共同研究・競争的資金等の研究 - 江口 傑徳
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細胞外小胞を利用した難治性癌の体外診断薬開発
2024年04月 - 2025年03月
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構(AMED) 橋渡し研究プログラム シーズA
担当区分:研究代表者
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難治性癌の細胞外小胞によるマクロファージハイジャックと転移ニッチの解明
研究課題/領域番号:23H03310 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
江口 傑徳
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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腫瘍微小環境の細胞間コミュニケーションにおけるMMP3含有エクソソームの機能解明
研究課題/領域番号:22F22409 2022年09月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
江口 傑徳, SHETA MONA
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研究課題/領域番号:17K11642 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
江口 傑徳, 十川 千春, 奥舎 有加, 岡元 邦彰
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
新規がん幹細胞ストレス耐性:
癌の転移や再発の原因と目されるがん幹細胞は,三次元環境下でスフェロイド(球状細胞塊)を形成する.今回試行した67種類の癌細胞株の殆どがスフェロイドを形成したのに対し,8種類は葡萄様細胞塊(GLA)を形成し,そのうち7種類は腺癌由来であった.このGLA形態は癌細胞の新規形態学的特性と考えられた.GLA形成性細胞株PC-3は去勢抵抗性前立腺癌と神経内分泌前立腺癌の特徴を併せ持つ.PC-3細胞は他の癌種と比べてin vivo腫瘍形成能およびリンパ節転移性に優っていた.幹細胞専用培地および三次元培養環境によって,PC-3細胞のGLA形成促進,細胞塊融合によるオルガノイド形成促進,増殖抑制,幹細胞マーカー(CD44v8-10)発現促進,上皮性マーカー(Eカドヘリン,EpCAM,ESRP1/2)発現促進,がん遺伝子発現促進を認めた.他方,二次元培養環境および血清刺激はこれらを抑制した.上記の幹細胞性誘導環境は,がん幹細胞マーカーEpCAM発現を誘導し,EMT誘導転写因子ZEB1の発現を抑制した.二次元培養下PC-3と比べ,PC-3オルガノイドは,タンパク質貯蔵が豊富で,盛んにEpCAM含有エクソソームを分泌し,顕著にストレス応答タンパク質HSP90αを分泌した.治療抵抗性がんは,以上のがん幹細胞特性より,ストレス耐性および治療抵抗性を発揮すると考えられた.
Takanori Eguchi, Chiharu Sogawa, Yuka Okusha, Kenta Uchibe et al "Organoids with cancer stem cell-like properties secrete exosomes and HSP90 in a 3D nanoenvironment." PLoS One. 2018 Feb 7;13(2):e0191109. -
細胞外小胞の口腔トロピズムを基軸とする侵襲性歯周炎の病態解明と診断への応用展開
研究課題/領域番号:23K21486 2024年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
山本 直史, 江口 傑徳, 宮地 孝明, 高柴 正悟, 江國 大輔
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
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難治性癌の細胞外小胞によるマクロファージハイジャックと転移ニッチの解明
研究課題/領域番号:23K28000 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
江口 傑徳, 高橋 賢, 河合 穂高, 岡元 邦彰, 冨樫 庸介, 武部 克希
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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腫瘍微小環境の細胞間コミュニケーションにおけるMMP3含有エクソソームの機能解明
研究課題/領域番号:22KF0268 2023年03月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
江口 傑徳
配分額:1300000円 ( 直接経費:1300000円 )
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エクソソームに搭載される新規キナーゼの癌促進機能の解明
2022年08月 - 2023年03月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 公益財団法人ウエスコ学術振興財団研究助成金
江口傑徳
担当区分:研究代表者
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エクソソームに搭載される新規キナーゼの癌促進機能の解明
2022年08月 - 2023年03月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 公益財団法人ウエスコ学術振興財団研究助成金
江口傑徳
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:400000円 ( 直接経費:400000円 )
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歯周病が胎盤・胎児の成長発育を阻害する分子メカニズムの解明
研究課題/領域番号:22H03511 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡村 裕彦, 十川 千春, 江口 傑徳, 大森 一弘, 福原 瑶子, 池亀 美華
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四肢長管骨骨折の偽関節・骨欠損に対する新規エクソソーム・マスカレ再生療法の開発
研究課題/領域番号:21K20992 2021年08月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
福岡 史朗
配分額:3120000円 ( 直接経費:2400000円 、 間接経費:720000円 )
マウスマクロファージ様細胞(RAW264.7)を培養し、試薬(IL-4)を添加することでM2マクロファージに分極させ、免疫細胞染色にて確認した。分化させたM2マクロファージからサイズ排除クロマトグラフィー法を用いてエクソソームを抽出し、ウェスタンブロットにてエクソソームマーカー(CD9、63)を、透過電子顕微鏡、静的光散乱ナノサイズ粒子分析器にてエクソソームのサイズを確認することでエクソソームと同定した。
実際の臨床で行ったMasquelet法により採取したInduced membraneをHE染色を行ったところ、マクロファージ、特にM2マクロファージ優位に浸潤を認め、同様にエクソソームを抽出することが出来た。
またvivoではラットから骨髄を採取し、MCSFを添加することでM2マクロファージに分極させ、同様にエクソソームを抽出することができた。 -
細胞外小胞の口腔トロピズムを基軸とする侵襲性歯周炎の病態解明と診断への応用展開
研究課題/領域番号:21H03119 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
山本 直史, 井手口 英隆, 宮地 孝明, 江口 傑徳, 江國 大輔, 高柴 正悟
担当区分:研究分担者
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
侵襲性歯周炎(Aggressive periodontitis:AgP)は全身的には健康な若年者に発症し,急速に進行する特殊な歯周炎であるが、その発症病態は不明なままである。本研究では,臓器特異的な作用(臓器トロピズム)が近年注目されている血中の細胞外小胞(EV)とAgPの病態関与の可能性を調べた。
今年度は、AgP患者6名と健常者3名の初診時血中EVから,AgPで高発現するmiRNAをRNAシーケンスにて調べ,マーカー候補となるそれらのmiRNA mimicをヒト歯肉線維芽細胞と歯周炎モデルマウスに遺伝子導入した。誘導された炎症性サイトカインの発現量をリアルタイムPCR法とELISA法にて測定し,歯槽骨吸収量をマイクロCTにて調べた。
健常者と比較して,AgP患者で発現量が2倍以上増加したmiRNAを500種類以上同定した。それらのうち5種のmiRNAとmiR-181b-5pを歯肉線維芽細胞に導入すると,IL-6とIL-1βの産生が増加した。とりわけ,miR-181b-5p を歯肉組織に導入すると歯槽骨吸収が進行した。
すなわち、AgP患者の血中EVには診断マーカー候補となるmiRNAが多く発現しており,miR-181b-5pはIL-6とIL-1β発現を伴う炎症を助長することによってAgPを重症化する可能性が示された。 -
三次元培養により出現する腫瘍細胞の特性解析に基づいた新規肺がん治療標的の探索
研究課題/領域番号:21K08902 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山本 寛斉, 豊岡 伸一, 冨田 秀太, 諏澤 憲, 江口 傑徳, 加藤 竜司
担当区分:研究分担者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
近年、免疫チェックポイント阻害剤の登場により、がん細胞周囲の微小環境(腫瘍微小環境)が治療標的として注目されている。三次元(3D)培養での腫瘍細胞は二次元(2D)培養と比べ、細胞間インタラクションが生体内に近く、腫瘍微小環境を反映していることが知られている。また、がん難治性に関与する幹細胞性の維持や治療抵抗性の評価にも従来の2D 培養によるアッセイ系よりも適している。申請者らは、その中でも腫瘍細胞の凝集形態には多様性があり、特にがんの悪性度が高い集団が存在することを発見した。本研究は、より生体内の環境を反映する3D 培養により肺がん細胞の特性を評価し、悪性度と関連する遺伝子を同定し、これを標的とする治療戦略の確立を目指すものである。
令和3年度は、肺がん細胞株 (n = 30) を用いて3D 培養による細胞凝集塊の形態学的特徴の確認を進め、Grape-like, Spheroid, Monolayer sheet, Other typeの4つに分類した。また、腫瘍学的特徴を明らかにするために、これらの形態学的特徴と増殖能・浸潤能・遊走能の表現型との関連について解析を進めたところ、Monolayer sheet typeの細胞株は浸潤能・遊走能がSpheroid typeの細胞株よりも高いという結果であった。また、各肺がん細胞株のin vivoでの腫瘍形成能をマウスモデルを用いて検討を進めている。 -
コンドロニュートリゲノミクス研究の開拓とニュートリジェネティクス研究への展開
研究課題/領域番号:20K20611 2020年07月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓) 挑戦的研究(開拓)
滝川 正春, 青山 絵理子, 星島 光博, 久保田 聡, 西田 崇, 江口 傑徳
担当区分:研究分担者
配分額:25870000円 ( 直接経費:19900000円 、 間接経費:5970000円 )
1.昨年度メチオニンの代謝産物であるS-アデノシルメチオニン(SAM)をヒト軟骨細胞様細胞株HCS-2/8の培養系に添加すると、まずCCN2の遺伝子発現が亢進し、次いで2型コラーゲンの遺伝子発現が上昇し、その後、アグリカンの蓄積量(アルシアンブルー染色)も増加すること、また、ポリアミンの前駆体の一つSAM脱炭酸物を合成するSAM 炭酸酵素AMD1の阻害剤、SardomizideをSAMと共に添加するとSAMによるアグリカンの蓄積が抑制されることを見いだした。今年度はこれらの知見を、染色の場合は生化学的手法で測定するなど他の手法を用いて再確認するとともに、1培養細胞株では不十分との考えのもと、ラット軟骨肉腫由来の軟骨細胞様細胞株RCS細胞を用いて確認した。これらの結果はSAMがCCN2の発現を誘導する機能分子であることを示している。また、同培養系にSAMを添加して、スペルミジン、スペルミン等のポリアミンレベルをHPLCで測定すると、両ポリアミン濃度の増加が見られた。従って、SAMは少なくとも一部はポリアミン合成を介して軟骨細胞の分化機能を亢進させることを示唆している。
2.CCN2が関節軟骨形成因子GDF5と結合することはすでに報告済みであるが、CCN2はGDF5とBMPRIbとの結合には影響しないこと、NogginはCCN2のGDF5への結合を阻害することを見いだした。また、CCN2は、軟骨細胞においてGDF5によるSmad1/5/8のリン酸化を増強し、アグリカン遺伝子発現促進作用をさらに増強した。
3.齧歯類の変形性関節症の予防・修復作用を有するCCN2と「陰と陽」の関係があるとされているCCN3の発現が、ヒト変形性肩関節症および変形性股関節症の症状と正に相関することを明らかにした。2と3の知見は本課題後半のコンドロニュートリジェネティクス研究に繋がる重要な基礎的知見となる。 -
口腔扁平上皮癌における新規遠隔転移抑制治療の開発
研究課題/領域番号:20H03888 2020年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
長塚 仁, 山近 英樹, 中野 敬介, 河合 穂高, 江口 傑徳, 辻極 秀次, 高畠 清文
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
本年度は、リンパ節における転移niche形成の検討を行うために、GFP骨髄移植を行なったマウスにヒト好転移ヒト扁平上皮癌細胞株を頬粘膜に移植して、リンパ節転移モデルの作成を行なった。腫瘍組織は、通報に従い標本を作成し、免疫組織化学染色、蛍光免疫二重染色、蛍光免疫多重染色を行い検討を行なった。
●蛍光免疫多重染色(Opal 7 color manual IHC)による目的細胞の組織内での局在の検討
転移に関与するBMDCのプロファイルがある程度特定されれば、次に蛍光免疫多重染色(Opal 7 color manual IHC)を用いることにより、目的BMDCの組織での局在を明らかとする。Opal 7 color manual IHCは、同一切片内で最大7色までの多重染色を行うことが可能な染色手法で、FACSで得られた情報をそのまま切片内に再現することが可能である。これにより、組織内での目的BMDCの局在や動態の詳細を継時的に観察した。 -
三次元腫瘍オルガノイド評価系により見出された新規癌転移抑制化合物の創薬展開
研究課題/領域番号:20K09904 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
十川 千春, 岡元 邦彰, 江口 傑徳, 河合 穂高, 青山 絵理子
担当区分:研究分担者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
癌の悪性化、転移および再発を制御するには、分子機序の解明と有効な抗腫瘍薬の開発が不可欠である。近年、癌の悪性化には癌細胞を取りまく腫瘍微小環境が影響するといわれ、癌細胞のみならず腫瘍微小環境を制御する因子も標的分子の候補に入れた検討が必要である。本研究課題では、三次元腫瘍オルガノイド形成とMMP9発現をモニタリングすることによる、独自の多元薬物評価系によって見出したヒット化合物をもとに、新規癌転移抑制薬開発に向けた創薬展開を行うことを目的とする。
令和3年度は、これまで得られたヒット化合物のさらなるブラッシュアップのため、腫瘍微小環境に対する薬剤の効果を評価可能な高次アッセイ系の構築を引き続き行った。エクソソームをはじめとする細胞外小胞(Extracellular Vesicles: EV)は腫瘍微小環境制御に関わるとされるが、免疫系細胞が分泌するEVの腫瘍細胞に対する影響について、昨年度確立した蛍光または発光モニタリングシステムを応用することにより検討した。マクロファージ様に分化させたTHP-1細胞から分泌されたEVをサイズ排除クロマトグラフィーを用いて粒子径により分画し、CD9陽性の大型EV(80-300 nm)とCD63/HSP90陽性小型EV(20-200 nm)を得た。蛍光標識したこれらのEVは口腔癌細胞HSC-3に効率的に取り込まれ、口腔癌細胞の生存率を大幅に低下させることが明らかとなった。
以上のことから、マクロファージ様細胞におけるEVの分泌を促進する薬剤は抗がん作用を発揮する可能性が高く、腫瘍微小環境に対する薬剤の効果を検討する上で重要であると考えられた。 -
細胞外小胞による生体ネットワークの解明と医療への応用 国際共著
2020年 - 2021年
岡山大学次世代研究育成グループ
江口傑徳
担当区分:研究代表者
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CCNsの細胞内新機能~細胞外新情報伝達系の解明と共通分子基盤の確立及びその応用
研究課題/領域番号:19H03817 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
滝川 正春, 青山 絵理子, 星島 光博, 久保田 聡, 西田 崇, 江口 傑徳, 大野 充昭, 鈴木 守
担当区分:研究分担者
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
サブテーマ1: CCNタンパク質の意外な新機能について。1-1)CCN2結合因子として分泌小胞の細胞内輸送に関与するタンパク質Rab14をyeast two-hybrid法で同定し、両者がCCN2のIGFBPドメインを介して結合することを解明した。また、Cos7細胞に両タンパク質を強制発現して、両者が細胞内で共局在することを確認した。さらに、軟骨細胞においてRab14あるいはCCN2の発現を阻害すると小胞体ストレスマーカーの発現が上昇すること、Rab14とCCN2の相互作用が軟骨細胞のアグリカン分泌に重要であることも解明した。即ち、分泌タンパク質CCN2が細胞内で機能するという意外な事実を見いだした。1-2)CCN2 が神経栄養因子様の活性を持っていることを新たに見いだした。また、脂肪細胞分化を抑制すること、骨細胞から産生され骨のリモデリングに重要な役割を果たすことなどCCN2の新機能を見いだした。
サブテーマ2: CCNタンパク質の細胞外小胞を介した情報ネットワークの形成について。好転移性がん細胞LuM1が産生する細胞外ベジクル (EV)が低転移性大腸がん細胞Colon26のEVよりMMP3とCCN2を多量に含有すること、このEVが血流を介して、皮下に移植したColon26癌の増殖を強く増強することを見いだした。また、 同オンコゾーム由来のMMP3が標的細胞中でCCN2を誘導することを見いだした。
サブテーマ3: 構造ー機能解析とその展開について。ヒトCCN2全長タンパク質の立体構造を決めるため、ヒトCCN2組換えタンパク質を用いて、BINDS(創薬等先端技術支援基盤プラットホーム) の支援のもと、約800条件で結晶化を試みたが結晶は確認できず、また、FGF2との複合体の結晶化も進めるべく、同複合体の分離を試みたが、沈殿が生じてしまった。現在、これらの条件検討を継続中である。 -
歯周病原菌が放出する小胞の組織障害性と病態評価への応用
研究課題/領域番号:19H04051 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡村 裕彦, 江口 傑徳, 宝田 剛志, 吉田 賀弥, 池亀 美華, 江國 大輔, 伊原木 聰一郎
担当区分:研究分担者
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
歯周病原菌によって惹起される歯周病は,慢性炎症をともなう生活習慣病である。歯周病の病態の悪化が糖尿病などの全身性疾患の重症化に関与することが明らかになってきたが,現在でも高齢者を中心に8割以上の人々が何らかの歯周疾患を患っている。口腔は全身状態を示す鏡であり,健全な歯と口腔を維持することは,全身の健康にとって重要と認識されながらも,現状との間には依然として乖離がある。この原因として,歯周病と全身性疾患の重症化を関連づける明確な分子生物学的根拠が乏しいことが挙げられる。我々は,これらの疾患を関連づける新たな因子として歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』に注目した。
当該年度は,1.歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』の組織・細胞障害性を調べる。2.細胞外分泌小胞』に含まれる病原因子を同定し,その細胞障害性について調べることを目的とした。
歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』を標識し,生体内での動向を可視化することに成功した。『細胞外分泌小胞』は,肝臓を含む遠隔臓器に集積した。また,このマウスではインスリンに対する応答性が減弱し,高いレベルの血糖値を示した。培養細胞を用いた実験により,『細胞外分泌小胞』は肝細胞において糖代謝に関わるシグナル伝達経路を阻害することが分かった。回収した『細胞外分泌小胞』からタンパク質を抽出し,質量分析により解析したところ,菌固有のタンパク質分解酵素などが含まれていた。以上の結果より,歯周病原菌は『細胞外分泌小胞』を介して細胞障害性因子を肝臓に到達させ,肝細胞の糖取り込みを抑制することで,糖尿病の重症化に関与すると考えられる。 -
細胞間情報伝達・細胞外小胞研究会第一回国際シンポジウム(ICEV-1)開催
2019年 - 2020年
岡山大学理事裁量経費シンポジウム開催経費支援
江口傑徳
担当区分:研究代表者