共同研究・競争的資金等の研究 - 冨樫 庸介
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T細胞受容体認識エピトープによる腫瘍浸潤Tリンパ球の次世代解析方法の開発
2018年 - 2019年
AMED 次世代がん医療創生研究事業
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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免疫チェックポイント阻害剤によるHyperprogressive diseaseの病態解明
2018年 - 2019年
小林がん学術振興会 小林がん研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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腎細胞癌におけるPD-L1非依存的免疫逃避機構の解明
2018年 - 2019年
ノバルティス科学振興財団 ノバルティス研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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肝内胆管癌における遺伝子変異と免疫学的解析による発癌機序解明と治療法確立
研究課題/領域番号:17K10674 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
久保 正二, 竹村 茂一, 土原 一哉, 佐藤 保則, 田中 肖吾, 冨樫 庸介
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
新たな職業性胆管癌2例の治療および種々の検討が行われた。それら症例の検討の結果、従来より職業性胆管癌の特徴と報告されてきた、癌による胆管狭窄を伴わない限局性肝内胆管拡張像が、進行癌の状況で診断された1例では不明瞭であったが、他の1例では確認しえた。また、2例において、主腫瘍以外の広範囲の胆管に前癌病変や早期癌病変であるbiliary intraepithelial neoplasia(BilIN)やintraductal neoplasm of the bile duct(IPNB)がみられ、さらに慢性胆管傷害像やγ-H2AX陽性胆管上皮がみられることが明らかとなった。これらから、職業性胆管癌ではDNA傷害を伴う慢性胆管傷害が惹起され、前癌病変や早期癌病変を経て浸潤癌に至ると考えられた。現在、これら2例における癌部、前癌病変部および正常胆管DNAの遺伝子解析を行っている。
一方、これまでの職業性胆管癌症例での多発病変の遺伝子解析結果を比較、検討した結果、同じクローンから進展した結節と、遺伝子変異が全く異なる結節、すなわち多中心性発癌と考えられる結節がみられ、臨床経過や病理学的検討から得られた結果を支持するものであった。
胆管癌組織におけるPD-1抗体やPD-L1抗体の発現をみたところ、通常の胆管癌での発現は低かったが、新たな職業性胆管癌でも発現がみられた。また、胆管癌組織あるいはその周囲組織には多くのリンパ球浸潤がみられ、それらのリンパ球ではPD-1あるいはPD-L1の発現がみられた。
以上より、化学発癌の典型例である職業性胆管癌症例では、化学物質によりDNA傷害を伴う慢性胆管傷害が広範囲の胆管に惹起され、前癌病変や早期癌病変を経て浸潤癌に至る多段階発癌を来すとともに、特異的な免疫反応が惹起されていることが特徴であることが、再度確認された。 -
免疫応答ががんの進化に与える影響の解明とその制御に基づく新規治療開発
研究課題/領域番号:17J09900 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
冨樫 庸介
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
腫瘍に対する免疫応答が、がんの進化・腫瘍不均一性に与える影響、すなわち腫瘍のゲノムを編集し悪性化や治療の耐性化に寄与するかどうかを明らかにする目的で、まず活性化したT細胞と腫瘍細胞株とを共培養した場合に上昇してくる遺伝子について解析を行った。共培養の系では特徴的な遺伝子群がコントロールに比較して腫瘍側で上昇しており、その遺伝子群は変異の誘導などにも関わっている可能性が考えられた。カラムを用いて共培養しても同様の結果が得あれらたため、液性因子に注目した。活性化したT細胞が分泌する液性因子としてはインターフェロンγやTNFα、IL-2などが有名であり、それぞれ中和抗体を用いてブロックしたところ、その遺伝子群の発現上昇はインターフェロンγ抗体により阻害された。そこでマウスモデルを用いてB16細胞株のgp100というがん抗原に対して特異的なTCRを持つpMEL-1マウスを使用してこの遺伝子群の上昇を解析したところ、野生型マウスに比べてpMEL-1マウスのほうがこれら遺伝子群の上昇が認められ、さらにインターフェロンγノックアウトマウスとpMEL-1マウスをかけあわせて同様の実験を行ったところ、遺伝子群の上昇がキャンセルされた。今後実際にこれら遺伝子群を強制発現もしくはノックダウンした場合に腫瘍細胞の遺伝子異常にどのような影響を与えるかを解析する予定である。
また実際の臨床検体の解析でもこれら遺伝子群と免疫応答に関わる遺伝子群の発現状況が正の相関を認め、TCGAといった公共データベースでも同様の傾向が見られた。 -
がん関連シグナル・ゲノム異常ががん免疫に与える影響の解明と治療への応用
研究課題/領域番号:17K18388 2017年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
冨樫 庸介, 坪井 正博, 設楽 紘平
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
EGFR遺伝子変異癌は免疫療法の効果が低いことが知られている。そこで臨床検体を解析そたところEGFR野生型肺癌でCD8陽性T細胞の浸潤が多い傾向にあったが、EGFR遺伝子変異肺癌のではCD8陽性T細胞の浸潤が少ないにも関わらず、制御性T細胞(Treg)浸潤が多かった。細胞株とマウスの検証ではEGFRシグナルによりこの免疫状態が作られ、EGFR阻害剤を使用することで免疫状態が改善し抗PD-1抗体の効果が増強された。
さらに胃癌のコホートでTreg浸潤に関わる因子を探索したところ、特徴的なSignatureを見出し現在検証中である。 -
腫瘍免疫における制御性T細胞の新たな概念とその制御に基づいた治療応用
2017年 - 2018年
SGH財団 SGHがん研究助成金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん免疫における新たなTregの概念とその制御に基づく治療への応用
2017年 - 2018年
内藤記念財団 内藤記念科学奨励費・研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん抗原の階層性検討による抗腫瘍免疫応答の本体解明
2017年 - 2018年
武田科学振興財団 武田科学振興財団(研究助成金・奨励金)
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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1細胞レベルのRNAシークエンシング技術のがん免疫への応用
2017年 - 2018年
BMS株式会社 BMS研究助成金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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研究課題/領域番号:16K10148 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
猪爪 隆史, 谷口 智憲, 冨樫 庸介
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では腫瘍拒絶の中心的役割を担うヒト腫瘍浸潤リンパ球を用いたin vitroの実験やヒトの体に近づけたマウスモデルを用いたin vivoの治療実験で以下を実証した。(1)新規免疫チェックポイント候補分子であるTIGIT, LAG3がPD-1と同様に腫瘍特異的な腫瘍浸潤T細胞に選択的に発現され、T細胞の機能を協調して抑制していること(2)これらを同時に阻害することで腫瘍特異的T細胞を相乗的に効率よく活性化できること
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CGH解析に基づいた消化器癌におけるEGFR阻害剤の新たなバイオマーカー探索
研究課題/領域番号:15H06754 2015年08月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
冨樫 庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
CGH解析から明らかになったFGF9・MAP3K10・AKT2遺伝子について、FGF9とAKT2については強制発現株でEGFR阻害剤への耐性化への関与が示唆され、それぞれFGFR阻害剤とPI3K阻害剤で耐性化の解除も確認した。一方でMAP3K10について耐性化は認められなかった。
臨床検体では145例の大腸癌手術検体でFGF9遺伝子の増幅を調べたところ、8例で増幅を認め、KRAS野生型に多い傾向にあった(7/96)。さらに抗EGFR抗体使用コホートでも著効例には増幅は認めなかったが耐性例には1/7例で増幅を認めた。また進行膵癌ではAkt2高発現症例でEGFR阻害剤への耐性傾向を認めた。 -
がんの新規治療標的分子の探索並びに創薬への応用
研究課題/領域番号:14J12493 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
冨樫 庸介
配分額:2200000円 ( 直接経費:2200000円 )
我々は膵癌細胞株のarray-CGH法を用いた解析の結果からアクチビン受容体であるアクチビンA受容体type IBの欠損を同定した。そこで膵癌におけるアクチビンシグナルについての研究を行い、治療標的なり得るかを検証した。
まず受容体非欠損株ではアクチビンAによる刺激で増殖が抑制されること、さらにshRNAによりその受容体をノックダウンしたところ、アクチビンによる増殖抑制シグナルがキャンセルされ、癌の進展に関わっていることを証明した。また膵癌の生検サンプルでは29例中6例で受容体が欠損していた。
一方で膵癌患者の血清のアクチビンA濃度をELISAで測定したところ、予想と反してアクチビンA濃度が高い群が予後不良であった。さらにMIA PaCa-2という膵癌細胞株はアクチビンAにより極端に増殖が亢進した。アクチビンによる増殖抑制効果と増殖促進効果の違いを調べるために代表的な下流シグナルを検証したところ、MIA PaCa-2はSMADシグナルに加えて非SMADシグナルのPI3KやJNKシグナルが活性化しており、増殖が抑制される細胞株では非SMADシグナルは活性化されていなかったことを見出した。アクチビンAのサブユニットであるINHBAを強制発現した細胞株を作成したところMIA PaCa-2については増殖が亢進した。さらにINHBA強制発現株を移植したマウスはコントロールに比較して体重が極端に減少し、予後が極めて不良であった。解剖したところ筋組織の委縮が著明でアクチビンによる悪液質の影響が考えられた。
膵癌におけるアクチビンシグナルは一部では癌抑制的に作用するが一部では癌促進的にも作用し、さらに悪液質へ関与することが示唆された。そういった群ではアクチビンシグナルが治療標的となり得、抗体療法といった実際の治療についての検証も計画している。 -
腫瘍局所3次リンパ様構造の本態解明と治療への応用
安田記念医学財団 若手癌研究助成
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がん抗原の階層性検討による抗腫瘍免疫応答の本体解明
武田科学振興財団 研究継続助成金・奨励金
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ネオ抗原特異的T細胞に発現する分子の機能解析
九州大学・生体防御医学研究所 令和2年度共同利用・共同研究
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胸腺腫・胸腺癌における抗腫瘍免疫応答の解明
日本肺癌学会 肺癌研究助成金
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腫瘍浸潤ネオ抗原特異的T 細胞の増殖・長期生存メカニズムの解明とその治療への応用
持田記念医学薬学振興財団 研究助成金
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IFN-γシグナル異常によるがん免疫療法耐性の本態解明と克服のための新規治療開発
がん集学的治療研究財団 研究助成金
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濾胞性ヘルパーT 細胞の腫瘍免疫における新たな機能の解明
かなえ医薬振興財団 研究助成金