共同研究・競争的資金等の研究 - 小汐 由介
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最高強度ビームと精密測定で目指すニュートリノCP対称性の破れの発見
研究課題/領域番号:22H04943 2022年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
坂下 健, 久世 正弘, 中桐 洸太, 松原 綱之, 市川 温子, 木河 達也, 小汐 由介
配分額:190710000円 ( 直接経費:146700000円 、 間接経費:44010000円 )
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スーパーカミオカンデ超新星爆発ニュートリノ観測による爆発天体の早期特定
研究課題/領域番号:21H04989 2021年07月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
中畑 雅行
配分額:198900000円 ( 直接経費:153000000円 、 間接経費:45900000円 )
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超大型水チェレンコフ測定器で挑む超新星背景ニュートリノの発見と宇宙の進化の解明
研究課題/領域番号:20H00162 2020年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
小汐 由介, 中島 康博
配分額:44460000円 ( 直接経費:34200000円 、 間接経費:10260000円 )
大質量の恒星はその一生の最後に超新星爆発を起こす。その際、爆発の99%以上のエネルギーはニュートリノによって宇宙空間にばらまかれる。宇宙に最初の星ができて以来、超新星爆発は約1秒に1回の頻度で絶えず起きており、その都度ニュートリノが宇宙にまき散らされていると考えられている。このニュートリノは超新星背景ニュートリノ(SRN)と呼ばれ、世界中で探索が進められているが、未だ発見には至っていない。世界最大のニュートリノ検出器スーパーカミオカンデ(SK)でSRNを発見するのが本研究の目的である。
2020年度の成果としてはしては、まず13トンの硫酸ガドリニウムをスーパーカミオカンデに導入したことである。ガドリニウムの導入により、SRN解析に対する背景事象を効果的に削減し、感度が劇的に向上する。導入は順調に行われ、約1ヶ月で完了した。導入後のデータから、期待通りの信号が確認でき、検出器も安定して稼働している。
本研究ではSKのデータ解析に加え、加速器を用いた素粒子・原子核反応の精密測定で、SRN発見に最も重要な大気ニュートリノによる背景事象の理解を進める。大気ニュートリノ反応の中でも、ニュートリノと水中の酸素原子核との中性カレント準弾性散乱(NCQE)と呼ばれる反応がSRNによる反応と全く区別がつかないため、この反応を精密に理解することが鍵となる。そこでNCQE 反応を、素性のよくわかったニュートリノビームを同じSK検出器で捉えるT2K実験で測定する。2020年度末からはT2K実験のデータ取得にも成功した。
さらにT2K実験における NCQE反応の精度を上げるために、ニュートリノビームの不定性を削減する NA61/SHINE実験と、酸素原子核を標的としたビーム実験を行う。前者では、我々が提案した実験が正式に採用され、2021年度に行うことが決定した。 -
Studying supernova explosions via their neutrino emissions
研究課題/領域番号:17H06365 2017年06月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
ヴァギンズ マーク, 松古 栄夫, 住吉 光介, 小汐 由介, 原田 了
配分額:156650000円 ( 直接経費:120500000円 、 間接経費:36150000円 )
One of the primary sources of near-field gravitational waves [GW] are core collapse supernova [SN] explosion. SN neutrinos, famously observed from SN1987A, provide a unique and vital probe into the inner dynamics of these dramatic events. Released together with GW during the initial stellar collapse, neutrinos and GW are both certain to travel through any obscuring dust or gas and remain undiminished upon their arrival at Earth. Neutrinos also carry information regarding the end state of the star: for explosions within our galaxy, collapses into neutron stars or black holes, the eventual sources of far-field GW, can be differentiated via observations of neutrino emissions.
During FY2018, we began upgrading the existing Super-Kamiokande [SK] detector to be an advanced-technology, gadolinium-loaded SN neutrino detector. This was the first time SK was drained and serviced since 2006.
There were four main tasks: 1) fix a longstanding water leak in the SK tank; 2) clean up the interior of the detector; 3) replace failed photomultiplier tubes, and; 4) install additional piping for better circulation of Gd-loaded water.
On the theory side, SN simulations by 6D Boltzmann equation were performed on the K-computer to clarify the effects of SN core rotation in neutrino emission and transport. Moreover, the properties of SN dynamics and neutrino bursts for different progenitors and sets of the equation of state were explored as an evaluation of uncertainty in neutrino signals. We developed numerical codes for supernovae suitable for use on GPU systems. -
Studying supernova explosions via their neutrino emission
2017年04月 - 2022年03月
新学術領域研究
Mark Vagins
資金種別:競争的資金
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研究課題/領域番号:26104006 2014年07月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
作田 誠, 高久 雄一, 井上 睦夫, 鈴木 英之, 池田 一得, 中里 健一郎, 小汐 由介, 伊藤 慎太郎, 関谷 洋之, 中畑 雅行, 富樫 甫, 古澤 駿
配分額:167050000円 ( 直接経費:128500000円 、 間接経費:38550000円 )
1987年カミオカンデにより超新星爆発のニュートリノが世界で初めて発見されたが、それ以後発見されない。本研究目標は、過去に起こった超新星爆発ニュートリノの発見のために、スーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウム(Gd)添加し、ニュートリノ反応で生成される中性子の遅延同時計測を可能にするSK-Gd計画を期間内に開始させることであった。本研究の成果として、Gd原料そのものと、SKに0.2%添加した際の水循環装置内でのU、Th、Rn、Ra等の放射線不純物除去を達成し、SK-Gd実験は開始できた。さらに実験に必要となる超新星爆発ニュートリノ検出の実験・理論的な基礎的開発も進展し、目標は達成された。
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研究課題/領域番号:26000003 2014年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 特別推進研究 特別推進研究
中畑雅行
資金種別:競争的資金
本研究では、スーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウム(Gd)を導入して中性子を同時計測することにより、宇宙の初期から起きてきた超新星爆発によって蓄積されたニュートリノ(超新星背景ニュートリノ)の世界初観測を目指す。そのために、2018年度にSKタンクを改修してタンクの水漏れを止めるとともに、Gd溶解装置及びGdを含んだ水を循環・純化する装置を製作・設置した。また、放射性不純物の少ないGd_2(SO_4)_3の製造もおこなった。これらにより、2020年春より0.01%の濃度でGdを導入し、50%の中性子捕獲効率で観測を開始することができるようになった。
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研究課題/領域番号:26400292 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 基盤研究C 基盤研究(C)
小汐由介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
本研究はT2K実験におけるニュートリノの酸素原子核との反応で発生する脱励起ガンマ線の測定により、これまで測定されていなかった中性カレント準弾性散乱反応を高精度で測定することである。初年度にはこの反応を世界で初めて測定することに成功した。しかしその測定誤差は大きく、本研究では最も大きな中性子の水中での反応による誤差を低減するために、中性子ビームを用いた全く新たな実験を提案し、遂行した。これまで中性子と水との反応は系統的に理解されていなかったが、本研究により反応断面積や発生するガンマ線のエネルギーの測定に成功し、その理解が格段に進んだ。
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研究課題/領域番号:24103004 2012年06月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
ヴァギンズ マーク, 小汐 由介
配分額:119990000円 ( 直接経費:92300000円 、 間接経費:27690000円 )
超新星爆発は宇宙で最も劇的で重要な出来事である。本研究は超新星爆発によるニュートリノと重力波の相関の研究であり、調査研究のために開発された200トンガドリニウム水チェレンコフ検出器 EGADSを最先端の超新星ニュートリノ検出器への改造を目的とした。2015年4月には0.2%硫酸ガドリニウムを添加し、新たな電子回路および計算機を搭載し、世界初の高い効率で中性子捕獲が可能な水チェレンコフ検出器として運用を開始した。加えて、近傍超新星が発生した時にニュートリノと重力波の信号相関の予測に関する研究を行った。
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超新星爆発によるニュートリノ信号と重力波信号の相関の研究
2012年04月 - 2017年03月
新学術領域研究
Mark Vagins
資金種別:競争的資金
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世界に先駆けた電子ニュートリノ振動検出を可能にするための遠方検出器についての研究
研究課題/領域番号:23340062 2011年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 基盤研究B 基盤研究(B)
大林由尚
資金種別:競争的資金
本研究では長基線ニュートリノ振動実験T2Kの最も重要な検出器であるスーパーカミオカンデについて、検出器ハードウェアの安定運用による稼働率向上、ニュートリノ事象の時刻決定の安定運用、検出器の反応点再構成とエネルギー測定の系統誤差の低減のため、ハードウェアおよび解析ソフトウェアの改良を行った。これらの成果が大きく生かされ、T2K実験グループは2011年の震災、2013年の事故による2度の実験中断を乗り越え、世界に先駆けてニュートリノ振動による電子ニュートリノ出現を検出し、公表した。
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研究課題/領域番号:23540345 2011年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
汲田 哲郎, 小汐 由介
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
スーパーカミオカンデ等の検出器較正に使用できる、プラズマ航跡場加速による電子ビーム発生についてスタディを行った。コンピューター・シミュレーションの結果、通常より高密度のプラズマを利用して、電子ビームのバンチサイズよりもプラズマ波の波長がはるかに小さい領域でプラズマ航跡場加速を行うことにより、エネルギー広がりは大きくなるが、加速エネルギーの最高値は大きくなることが確認できた。しかし、検出器較正に使用するエネルギーには到達しないことが分かった。研究の副産物として、炭酸ガスレーザーと電子ビームのコンプトン散乱γ線の高次非線形効果が観測できた。
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イタリア・グランサッソ地下実験施設における素粒子ニュートリノの研究
2010年01月 - 2010年12月
優秀若手研究者海外派遣事業
小汐由介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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太陽ニュートリノの精密観測およびニュートリノ振動現象の研究
2009年07月 - 2009年12月
東京大学 長期派遣経費助成事業
小汐由介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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研究課題/領域番号:21224004 2009年05月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
中畑 雅行, 作田 誠, 石野 宏和, ヴァギンズ マーク, 竹内 康雄, 小汐 由介, 竹田 敦, 関谷 洋之
配分額:207870000円 ( 直接経費:159900000円 、 間接経費:47970000円 )
本研究の目的は、宇宙の初めから起きてきた超新星爆発からのニュートリノ(Supernova Relic Neutrino(SRN))を捉えるための開発研究である。SRNを捉えるにはスーパーカミオカンデ(SK)にガドリニウムを溶解させて反ニュートリノが反応した際に放出される陽電子と中性子を同時計測する必要がある。本研究ではSKを模擬したテストタンクを建設し、ガドリニウムを溶解し、水の透過率の測定、ガドリニウムを保持したまま水を純化させる方法の開発、放射性不純物の測定とその除去方法の開発をおこなった。
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プラズマ電子加速技術を応用したスーパーカミオカンデ検出器較正の研究
2009年04月 - 2011年03月
挑戦的萌芽研究
小汐由介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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プラズマ電子加速技術を応用したスーパーカミオカンデ検出器較正の研究
研究課題/領域番号:21654032 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
小汐 由介
配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )
本研究は、第一に電子ビームをプラズマ中に入射した際に励起される大振幅プラズマ波により加速された電子を用いた新たな検出器較正装置の開発を目的とする。本年度は、前年度に引き続きプラズマ発生装置の開発研究を行なった。ここではまず、前年度における議論の結果採用したポリプロピレン製Capillary(細管)に高電圧をかけることにより表面を溶解しプラズマを生成するCapillary放電方法の試験、および、使用する真空チェンバの組み立てを、連携研究者と協力して行った。本装置における重要な点は、安定した運転が可能であること、電子ビームの導入が容易であること、Capillaryの設置および調整が容易であること、プラズマ発生の確認や電流値や真空度の測定などの様々なモニタが正しく作動することである。それらの点に留意して試運転を行った。同時にシミュレーションを行い、電子が加速されるための条件の調査も行った。予定していた電子ビームラインへの装着については、今年度中に行うことができなかったが、必要な実験装置はすでに揃っており準備も完了しているので、今後も引き続き研究を行なう予定である。本研究における第二の目的は、将来的なレーザーによるプラズマ加速技術を用いた検出器較正装置の基礎的研究であるが、どのような設計が現実的に可能であるか、また実際の装置の配置などについても連携研究者と議論を行った。さらに関連する国際会議に参加し、外部研究者と議論を行うことで、様々な助言を得ることもできた。
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研究課題/領域番号:19GS0204 2007年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 学術創成研究費 学術創成研究費
鈴木 洋一郎, 森山 茂栄, 中畑 雅行, 小汐 由介, 中村 正吾, 竹内 康雄, 岸本 康宏, 竹田 敦, 安部 航, 関谷 洋之, 山下 雅樹, 小川 洋, 小林 兼好, 平出 克樹
配分額:590590000円 ( 直接経費:454300000円 、 間接経費:136290000円 )
宇宙の暗黒物質が実験室の標的に衝突する事象を高感度で検出するための世界最大の液体キセノン検出器(800kg)の建設に成功した。検出器の性能を確認するための微小較正源による較正データは検出器が大きい発光量を持つこと、すなわち、暗黒物質への高い感度を証明した。また、最大のバックグラウンド源であるKrの低減は成功し、世界最高の2. 7ppt以下を実現した。観測されたバックグラウンド源もほぼ同定し、暗黒物質探索の準備ができた。
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スーパーカミオカンデ検出器較正用線源開発および太陽ニュートリノスペクトル精密測定
2005年04月 - 2008年03月
若手研究B
小汐由介
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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スーパーカミオカンデ検出器較正用線源開発および太陽ニュートリノスペクトル精密測定
研究課題/領域番号:17740133 2005年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
小汐 由介
配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )
本年度は、まず昨年度から引き続き、スーパーカミオカンデにおいて線源および光源による検出器較正を行った。本年度は特に水質の時期変動を正確に求め、シミュレーションプログラムに反映させた。次に、ここで得られた検出器較正の結果をふまえ、新たなニッケル線源装置の開発を行った。この装置の原理は、これまでと同様カリフォルニウム中性子線源をニッケル金属内に設置するというものだが、大きな特色として比例計数管を使用することにより中性子の発生タイミングを独自に測定できるというものである。この装置の製作を行い、確実に中性子が発生していることを確認できた。また、電子LINACおよびDT中性子発生装置による検出器較正を行い、本研究で重要なエネルギー決定の位置依存性を精度良く測定し、それらの結果をシミュレーションプログラムに反映させた。合わせて取得データの解析をおこない、エネルギー敷居値は5MeV、また短期間のデータはあったが、太陽ニュートリノフラックス、エネルギースペクトルが期待通りの結果であることを示した。さらに、これまでの検出器較正結果、および取得データを考慮して、今後のスーパーカミオカンデにおける太陽ニュートリノ振動パラメータの決定感度を調べた。その結果、現在のニュートリノ振動パラメータが解としたときに、3年のデータで95%の信頼度でエネルギースペクトルの歪みが観測できることを示した