共同研究・競争的資金等の研究 - 座間味 義人
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医療ビッグデータを活用した多因子AI解析による免疫チェックポイント阻害薬誘発致死性副作用の発現リスク予測法の確立
2020年06月 - 2022年06月
政策医療振興財団 政策医療振興財団 研究助成金
座間味 義人
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医療ビッグデータを活用した薬剤性腎障害予防を目指した最適な支持療法の確立
研究課題/領域番号:20K07132 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
合田 光寛, 石澤 啓介, 石澤 有紀, 座間味 義人
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
シスプラチンは副作用として悪心・嘔吐および腎障害の発生頻度が高いことが知られている。臨床で用いられている抗がん剤誘発悪心・嘔吐に対する制吐薬の一つである5-HT3受容体拮抗薬は、第一世代のオンダンセトロン、第二世代のパロノセトロンなど多くの種類があり、化学療法レジメンによって使い分けられているのが現状である。また、シスプラチンおよびオンダンセトロンはMultidrug and toxin extrusion (MATE) 型輸送体を介して腎臓近位尿細管から排泄されることが知られており、これまでにモデルマウスを用いた検討でオンダンセトロンがシスプラチン誘発腎障害発症のリスク因子となる可能性が示唆されている。そこで、臨床で用いられている各種5-HT3受容体拮抗薬のシスプラチン誘発腎障害に対する影響を検討した。
シスプラチン誘発腎障害モデルを用いた検討の結果、第一世代のオンダンセトロンの前投与によりシスプラチン単独投与群と比較して腎障害の有意な増悪が認められたが、第二世代のパロノセトロンの前投与では、悪化が認められなかった。また、FAERS(大規模副作用症例報告データベース)を用いて、各種5-HT3受容体拮抗薬のシスプラチン誘発腎障害に対する影響を解析した結果、シスプラチンと第一世代5-HT3受容体拮抗薬との併用により腎障害の報告オッズ比が1より大きくなることが明らかになった。さらに、徳島大学病院の診療情報を用いた後方視的調査研究により、第二世代5-HT3受容体拮抗薬併用患者の方が第一世代5-HT3受容体拮抗薬併用患者と比較して、腎障害発症率が低いことが明らかになった。
本研究の結果より、第二世代5-HT3受容体拮抗薬は第一世代と比較してシスプラチン腎障害に対する影響が少ない可能性が示唆される。 -
がん転移制御に向けた内皮間葉転換機構とERK5の役割解明
研究課題/領域番号:19K07321 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
石澤 有紀, 中馬 真幸, 堀ノ内 裕也, 座間味 義人, 武智 研志, 合田 光寛
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究は転移発症の重要な病態であると考えられる内皮間葉転換 (endothelial-mesenchymal transition: EndMT) を標的とし、その分子機構を明らかにするとともに、EndMTに対して抑制的に働くことが示唆されている血管内皮細胞由来extracellular signal-regulated protein kinase 5 (ERK5) の腫瘍進展・転移における役割を解明することで、新たながん転移予防戦略の開発を目指すものである。
まず、がんゲノム・ビッグデータであるTCGAデータベースを用いて、各種悪性腫瘍におけるERK5シグナル伝達経路関連分子の遺伝子発現について網羅的に解析した。その結果、ERK5によって発現が上昇することが知られている一酸化窒素合成酵素は各種悪性腫瘍では正常組織に比べ発現量が減少していた。一方、ERK5によって負に制御されているvascular endothelial cell growth factor (VEGF)、またVEGF受容体であるFlt1は腫瘍中の発現量が増加している症例ほど予後が悪いことが明らかとなった。
そこで先に確立した線維芽細胞特異的ERK5欠損マウスを用いて担がんモデルマウスを作成し、がん関連線維芽細胞におけるERK5欠損が腫瘍内において低酸素誘導因子HIF-1αの増加を介してVEGF発現をアップレギュレートすることによって、血管新生を促進し腫瘍の増大を惹起することを明らかにした。
また、培養血管内皮細胞を用いたin vitro実験にて分子機序を検証するため、培養ヒト臍帯静脈内皮細胞においてEndMTを惹起する実験条件の確立に取り組んだ。代表的なEndMTを誘発する刺激であるTGF-βを刺激することで、内皮細胞マーカーの発現低下、間葉系細胞マーカーの発現上昇を検討し、その刺激条件を確定した。 -
医療ビッグデータの活用による高齢者医療の疾病構造と質評価に関する臨床疫学研究
研究課題/領域番号:19K10533 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
小山 敏広, 萩谷 英大, 座間味 義人, 樋之津 史郎, 狩野 光伸
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は全国民を対象とする医療ビッグデータの活用と臨床疫学的な手法の統合により,高齢者医療の実態を長期的な視点で分析することを目的としている。これまで高齢者を対象に全国民の医療ビッグデータを活用した研究として、対象となりうる疾患を明らかにしてきた。高齢者で重篤になりえる感染症として、医療関連感染症であるclostridium dificcile 感染症、市中感染による呼吸器感染症のinfluenza感染症、再興感染症のheaptitis C感染症を特定した。さらに、高齢者特有の神経疾患として認知症、医療に関連する要因として副作用についても研究の実施が可能であることを明らかにした。
本研究は申請者がこれまでに蓄積してきた医療ビッグデータ解析技術および臨床疫学的な手法と高齢医学分野のこれまでの実績を融合させ、日本人を対象とした認知症に関連する死亡率および認知症患者が終末期医療を受療する環境に関する研究を国際学術誌に掲載した。
また、高齢者が受療中に経験した副作用に関連する死亡率についても長期的なデータをもとに死亡率が増加していることを明らかにし、現在、国際学術誌に投稿中である。副作用に関連した研究として、すでに日本を含めた欧米各国についても同様のデータを収集している。次年度以降には、分析に着手することができるよう準備が進んでいる。
再興感染症としてのhepatitis Cについても、日本人を対象にした研究について過去20年間の死亡者数等のデータを分析することにより、大幅に減少傾向にあることを明らかにし、現在国際学術誌に投稿中である。
このように本年度の研究実績は、当初予定した研究計画に沿って滞りなく進行しており、先行して次年度の研究の準備も進めた。次年度以降も日本国内の高齢者医療と諸外国の高齢者医療の分析をもとに国際社会にも貢献するための研究成果を発信していく予定である。 -
大規模医療情報データベースを活用した抗がん剤誘発末梢神経障害に対する予防薬の探 索
2019年04月 - 2020年03月
中冨健康科学振興財団
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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大規模医療情報を活用した抗がん剤誘発末梢神経障害に対する予防薬の開発
2019年04月 - 2020年03月
AMED橋渡し研究・新規開発シーズ(シーズA 九州大学拠点)
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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医療ビッグデータと既存承認薬を活用した抗がん剤誘発副作用に対する予防薬の開発
2019年04月 - 2020年03月
大鵬薬品工業株式会社基礎研究協定 がん関連基礎研究
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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大規模医療情報データベースを切り口とした臨床応用研究
2018年12月 - 2020年10月
臨床薬理研究振興財団 研究奨励金
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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「仁生(じんせい)」若手研究者助成
2018年11月 - 2018年12月
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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医療ビッグデータと新規モデル動物を応用した大動脈解離発症の病態解明と予防法開発
研究課題/領域番号:18K06686 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
石澤 啓介, 今西 正樹, 石澤 有紀, 座間味 義人, 合田 光寛, 武智 研志, 中馬 真幸
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
当研究課題では、リアルワールドデータである大規模医療情報解析と、新規モデル動物を用いた基礎研究を融合させることで大動脈解離発症の病態解明と予防法開発を目指している。2018年度は、これまで検討を重ねていた薬物誘発性大動脈解離易発症モデルマウスの確立に成功した。内皮障害を惹起するL-NAME、血圧を上昇させる angiotensin II、弾性線維の脆弱化を惹起するBAPNの3剤を投与する本モデルマウスをLABモデルと名付け、病態解析から内皮細胞における細胞接着分子の発現低下が解離発症の機序の一つであることを見出した。また、大規模医療情報データベースの一つ、日本医薬品医療機器総合機構が提供するJADER (Japanese Adverse Drug Event Report database) を用い、薬物治療中に急性大動脈解離を発症した症例について、その被偽薬と予防効果が示唆される候補薬を解析・抽出した。解析により抽出された発症予防候補薬の一つとして脂質異常症治療薬であるスタチンに着目し、代表的なスタチン系薬剤であるピタバスタチンの薬効についてLABモデルマウスを用いて検証した。その結果、ピタバスタチンを前投与した群において解離発症が有意に抑制され、in vivo研究に加え培養細胞を用いたin vitro研究を行うことで、ピタバスタチンによる抗炎症効果、内皮細胞保護効果がその薬理作用である可能性を明らかにした。現在は、JADERやその他の大規模医療情報データベースに加え、遺伝子発現データベース等も利用し、解離発症予防効果が予測される候補薬剤を網羅的に抽出しているところであり、今後はよりドラッグリポジショニングに向けた臨床応用の実現可能性が高い候補薬剤についてLABモデルマウス、培養細胞等に及ぼす影響を検討する計画である。
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医療ビッグデータと新規モデル動物を応用した大動脈解離発症の病態解明と予防法開発
2018年04月 - 2021年03月
文部科学省: 科学研究費補助金(基盤(C))
石澤 啓介
資金種別:競争的資金
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医療ビッグデータと既存承認薬を活用した心肺蘇生後脳症治療薬の開発
研究課題/領域番号:18K06785 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
座間味 義人, 今西 正樹, 武智 研志, 中馬 真幸, 合田 光寛
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
心拍再開後に起こる心肺蘇生後脳症が原因で, 社会復帰率の低下および要介護による医療費の増大を引き起こしている。したがって, 蘇生後脳症による経済的損失は計り知れず, 治療薬の開発が喫緊の課題となっている。近年, 申請者らは医療ビッグデータ解析により, 臨床現場で使われている既存承認薬の新しい薬効を見出し, その薬を別の疾患の治療薬として開発するドラッグリポジショニング研究を実施している。そこで本研究では, 医療ビッグデータを基盤とする新規的な手法を活用して, 既存承認薬を蘇生後脳症治療薬として臨床応用することを目的としている。創薬ツールである”TargetMine”を用いて, 神経保護効果に関連する作用を有する候補薬剤を抽出したところ、300種類の薬剤が抽出された。それらの候補薬剤の中から、日本医療データセンターから取得した約3000人心肺停止症例において、50例以上に使用されており、 かつ注射薬である5種類の薬剤を選択した。この5剤と生存退院との関連性を評価した結果、 チオペンタールだけは生存退院に対する調整オッズ比が有意に高い値を示した。さらに、マウス海馬由来HT22神経細胞用いた検討において、チオペンタールは心肺停止病態を想定した低酸素条件下における神経細胞死を有意に抑制した。そこで現在は塩化カリウム投与による心肺停止モデル動物を作製して、チオペンタールによる脳神経保護作用の詳細な機序を検討しているところである。
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保険関連SDGsの達成に向けたビッグデータ・オープンデータの活用法の開発
2018年04月 - 2019年03月
岡山大学次世代研究育成グループ助成
小山 敏広、座間味 義人
資金種別:競争的資金
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医療ビッグデータと既存承認薬を活用した心肺蘇生後脳症治療薬の開発
2018年 - 2020年
文部科学省 科学研究費補助金(基盤(C))
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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大規模医療情報を切り口とした心肺蘇生後脳症治療薬の開発研究
2018年 - 2019年
ノバルティス研究助成
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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亜鉛生命医科学の研究拠点の構築
2017年 - 2019年
武田科学振興財団 特定研究助成
深田俊幸、座間味 義人
資金種別:競争的資金
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生活習慣病合併型心房細動における新規抗凝固療法の評価系の構築
研究課題/領域番号:16K18944 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
小山 敏広, 座間味 義人
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
心房細動罹患者は血栓症のリスクに曝されており,抗凝固療法を必要としている.一方,心房細動患者は生活習慣病を患っていることが多く,これら併存疾患が及ぼす抗凝固作用への影響についてはほとんど不明である.本研究は医療ビッグデータの解析から生活習慣病を合併する心房細動患者における塞栓症および出血などのリスクに対して生活習慣病治療薬が及ぼす軽減効果を明らかにした.さらに,生活習慣病モデルを用いて酸化ストレスおよび血管線維化の抑制がメカニズムである可能性を明らかにした.これらの結果は,生活習慣病治療薬が酸化ストレスの軽減を通して出血や塞栓症のリスクを低下させる新たな可能性を示した.
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抗がん剤副作用の予防薬を開発したい!-医療ビッグデータを活用したドラッグリポジショニング-
2016年
Otsucleクラウドファンディング
座間味義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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心肺停止病態に対する低酸素選択的ナノDDS製剤を用いた脳神経障害根治薬の開発
研究課題/領域番号:15K21178 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
座間味 義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
低酸素選択的ナノDDS製剤が低酸素条件下で神経保護作用を示すかを検討するために、マウス海馬由来HT22神経細胞を用いたin vitro系を確立した。HT22神経細胞を低酸素インキュベータ内で1%酸素条件下に6時間暴露させると細胞生存率が43%になった。また、抗けいれん薬であるチオペンタールおよび狭心症治療薬であるニコランジルが、低酸素条件下での神経細胞死を濃度依存的に抑制した。本研究で神経保護作用を見出した2種類の薬剤は低酸素選択的ナノDDS製剤を作製するのに有用であると考えられる。今後はナノDDS製剤化した薬剤を心肺停止モデルラットに投与し効果を検証し、新規脳神経障害改善薬の開発を目指す。
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高血圧モデルにおける血管拡張性神経の伸長を介した降圧効果に関する研究
研究課題/領域番号:23700833 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
座間味 義人
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
研究課題は、高血圧の根治を目指す新規的な作用機序を有する高血圧治療薬を創製することを目的としたものである。In vivo 評価系において、高血圧自然発症ラットに神経成長因子を4週間皮下投与し、腸管抵抗血管の血管拡張性神経の分布密度を免疫組織化学的手法により測定したが、対照動物と比較して有意な差は認められなかった。