できていることを,TapStation (アジレント)にて確認した。
また、in vitroにおいて,角化粘膜の間葉組織に高発現している遺伝子をRNA-seq解析から抽出後,さらなる候補因子の絞り込みをin vitroにて行う予定である。そこで,令和元年度は,ヒト口腔扁平上皮癌由来の口腔粘膜上皮細胞であるTR146と,ヒト口腔粘膜細胞由来線維芽細胞を用いた三次元共培養実験モデルを構築すべく,コラーゲンゲルの種類,濃度や細胞の濃度などの条件検討を行い,正常な口腔粘膜組織に類似したin vitro モデル構築に適正な条件の絞り込みを終えた。 -
CCNsの細胞内新機能~細胞外新情報伝達系の解明と共通分子基盤の確立及びその応用
研究課題/領域番号:19H03817 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
滝川 正春, 青山 絵理子, 星島 光博, 久保田 聡, 西田 崇, 江口 傑徳, 大野 充昭, 鈴木 守
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
サブテーマ1: CCNタンパク質の意外な新機能について。1-1)CCN2結合因子として分泌小胞の細胞内輸送に関与するタンパク質Rab14をyeast two-hybrid法で同定し、両者がCCN2のIGFBPドメインを介して結合することを解明した。また、Cos7細胞に両タンパク質を強制発現して、両者が細胞内で共局在することを確認した。さらに、軟骨細胞においてRab14あるいはCCN2の発現を阻害すると小胞体ストレスマーカーの発現が上昇すること、Rab14とCCN2の相互作用が軟骨細胞のアグリカン分泌に重要であることも解明した。即ち、分泌タンパク質CCN2が細胞内で機能するという意外な事実を見いだした。1-2)CCN2 が神経栄養因子様の活性を持っていることを新たに見いだした。また、脂肪細胞分化を抑制すること、骨細胞から産生され骨のリモデリングに重要な役割を果たすことなどCCN2の新機能を見いだした。
サブテーマ2: CCNタンパク質の細胞外小胞を介した情報ネットワークの形成について。好転移性がん細胞LuM1が産生する細胞外ベジクル (EV)が低転移性大腸がん細胞Colon26のEVよりMMP3とCCN2を多量に含有すること、このEVが血流を介して、皮下に移植したColon26癌の増殖を強く増強することを見いだした。また、 同オンコゾーム由来のMMP3が標的細胞中でCCN2を誘導することを見いだした。
サブテーマ3: 構造ー機能解析とその展開について。ヒトCCN2全長タンパク質の立体構造を決めるため、ヒトCCN2組換えタンパク質を用いて、BINDS(創薬等先端技術支援基盤プラットホーム) の支援のもと、約800条件で結晶化を試みたが結晶は確認できず、また、FGF2との複合体の結晶化も進めるべく、同複合体の分離を試みたが、沈殿が生じてしまった。現在、これらの条件検討を継続中である。 -
生後の骨・軟骨発達におけるアグリカン新機能を新規Acan変異マウスにより解明する
研究課題/領域番号:19K09649 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大橋 俊孝, 大野 充昭, 西田 圭一郎
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
生後発達および生体恒常性維持におけるAcanの役割を明らかにするため,Acanfl/flマウスを作製し,タモキシフェン(TAM)誘導性時期特異的Acan全身ノックアウトマウスを樹立した.アグリカンの欠損がECMネットワークの乱れがECMの硬さとTGFβスーパーファミリーの発現に影響し軟骨細胞の増殖分化に影響するという仮説を立て,これを同モデルで検証することを行っている.これまでの主な成果として,透過電子顕微鏡観察から上記ノックアウトマウス脛骨成長板の軟骨細胞の形態異常・カラム配列の乱れ・肥大軟骨層のアポトーシス亢進を認め,アグリカンが生後の骨成長に重要であることを明らかにした.成長板の軟骨細胞が増殖すべきところ、周囲のアグリカンが欠損することにより、異常な細胞接着を生じ,細胞分裂からの細胞形態の平坦化と層状化を阻害していると仮説を立て、そのメカニズムを検討中である.原子間力顕微鏡によるECMの硬さの解析を共同研究者Aszodi博士と引き続き共同研究中で在る.研究成果の一部は日本軟骨代謝学会等で発表あるいは発表予定である.
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咀嚼が認知機能に与える影響の検討および認知症早期診断バイオマーカーの網羅的探索
研究課題/領域番号:19K10205 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 山下 徹, 黒崎 陽子
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究の目的は,①ヒト高齢者において,試験的咀嚼運動刺激が,唾液や血液中BDNF濃度に及ぼす影響を検討すること,②ある要介護高齢者集団において,唾液や血液中のBDNF濃度が咀嚼能力ならびに認知機能と関連しているかを検討すること,③BDNFに加えて認知症発症の早期バイオマーカーを唾液中から網羅的に探索することである.
本年はまず,昨年より作成を開始していた目的①に関する倫理委員会の書類を完成させ,本学の倫理委員会に申請をした.本研究は,ヒトへの侵襲は少ないものの,介入研究であるために倫理的な配慮が担保された研究計画が求められた.そこで目的①の検討の予備的実験を含めた研究計画に修正をすることで倫理委員会の承認を得た(臨2102-001).具体的な計画は以下である.まず,Ⅰ:トライアルとして2名の成人健常者を対象に,無刺激ガム(唾液検査で用いる無味、無香料のガム)を用いた試験的咀嚼運動刺激を行わせ,唾液と血液中BDNF濃度に影響を与えうる無刺激ガムを用いた試験的咀嚼運動時間や唾液と血液採取のタイミングを検討する.つぎに,Ⅱ:6名の成人健常者を対象に,Ⅰで決定した咀嚼時間や唾液と血液採取のタイミングを適用した無刺激ガムを用いた試験的咀嚼刺激を介入,ガムを舌の上に置く非咀嚼試験をコントロールとしたクロスオーバー試験を行い,ガム咀嚼により唾液と血液中BDNF濃度がどのように推移するかを検討する. -
薬剤関連顎骨壊死の骨髄微小環境と大腸菌由来BMP-2の応用
研究課題/領域番号:19K10246 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
昨年度は,我々が開発を進めている,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体がMRONJの発症を予防できるか検討し,部分的であるが,抜歯窩の骨再生を促進すること,抜歯窩内に再生される骨の壊死を抑制することを明らかにした。今年度は,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体がMRONJの治療に有効か検討した。具体的には,8-12週齢雌マウスに,3週間,週2回のzoledronate (Zometa; Novartis, Stein, Switzerland) (0.05mg/kg) の皮下投与と,cyclophosphamide (C7397; Sigma-Aldrich, St. Louis, MO, USA) (150 mg/kg) の腹腔内投与を行い,MRONJモデルマウスの作製を行った。薬剤の投与開始3週間後に上顎左右の第一大臼歯の抜歯を行った。14日後に組織切片を作製し,観察した結果,抜歯窩は全く治癒されていないことが確認された。そこで次に,抜歯14日目の抜歯窩を掻爬し,そこにrhBMP-2とbeta-TCPの複合体を移植した。4週後に回収し組織学的に評価した結果,非投与群の抜歯窩において骨性治癒はほとんど確認できなかった。一方,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体を移植した群において,抜歯窩は完全に骨により治癒していることが確認された。以上の結果より,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体は,MRONJにより生じた顎骨壊死の治療に有効である可能性が示された。現在,rhBMP-2とbeta-TCPの複合体の効果を詳しく検討しており,今後その作用機序を明らかにする予定である。