共同研究・競争的資金等の研究 - 江口 傑徳
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新規分子間相互作用を介したMMPの生理的・病理的機能発現機序の解明
研究課題/領域番号:20791378 2008年 - 2009年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
江口 傑徳
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
マトリックス・メタロ・プロテアーゼ3(MMP3)は細胞外マトリックスや成長因子、そのレセプターを切断することで、組織リモデリング、血管新生、創傷治癒、骨・軟骨リモデリングに関与し、病理的にはリウマチのマーカーでもある。そこにきて我々は、MMP3が核移行し、転写因子としてCTGF/CCN2遺伝子の発現を誘導することを見出した。今回、細胞内で発現させたMMP3およびその機能ドメインであるPEXドメインおよびCatalyticドメインを細胞内で発現させその機能を解析した。全長MMP3およびそれらの変異体は細胞死を誘導することなく一部は核移行した。さらにはマイクロアレイによって、細胞内MMP3の特異的な新しいターゲット遺伝子としてHSP70B'を見出した。細胞内MMP3によってHSP70B'が誘導され、細胞がUV、感染、メカニカル・ロードなどのストレスに対して耐性を獲得すると考えられる。
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Identification and characterization of cartilage-specific transcription factor
2003年 - 2006年
JSPS Incentive for JSPS postdoc
EGUCHI Takanori
資金種別:競争的資金
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軟骨細胞特異的な新規転写因子の単離とその機能解析
2003年 - 2006年
日本学術振興会 特別研究員奨励費
江口傑徳
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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軟骨細胞特異的な新規転写因子の単離とその機能解析
研究課題/領域番号:03J02535 2003年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
江口 傑徳
配分額:3300000円 ( 直接経費:3300000円 )
内軟骨性骨化、乳癌の骨転移、組織再生などへの強い関与が報告されているタンパク質CCN2/CTGFは、それら生命現象の実験的モデルとして多用されている細胞株HCS-2/8やMDA231でもまた高発現しており、そのメカニズムの一つがCCN2プロモーター上のエンハンサーTRENDICとタンパク質(複合体)の相互作用であることは既に我々が論文報告している。その後TRENDIC結合因子を同定するために行ったサウスウェスタンスクリーニングにより得られたcDNAの1つは細胞外基質分解酵素として知られるMMP-3をコードしていた。そこでMMP-3による転写調節について研究を行っている。
1.軟骨組織および培養軟骨細胞様細胞株HCS-2./8の免疫染色では、MMP-3は細胞核に局在化していた。
2.HCS-2/8の細胞成分を核・細胞質に分画し、ウェスタンブロッティングにより検討したところ、両方の画分にMMP-3が検出された。
3.クロマチン免疫沈降により、通常培養条件下のHCS-2/8細胞においてMMP-3が染色体上のCCN2のプロモーター領域(TRENDICを含む)に結合することが分かった。
4.TRENDICと核タンパク質複合体の結合は抗MMP-3抗体によって阻害されるというスーパーシフトアッセイの結果からも、MMP-3がTRENDICに結合することが分かる。
5.各種細胞株で強制発現したMMP-3は細胞質および核に局在した。この強制発現MMP-3によるCCN2プロモーターの活性化は特定の細胞株でのみ認められた。
6.HCS-2/8におけるCCN2のプロモーター活性はMMP-3インヒビターの添加により抑制された。
7.質量分析装置を応用することでMMP-3結合性転写調節因子・核輸送因子を同定した。
現在上記の結果を統合し、論文発表に向け準備中である。