共同研究・競争的資金等の研究 - 冨樫 庸介
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腫瘍関連老化細胞spreading解析のための新規モデル作成とその詳細解明
研究課題/領域番号:24K22071 2024年06月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介, 細野 祥之
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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肺癌における腫瘍浸潤リンパ球の二面性の解明
研究課題/領域番号:24K02459 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
冨樫 庸介, 大橋 圭明
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
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治療抵抗性肉腫における免疫微小環境の空間的解明と新規治療法への展開
研究課題/領域番号:24K02566 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
藤原 智洋, 冨田 秀太, 山元 英崇, 冨樫 庸介, 尾崎 敏文, 近藤 彩奈, 長谷川 翼
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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ICI耐性におけるCAF標的治療の腫瘍免疫リモデリング効果の検証
研究課題/領域番号:24K02520 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
野間 和広, 橋本 将志, 大原 利章, 菊地 覚次, 賀島 肇, 冨樫 庸介
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
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MASLD関連肝細胞がんにおけるミトコンドリア異常の抗腫瘍免疫応答への影響の解明
研究課題/領域番号:24K11153 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
上田 優輝, 冨樫 庸介, 大塚 基之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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ミトコンドリア異常に注目したメタボリック関連脂肪性肝疾患(MASLD)の病態解明・新規治療開発
2024年04月 - 2027年03月
AMED 肝炎等克服実用化研究事業
担当区分:研究代表者
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非小細胞肺癌に対するPD-1経路阻害薬の継続と休止に関するランダム化比較第III相試験
2023年11月 - 2026年03月
AMED 革新的がん医療実用化研究事業
担当区分:研究分担者
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時空間的ミトコンドリア免疫代謝異常の解明とその制御による新規治療開発
2023年10月 - 2026年03月
AMED 次世代がん医療加速化研究事業
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患者血液検体を用いたミトコンドリア異常と免疫チェックポイント阻害薬の治療効果との関連について明らかにする後方視的研究
2023年10月 - 2026年03月
AMED 次世代がん医療加速化研究事業
担当区分:研究分担者
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腫瘍微小環境のゲノム異常とクローン性造血の関係解明
研究課題/領域番号:23KK0149 2023年09月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(海外連携研究)
冨樫 庸介, 長崎 譲慈, 諏澤 憲
配分額:20800000円 ( 直接経費:16000000円 、 間接経費:4800000円 )
ゲノム異常を有する造血細胞が健常者にもクローン性造血として見られることが報告されており、造血器腫瘍だけではなく固形腫瘍などでも注目されている。一方で、がん免疫療法の効果や副作用との関係性についての報告はほとんどなく、直接的な影響を論じたものは一切存在しない。そこで、がん免疫療法の効果や副作用とこのクローン性造血の関係性を明らかにする目的でクローン性造血に関しての解析に長けている海外研究者と共同で本研究を開始した。まず初年度には渡航のうえで我々の持つ免疫細胞培養解析技術と海外研究者の有する造血幹細胞培養技術とシングルセル解析技術に関して相互に技術交換を行った。さらに海外でこそ取得可能な検体に関しての打ち合わせも同時に行っている。既に我々が有する検体を予備的に解析したところ、免疫細胞に複数の異常が見出された。解析したクローンについては、解析済だったシングルセルシーケンス結果と照らし合わせることで、抗腫瘍免疫応答にとって極めて重要なものも含まれていた。そして同定した異常そのものも、既報などから生物学的に意味のあるものとして疑われた。今後は実際にがん免疫療法の効果に関わるか、もしくはそのもの自身が腫瘍増殖などに影響するか、などについての機能解析をマウス等で行う予定である。さらに数も増やして解析し、ドライバー遺伝子ごとのクラスタリングや変異シグネチャー解析を行って、クローン進化の樹形図作成を目指す。
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難治性癌の細胞外小胞によるマクロファージハイジャックと転移ニッチの解明
研究課題/領域番号:23K28000 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
江口 傑徳, 高橋 賢, 河合 穂高, 岡元 邦彰, 冨樫 庸介, 武部 克希
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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難治性癌の細胞外小胞によるマクロファージハイジャックと転移ニッチの解明
研究課題/領域番号:23H03310 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
江口 傑徳, 河合 穂高, 高橋 賢, 冨樫 庸介, 岡元 邦彰
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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線溶阻害因子が制御するがん微小環境ネットワークの解明と治療への応用
研究課題/領域番号:23K06612 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
伊達 慶一, 豊岡 伸一, 諏澤 憲, 山本 寛斉, 枝園 和彦, 冨田 秀太, 冨樫 庸介
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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時空間マルチサンプリング検体の単一細胞解析によるヒト免疫療法の基盤となる免疫記憶の解明
2022年10月 - 2028年03月
AMED CREST
担当区分:研究分担者
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内在性レトロウイルスが抗腫瘍免疫応答に関与するメカニズムの解明
研究課題/領域番号:22K19561 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
豊岡 伸一, 冨樫 庸介, 本田 知之, 冨田 秀太, 山本 寛斉, 諏澤 憲, 枝園 和彦
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
非小細胞肺癌を含む種々の悪性腫瘍においては、腫瘍が免疫系から逃避するために獲得する免疫チェックポイント分子に対する抗体(免疫チェックポイント阻害薬)により治療効果を認めており、癌治療の新たな選択肢として注目されている。しかし、約30%の患者にしか効果を認めないため、個々の患者で腫瘍免疫応答の機構は異なることが予想される。内在性レトロウイルス (ERV) は、生物の生殖細胞ゲノム中に存在するレトロウイルスゲノムに類似した塩基配列であり、ヒトのゲノムにおいては8%程度を占めると考えられているが、遺伝子発現および調節において不可欠な役割を果たしている。ERVが腫瘍免疫抑制に関わる可能性が報告されているが、一方でERVが腫瘍免疫応答を促進するという一見すると矛盾した報告もあり、ERVが腫瘍免疫応答に関与するメカニズムの詳細は未だ不明である。本研究では、肺癌におけるERV発現が腫瘍免疫応答に関与するメカニズムに焦点を当て、その本質の解明に挑戦する。
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令和4年度は、保管されている肺癌手術検体を使用してRNA-SeqによりERV発現の探索を進めている。また得られた遺伝子データを、腫瘍に含まれる各種細胞の構成比を推定する解析ツールであるCIBERSORTx (https://cibersortx.stanford.edu/) に入力して、T細胞やB細胞などの免疫細胞の分画を推定し、ERVの発現と免疫細胞の分画の関連を検討中である。 -
CAR-T細胞を薬剤送達システムとして活用したがん標的治療法の開発
2022年06月 - 2024年03月
AMED 次世代がん医療加速化研究事業
担当区分:研究分担者
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抗腫瘍免疫応答における腫瘍「周辺」環境での時空間的T細胞分化動態の解明
研究課題/領域番号:22K19459 2022年06月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介, 宝田 剛志
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
免疫チェックポイント阻害薬(ICI)を含むがん免疫療法が臨床応用されたが、その効果は満足のいくものではない。T細胞の長期メモリー誘導・ミトコンドリア代謝・酸化的リン酸化がICIの長期奏効に重要で免疫老化がそれを妨げるとされているが、詳細は不明である。ICIは腫瘍局所で抑制されているがんを直接攻撃する腫瘍特異的疲弊T細胞を活性化して効果を発揮している治療であるため、腫瘍細胞と直接対峙する腫瘍浸潤リンパ球(TIL)が本態解明には重要である。さらに我々はTILに加え、腫瘍「周辺」環境の抗腫瘍免疫応答での重要性に注目し、ヒト検体でシングルセルシークエンスを行ったところ、腫瘍「周辺」環境では免疫老化を防ぐ分子が高発現し、ミトコンドリア機能が保たれ、非老化状態が保たれていることが示唆され、そのようなT細胞は効率的にメモリー誘導され、ICIの長期効果に関わる可能性が考えられた。そこで、同定した老化を防ぐ分子やミトコンドリアに注目し、腫瘍「周辺」環境での老化や疲弊などのT細胞分化に関して、臨床検体や独自のマウスモデルを用いて明らかにする目的で本研究を行った。
まず、JurkatといったT細胞株や末梢血T細胞、患者由来TILに先行研究で同定した2つの遺伝子を強制発現し評価したところ、T細胞の活性化が明らかに上昇した。ミトコンドリア異常に関しては患者由来TILで比較し、ミトコンドリア異常TILのほうが明らかに老化マーカーが上昇し活性化やメモリー形成が障害されていた。またin vivoで腫瘍を移植したところTILでのミトコンドリア異常も見られた。現在、時空間的な解析のための新たなマウスの実験に取り組んでいる。 -
マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境の破壊と抗腫瘍効果の検討
研究課題/領域番号:23K24421 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
豊岡 伸一, 冨田 秀太, 枝園 和彦, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 阪口 政清, 冨樫 庸介, 諏澤 憲
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
がん微小環境は、がん細胞と周囲の組織や免疫細胞を含む様々な細胞・非細胞成分から構成される。がん細胞と微小環境は相互に影響し、正常組織とは異なるがんの進展に必要な異常な環境を構築するのみならず、従来の抗腫瘍薬剤への抵抗性にも関与している。がん微小環境を構成する因子のうち、がん関連線維芽細胞(CAF, cancer associatedfibroblast) は、がんの進展に重要な役割を果たしているが、これまでがん微小環境に関する研究を進める中で、マトリセルラータンパク質がCAFで高発現している知見を得た。本研究は、がん微小環境においてCAFの由来・成熟に対するマトリセルラー蛋白質の役割を解明し、マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境を標的とする肺がんに対する新しい治療戦略の創出を目的としている。
2022年度は、肺がん手術臨床検体から得られた肺がん・正常肺組織のペアサンプルを用いてシングルセルRNAシークエンスを実施した。血管内皮細胞や周皮細胞が、内皮間葉移行(EndMT) をおこし分化転換したCAFを同定すべく、得られた発現データセットを用いて線維芽細胞と血管内皮/周皮細胞の特徴を持つクラスターを探索し、我々が着目しているマトリセルラー蛋白との相関、特異的に活性化しているシグネチャーの検討を行っている。
さらに、非小細胞肺がん細胞株とCAFを用いて、CAFが肺がん細胞の表現型に与える影響について検討をin vitroで共培養および馴化培地モデルなどを用いて検証した。その結果、CAFの共培養およびCAF由来のCMの刺激により、肺がん細胞細胞の増殖能、遊走・浸潤能、薬物治療抵抗性のいずれも亢進することを明らかにした。 -
マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境の破壊と抗腫瘍効果の検討
研究課題/領域番号:22H03162 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
豊岡 伸一, 冨田 秀太, 枝園 和彦, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 阪口 政清, 冨樫 庸介, 諏澤 憲
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
がん微小環境は、がん細胞と周囲の組織や免疫細胞を含む様々な細胞・非細胞成分から構成される。がん細胞と微小環境は相互に影響し、正常組織とは異なるがんの進展に必要な異常な環境を構築するのみならず、従来の抗腫瘍薬剤への抵抗性にも関与している。がん微小環境を構成する因子のうち、がん関連線維芽細胞(CAF, cancer associatedfibroblast) は、がんの進展に重要な役割を果たしているが、これまでがん微小環境に関する研究を進める中で、マトリセルラータンパク質がCAFで高発現している知見を得た。本研究は、がん微小環境においてCAFの由来・成熟に対するマトリセルラー蛋白質の役割を解明し、マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境を標的とする肺がんに対する新しい治療戦略の創出を目的としている。
2022年度は、肺がん手術臨床検体から得られた肺がん・正常肺組織のペアサンプルを用いてシングルセルRNAシークエンスを実施した。血管内皮細胞や周皮細胞が、内皮間葉移行(EndMT) をおこし分化転換したCAFを同定すべく、得られた発現データセットを用いて線維芽細胞と血管内皮/周皮細胞の特徴を持つクラスターを探索し、我々が着目しているマトリセルラー蛋白との相関、特異的に活性化しているシグネチャーの検討を行っている。
さらに、非小細胞肺がん細胞株とCAFを用いて、CAFが肺がん細胞の表現型に与える影響について検討をin vitroで共培養および馴化培地モデルなどを用いて検証した。その結果、CAFの共培養およびCAF由来のCMの刺激により、肺がん細胞細胞の増殖能、遊走・浸潤能、薬物治療抵抗性のいずれも亢進することを明らかにした。 -
腫瘍微小環境のミトコンドリア異常に基づく新規バイオマーカー及び治療開発
2022年04月 - 2025年03月
AMED 革新的がん医療実用化研究事業
担当区分:研究代表者
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肝細胞癌の背景肝に蓄積したT細胞の腫瘍抗原認識に着目した機能解析
研究課題/領域番号:22K08049 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
小笠原 定久, 冨樫 庸介
担当区分:研究分担者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
肝細胞癌の発癌母地となる慢性炎症を有す肝臓(慢性肝炎または肝硬変)にはCD8+T細胞が蓄積・浸潤していることが知られている。一方、肝細胞癌のみならず全ての悪性腫瘍において免疫チェックポイント阻害剤の治療効果を高めるためには腫瘍に浸潤する「腫瘍を認識した」CD8+T細胞が大きな役割を果たしている。肝細胞癌において背景肝に蓄積するCD8+T細胞と腫瘍に浸潤するCD8+T細胞の機能を個々に解析するために、我々は肝細胞癌対して免疫チェックポイント阻害剤を投与する症例の治療開始直前の臨床サンプルを、同一症例において①腫瘍局所、および腫瘍から離れた②背景肝の2ヶ所から生検を行い、ペアサンプルの蓄積、解析を行なった。本研究では臨床サンプルを用いて(A)肝細胞癌の腫瘍局および背景肝における免疫微小環境の評価、(B)肝細胞癌の腫瘍局所および背景肝のCD8+T細胞の抗原認識の相違性の探索、(C)項目A、Bで得られた解析結果と免疫チェックポイント阻害剤との奏効の関連性の検討を実施し、加えて(D)マウスモデルを用いたCD8+T細胞の抗原認識の相違性の検証を計画している。
本年度は、項目(A)では病理学的所見の検討、およびフレッシュサンプルを用いたフローサイトメトリー(FCM)を用いた免疫細胞の1細胞レベルの解析を行なった。項目(B)においてはTCRレパトア解析の準備を行なった。また、項目(C)の解析に向けてさらなる臨床データの蓄積を行なっている。 -
免疫チェックポイント阻害剤の課題克服を目指した腫瘍特異的T細胞の解析
研究課題/領域番号:22K08424 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
猪爪 隆史, 冨樫 庸介
担当区分:研究分担者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
抗PD-1抗体は3-4割のメラノーマ患者に奏効するが、一定割合で免疫関連有害事象も発生する。したがって、治療前に効果を予測するバイオマーカーの探索および効果と副作用の差別化が重要課題となる。本研究では代表者らのグループが専門とする、メラノーマ組織中の腫瘍特異的T細胞を同定してその性質と機能を分析する技術を駆使し、腫瘍内の腫瘍特異的T細胞に発現する特徴的な分子を探索する。本研究の特徴は代表者が持つメラノーマ組織中の腫瘍特異的T細胞を同定する技術と研究分担者が持つ単細胞RNA解析技術を融合して、腫瘍特異性が担保されたT細胞クローンの特徴をin vivoに近い状態で網羅的に解析する点である。同定された分子群は鋭敏なバイオマーカーとなる可能性がある。またそれらの分子の機能を解析し、アゴニストやアンタゴニストによって活性化すべきT細胞のみを選択的に活性化する方法を開発し、次世代がん免疫療法の開発を目指す。本計画では特に、腫瘍特異的T細胞の解析が世界でもほとんど進んでいない粘膜型、末端黒子型、先天性母斑由来型にフォーカスして解析を進めている。これらの病型について各2-3症例程度の網羅的解析を行って有用な分子を探索し、最終的には各病型20-50例の免疫染色によって一般的な傾向、有用性を検証する。今年度は可能な限り多くの進行期メラノーマ患者の体表転移 (主に粘膜型、末端黒子型、先天性母斑由来型)を切除してTumor digestを作成保存すること、tumor digestからがん細胞株と浸潤T細胞株を樹立して、それらの共培養によりがん細胞株に反応するT細胞クローンを多数樹立すること、増殖させた各T細胞クローンからmRNAを抽出し、5’RACE PCRによって可能な限り多くの腫瘍特異的T細胞受容体(TCR)遺伝子配列を同定すること、を重点目標として研究を実施した。
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腫瘍微小周辺環境における特異的分子に基づいた新規治療開発
2022年
AMED 橋渡し研究シーズA
担当区分:研究代表者
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悪性リンパ腫における遺伝子異常を基盤とした発症機構・分子病態の統合的解明
研究課題/領域番号:21H05051 2021年07月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
片岡 圭亮, 木暮 泰寛, 冨樫 庸介
担当区分:研究分担者
配分額:186680000円 ( 直接経費:143600000円 、 間接経費:43080000円 )
悪性リンパ腫は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)や、成人T細胞白血病リンパ腫(ATL)、節外性NK/T細胞リンパ腫(ENKTL)などを含む不均一な疾患である。近年、リンパ腫においても遺伝子異常の全体像が解明され、様々な新規異常が同定されてきた。しかし、多くの異常の生物学的意義、特に、その分子機構や生体内でリンパ腫発症に果たす役割、微小環境に与える変化は不明のままである。本研究では、申請者が同定した異常を中心に、リンパ腫で認められる遺伝子異常の詳細な分子機構・生体内における役割・微小環境に与える変化を解明するために、A.申請者の遺伝子解析研究で同定された異常の分子機能の解明・疾患動物モデルの解析、B.生体内CRISPRスクリーニングによるリンパ腫発症に寄与する遺伝子異常の高効率な検証、C. CRISPR制御部位スクリーニングによるB細胞リンパ腫特異的PD-L2発現制御機構の解明、D.単一細胞マルチオミクス解析のマウスリンパ腫モデルへの応用とリンパ腫微小環境の解明、E.ヒト検体由来の網羅的遺伝子解析データを用いた臨床応用の可能性の探索、を実施した。
本年度は、項目Aでは、ATLでアイソフォーム特異的に変異が認められるCICのアイソフォーム特異的欠失マウスの構築・解析を行い、CIC-L欠失により、ATLの起源細胞である制御性T細胞が増加することを明らかにした(Y Kogure, 2022 Blood)。項目Bでは、DLBCLで認められる異常も対象として生体内CRISPRスクリーニングを実施し、様々な造血器腫瘍の発症・進展に関与する遺伝子を同定した。項目Cでは、PD-L2発現制御に関わる転写因子をCRISPRスクリーニングにより探索した結果、7個の転写抑制因子および2個の転写促進因子を同定した。項目Dでは、単一細胞マルチオミクス解析のマウスモデルへの応用を実現した。 -
ゲノム異常を有する腫瘍浸潤リンパ球の1細胞解析方法の開発とその臨床的意義の解明
2021年06月 - 2023年03月
AMED 次世代がん医療創生研究事業
担当区分:研究代表者
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抗腫瘍免疫応答に重要な真のネオ抗原の同定と発がんとの関係解明
2021年04月 - 2027年
JST 創発的研究支援事業
冨樫 庸介
担当区分:研究代表者
がん免疫療法の効果は未だ満足のいくものではないです。がん免疫では遺伝子変異由来の「ネオ抗原」が注目されていますが、従来の「ネオ抗原」だけでは説明できない現象も多く、本研究では今まで注目されていない遺伝子や免疫細胞に踏み込み、「真のネオ抗原」を同定して治療応用を目指します。またがんになる手前の病変でも「真のネオ抗原」含めどのような免疫状態になっているか解明し、がんの予防方法などに応用します。
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鼻副鼻腔原発の粘膜型悪性黒色腫の免疫ゲノム解析および重粒子線の影響解明
研究課題/領域番号:21K09625 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
花澤 豊行, 猪爪 隆史, 冨樫 庸介
担当区分:研究分担者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
鼻副鼻腔を原発とする粘膜型悪性黒色腫は、皮膚型の悪性黒色腫に比較すると予後が悪く、手術と放射線治療を有効に組み合わせることで、比較的良好な局所制御率を達成しているものの、遠隔転移が多いため極めて予後不良な疾患である。また、悪性黒色腫に効果があるとされる重粒子線治療単独での局所制御は高いものの、やはり遠隔転移が多いことが課題である。更に免疫チェックポイント阻害薬は、悪性黒色腫に対して一定の効果が示されているが、その効果は15%程度であり、有効な化学療法が存在しない現況から遠隔転移を如何に制御できるかは喫緊の課題である。本研究においては、粘膜型悪性黒色腫に対する免疫チェックポイント阻害薬の抗腫瘍免疫応答のメカニズムを明らかにすることが目的である。そこで、まずは鼻副鼻腔を原発とする粘膜型悪性黒色腫の免疫状態を解析するために、貴重な臨床検体を用いて、患者由来の悪性黒色腫細胞株およびオルガノイドとそのペアの腫瘍浸潤リンパ球を樹立して、腫瘍微小環境を再現する系の作製を試みた。腫瘍浸潤リンパ球の樹立には成功したものの、粘膜型悪性黒色腫細胞株の樹立に関してはさまざまな細胞が多数混在しているためやや難渋している。しかし、樹立した腫瘍浸潤リンパ球と臨床検体処理直後のTumor digestを共培養することで、IFN-γが産生されていることが確認でき、Tumor digestに含まれる粘膜型悪性黒色腫細胞を樹立した腫瘍浸潤リンパ球が認識できていることが確認できた。
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悪性黒色腫の腫瘍特異的疲弊T細胞に発現する新規接着因子の機能解析と臨床応用
研究課題/領域番号:21K08314 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
盛永 敬郎, 猪爪 隆史, 冨樫 庸介
担当区分:研究分担者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
免疫チェックポイント阻害薬(ICB)は、PD-1など免疫チェックポイント分子によって免疫応答が不活性化(疲弊)している腫瘍特異的T細胞を再活性化して、治療効果を発揮する。ICBは悪性黒色腫への効果が証明されているが、まったく無効な症例もあり、ICBで活性化できないT細胞の分子機構解明は急務である。我々は以前に、悪性黒色腫患者検体の腫瘍浸潤T細胞のシングルセルシークエンス(scRNA-seq)から、腫瘍特異的T細胞に既知の免疫チェックポイント分子以上に高発現する分子として、複数の接着因子を見いだしており、本研究は①これら接着因子の腫瘍特異的T細胞における発現機序を解明し、②抗腫瘍免疫応答における機能と結合リガンドを明らかにし、③臨床検体を用いて既存のICB治療効果も含め臨床病理学的に検討することで、接着因子を標的とした新規ICB治療法開発を目指すものである。
2021年度は①の分子機構について、そのシグナル経路を明らかにし、阻害薬でこれを抑制できることを確認した。また②については、当該分子の過剰発現が免疫応答に与える影響をin vitro実験で明らかにした。③についても臨床検体を集めて解析に着手している。これらの実験に附随して、本年度はPD-1阻害療法が疲弊T細胞に与える影響に関する共著論文を発表したほか、がん細胞自体の進化が免疫療法に影響しうるといった研究成果の論文発表を準備しており、目標としている新規ICB治療法開発の基礎的な知見を積み重ねている。 -
COPDの病態解明・新規治療開発のための空間解析を含むマルチオミックスデータベース構築
2021年 - 2022年03月
AMED ゲノム医療実現バイオバンク利活用プログラム(次世代医療基盤を支えるゲノム・オミックス解析)
担当区分:研究分担者
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腫瘍浸潤B細胞の本態解明とその治療応⽤
2021年
上原記念生命科学財団 研究奨励金
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がん抗原階層性からの腫瘍浸潤PD-1陽性T細胞の抗腫瘍免疫応答及び抑制能の解明
研究課題/領域番号:20H03694 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
冨樫 庸介, 盛永 敬郎
担当区分:研究代表者
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
抗PD-1/PD-L1抗体はT細胞を活性化し抗腫瘍効果を発揮している。特に体細胞変異由来のネオ抗原は強い免疫応答を起こすことができるため、それらを認識しているエフェクターT細胞が重要である。申請者は肺癌の臨床検体から腫瘍浸潤T細胞のPD-1発現のバランスが抗PD-1/PDL1抗体の効果・耐性に関与することを明らかにした。本研究はさらに発展させ、ネオ抗原や共通抗原といった認識するがん抗原の階層性に基づくT細胞のPD-1発現といった表現型や機能の違いを明らかにし、より効果の高い治療や正確なバイオマーカー、個別化細胞療法の基盤データを得ることを目指す。
前年度に腫瘍細胞と反応するPD-1陽性CD8陽性エフェクターT細胞と制御性T細胞を含むCD4陽性T細胞を同定した。さらにシングルシークエンスを加速させるために共同で機器を購入したうえで詳細を解析したところ、CD4陽性T細胞に関してはPD-1の発現に加えて、他のマーカーも発現しており、1部では細胞傷害活性も有していた。CD4陽性T細胞の細胞傷害活性に関わる転写因子に関してもシングルセルシークエンスデータを解析したところ、CD8陽性T細胞で報告のある転写因子を同定できた。今後の同定した転写因子の機能への影響を検証する予定である。また制御性T細胞のPD-1発現機序として、乳酸代謝が関わることを明らかにした。
抗原性の観点でも制御性T細胞の解析を行ったが、今までに見つかっていない異常ペプチドを質量分析から同定しており、反応するT細胞に関して今後検証していく予定である。 -
異所性に存在する腫瘍ネオ抗原特異的T 細胞クローンの同定方法の開発
2020年 - 2021年
東京生化学研究会 研究奨励金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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腫瘍浸潤PD-1陽性制御性T細胞は「疲弊状態」にある
2020年 - 2021年
第一三共生命科学研究振興財団 研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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腫瘍微小環境の「疲弊」CD4陽性T細胞の本態解明
2020年
千里ライフサイエンス振興財団 岸本基金研究助成
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HLA class I/class IIとがん免疫療法の効果と耐性への影響の解明と新たな治療開発
2020年
公益財団法人がん研究振興財団 がん研究助成金
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前がん病変から発がん過程における免疫応答とその逃避機構の解明
2020年
MSD生命科学財団 がん領域研究助成
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代謝産物が紡ぐがんドライバー遺伝子異常による抗腫瘍免疫応答への影響の解明と治療への応用
2020年
興和生命科学振興財団
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体細胞変異に伴う抗腫瘍免疫応答に対する新たな免疫編集機構の解析
研究課題/領域番号:19K22574 2019年06月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
非小細胞肺癌、大腸癌の臨床検体を用いて、体細胞変異数が異常に多いにも関わらず、免疫応答が起きていないような症例の存在を明らかにした。そういった症例について、体細胞変異からネオ抗原を予測し、予測上位のペプチドと患者リンパ球を用いてアッセイした。ELISPOTではそのような症例でも抗原特異的T細胞の存在が確認され、ネオ抗原は存在するにも関わらず、特異的T細胞が浸潤できていないような状況が想定された。遺伝子発現を解析するとそういった症例では抗原提示細胞に関わる遺伝子発現が低下しており、逆にがんの悪性化に関わるシグナルの遺伝子発現が上昇していた。
またマウスモデルで変異を誘導した腫瘍株はマウスに拒絶されたが(株1)、さらに変異を誘導すると再びマウスに生着することを確認した(株2)。免疫不全マウスでは親株と株1、株2で生着や増殖に差は見られず、この現象には何らかの免疫環境が関与していると考えられた。これらの株について変異解析を行ったところ、親株<株1<株2と体細胞変異数が多かった。一方で、発現解析からは臨床検体同様に腫瘍の悪性化に関わるシグナルが複数関与していることを明らかにした。これらシグナルの阻害剤を使用した際に再生着した株2の成長が抑制され、この効果は他の株や免疫不全マウスでは見られず、株2でこのシグナルが免疫系に作用し免疫応答が抑制されていることが示唆された。
以上より、体細胞変異・ネオ抗原に対する抗腫瘍免疫応答を腫瘍側の悪性化に関わるシグナルが抑制するような新たな免疫編集機構の存在が示唆された。 -
シングルセルシークエンスによるネオ抗原特異的T細胞の時空間的解析から治療標的・バイオマーカーへの応用
2019年 - 2021年
AMED 革新がん医療実用化研究事業
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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ネオ抗原特異的腫瘍浸潤T細胞に発現する接着因子の腫瘍免疫における役割
2019年 - 2020年
三菱財団 三菱財団自然科学助成金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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T細胞受容体認識エピトープによる腫瘍浸潤Tリンパ球の次世代解析方法の開発
2018年 - 2019年
AMED 次世代がん医療創生研究事業
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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免疫チェックポイント阻害剤によるHyperprogressive diseaseの病態解明
2018年 - 2019年
小林がん学術振興会 小林がん研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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腎細胞癌におけるPD-L1非依存的免疫逃避機構の解明
2018年 - 2019年
ノバルティス科学振興財団 ノバルティス研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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肝内胆管癌における遺伝子変異と免疫学的解析による発癌機序解明と治療法確立
研究課題/領域番号:17K10674 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
久保 正二, 竹村 茂一, 土原 一哉, 佐藤 保則, 田中 肖吾, 冨樫 庸介
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
新たな職業性胆管癌2例の治療および種々の検討が行われた。それら症例の検討の結果、従来より職業性胆管癌の特徴と報告されてきた、癌による胆管狭窄を伴わない限局性肝内胆管拡張像が、進行癌の状況で診断された1例では不明瞭であったが、他の1例では確認しえた。また、2例において、主腫瘍以外の広範囲の胆管に前癌病変や早期癌病変であるbiliary intraepithelial neoplasia(BilIN)やintraductal neoplasm of the bile duct(IPNB)がみられ、さらに慢性胆管傷害像やγ-H2AX陽性胆管上皮がみられることが明らかとなった。これらから、職業性胆管癌ではDNA傷害を伴う慢性胆管傷害が惹起され、前癌病変や早期癌病変を経て浸潤癌に至ると考えられた。現在、これら2例における癌部、前癌病変部および正常胆管DNAの遺伝子解析を行っている。
一方、これまでの職業性胆管癌症例での多発病変の遺伝子解析結果を比較、検討した結果、同じクローンから進展した結節と、遺伝子変異が全く異なる結節、すなわち多中心性発癌と考えられる結節がみられ、臨床経過や病理学的検討から得られた結果を支持するものであった。
胆管癌組織におけるPD-1抗体やPD-L1抗体の発現をみたところ、通常の胆管癌での発現は低かったが、新たな職業性胆管癌でも発現がみられた。また、胆管癌組織あるいはその周囲組織には多くのリンパ球浸潤がみられ、それらのリンパ球ではPD-1あるいはPD-L1の発現がみられた。
以上より、化学発癌の典型例である職業性胆管癌症例では、化学物質によりDNA傷害を伴う慢性胆管傷害が広範囲の胆管に惹起され、前癌病変や早期癌病変を経て浸潤癌に至る多段階発癌を来すとともに、特異的な免疫反応が惹起されていることが特徴であることが、再度確認された。 -
免疫応答ががんの進化に与える影響の解明とその制御に基づく新規治療開発
研究課題/領域番号:17J09900 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
冨樫 庸介
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
腫瘍に対する免疫応答が、がんの進化・腫瘍不均一性に与える影響、すなわち腫瘍のゲノムを編集し悪性化や治療の耐性化に寄与するかどうかを明らかにする目的で、まず活性化したT細胞と腫瘍細胞株とを共培養した場合に上昇してくる遺伝子について解析を行った。共培養の系では特徴的な遺伝子群がコントロールに比較して腫瘍側で上昇しており、その遺伝子群は変異の誘導などにも関わっている可能性が考えられた。カラムを用いて共培養しても同様の結果が得あれらたため、液性因子に注目した。活性化したT細胞が分泌する液性因子としてはインターフェロンγやTNFα、IL-2などが有名であり、それぞれ中和抗体を用いてブロックしたところ、その遺伝子群の発現上昇はインターフェロンγ抗体により阻害された。そこでマウスモデルを用いてB16細胞株のgp100というがん抗原に対して特異的なTCRを持つpMEL-1マウスを使用してこの遺伝子群の上昇を解析したところ、野生型マウスに比べてpMEL-1マウスのほうがこれら遺伝子群の上昇が認められ、さらにインターフェロンγノックアウトマウスとpMEL-1マウスをかけあわせて同様の実験を行ったところ、遺伝子群の上昇がキャンセルされた。今後実際にこれら遺伝子群を強制発現もしくはノックダウンした場合に腫瘍細胞の遺伝子異常にどのような影響を与えるかを解析する予定である。
また実際の臨床検体の解析でもこれら遺伝子群と免疫応答に関わる遺伝子群の発現状況が正の相関を認め、TCGAといった公共データベースでも同様の傾向が見られた。 -
がん関連シグナル・ゲノム異常ががん免疫に与える影響の解明と治療への応用
研究課題/領域番号:17K18388 2017年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
冨樫 庸介, 坪井 正博, 設楽 紘平
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
EGFR遺伝子変異癌は免疫療法の効果が低いことが知られている。そこで臨床検体を解析そたところEGFR野生型肺癌でCD8陽性T細胞の浸潤が多い傾向にあったが、EGFR遺伝子変異肺癌のではCD8陽性T細胞の浸潤が少ないにも関わらず、制御性T細胞(Treg)浸潤が多かった。細胞株とマウスの検証ではEGFRシグナルによりこの免疫状態が作られ、EGFR阻害剤を使用することで免疫状態が改善し抗PD-1抗体の効果が増強された。
さらに胃癌のコホートでTreg浸潤に関わる因子を探索したところ、特徴的なSignatureを見出し現在検証中である。 -
腫瘍免疫における制御性T細胞の新たな概念とその制御に基づいた治療応用
2017年 - 2018年
SGH財団 SGHがん研究助成金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん免疫における新たなTregの概念とその制御に基づく治療への応用
2017年 - 2018年
内藤記念財団 内藤記念科学奨励費・研究助成
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん抗原の階層性検討による抗腫瘍免疫応答の本体解明
2017年 - 2018年
武田科学振興財団 武田科学振興財団(研究助成金・奨励金)
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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1細胞レベルのRNAシークエンシング技術のがん免疫への応用
2017年 - 2018年
BMS株式会社 BMS研究助成金
冨樫庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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研究課題/領域番号:16K10148 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
猪爪 隆史, 谷口 智憲, 冨樫 庸介
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では腫瘍拒絶の中心的役割を担うヒト腫瘍浸潤リンパ球を用いたin vitroの実験やヒトの体に近づけたマウスモデルを用いたin vivoの治療実験で以下を実証した。(1)新規免疫チェックポイント候補分子であるTIGIT, LAG3がPD-1と同様に腫瘍特異的な腫瘍浸潤T細胞に選択的に発現され、T細胞の機能を協調して抑制していること(2)これらを同時に阻害することで腫瘍特異的T細胞を相乗的に効率よく活性化できること
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CGH解析に基づいた消化器癌におけるEGFR阻害剤の新たなバイオマーカー探索
研究課題/領域番号:15H06754 2015年08月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
冨樫 庸介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
CGH解析から明らかになったFGF9・MAP3K10・AKT2遺伝子について、FGF9とAKT2については強制発現株でEGFR阻害剤への耐性化への関与が示唆され、それぞれFGFR阻害剤とPI3K阻害剤で耐性化の解除も確認した。一方でMAP3K10について耐性化は認められなかった。
臨床検体では145例の大腸癌手術検体でFGF9遺伝子の増幅を調べたところ、8例で増幅を認め、KRAS野生型に多い傾向にあった(7/96)。さらに抗EGFR抗体使用コホートでも著効例には増幅は認めなかったが耐性例には1/7例で増幅を認めた。また進行膵癌ではAkt2高発現症例でEGFR阻害剤への耐性傾向を認めた。 -
がんの新規治療標的分子の探索並びに創薬への応用
研究課題/領域番号:14J12493 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
冨樫 庸介
配分額:2200000円 ( 直接経費:2200000円 )
我々は膵癌細胞株のarray-CGH法を用いた解析の結果からアクチビン受容体であるアクチビンA受容体type IBの欠損を同定した。そこで膵癌におけるアクチビンシグナルについての研究を行い、治療標的なり得るかを検証した。
まず受容体非欠損株ではアクチビンAによる刺激で増殖が抑制されること、さらにshRNAによりその受容体をノックダウンしたところ、アクチビンによる増殖抑制シグナルがキャンセルされ、癌の進展に関わっていることを証明した。また膵癌の生検サンプルでは29例中6例で受容体が欠損していた。
一方で膵癌患者の血清のアクチビンA濃度をELISAで測定したところ、予想と反してアクチビンA濃度が高い群が予後不良であった。さらにMIA PaCa-2という膵癌細胞株はアクチビンAにより極端に増殖が亢進した。アクチビンによる増殖抑制効果と増殖促進効果の違いを調べるために代表的な下流シグナルを検証したところ、MIA PaCa-2はSMADシグナルに加えて非SMADシグナルのPI3KやJNKシグナルが活性化しており、増殖が抑制される細胞株では非SMADシグナルは活性化されていなかったことを見出した。アクチビンAのサブユニットであるINHBAを強制発現した細胞株を作成したところMIA PaCa-2については増殖が亢進した。さらにINHBA強制発現株を移植したマウスはコントロールに比較して体重が極端に減少し、予後が極めて不良であった。解剖したところ筋組織の委縮が著明でアクチビンによる悪液質の影響が考えられた。
膵癌におけるアクチビンシグナルは一部では癌抑制的に作用するが一部では癌促進的にも作用し、さらに悪液質へ関与することが示唆された。そういった群ではアクチビンシグナルが治療標的となり得、抗体療法といった実際の治療についての検証も計画している。 -
腫瘍局所3次リンパ様構造の本態解明と治療への応用
安田記念医学財団 若手癌研究助成
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がん抗原の階層性検討による抗腫瘍免疫応答の本体解明
武田科学振興財団 研究継続助成金・奨励金
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ネオ抗原特異的T細胞に発現する分子の機能解析
九州大学・生体防御医学研究所 令和2年度共同利用・共同研究
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胸腺腫・胸腺癌における抗腫瘍免疫応答の解明
日本肺癌学会 肺癌研究助成金
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腫瘍浸潤ネオ抗原特異的T 細胞の増殖・長期生存メカニズムの解明とその治療への応用
持田記念医学薬学振興財団 研究助成金
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IFN-γシグナル異常によるがん免疫療法耐性の本態解明と克服のための新規治療開発
がん集学的治療研究財団 研究助成金
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濾胞性ヘルパーT 細胞の腫瘍免疫における新たな機能の解明
かなえ医薬振興財団 研究助成金