共同研究・競争的資金等の研究 - 石野 宏和
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超伝導技術と微細構造形成技術の合体による新しいニュートリノ物理学の展開
研究課題/領域番号:21H00077 2021年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
石野 宏和
配分額:7280000円 ( 直接経費:5600000円 、 間接経費:1680000円 )
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2019年04月 - 2021年03月
科学研究費
石野 宏和
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インフレーション探索に向けた半波長板変調式超電導転移端偏光計望遠鏡の開発
研究課題/領域番号:18KK0083 2018年10月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
松村 知岳, 高倉 理, 片山 伸彦, 櫻井 雄基, 石野 宏和
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
宇宙マイクロ波背景放射の偏光観測はインフレーション由来の原始重力波が生み出すB モード偏光パターンに対して感度を持つ。現在、地上、気球、そして衛星による観測計画が進行中であり、その発見に向けて世界的に熾烈な競争が行われている。本提案では、観測機器の鍵となる偏光変調器と焦点面超電導遷移端検出器を組み合わせた性能評価試験を行うことで、インフレーション仮説の検証実験の実現性を示す。コロナ禍による渡航を伴う研究ができないため、オンラインにて海外との共同研究者と議論を積み重ねることにより共同研究を進めている。
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具体的な成果は以下の通りである。CMB偏光観測のための偏光変調器の開発の一環として、モスアイ微細加工による広帯域反射防止膜の大面積化実証を行った。具体的には 直径300mmの赤外アルミナフィルターを作成し、その両面にモスアイ微細構造をレーザーにて作成した。ミリ波特性として75から105 GHz帯域にて98%以上の透過率を実証した。この赤外アルミナフィルターは天文観測を目的とした米国グリーンバンク望遠鏡に搭載するMUSTANG2レシーバーに搭載することを想定し作成し、世界で初めてレーザーを用いたモスアイ微細加工反射防止機能ミリ波光学素子を低温ミリ波レシーバーに搭載し天文観測をおこなった例となった。この成果は米国ミネソタ大、東京大学の共同研究にて開発を行い、開発を主体的に進めた大学院生が主著者(Takaku et al.)としてOptics Expressに投稿した。また、この成果はプレスリリースとして公開された。また、米国バークレー校およびバークレー国立研究所と協力して100mK環境での超電導遷移端検出器と直流読み出しSQUIDを組み合わせた試験環境を構築した。 -
宇宙マイクロ波背景放射LiteBIRD衛星搭載デジタル信号処理器評価システム開発
研究課題/領域番号:18K03715 2018年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
辻本 匡弘, 石野 宏和
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
宇宙背景放射 (CMB) 偏光の大角度の回転方向異方性には、インフレーション理論が予測する原始重力波の密度分布が刻印されている。これを測定するのが LiteBIRD 衛星計画である。本研究では、同計画で必要となる軌道上信号処理のアルゴリズムを開発した。特に問題となる宇宙線信号の物理モデルを構築して擬似データを作成した。アルゴリズムの妥当性をその擬似データと市販ボードを用いた概念実証機で検証した。
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2017年04月 - 2019年03月
科学研究費
石野 宏和
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2016年04月 - 2018年03月
科学研究費
石野 宏和
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宇宙マイクロ波背景放射の広天域観測で探る加速宇宙と大規模構造
研究課題/領域番号:15H05891 2015年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
羽澄 昌史, 片山 伸彦, 長谷川 雅也, 関本 裕太郎, 満田 和久, 石野 宏和
配分額:419770000円 ( 直接経費:322900000円 、 間接経費:96870000円 )
本研究は宇宙マイクロ波背景放射を広域に渡り精密観測し、加速宇宙の本質を実験物理学の立場から探求することを目的とし、二つのプロジェクトを推進した。Simons Array(サイモンズ・アレイ)プロジェクトでは、新しい受信機をチリに移設し、観測を行い、高精度観測の礎を築くことに成功した。もう一つは日本主導の次世代衛星計画LiteBIRD(ライトバード)であり、概念検討と基礎開発を完了した。さらに、本領域の他の計画研究班との共創により、LiteBIRDが宇宙誕生の謎にまつわる新しい発見をもたらした場合の科学的インパクトを明らかにした。
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超伝導光検出器を用いた液体ヘリウムTPCの開発と軽い暗黒物質の探索
2014年04月 - 2019年03月
科学研究費
石野 宏和
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2014年04月 - 2016年03月
科学研究費
石野 宏和
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超伝導検出器とSOIピクセル検出器を合体させた新規暗黒物質探索用検出器の開発
2014年04月 - 2016年03月
科学研究費
石野 宏和
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中性子同時計測を用いた超新星ニュートリノ観測
研究課題/領域番号:26000003 2014年 - 2019年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別推進研究
中畑 雅行, 小汐 由介, 岸本 康宏, ヴァギンズ マーク, 池田 一得, 中島 康博, 竹内 康雄, 作田 誠, 石野 宏和, マルチマグロ ジュイス, スミー ミハエル, ラバルガ ルイス
配分額:589420000円 ( 直接経費:453400000円 、 間接経費:136020000円 )
本研究では、スーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウム(Gd)を導入して中性子を同時計測することにより、宇宙の初期から起きてきた超新星爆発によって蓄積されたニュートリノ(超新星背景ニュートリノ)の世界初観測を目指す。そのために、2018年度にSKタンクを改修してタンクの水漏れを止めるとともに、Gd溶解装置及びGdを含んだ水を循環・純化する装置を製作・設置した。また、放射性不純物の少ないGd_2(SO_4)_3の製造もおこなった。これらにより、2020年春より0.01%の濃度でGdを導入し、50%の中性子捕獲効率で観測を開始することができるようになった。
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2012年04月 - 2014年03月
科学研究費
石野 宏和
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研究課題/領域番号:22684009 2010年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費 若手研究(A)
石野 宏和
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:25610000円 ( 直接経費:19700000円 、 間接経費:5910000円 )
ニュートリノは素粒子の一種でその性質は未だ謎で、その絶対質量さえ測定されていない。本研究では超伝導検出器を用いてニュートリノの質量を測定する野心的な研究を行うことを目的とする。超伝導検出器として超伝導結合素子と力学的インダクタンス検出器の開発を行った。前者は実機で測定したところ検出効率が予想より悪いことが分かった。一方で後者は、高い効率でフォノン信号を検出したが、精密なエネルギー測定にはより深い検出器の解釈が必要であることがわかった。
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超伝導技術を利用したトリチウム崩壊ニュートリノ質量測定用新式検出器の開発
研究課題/領域番号:22654028 2010年04月 - 2012年03月
日本学術振興会 科学研究費 挑戦的萌芽研究
石野 宏和
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3160000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:360000円 )
トリチウム崩壊におけるベータ線と反跳原子核のエネルギーを精度良く測定するために、超伝導検出器であるMKID(Microwave Kinetic Inductance Detector)の開発を行った。当初、大きな立体角を持つマイクロストリップ型のMKIDの開発を行ったが、本研究に必要な性能を満たす検出器を作製できなかった。詳細な研究の結果、絶縁層(SiO_2, Al_2O_3等)の誘電損失が原因であることがわかった。そこで、CPW(Coplanar waveguide)型で作製したところ、性能の良いMKIDの作製に成功し、可視光の照射による反応を確認した。
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初期宇宙探査のための超高感度アレイデバイスの研究開発
研究課題/領域番号:21111003 2009年07月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型)
大谷 知行, 関本 裕太郎, 石野 宏和, 田島 治, 岡村 崇弘, 樋口 岳雄, 都丸 隆行, 美馬 覚, 有吉 誠一郎, 野口 卓, 鵜沢 佳徳, 唐津 謙一, 吉田 光宏, 服部 香里, 岐部 佳朗, 古川 昇, 成瀬 雅人
配分額:539500000円 ( 直接経費:415000000円 、 間接経費:124500000円 )
CMB、CIRB観測用1,000画素クラス超伝導アレイ検出器開発を目指し、STJ検出器開発から開始したが、並行してMKIDs検出器を国内で初めて開発し、より良い感度とアレイ読み出しに成功した。そこでMKIDs検出器開発を進め、600素子アレイ(歩留まり95%)、720素子Siレンズ、無反射コート、4000 ch信号読み出しシステムを新規開発した。そして、電気的な雑音等価電力6e-18 W/√Hz、偏光に対する実測の雑音等価温度190 μK√sec(世界最高値)を達成した。また、CIRB用512素子アレイ、汎用FPGAを用いた読み出しシステム、GroundBIRD実験の開発を進めた。
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超新星背景ニュートリノの探索
研究課題/領域番号:21224004 2009年05月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
中畑 雅行, 作田 誠, 石野 宏和, ヴァギンズ マーク, 竹内 康雄, 小汐 由介, 竹田 敦, 関谷 洋之
配分額:207870000円 ( 直接経費:159900000円 、 間接経費:47970000円 )
本研究の目的は、宇宙の初めから起きてきた超新星爆発からのニュートリノ(Supernova Relic Neutrino(SRN))を捉えるための開発研究である。SRNを捉えるにはスーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウムを溶解させて反ニュートリノが反応した際に放出される陽電子と中性子を同時計測する必要がある。本研究ではSKを模擬したテストタンクを建設し、ガドリニウムを溶解し、水の透過率の測定、ガドリニウムを保持したまま水を純化させる方法の開発、放射性不純物の測定とその除去方法の開発をおこなった。
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研究課題/領域番号:20039003 2008年04月 - 2010年03月
日本学術振興会 科学研究費 特定領域研究
石野 宏和
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
Bファクトリー実験において、bクォークからdクォークへの遷移における新物理の探索を行うことがこの研究のである。研究代表者は、Bファクトリー実験(Belle実験)において、CPの破れの解析グループの元リーダーの一人として、CPの破れの測定から標準模型を超える物理の探索を行ってきた。アクティビティーとしては主に二つあり、一つはbクォークがsクォークへ遷移するときのCPの破れと、bクォークがuクォークへ遷移するときの分岐比及びCPの破れの測定である。両者は、本研究課題であるbからdクォークへの遷移の解析において、解析方法・物理的意義としての基盤を与える。前者の解析では、BO→KOpiOの解析の推進を行っていて、2010年に論文出版の運びとなった。後者については、B中間子がa1piという粒子に崩壊する過程において、海外の研究者(J.Dalseno, Max-Planck-Institute)と連絡を取り合いながら、進めていた。特に、a1粒子の解析方法についての取り扱いなどについて意見交換を行っていた。また、奈良女子大学准教授宮林謙吉氏を岡山大学にお招きし、Bファクトリー実験の現状と将来についての講演をして頂き、解析グループの現状や今後の指針などについて、意見交換を行った。また、国内・海外の研究者らと協力して、次期Bファクトリー実験(Belle II)で期待される物理についての論文(arXive:1002.5012)の一部の執筆を行った。特に、本研究課題と密接に関連するCPを破る位相φ2測定の部分について重点的に研究を行い、Belle II実験で得られるφ2の測定精度についての評価を行った。結果、その精度は約1度と見積もられた。これは、強い相互作用・電磁相互作用から来る理論的不定性と同レベルで、Belle II実験は小林・益川行列パラメータを究極の精度で求めることができ、なおかつ新物理にも十分感度を持つ実験であることが示せた。
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フレーバー物理研究のためのガンマ線電子対生成を用いた位置偏光検出器の研究
研究課題/領域番号:19740132 2007年04月 - 2009年03月
日本学術振興会 科学研究費 若手研究(B)
石野 宏和
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3780000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:480000円 )
本研究では、高輝度Bファクトリー実験において、ガンマ線が検出器中で対生成を起こす現象を利用して、クォーク間相互作用の研究方法に新しい測定手順を展開することを目指した。まず、中性B中間子が二つのπ0中間子に崩壊する過程において、対生成現象を利用して時間に依存するCPの破れを測定する方法を開発した。またB中間子がK*とγに崩壊する過程から標準模型を超える物理に対する制限を得るための条件を得た。SIO 技術を用いた新しい検出器の読み出しシステムの準備をおこなった。
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SoI技術を用いたピクセルセンサーの開発
研究課題/領域番号:18204027 2006年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
坪山 透, 新井 康夫, 海野 義信, 羽澄 昌史, 池田 博一, 石野 宏和
配分額:35620000円 ( 直接経費:27400000円 、 間接経費:8220000円 )
SOI(silicon on insulator)はシリコンウエファ上にシリコン酸化膜を形成し、その上にCMOS回路を集積する半導体技術である。ウエファに高抵抗シリコンを用いPN接合を形成すると放射線がウエファ中に落とした信号を電気的に取り出すことが可能になる。その信号を酸化膜上部のCMOS回路で処理することで、粒子測定用ピクセルセンサーを開発することが本研究の目的である。半導体プロセスには(株)沖電気のIC量産ラインを用いることで、製造プロセスの信頼性と継続性を高めた。
平成18年には128x128ピクセルをもつピクセルセンサーおよび試験用チップを試作した。このセンサーを用いて、パルスレーザ光への高い感度が確認され、続いて行ったB線試験でも信号が確認された。またTCADシミュレーションを行い「不純物打ち込みエネルギーが高いほどブレークダウン耐性が向上する」という予想を得た。それに従って打ち込みエネルギーを変えたところ、予想通りの効果があり、試験チップではブレークダウン電圧が40Vから60Vに改善した。またSOICMOS回路の耐放射線性の試験の結果、CMOSトランジスタがガンマ線60MRadの照射後もウエファに補正電圧を与えることで動作可能であった。またピクセル読み出し回路にした場合も30MRadまで入力信号に対する応答があった。現在計画されているSuper KEKBのピクセルセンサーとしても使用可能なデバイスと考えられる。平成19年にはこれらの知見に基づきSuper B factoryでの使用を考慮したpixel sensorの設計・製造を行った。評価は始まったところであるが、IV特性などの静特性は良好だった。引き続き動的な特性を測るための試験を行う予定である。 -
弱い相互作用の高次効果のみが寄与するB中間子崩壊過程でのCP非保存の研究
研究課題/領域番号:16740136 2004年04月 - 2006年03月
日本学術振興会 科学研究費 若手研究(B)
石野 宏和
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:2900000円 ( 直接経費:2900000円 )
素粒子の標準模型の枠内では、CPの破れは小林・益川(KM)理論により説明できるとされている。本研究では高エネルギー加速器研究機構で行われているBelle実験において、B中間子の崩壊過程を詳しく調べることにより、KM理論を検証することを目的とする。
B中間子が二つの荷電π中間子に崩壊する過程は、弱い相互作用の1次の効果(bクォークがuクォークに遷移するツリー過程)と、Wゲージボソンがループをつくる2次の効果(bクォークがdクォークに遷移するペンギン過程、またはFlavor Changing Neutral Current)の両方が寄与すると考えられている。この結果、B中間子と反B中間子が二つの荷電π中間子に崩壊する確率が異なる直接的CPの破れが現れるかもしれない。本研究で直接的CPの破れの大きさを測ったところ、4σの有意性でCPが破れていることがわかり、b→d遷移のFCNCが存在することを世界で初めてつきとめた。中性B中問子の混合過程でのCPの破れを予言する理論はスーパーウィーク理論のようにKM理論以外にも存在したが、直接的CPの破れはKM理論特有の予言である。この研究により、少なくともスーパーウィーク理論は排除することができた。
KM理論は3×3のユニタリー行列を導入し、それは一つの複素位相を含んでいる。したがって、複素平面上で行列要素の関係を示すと三角形になる。このユニタリー三角形の内角と辺の長さを測ることにより、KM理論をさらに詳しく検証することができる。本研究では、上記のB→π^+π^-崩壊に加えてB→ρ^+ρ^-崩壊を用いて、三角形の頂角φ_2を測定した。その結果φ_2=93±12度を得た。他の角度や辺の長さからφ_2=97±15度と予想でき、二つの独立な測定は一致することが確かめられ、KM行列を10%強の精度で検証することができた。