共同研究・競争的資金等の研究 - 尾﨑 敏文
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顎関節症ならびに疲労愁訴を伴う疾患における,AIを用いた筋疲労の定量評価
研究課題/領域番号:20H03878 2020年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
皆木 省吾, 中原 龍一, 尾崎 敏文, 兒玉 直紀, 萬田 陽介, 丸尾 幸憲, 沖 和広
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
全身的な筋疲労を評価することは頭頚部における口腔顔面痛に限らず、疲労が関連する他の疾患の診断や治療方針の決定にも深く貢献すると考えられる。
研究代表者らは、これまで顎関節症患者に関して蓄積してきた高精度24時間連続筋電図記録から新たな筋疲労度の定量化因子に着目し、機械学習を用いた解析システムの開発を進めてきた。令和2年度には、ワークステーション上での環境構築を行った。また、Neural Network Consoleを使用して、疲労データの自動解析を試行した。令和3年度には、AIシステムの構築にPytorchの検討を行うとともに、4肢筋を用いて負荷を与えた際の筋電図波形の収集を行った。また、日常生活環境におけるデジタルノイズサンプルの収集を継続して実施した。前年度までに収集していたデジタルノイズサンプルに加えて、発生源となるデジタルデバイスの数を増してデジタルノイズサンプルデータベースの充実を図った。このようなデジタルノイズはAIを用いた解析においては大量の蓄積が必要となるものであり有用である。本年度に収集したデジタルノイズを検討した結果、一部のデジタルノイズ波形とGD 波形とが予想以上に類似していることが明らかになった。現状ではこれまでのAIを用いた解析だけでは100%の精度でこれら2者を分離することは困難であったため、筋電図信号収集時にあわせてデジタルノイズを観測できるハードウェアシステムを開発し、本研究の目的を達成できるように進行している。 -
高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準治療確立のための研究
研究課題/領域番号:20314817 2020年04月 - 2023年03月
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 日本医療研究開発機構研究費 令和2年度革新的がん医療実用化研究事業一次公募(領域6-2)希少がんの標準的治療法の開発に関する臨床研究
田仲 和宏, 平賀 博明, 岩本 幸英, 川井 章, 坂本 昭夫, 淺沼 邦洋, 米本司, 中山 タラント ロバート, 永野 昭仁, 古田 太輔, 西田 佳弘, 阿江 啓介, 綿貫 宗則, 阿部 哲士, 土屋 弘行, 松本 嘉寛, 山本 哲司, 前田 尚子, 細野 亜古, 小川 淳, 小田 義直
担当区分:研究代表者
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がん遺伝的素因を有する小児・AYA世代へのフォローアップ体制確立を目指したLi-Fraumeni症候群におけるがんサーベイランスプログラムの実行可能性と新規バイオマーカー探索に関する研究
研究課題/領域番号:20351210 2020年04月 - 2023年03月
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 日本医療研究開発機構研究費 令和2年度革新的がん医療実用化研究事業二次公募 領域6-2 がんの遺伝的素因を有する小児・AYA 世代に対する先制医療開発に関する研究
服部浩佳, 熊本忠史, 下村昭彦, 倉橋浩樹, 田村智英子, 宮坂実木子, 田代志門, 齋藤明子, 井上永介, 山本雄介, 高阪真路, 岩田広治, 小杉眞司, 西川亮, 櫻井晃洋, 尾崎敏文, 加藤元博
担当区分:研究分担者
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悪性軟部腫瘍に対する新しい複合がん免疫療法の開発
研究課題/領域番号:19K09551 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐, 伊藤 達男, 上甲 良二
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
悪性骨軟部腫瘍は四肢に多く発生し、肺転移を起こす予後不良な悪性腫瘍である。有効な化学療法はほとんど開発されておらず、進行例に対する新規抗がん剤の開発が期待されている。我々は、間葉系幹細胞(MSC)に発現するPaired related homeobox 1 (PRRX1) という遺伝子が、間葉系幹細胞由来である肉腫にも強く発現し、PRX1の発現を抑制すると、肉腫細胞株の増殖が著しく抑制されることを確認した。また、PRX1が免疫チェックポイント阻害剤の効果のキーとなるProgrammed Death-Ligand 1 (PD-L1)を制御することを確認した。したがって、PRRX1阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤 (ニボルマブ)を併用した複合がん免疫療法が軟部肉腫に対しより効果が得られると考えた。そこで、我々は、さらに複数の肉腫細胞株でPRRX1の発現を抑制し、細胞増殖が低下することをin vivoとin vitroで調べることとした。また、ニボルマブで肉腫細胞株の増殖が抑制されることを調べることとした。さらに、PRRX1阻害と、ニボルマブの併用による相乗効果で、抗腫瘍作用がより増強されることを調べることとした。
この研究に取り組みにあたり、まず我々は様々なPRRX1の発現を肉腫細胞株で調べた。その結果、最も発現している細胞株の1つが骨肉腫細胞株であることが判明した。したがって、我々は骨肉腫細胞株でのPRRX1抑制効果について検討することとした。 -
肉腫における体液分子診断技術の開発と標的分子による新たな腫瘍進展機序の解明
研究課題/領域番号:19H03784 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
尾崎 敏文, 藤原 智洋, 長谷井 嬢, 杉原 進介, 畑 利彰, 横尾 賢, 清野 正普
配分額:12870000円 ( 直接経費:9900000円 、 間接経費:2970000円 )
本研究は、バイオマーカーに極めて乏しい肉腫に対し、近年確立されつつある体液診断技術の手法を検討することにより、最も有効な方法を確立することである。今年度は、骨肉腫細胞、粘液線維肉腫および滑膜肉腫細胞における腫瘍分泌エクソソームの抽出を行い、エクソソームの確認として、ゼータサイザーを用いた動的散乱光や電子顕微鏡(TEM)によるサイズの確認、またエクソソームマーカーであるテトラスパニン蛋白の確認をウエスタンブロット法を用いて行った。
また、滑膜肉腫由来の分泌エクソソームおよび患者由来の血中エクソソームを抽出し、両者の膜表面タンパクをプロテオーム解析により特定した。さらに患者治療効果に沿った発現変動を追い、感度・特異度に優れた標的タンパクを特定した。
上記で特定した肉腫由来循環エクソソームが腫瘍自身、腫瘍周囲微小環境、遠隔転移先で腫瘍進展に対しどのような影響を与えているか、in vitroモデルで評価した。骨肉腫転移に深く関わっている正常線維芽細胞・血管内皮細胞・肺微小血管内皮細胞・肺線維芽細胞を用い、in vitro環境下で腫瘍周囲および肺組織微小環境モデルを作成した。各転移能の異なる骨肉腫腫瘍細胞由来エクソソームを添加し、それぞれの細胞株の機能変化を解析した。 -
肉腫におけるエクソソームによる浸潤・転移機序の解明と新規治療法の開発
研究課題/領域番号:17K10969 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
森田 卓也, 魚谷 弘二, 尾崎 敏文, 國定 俊之, 藤原 智洋
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
肉腫における特異的な分泌型microRNA/exosomeを細胞株、臨床検体から候補を抽出し、さらにvalidation studyを行うことで各肉腫における特異性の高い遺伝子を特定することが可能であった。次に、それら遺伝しの作用機序を確認するためin vivoでも実験を行い肉腫に特徴的な転移もしくは浸潤に関与しているかを検証したところ、この特異的な遺伝子は転移や浸潤を促進する作用をもっていることを確認した。臨床検体との相互性も確認できたため、特異的なバイオマーカー、また治療薬のない肉腫において、今後の検査や治療に繋がる研究であると考えられる。
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高悪性度骨軟部腫瘍に対する標準治療確立のための研究
研究課題/領域番号:17846029 2017年04月 - 2020年03月
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 日本医療研究開発機構研究費
岩本 幸英, 田仲 和宏, 平賀 博明, 川井 章, 岡本 健, 比留間 徹, 中村 知樹, 米本司, 中山 ロバート, 永野 昭仁, 久保 忠彦, 西田佳弘, 阿江啓介, 荒木 信人, 江森 誠人, 平岡 弘二, 森井 健司, 保坂 正美, 吉川 秀樹, 筑紫 聡, 阿部哲士, 畠野 宏史, 吉田行弘, 横山 良平, 高橋 満, 竹元 暁, 末原 義之, 秋末 敏宏, 小田 義直, 松本嘉寛, 山本 哲司, 蛭田 啓之, 山口 岳彦
担当区分:研究代表者
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骨軟部肉腫における新規免疫機能解析システムと新規免疫治療の開発
研究課題/領域番号:16K15666 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
尾崎 敏文, 榮川 伸吾, 長谷井 嬢, 上原 健敬, 鵜殿 平一郎, 藤原 智洋
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
本研究ではマウス骨肉腫モデルにおいて,CD11b陽性の免疫細胞主体の抗腫瘍免疫機構の存在が明らかとなった.また,CD8TILs, Tregと同様に骨髄球系細胞においてもメトホルミンが細胞内代謝を制御することで抗腫瘍効果を惹起することが示され,それは細胞内における嫌気的解糖の促進によるものであった.先行研究と合わせると腫瘍微小環境においてメトホルミンがT cells, CD11b陽性細胞の双方で同様に嫌気的解糖を促進しており,腫瘍微小環境におけるglucoseの代謝制御が抗腫瘍免疫と密接に関連していることが示唆された.
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悪性骨軟部腫瘍に対する放射線治療を併用したテロメライシン局所投与療法の開発
研究課題/領域番号:16K10862 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
國定 俊之, 尾崎 敏文, 藤原 智洋
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
テロメラーゼ活性依存性に癌細胞内で増殖して細胞死を誘導する腫瘍選択的融解ウイルスを利用した治療は、単独で投与するよりも、放射線治療や化学療法と併用することで、より強力な抗腫瘍効果を認めた。さらに、相乗効果も確認でき、肉腫に対する新規療法となる可能性が示された。そこで、これらのウイルス治療を利用した実際の臨床応用では、単独投与ではなく、放射線治療との併用療法を考えていく。
臨床応用へ向けた基礎研究は、ほぼ予定どおり行うことができた。肉腫患者へのウイルス治療の臨床試験が食道癌ですでに開始されており、今後は肉腫で早期臨床応用を開始できるように、プロトコールを作成していく。 -
先端接着技術と神経幹細胞を併用した脊髄損傷の新たな治療法開発への挑戦
研究課題/領域番号:16K10822 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
杉本 佳久, 尾崎 敏文, 松川 昭博, 塩崎 泰之, 瀧川 朋亨
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
組織への先端接着技術を応用した改変成長因子CBD-HGF及び可視光硬化型ゼラチンを用いた脊髄損傷治療につき、マウス脊髄損傷モデルを用いて検討を行った。運動機能及び脊髄の組織学的に脊髄再生を認め、脊髄損傷治療に臨床応用できる可能性が示された。神経幹細胞については、マウス胎児を用いた幹細胞培養技術は確立できたが脊髄損傷モデルへの移植までは到達できなかったため、これらの方法を組み合わせて研究を継続する予定である。
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進化分子工学と先端接着技術による損傷椎間板の治療法の開発と実用化に向けた検討
研究課題/領域番号:16K10823 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
荒瀧 慎也, 尾崎 敏文, 松川 昭博, 吉村 将秀, 宇川 諒, 内野 崇彦
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
ラット椎間板変性モデルを用い、培養した椎間板線維輪細胞と可視光硬化型ゼラチンを併用した新規椎間板再生治療の有用性について検討した。移植した細胞は移植箇所への生着を認めたが、線維輪構造の再生を認めることはできなかった。再生治療に用いる成長因子として、過去に報告のあるBMP-7につき検討したが、今回の検討では線維輪においてはむしろ変性に傾く可能性が示唆された。
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体液診断技術を応用した肉腫における新規バイオマーカーの開発と実用化への展開
研究課題/領域番号:16H05449 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
尾崎 敏文, 杉原 進介, 清野 正普, 國定 俊之, 横尾 賢, 森田 卓也, 藤原 智洋, 魚谷 弘二, 落谷 孝広, 吉岡 裕亮, 植田 幸嗣, 上原 健敬
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
血中の循環microRNAならびにexosome蛋白に着目し、骨軟部肉腫患者のモニタリングや治療奏功性を判断可能なバイオマーカーの開発を目指した。Ewing肉腫では、proteome解析からexosome表面蛋白を抽出し、細胞培養上清及び患者血清由来exosomeにおける発現を特定した。骨肉腫では、患者血清と細胞株を用いたmicroRNAの網羅的解析から、担癌状態および治療経過を反映する血清miR-25-3pを特定した。滑膜肉腫では、骨肉腫における手法を用いて血清miR-92-3pをリキッドバイオプシーの標的分子として特定し、その発現は治療経過を反映し、他の肉腫組織型との層別化を可能とした。
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進化分子工学と先端接着技術による脆弱性骨折の治療法の開発と実用化に向けた検討
研究課題/領域番号:15K10445 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
渡邉 典行, 尾崎 敏文, 松川 昭博
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
新規生体材料であるチタン結合性BMPの有用性について検討した。チタン結合性BMPを付与したチタンワイヤーと付与していないチタンワイヤーをそれぞれラット大腿骨に埋植したところ、チタン結合性BMP群の方がワイヤー周囲の骨新生が有意に増加していた。また引き抜き強度も有意に増加しており、チタン結合性BMPはインプラント周囲の固定力を早期に増加させる可能性がある。以上よりチタン結合性BMPは粗鬆骨に対する治療において有用であることが示唆された。
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腫瘍融解ウイルス治療と放射線治療の併用による骨軟部肉腫に対する新規治療法の開発
研究課題/領域番号:15K10446 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
杉生 和久, 藤原 俊義, 尾崎 敏文, 國定 俊之, 藤原 智洋
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
骨軟部肉腫は治療抵抗性を示すものがあり、現行の標準治療でも未だ予後不良の転帰をたどる症例も多いことから新規治療法の開発が望まれている。腫瘍融解ウイルス(Telomelysin、OBP-301)は骨軟部肉腫に対して強力な抗腫瘍効果を示すことが明らかにされている。本研究では、骨軟部肉腫に対するTelomelysin と放射線療法の併用治療効果について検討した。Telomelysin と放射線療法の併用治療は、骨軟部肉腫に対して強力な抗腫瘍効果を認め、有用な新規治療法となり得ることが示唆された。
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研究課題/領域番号:15K10444 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
魚谷 弘二, 尾崎 敏文, 藤原 俊義, 藤原 智洋
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本学で開発された腫瘍融解アデノウイルス(テロメライシン)は効果発現にCARやhTERTの存在が必要で、骨軟部腫瘍へのウイルスの臨床応用にむけた適応症例の選別のために簡便にその評価を行う必要がある。今回、本学で開発したテロメライシンにGFP遺伝子を 組み込み細胞内のウイルス増殖により緑色蛍光を発するテロメスキャンを骨軟部悪性・中間悪性腫瘍に感染させ蛍光発現を評価した。ウイルス投与24時間後の蛍光陽性数はCARの発現強度との相関が有意に認められ、経時的な蛍光の増強にhTERTの発現が関連する傾向が見られた。テロメライシンの肉腫への適応をウイルスの組織片への投与のみで評価できる可能性が示された。
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研究課題/領域番号:26462298 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
香川 洋平, 尾崎 敏文, 松川 昭博
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
整形外科領域の手術においてはインプラントと骨との早期固定が重要である。セメントレスのインプラント表面にはハイドロキシアパタイト(以下HA)がコーティングされることが多いが、コーティング方法は様々で確立されたひとつの方法があるわけではない。本研究においては多糖誘導体リン酸化プルラン(以下PP)を基材として、HAをインプラントにコーティングし骨新生の促進を得た。力学強度試験、元素分析および組織学的評価のいずれの実験結果においてもPP+HA群において有意に優れた結果が得られた。
HAを添加することでより優れた骨伝導を期待でき、PPはインプラントをコーティングする基材として有用であると考えられた。 -
インフェクションコントロール能を有した短期置換型骨補填剤の創成と実用化への展開
研究課題/領域番号:26293339 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
田中 雅人, 尾崎 敏文, 沖原 巧, 渡邉 典行, 瀧川 朋亨, 塩崎 泰之
配分額:15990000円 ( 直接経費:12300000円 、 間接経費:3690000円 )
抗菌薬をリン酸化プルランに含有した新規骨補填材の有用性について検討した。骨補填材からの抗菌薬徐放能を検討し、新規骨補填材では従来の骨補填材と比較し良好な徐放能を示した。また、黄色ブドウ球菌をマウス骨髄内に注入し作成した骨髄炎マウスモデルを用いて検討を行い、従来の骨補填材と比較し有意に強い抗菌作用を認めた。以上より抗菌薬含有リン酸化プルランは感染治療に有用であることが示唆された。
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研究課題/領域番号:25670650 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
尾崎 敏文, 杉原 進介, 武田 健
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
悪性腫瘍治療における最大の問題は、薬剤耐性を獲得している場合、その薬剤による治療効果が期待できないことである。特に悪性肉腫の領域では未だ解明されていない部分が多い。本研究では、網羅的タンパク質分析法を用いて薬剤耐性細胞株におけるタンパク質発現を定量解析し、リアルタイムに発現タンパク質の変動を検出することを目的とした。 骨肉腫細胞株において薬剤耐性細胞株を作製し、親株、耐性株各株について、8-plex iTRAQ安定同位体標識を使用して、サンプル間相対定量を行った。全体で3000のタンパクを同定可能であった。これらの手法によって、薬剤耐性の機序に関与するタンパクを見出すことが可能であった。
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先端生体材料を用いた転移性骨腫瘍の低侵襲かつ機能温存手術治療法の開発
研究課題/領域番号:25462335 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
篠原 健介, 尾崎 敏文, 松川 昭博
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
リン酸化プルランを用いた転移性骨悪性腫瘍治療薬との併用時における有用性について検討した。転移性骨腫瘍の原発巣として頻度の高い乳癌細胞株(MDA-MB231)をヌードマウス大腿骨の遠位果部に24G針を用いて作成した骨孔に注入し、担癌腫瘍を作成した。これらを、無治療群、抗がん剤単独群、抗がん剤+リン酸化プルラン群、リン酸化プルラン群に分類し、腫瘍抑制効果を継時的に評価した。抗がん剤はドセタキセルを使用した。抗がん剤単独群と抗がん剤+リン酸化プルラン群で腫瘍抑制効果が認められた。以上より、リン酸化プルランは抗がん剤含有セメントとして有用であることが示唆された。
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悪性骨軟部腫瘍患者への腫瘍融解アデノウイルス「テロメライシン」の臨床応用
研究課題/領域番号:25462333 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
國定 俊之, 尾﨑 敏文
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
我々はテロメラーゼ活性に依存して増殖する腫瘍融解アデノウイルス(OBP-301)を用いて、骨・軟部肉腫細胞に対する抗腫瘍効果を報告してきた。今回の研究では、肉腫に対しするOBP-301と化学療法、およびゾレドロン酸の併用効果を検討した。骨肉腫培養細胞に対し、OBP-301と化学療法を併用すると、化学療法の効果を増強させ、相乗効果を認めた。また、肉腫細胞を皮下に移植した動物モデルでも同様に化学療法の感受性を増強させた。ただ骨破壊を抑えることはできなかった。そこで、ゾレドロン酸と併用すると、腫瘍増殖抑制が増強されるとともに、骨破壊が抑制された。今後、臨床応用へ向けたプロトコールを作成したい。