共同研究・競争的資金等の研究 - 大橋 俊孝
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ペリニューロナルネットをディメンジョナルマーカーとした摂食障害モデルマウスの解析
研究課題/領域番号:24K10733 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大橋 俊孝, 酒本 真次, 高木 学, 宮崎 晴子
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
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難治性潰瘍での変性コラーゲンの局在証明、再上皮化遅延の病態解明とその治療法開発
研究課題/領域番号:23K09079 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
久保 美代子, 山本 健一, 米澤 朋子, 大橋 俊孝
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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ペリニューロナルネットが制御するマウス聴覚系シナプス刈込み分子機構の解明
研究課題/領域番号:23H04235 2023年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術変革領域研究(A)
大橋 俊孝
配分額:7280000円 ( 直接経費:5600000円 、 間接経費:1680000円 )
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分子生物学と情報生物学の融合による口蓋発生メカニズムの解明
研究課題/領域番号:22KF0265 2023年03月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
大橋 俊孝, WANG ZIYI
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分子生物学と情報生物学の融合による口蓋発生メカニズムの解明
研究課題/領域番号:22F22114 2022年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
大橋 俊孝, WANG ZIYI
配分額:2300000円 ( 直接経費:2300000円 )
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XVIII型コラーゲンの加齢性変化が肝臓・膵臓の機能に及ぼす影響
研究課題/領域番号:20K11556 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
百田 龍輔, 米澤 朋子, 大塚 愛二, 大橋 俊孝, 内藤 一郎
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
脂肪肝の症状がはっきりとみられるXVIII型コラーゲン欠損老齢マウスだけでなく、若い欠損マウスで”予兆”のような現象を改善することで脂肪肝、NAFLDへの進行を予防できるのではないかと考え、加齢マウスだけでなく2ヶ月齢の若いマウスを用いて改めて、網羅的に遺伝子発現と組織学的な検討を行った。若い欠損マウスは細胞内脂肪滴の蓄積では組織学的に大きな差は認められなかったが、血管周囲の構造について野生型と比較して若干違いが見られたのでその再現性について確認を行っている。
さらに、野生型、欠損の若いマウスについても、双方の肝臓からRNAを抽出し、RNA-seqにより全転写産物の解析を進めている。前年度の加齢マウスで行ったネットワーク解析、コンピューターによる代謝シミュレーションを行い、代謝経路・産物について経時的にどう変化するかについて検討する予定である。
また、新たにリピドミクスの系を立ち上げたので、マウスの血液中や肝臓に蓄積する脂質組成について比較検討を行っている。すなわち、上記のコンピューターシミュレーションの結果を生体で実際に起きているかどうか確認を進めている。
一方、上記のシミュレーション結果をもとに、ネットワーク解析などから中心的な役割を果たす複数の代謝経路、遺伝子産物、代謝産物を同定した。これらの候補遺伝子産物で薬理学的な調節が可能な候補を抽出した。また、その機能を調節できるような化合物検索をバーチャルに行う高性能GPU搭載コンピューターの解析環境を立ち上げた。現在これらの結果をもとに論文作成に取り掛かっている。 -
基底膜構成分子の誘導制御による低侵襲角化歯肉獲得療法の確立
研究課題/領域番号:19H03841 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
前川 賢治, 窪木 拓男, 冨田 秀太, ハラ エミリオ・サトシ, 大橋 俊孝, 大野 充昭
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
天然歯や口腔インプラント義歯が長期的に良好な予後を維持するためには,歯頚部や口腔インプラント周囲に十分な幅の「角化した付着歯肉」が必要であると考えられている。我々は,角化歯肉に特異的に高発現している基底膜分子(Ⅳ型コラーゲン556, ⅩⅧ型コラーゲン,ラミニン332)を世界で初めて同定した.また,これらは上皮細胞から分泌され,上皮細胞の角化をオートクライン的に促進していること,さらには,付着・角化歯肉より採取した間葉細胞と口腔粘膜上皮細胞を共培養した場合にのみ,口腔粘膜上皮細胞の角化が促進されることを明らかとした.これらの研究成果から,基底膜直下に存在する角化歯肉由来間葉細胞と非角化歯肉由来間葉細胞の遺伝子発現の相違を明らかにすることで,上皮細胞の角化に関わっている間葉細胞からのシグナル分子を抽出することが可能であると考えた.そこで,レーザーマイクロダイセクション (LMD)法とRNA-Seq を組み合わせて,候補因子の抽出を実施してきた.具体的には,マウスの口蓋粘膜(角化粘膜) と頬粘膜(非角化粘膜)の凍結組織切片を作製, LMDにより上皮組織直下の間葉組織を採取したうえでRNAを抽出し,cDNAライブラリーを作製,シークエンス解析を行った.そして,非角化粘膜と比較し,角化粘膜の間葉組織に高発現する遺伝子を抽出を行ってきた.2021年度は,発現量に有意差があった遺伝子を用いて,Ingenuity Pathway Analysis (IPA)にて上流解析を行い,粘膜の角化に関わる遺伝子を抽出した.そして,すでに確立している口腔粘膜を模倣した3次元培養モデルを用いて抽出された遺伝子の機能解析を実施した.その結果,候補遺伝子のリコンビナントタンパク質を培養液に添加することで上皮の角化が誘導されることが明らかとなった.次年度,in vivoにて候補遺伝子の機能解析を実施する予定である.
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生後の骨・軟骨発達におけるアグリカン新機能を新規Acan変異マウスにより解明する
研究課題/領域番号:19K09649 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大橋 俊孝, 大野 充昭, 西田 圭一郎
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
生後発達および生体恒常性維持におけるAcanの役割を明らかにするため,Acanfl/flマウスを作製し,タモキシフェン(TAM)誘導性時期特異的Acan全身ノックアウトマウスを樹立した.アグリカンの欠損がECMネットワークの乱れがECMの硬さとTGFβスーパーファミリーの発現に影響し軟骨細胞の増殖分化に影響するという仮説を立て,これを同モデルで検証することを行っている.これまでの主な成果として,透過電子顕微鏡観察から上記ノックアウトマウス脛骨成長板の軟骨細胞の形態異常・カラム配列の乱れ・肥大軟骨層のアポトーシス亢進を認め,アグリカンが生後の骨成長に重要であることを明らかにした.成長板の軟骨細胞が増殖すべきところ、周囲のアグリカンが欠損することにより、異常な細胞接着を生じ,細胞分裂からの細胞形態の平坦化と層状化を阻害していると仮説を立て、そのメカニズムを検討中である.原子間力顕微鏡によるECMの硬さの解析を共同研究者Aszodi博士と引き続き共同研究中で在る.コロナ禍やウクライナ問題で渡航や国際学会発表が行いにくいがオンラインによる研究交流を進める.研究成果の一部は日本結合組織学会や日本軟骨代謝学会等で発表を行い、あるいは論文発表予定である.
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スクラップ&ビルドによるペリニューロナルネット機能の作動原理の解明
研究課題/領域番号:19H04754 2019年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
大橋 俊孝
配分額:9620000円 ( 直接経費:7400000円 、 間接経費:2220000円 )
ペリニューロナルネット(PNN)はパルブアルブミン陽性のGABA作動性介在ニューロン(PVI)などに最も顕著に存在する特殊な細胞外マトリックス(ECM)構造である。
我々は、ペリニューロナルなECM構造の安定化に重要な複数のリンクプロテイン分子(HAPLN)に注目し、それらの遺伝子ノックアウトマウス等を駆使して、HAPLNがPNNの高密度な会合体形成を通じて、神経可塑性の制御やその他の神経活動に重要なことを示すことを目的としている。本研究は、小脳や脳幹部(聴覚系神経核)に焦点を絞り、PNNの会合体形成を傷害する(PNNスクラップ)手法によりPNN機能(動作原理)を追求するものである。
初年度に、台形体核神経細胞のcalyx of Heldシナプスが複数入力することを電気生理学手法により明らかにした。複数入力が認められるシナプスにおいて自発的EPSCやシナプス短期可塑性の測定、発生に伴うシナプス後細胞のグルタミン酸受容体のサブタイプ変化を調べたが今のところコントロールマウスと統計的な有意差は認められていない。KOマウスで、シナプスのプレとポストのpair recordingで高頻度刺激に対する活動電位発生能力の追随性が低下することが発見された。二年度目には、複数入力を形態学的に確かめることやグリア細胞のシナプス刈込への関与を調べることに注力した。これまでのところ、シナプス刈込みに関与するとされるグリア細胞の挙動が野生型と異なることを見出している。
成果は日本神経科学会や日本結合組織学会で発表する予定である。 -
XVIII型コラーゲンの機能解析から皮膚創傷治癒への応用に向けた基礎研究
研究課題/領域番号:17K11540 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
米澤 朋子, 大橋 俊孝, 稲川 喜一
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
細胞外マトリックスの働きは皮膚の創傷治癒に必須であると考えられているが、生物学的な役割はまだ未解明な点も多い。マウス皮膚創傷治癒において、XVIII型コラーゲンは再生する上皮下に早期に出現することが明らかとなった。また、発現するXVIII型コラーゲンのアイソフォームの種類は再上皮化が進むにつれて変化することが分かった。XVIII型コラーゲンは再生上皮の基底膜の形成や安定化、再上皮化の制御に働くと考えられた。
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XVIII型コラーゲンに注目した皮膚基底膜の老化機構の解明
研究課題/領域番号:17K01848 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
百田 龍輔, 大塚 愛二, 大橋 俊孝, 内藤 一郎
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
ヒトの皮膚で発現している遺伝子の中から、加齢と共に発現が有意に変化する遺伝子群を網羅的に解析し、影響が及ぶ生物学的経路(RNAの転写、スプライシング、膜貫通型糖タンパク、リボタンパク、ミトコンドリア、表皮の角化、微小管形成)を明らかにした。三次元皮膚培養系により、植物のある成分によりUVによるダメージを軽減できることがわかった。また、簡便な方法を用いて、皮膚のXVIII型コラーゲン、IV型コラーゲン、幼弱な上皮細胞を検出する方法と定量的に評価するスクリプトを確立することができた。皮膚の拡大画像とこれらの検出方法を組み合わせた人工知能のプロトタイプを作成した。
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BMP-2の環境選択的骨誘導/抑制メカニズムの解明・応用に基づく骨再生療法の開発
研究課題/領域番号:16H05524 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 大島 正充, 大野 彩, 大橋 俊孝, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
BMP-2は骨形成を強力に誘導する成長因子として知られている.しかし,我々は,本研究において,骨形成を含むBMP-2の効果は骨髄内において著しく抑制され,本抑制効果は,骨髄細胞が直接骨芽細胞に作用することで生じていることを明らかにした.本研究成果は,BMP-2の臨床応用において,BMP-2の副作用その作用機序の一部を明らかにした大変重要な知見である.
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iPS細胞樹立技術を応用した象牙芽細胞マスター遺伝子の探索
研究課題/領域番号:16K15802 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
大野 充昭, 窪木 拓男, 大島 正充, 前川 賢治, 大橋 俊孝, 渡辺 亮
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
象牙芽細胞分化の制御メカニズムのみならず,象牙芽細胞の分化に関わるマスター遺伝子は未だ不明である.そこで,我々は,象牙芽細胞分化に関わるマスター遺伝子の探索を目的に,組織学的・発生学的観点から網羅的解析を行った.その結果,いくつかの象牙芽細胞分化に関わる候補遺伝子を絞り込むことができた.今後,これらの遺伝子の機能解析を行っていく予定である.
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軟骨特異的プローブによる関節軟骨in vivo造影と定量評価システムの確立
研究課題/領域番号:15K15551 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
大橋 俊孝, 廣畑 聡, 大月 孝志, アゾーディ アティラ, 西田 圭一郎, 加来田 博貴
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
Ke4-TIBに加えて新規軟骨イメージングプローブ2Ke2-TIBの創出とラット変形性関節症モデルによる、in vivo造影とCT撮像による定量評価を試みたが、理想的な条件設定は完了していない。Ke4-TIBについては特許が2017年3月24日に成立した。プローブ開発と並行して、将来マウス関節軟骨変性モデルが研究へ使用されることを想定して、新規関節軟骨変性モデルの作製にとりかかった。軟骨に豊富に発現している細胞外マトリックス遺伝子(A遺伝子)のFloxマウスをRosa26-cre ERTマウスと交配させた。生後1週よりタモキシフェン投与を開始し、未投与群に比べ、低身長と関節軟骨異常を認めた。
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メカニカルストレス による軟骨細胞の miRNA発現のエピジェネティック制御
研究課題/領域番号:26462299 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
西田 圭一郎, 大橋 俊孝, 川畑 智子
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
本研究では, ヒト軟骨細胞に力学的負荷をかけ, 発現が変化するマイクロRNAを網羅的に検討した。この中からmiR-29bに着目し, 標的遺伝子の一つであるADAM12の発現解析を行った。ADAM12は軟骨細胞の分化過程でX型コラーゲンに先立って発現が上昇し, 手術時に採取した変形性関節症(OA)患者の骨棘組織の増殖細胞層および肥大軟骨細胞層に高率に発現していた。OAの関節局所に生じる骨棘は生体の生理的反応である一方で, 痛みや神経障害の原因になる。miR-29あるいはADAM12の発現を人為的に制御することにより, OAの新しい治療法開発に繋がると考えられた。
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XV/XVIII型コラーゲンとミトコンドリア間の分子機構
研究課題/領域番号:26350892 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
百田 龍輔, 大橋 俊孝, 米澤 朋子, 小見山 高明, 楢崎 正博, 大塚 愛二, 内藤 一郎
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
大規模塩基配列計画のデータベースの検索より筋肉で発現している約千の遺伝子の中から候補となる受容体を数十に絞り込んだ。現在、その解析を進めている。また変異動物の組織学的な解析、細胞生物学的な解析により、XV/XVIII型コラーゲン変異個体では細胞骨格に大きな構造変化が起きていることがわかった。抗XV/XVIII型コラーゲン抗体の検索と反応条件の検討の結果、固定標本に対しても反応する条件を確立し、患者標本を用いて未知のXV/XVIII型コラーゲン関連ヒト疾患の検索を行った。現在、これらの結果をまとめている。
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プロテオグリカンによるシナプス伝達調節の分子メカニズム:Bral2欠損マウス解析
研究課題/領域番号:26110713 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
大橋 俊孝
配分額:8320000円 ( 直接経費:6400000円 、 間接経費:1920000円 )
脳幹部神経核・小脳に特異的なペリニューロナルネット(PNN)が部位特異的に障害されたBral2/Hapln4 KOマウスを用いて、PNNによる神経活動制御機構を電気生理学的手法(パッチクランプ記録法)を用いて解析した。プルキンエ細胞の軸索を電気刺激して、小脳核細胞体より抑制性シナプス後電流を記録したところ、Bral2欠損マウスではその振幅が野生型に比べて減少した。興奮性シナプス後電流に変化はなかったことから、Bral2を含むPNNが抑制性シナプス伝達に特異的に関与していることが示唆された。また、反復刺激の間に観察される短期シナプス抑圧の減少が観察されたことから、短期可塑性の変化を示された。これらの結果はプルキンエ細胞と小脳核細胞体間のシナプスにおいて、Bral2が安定したシナプス結合のために不可欠であること、短期シナプス可塑性に関与していることを示す。
PNN関連プロテオグリカン遺伝子のfloxマウスが完成し、f/+のオスメスの交配により、f/fマウスが出産され、生育上の大きな問題は観察されていない。今後同遺伝子の中枢神経系条件的KOマウス作製に供される予定である。 -
軟骨特異的蛍光X線デュアルプローブを用いた中小動物関節軟骨画像評価システムの確立
研究課題/領域番号:25670648 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
大橋 俊孝, 西田 圭一郎, 加来田 博貴
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
中小動物の関節軟骨病変の進行を鮮明に評価できるin vivo用蛍光・X線デュアルプローブの創出を目的として研究を行った。特に、X線プローブの要件としてヨウ素を含む化合物分子量がなるべく小さく、かつ軟骨プロテオグリカン結合性を担保させなければいけない。そのために、軟骨標的化部分をε‐リジンオリゴマーとした。同造影剤の軟骨造影能力をラット膝関節を用い、ex vivoマイクロCTにより評価した。その結果、Ke4-TIBがラットOAモデル膝関節軟骨基質の減少を高解像度で画像化し、X線密度低下として数値化することができた。軟骨のX線in vivoイメージングの可能性を示すことができた。
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アクティブターゲティングリポソームを用いたマイクロRNAの抗腫瘍効果
研究課題/領域番号:24659590 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
二宮 善文, 豊岡 伸一, 大橋 俊孝
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
肺癌、悪性胸膜中皮腫は治療抵抗性の疾患で、特に転移を認め手術不能の場合の予後改善のために、効果的な新規治療法の確立は急務である。
申請者らは、本疾患を抑制するマイクロRNA(miRNA)を発見しており、本研究では腫瘍細胞に選択的に集積する標的化リポソーム(lip)の確立を目指した。まず細胞やマウス腫瘍モデルでlip集積の、次にmiRNA内包での抗腫瘍効果の評価を計画した。
当初十分なlip集積が細胞・マウス共に得られなかったが、lip及び投与条件・モデル作成法の改善により集積は向上した。ただし本過程に研究期間の多くを費やしたので、細胞内へのlip取り込み評価とmiRNA内包は今後の課題である。 -
糖鎖拡散型ペリニューロナルネット障害マウスモデルによる神経機能解析
研究課題/領域番号:24110509 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
大橋 俊孝
配分額:9490000円 ( 直接経費:7300000円 、 間接経費:2190000円 )
我々は脳幹部神経核・小脳に特異的なPNNを部位特異的に形成障害するモデルとして、Bral2欠損マウスを用いて、PNN形成メカニズムの解析を行った。本モデルは、糖鎖合成や糖鎖ドメインの合成不全を起こすものではないが、本来ヒアルロン酸に依存してPG等が高密度に・秩序よく会合すべきPNNがdiffuseになる特徴をもつ(Bekku et al., J Comp Neurol 2012)。
Bral2が制御するPNNは聴覚神経系神経核に顕著な発現を示すこと、そのなかでも巨大神経終末を持つ内側台形体核(MNTB)に焦点を絞り研究を行った。
野生型マウスの内側台形体核(MNTB)においてaggrecanとbrevicanは分離独立(住み分け)した発現をしており、Bral2欠損マウスではbrevicanはaggrecanと共局在した。シナプス周囲・間隙近傍に存在するaggrecanとbrevicanの局所における「住み分け」を規定するのはLPであるBral2とCrtl1とのaffinityの差によると考え、ヒアルロン酸結合ドメイン(G1)のリコンビナントタンパク発現を行った。また、MNTBは聴覚系神経回路の代表的神経核であるので、上記PNN変化が聴覚機能にどの程度影響を与えているかについて、チェコ共和国Syka教授との国際共同研究を行い、聴力の低下を認めている。今後、このECMの変化が聴力低下をもたらすメカニズム解明を行う。