共同研究・競争的資金等の研究 - 大野 充昭
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ステムセルエイジングの制御に向けた間葉系幹細胞未分化性維持機構の解明
研究課題/領域番号:18K19646 2018年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 大野 充昭, 宝田 剛志, 渡辺 亮, 大野 彩, 秋山 謙太郎, 升井 伸治
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
老化による間葉系幹細胞 (MSCs)の能力低下が,加齢変化に伴う様々な疾患の発症に関与していることから,如何にMSCsの老化を防ぐかが重要な課題である.そこで本申請研究では,骨髄由来MSCs (BMSCs)の幹細胞性維持に必須な転写因子を同定することを目的とする.若齢マウスおよび老齢マウス由来MSCsの比較,ヒトBMSCsとヒト皮膚線維芽細胞の比較より,若齢マウス由来BMSCとヒトBMSCsに高発現している転写因子を抽出した.さらに,iPS干渉法を応用し,BMSCに重要な転写因子の抽出を行った.現在,BMSCsにおけるこれらの転写因子の機能を解析中である.
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iPS干渉法を応用した歯胚発生メカニズムの理解と歯の再生技術への応用
研究課題/領域番号:18H02991 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本申請研究は,歯科医学において未達成の重要な研究課題である「エナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子」を同定し,それを利用して生理機能を有した臓器としての歯の再生法を開発することを目的としている。具体的には,1器官原基法を応用した発生学的アプローチ,2レーザーマイクロダイセクションを応用した組織学的アプローチ,3既知の重要な転写因子を利用した絞り込み等の技術を総動員してエナメル芽細胞・象牙芽細胞分化時におけるマスター遺伝子の絞り込みを行い,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法(iPS干渉法)やゲノム編集技術を駆使してエナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定する。
これまでに,発生過程の歯胚から定期的に組織を回収し,RNA-Seq解析データ,ヒト歯乳頭由来間葉系幹細胞 (以下, hSCAP),ヒト骨髄由来間葉系幹細胞,ヒト成人皮膚由来線維芽細胞 (以下, hADF)のRNA-Seq解析データを照らし合わせ,幹細胞の象牙芽細胞への分化や象牙芽細胞自身の分化に関わっている可能性がある転写因子を抽出した。そして,hSCAPに山中4因子と上記で抽出された転写因子を一つずつ入れ,どの転写因子が山中4因子の導入によるiPS細胞への誘導を阻害するのか検討した。その結果,13転写因子がiPS細胞への誘導を阻害することが明らかとなった。本年度は,これらの転写因子をhADRに遺伝子導入し,hADFがhSCAPにdirect reprogramingされていないか様々な方法で検討した。その結果,hADFがhSCAPに特徴的な細胞へと誘導されていることが明らかとなった。今後,どの転写因子がhSCAPへのdirect reprogramingに必須な転写因子かを明らかにする予定である。 -
変形性関節症の発症予防を目指したWISP遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:18K09682 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 あずさ, 窪木 拓男, 大野 充昭, ハラ エミリオ・サトシ, 吉岡 裕也
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では,国民が要支援となる最大の原因となっている変形性関節症 (OA) の原因遺伝子のひとつであると考えられているWISP1に着目し,OAの発症メカニズムを解明することで治療法ならびに予防法を確立することを目的としているが,昨年度までに3種類のOAモデルマウス,すなわち ①加齢モデル,②機械的負荷モデル,③炎症誘発モデルの作製に成功し,更にはWISP1遺伝子欠損マウスを用いて作製したOAモデルマウスでは,野生型と比較してOAの進行度が低下していること,その背景にWISP1遺伝子の欠損下では軟骨基質分解酵素のmRNA発現量が低下していることを報告した.
今年度は,このWISP1遺伝子の有無による軟骨基質分解酵素のmRNA発現量の違いが,実際に軟骨組織の破壊に関係しているかどうかを確認する目的で,野生型とWISP1遺伝子欠損マウスを用いて炎症誘発OAモデルマウスを作製し,6週間後に回収した膝関節で作製した組織切片にて,タンパク質分解酵素で切断されたAggrecanの局在を確認することができるネオエピトープ抗体を用いた免疫組織化学を行った.その結果,WISP1遺伝子欠損マウスの膝関節軟骨組織では野生型と比較して発色が低下しており,WISP1遺伝子欠損マウスの膝関節軟骨組織ではAggrecanのタンパク質分解性が低下していることが確認された.
以上より,WISP1は軟骨基質分解酵素の分泌を促進することでOAを悪化させている可能性について,遺伝子レベルのみならずタンパク質レベルにおいても確認された. -
光操作技術による生体内間葉系幹細胞の集積に関する分子理解と歯槽骨関連疾患への応用
研究課題/領域番号:17H04399 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宝田 剛志, 窪木 拓男, 大野 充昭, 佐藤 守俊, 戸村 道夫, 戸口田 淳也, 渡辺 亮
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
抜歯窩創傷治癒過程に必須な間葉系幹細胞に関する従来の研究は、培養条件下での解析や、外来性移植MSCの効果の検証が主である。しかしこの現状では、生体内MSCの「内在性」の組織修復システムを理解することは難しい。申請者らは、青光照射でDNA組み換え反応をコントロールできる光活性型Cre(Photoactivatable(PA)-Cre)に着目し、このPA-Cre技術と、テトラサイクリン誘導発現系システム(TetON/OFF)のActb locusへのノックイン技術を組み合わせることで、R1年度は、in vivoでのlight/Dox-dependentなDNA組み換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)の開発に成功した。R2年度は、同マウスと交配するための、各種tTAマウス(ROSA-tTA:全身性にtTAを発現するマウス、Foxp3-tTAマウス:制御性T細胞にてtTAを発現するマウス、LepR-tTAマウス:LepR陽性間葉系間質細胞にてtTAを発現するマウス)の開発を目指した。これらのマウスは、それぞれのtargeting vectorを作成し、CRISPR/Cas9の系でノックインさせることで樹立することを目指した。産仔のGenotypingの結果、正しくノックインされたマウスを選別することに成功した。現在は、それぞれのtTAマウスとTRE-PA-Creマウスを交配することで、「細胞種特異的」「時間・空間(光照射時/部位)特異的」な精度を持つ生体内遺伝子操作技術の立証と、空間部位特異的な細胞機能の理解を目指している。
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BMP-2含有人工骨膜の難治性骨疾患・骨癒合不全治療への応用
研究課題/領域番号:17K11750 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大野 彩, 大野 充昭, 窪木 拓男, 三野 卓哉, 宝田 剛志, 笈田 育尚
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では,BMP-2含有PLGAメンブレン(BMP-2含有人工骨膜)の臨床応用に向け,イヌインプラント周囲炎骨欠損モデルでの有用性を検討した.イヌインプラント周囲炎モデルのインプラント周囲骨欠損部に自家骨を移植したが,十分な骨再生は認められなかった.次に,本モデルの骨欠損部に,BMP-2含有β-TCPを移植し,その周囲をBMP-2含有人工骨膜にて被覆した.対照群にはBMP-2含有β-TCPのみを移植した.その結果,BMP-2含有人工骨膜被覆群では,対照群と比較し骨再生が促された.以上の結果より,BMP-2含有人工骨膜は,インプラント周囲炎などの難治症例において有用である可能性が示唆された.
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間葉系幹細胞の機能低下から見た歯周病やインプラント周囲炎発症の新規理解と対策
研究課題/領域番号:17H04392 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大島 正充, 大野 充昭
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
本研究は,骨髄由来間葉系幹細胞(MSCs)の機能が,宿主の加齢変化によってどのように影響を受けるのかを解明するとともに,MSCsの機能低下が,歯周病やインプラント周囲炎などの歯周組織における感染性・炎症性疾患の発症や病状の進行にどのように関与するのかを解明することを目的としている.その結果,週齢の異なるマウスに実験的歯周病を誘導すると,週齢が上がるに連れて,歯周病による骨吸収が進行した.そこで,5週,50週齢マウス由来MSCsの機能を分析したところ,50週齢では細胞増殖,骨芽細胞分化能力が明らかに低下する一方で,脂肪細胞への分化能力が亢進するとともに,免疫調節能の低下が認められた.
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生理的歯の再生に向けた象牙芽細胞マスター遺伝子の探索
2017年04月 - 2018年03月
公益財団法人岡山医学振興会第17回公募助成金
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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必須アミノ酸トリプトファンによる幹細胞老化制御機構の解明・骨質改善治療への応用
研究課題/領域番号:17K11751 2017年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 大野 彩, 宝田 剛志, 大野 充昭
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
口腔インプラント治療は,人工歯根が歯槽骨や顎骨と結合することにより強固な骨支持を得るため,骨量と骨質が重要な因子となる.しかし,日本人は欧米人と比べ歯槽骨が解剖学的に菲薄で,インプラント体埋入のために骨造成が必要な場合も少なくない.また,高齢化の進む日本で増加傾向にある骨粗鬆症患者へ口腔インプラント治療がなされる場合も多く,多くの研究者が骨造成や骨質改善に関する研究を進めてきた.
我々は,これまでの研究から骨髄由来間葉系幹細胞の幹細胞性維持という観点からスクリーニングし,同定したトリプトファンが,骨質改善や骨の創傷治癒を促進することが明らかにした.この結果は,トリプトファンの投与が口腔インプラントの骨結合促進においても有用である可能性を強く示唆するものである.しかし,口腔インプラントの埋入に伴うトリプトファンの投与が,①骨のリモデリングを担う骨芽細胞,破骨細胞や間葉系幹細胞にどのような影響を与えるのか,また,②インプラント体の初期固定や長期予後に有意に働くのか,また,トリプトファンによる幹細胞の活性化が骨粗鬆症をはじめとする老化疾患に対して有効なのか,未だその詳細は明らかでない.
そこで,本研究ではトリプトファンの骨代謝関連細胞に与える効果の検討を行うこととした.トリプトファンと間葉系幹細胞の骨芽細胞分化との関係性は明らかにしてきたが,破骨細胞との関係性は未だ不明である.はじめに,トリプトファンが破骨細胞分化に与える影響を検討した.すなわちトリプトファンを投与したマウスの大腿骨を経時的 (0, 3, 7, 14日)にサンプリングし,組織学的,分子生物学的に検討する計画をした.しかし本研究では研究期間が短く解析,評価するまでには至らなかった.
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研究課題/領域番号:16H06991 2016年08月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
古味 佳子, 窪木 拓男, 秋山 謙太郎, 大野 充昭, 丸濱 功太郎, 吉岡 裕也, 國友 雅義
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
本研究は,間葉系幹細胞の損傷組織への誘導集積させることで組織再生を促進する因子として注目されているHMGB1が骨髄由来間葉系幹細胞に与える影響を明らかとし,より効率的な組織再生療法を開発することが目的である.マウス大腿骨骨欠損モデルにおいて宿主間葉系幹細胞は骨欠損作製後1日に骨欠損部に集積し,幹細胞集積部位周囲にHMGB1の発現も確認された.in vitroにおけるHMGB1の間葉系幹細胞の機能に与える影響については,幹細胞性, 増殖ならびに走化性について明らかな影響は認められなかった.HMGB1の存在下で影響の起こりうる幹細胞の多分化能や免疫調節能についても今後のさらなる検討が必要である.
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研究課題/領域番号:16H06989 2016年08月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
小山 絵理, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭, 秋山 謙太郎
配分額:2860000円 ( 直接経費:2200000円 、 間接経費:660000円 )
本邦の慢性腎臓病 (CKD)患者は年々増加しており,CKD患者の生命予後や合併症発症と口腔健康が関連することが報告され,口腔-腎連関が注目されている.
そこで本申請研究では,シャント感染部の細菌叢を明らかにし,口腔内細菌叢との関係を明らかにすることとした.次世代シークエンサーを用いた16SrRNA解析の結果,口腔内細菌叢に黄色ブドウ球菌が多くを占める患者が数人存在した.また,これらの患者の口腔内細菌叢と感染シャントの細菌叢が類似しており,口腔内に特異的に存在する菌がシャント感染部から検出された. -
歯髄細胞の幹細胞化を応用した新規治療法の開発
研究課題/領域番号:16K11600 2016年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
宮城 麻友, 井上 美穂, 松香 芳三, 大野 充昭
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
今年度は育児休業により研究中断中であるが、計画遅延のため、研究分担者に歯髄細胞に作用させるシグナル経路制御因子の検討および覆髄モデル作成の条件確認を依頼した。
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大腸菌発現系由来rhBMP-2含有β-TCP製人工骨を用いた再生療法の開発
研究課題/領域番号:16K11624 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
縄稚 久美子, 大野 充昭, 窪木 拓男, 大野 彩, 笈田 育尚
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
BMP-2を用いた骨再生療法は,自家骨移植に代わる最も有望な治療法として欧米を中心に実施されているが,未だ日本で承認されたBMP-2製剤は存在しない.我々は,大腸菌発現系を用いて生理活性を有したBMP-2タンパク質を作製することに成功した.そして,本申請研究では,イヌソケットプリザベーションモデルにおいて我々の開発品であるBMP-2/β-TCPが強力に骨形成を誘導することを明らかにした.
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BMP-2の環境選択的骨誘導/抑制メカニズムの解明・応用に基づく骨再生療法の開発
研究課題/領域番号:16H05524 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 大島 正充, 大野 彩, 大橋 俊孝, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
BMP-2は骨形成を強力に誘導する成長因子として知られている.しかし,我々は,本研究において,骨形成を含むBMP-2の効果は骨髄内において著しく抑制され,本抑制効果は,骨髄細胞が直接骨芽細胞に作用することで生じていることを明らかにした.本研究成果は,BMP-2の臨床応用において,BMP-2の副作用その作用機序の一部を明らかにした大変重要な知見である.
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16SrRNA解析を応用した高齢者の低栄養起因口腔・腸内細菌叢の網羅的探索
研究課題/領域番号:16K11590 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
水口 真実, 窪木 拓男, 大野 彩, 大野 充昭
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
要介護高齢者の腸内細菌叢ならびに代謝産物を網羅的に解析した結果,門レベルでは過体重者において細菌叢Xの比率,低体重者において細菌叢Yの比率が有意に増加していた.属レベルでは,BMIと正の相関にある細菌として細菌叢Z,負の相関にある細菌として細菌叢Aが抽出された.また一部の低体重者のサンプルが同じクラスターに分布していることが明らかとなった.
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研究課題/領域番号:16K15802 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
象牙芽細胞分化の制御メカニズムのみならず,象牙芽細胞の分化に関わるマスター遺伝子は未だ不明である.そこで,我々は,象牙芽細胞分化に関わるマスター遺伝子の探索を目的に,組織学的・発生学的観点から網羅的解析を行った.その結果,いくつかの象牙芽細胞分化に関わる候補遺伝子を絞り込むことができた.今後,これらの遺伝子の機能解析を行っていく予定である.
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研究課題/領域番号:16K15801 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
前川 賢治, 大野 充昭, 水口 一, 窪木 拓男
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
抗高脂血症剤服用によるミトコンドリアの機能障害が筋痛発症に関与している可能性が多数報告され,服用者の中でも,血中のビタミンDが欠乏した個体で筋痛の発症が有意に高いことが知られることから,ビタミンD機能と筋痛の関係の解明を試みた。
その結果,マウスを対象とした筋組織内でのビタミンD受容体の遺伝子発現量は,筋痛を発症しやすい僧帽筋や咬筋において四肢筋よりも有意に高く,ビタミンD機能が筋痛と関連している可能性が示された。また,ラットの咬筋に侵害刺激を付加した際の中枢神経系の疼痛感受性マーカー(c-fos)の発現陽性細胞数は,ビタミンD欠乏状態で増加傾向にあり,疼痛感受性が亢進する可能性が考えられた。 -
研究課題/領域番号:15H05026 2015年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
前川 賢治, 大野 充昭, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎, 窪木 拓男, 大島 正充
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
角化歯肉は歯やインプラントの長期予後を確保するために重要だが,その再生治療は確立されておらず,自己組織移植による治療に依存している。実際,角化歯肉がどのようなメカニズムで形成されているか分かっていない。本研究で上皮の発生や恒常性維持に重要な基底膜に着目した解析を行った結果,角化歯肉の基底膜には,非角化歯肉と比べて,特定の成分が高発現していることが明らかとなった。さらにin vitroにおいて,同定した成分の機能解析を行った結果,口腔粘膜上皮細胞の角化を亢進する作用を認め,口腔粘膜上皮の角化を制御するメカニズムの一端を突き止めた。
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CCNファミリータンパク質の臨床応用に向けた分子基盤の確立と橋渡し研究
研究課題/領域番号:15H05014 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
滝川 正春, 青山 絵理子, 久保田 聡, 西田 崇, 服部 高子, 志茂 剛, 大野 充昭, 星島 光博, 長岡 紀幸, 古松 毅之
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
CCNタンパク質の機能特異的受容体の同定として、 CCN2の増殖特異的受容体を同定した。4つのCCN2個別モジュールのうち、血管新生活性は、IGFBPおよびTSP1モジュールが強かった。また、IGFBP-TSP1モジュール結合体は特に強い血管新生活性を示した。なお、線維化促進活性はTSP1モジュールが強い活性を示した。超低出力パルス超音波は軟骨細胞のCCN2誘導を介して軟骨基質の産生を促進した。また、その作用はCaイオンチャネルTRPV4を介していた。その他、CCN3が実験的OAモデルでOAの予防・治療に効果があること、CCN4が骨髄間葉系細胞の軟骨細胞への分化を促進することを明らかにした。
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研究課題/領域番号:15K20439 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
三野 卓哉, 窪木 拓男, 大野 充昭, 大野 彩
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
インプラント周囲炎は細菌感染による疾患であるが,未だ細菌構成は明らかではな
い.我々は,6名のインプラント周囲炎罹患インプラント体の滲出液から,属レベルでクラスター解析を行った.その結果,複数のインプラント周囲炎部に認めたものの,歯周病罹患歯には認めなかった菌として5種,そして複数のインプラント周囲炎部に認めたものの,健全インプラント体には認めなかった菌として5種が同定された. -
健全な歯周組織再生を目的とした角化歯肉誘導治療薬の開発
2015年04月 - 2017年03月
AMED 橋渡し研究加速ネットワークプログラム(シーズA)
大野充昭
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金