研究者詳細 - 森松　博史

総肺静脈還流異常症と大血管転位症はともに新生児期に根治的手術が必要となりうる先天性心疾患である.新生児の心臓は構造的,機能的に未熟であるため術後心不全に陥りやすい.加えて総肺静脈還流異常症,大血管転位症の患者は疾患特有の血行動態により左心不全や肺高血圧のリスクが高く注意が必要である.両疾患の新生児期の根治的手術を成功に導くためには,前負荷,後負荷,心筋収縮力,心拍数を適切に調節し限られた心機能を無理なく発揮できる環境を作ることが重要である.(著者抄録)

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ガムエラスティックブジー使用下気管切開チューブ挿入時に気管膜様部裂創に至った症例

内藤真由, 伊加真士, 黒江泰利, 清水一好, 武田吉正, 森松博史

日本臨床麻酔学会誌 37 ( 2 ) 156 - 161 2017年3月

記述言語：日本語出版者・発行元：日本臨床麻酔学会

89歳,女性.口腔癌に対し全身麻酔下に切除術が予定された.気管挿管後,気管切開を施行し,気切孔よりガムエラスティックブジー(GEB)に沿ってスパイラルチューブを挿入した.両者とも抵抗なく挿入できたが,ETCO2は検出されなかった.気管支鏡で確認したところ,気管膜様部裂創を認めた.直ちに右片肺挿管とし,次いで左片肺挿管にした後に,開胸による気管修復術が施行された.この間,SpO2は100%を維持でき,循環動態も安定していた.術後は挿管のまま集中治療室へ入室,術後5日目に人工呼吸器から離脱,7日目にICU退室となった.気管切開手技のチューブ挿入時のGEBのルーチン使用を見直し,症例ごとの必要性などを術者と検討するべきである.(著者抄録)

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集中治療領域におけるTele ICUシステムの試作・検討

清水一好, 林真雄, 鈴木聡, 森松博史

日本集中治療医学会雑誌 24 ( Suppl. ) DP74 - 5 2017年2月

ラットSAH single injection modelにおいて超急性期の頭蓋内圧が皮質電位と脳波に及ぼす影響

高杉祐二, 菱川朋人, 西廣真吾, 新治有径, 春間純, 平松匡文, 杉生憲志, 武田吉正, 森松博史, 伊達勲

脳血管攣縮 32 77 - 77 2017年2月

高トリグリセリド血症起因性急性膵炎にLDL（low density lipoprotein）吸着療法が奏功した妊婦の1例

佐倉考信, 清水一好, 廣井一正, 鈴木聡, 林真雄, 賀来隆治, 森松博史

日本集中治療医学会雑誌 24 ( 1 ) 26 - 30 2017年

記述言語：日本語出版者・発行元：一般社団法人日本集中治療医学会

妊娠中の急性膵炎は稀な疾患であるが，発症すると母体，胎児ともに予後が悪い。著明な高トリグリセリド（triglyceride, TG）血症による急性膵炎を発症した妊婦に対して，LDL（low density lipoprotein）吸着療法を施行し良好な経過をたどった症例を経験した。症例は35歳，妊娠39週の女性。TG 11,936 mg/dlの著明な高TG血症を認め，造影CTにて重症急性膵炎を疑う所見を認めた。帝王切開にて妊娠を中断の後，ICU入室となり急性膵炎，高TG血症に対する治療を開始した。高TG血症に対してLDL吸着療法を3回施行し，TG値は1,764 mg/dlまで低下した。その後，膵炎に対する保存加療が継続され，第15病日に退院した。高TG血症起因性急性膵炎において，高TG血症の治療併用は重要である。本疾患を合併した妊婦に対して，血漿交換と比較して合併症頻度の低いLDL吸着療法を選択し，安全に施行できた。

DOI： 10.3918/jsicm.24_26

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脊髄腫瘍摘出術後に頭蓋内出血、気脳症を発症した1症例

合田慶介, 小畑ダニエル, 金澤伴幸, 三好亜希子, 佐々木俊弘, 末盛智彦, 清水一好, 森松博史

麻酔 65 ( 12 ) 1271 - 1275 2016年12月

記述言語：日本語出版者・発行元：克誠堂出版(株)

75歳女性。第3・4腰椎レベルの硬膜内髄外腫瘍に対し腫瘍摘出術が予定された。レミフェンタニル、プロポフォールによる麻酔管理を行い、術中の血圧変動にはフェニレフリン、ニカルジピンを使用し、手術は終了した。麻酔終了後の覚醒遅延を契機に頭蓋内出血、気脳症を発症したが、対症療法を主体とした全身管理を行ったところ、術後1日目のCTで気脳症や頭蓋内出血の改善が確認された。その後、徐々に意識レベルは改善し、軽度の認知機能障害が残存したものの、術後22日目に転院となった。

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大手術後の重篤な有害事象を評価・予測するための観察研究査読

Shiozaki Kyoko, Morimatsu Hiroshi, Matsusaki Takashi, Iwasaki Tatsuo

Acta Med Okayama 70 ( 6 ) 461 - 467 2016年12月

記述言語：英語掲載種別：研究論文（学術雑誌）出版者・発行元：Okayama University Medical School

Many patients suffer from postoperative serious adverse events (SAEs). Here we sought to determine the incidence of SAEs, assess the accuracy of currently used scoring systems in predicting postoperative SAEs, and determine whether a combination of scoring systems would better predict postoperative SAEs. We prospectively evaluated patients who underwent major surgery. We calculated 4 scores: American Society of Anesthesiologists physical status (ASA-PS) score, the Charlson Score, the POSSUM (Physiological and Operative Severity Score for the enUmeration of Mortality and morbidity) score, and the Surgical Apgar Score (SAS). We assessed the occurrence of SAEs. We assessed the association between each score and SAEs. We combined these scoring systems to find the best combination to predict the occurrence of SAEs. Among 284 patients, 43 suffered SAEs. All scoring systems could predict SAEs. However, their predictive power was not high (the area under the receiver operating characteristic curves [AUROC] 0.6-0.7). A combination of the ASA-PS score and the SAS was the most predictive of postoperative SAEs (AUROC 0.714). The incidence of postoperative SAEs was 15.1 . The combination of the ASA-PS score and the SAS may be a useful tool for predicting postoperative serious adverse events after major surgery.

DOI： 10.18926/AMO/54809

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論文 - 森松 博史

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