共同研究・競争的資金等の研究 - 寳田 剛志
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難病における病的バリアントに特有な疾患進行メカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K10453 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
濱田 全紀, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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培養軟骨組織体における内軟骨性骨化抑制へのアプローチとメカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K12826 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
北口 陽平, 宝田 剛志, 太田 智之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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軟骨再生による変形性足関節症に対する新規治療の開発
研究課題/領域番号:24K12374 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
雑賀 建多, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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加齢による骨格筋細胞の生体変容に関わるlncRNAのランドスケープ
研究課題/領域番号:23K27845 2024年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
伊藤 達男, 武井 直子, 浜田 道昭, 宝田 剛志, 山崎 晃, 清水 由梨香
配分額:10400000円 ( 直接経費:8000000円 、 間接経費:2400000円 )
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変形性股関節症に対する軟骨再生の新規治療の開発
研究課題/領域番号:23K08590 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山田 和希, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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スキャフォールドフリー培養軟骨を用いたヒト由来細胞外マトリックス製剤の開発
研究課題/領域番号:23K09099 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
太田 智之, 宝田 剛志, 高尾 知佳
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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抗腫瘍免疫応答における腫瘍「周辺」環境での時空間的T細胞分化動態の解明
研究課題/領域番号:22K19459 2022年06月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介, 宝田 剛志
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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新規肉腫モデルを用いた肉腫発生メカニズムの解明と治療標的分子同定の試み
研究課題/領域番号:22K09378 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
上原 健敬, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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関節軟骨の光in vivoイメージング技術の開発
研究課題/領域番号:22K09332 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
鉄永 智紀, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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骨肉腫肺転移に対する新規分子標的治療の開発
研究課題/領域番号:22K09401 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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口蓋突起の癒合におけるFilamin Aを介した上皮間葉転換の分子機序の解明
研究課題/領域番号:22K10245 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
早野 暁, 宝田 剛志, 井澤 俊
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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時空間的トランスクリプトーム解析・iPS干渉法を応用した歯の再生技術の開発
研究課題/領域番号:21H04842 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志
配分額:42510000円 ( 直接経費:32700000円 、 間接経費:9810000円 )
本申請研究では,「臓器としての歯の再生」を最終目的に,1細胞レベルでのRNA発現解析に加えて,時空間情報を加味した遺伝子発現解析法を駆使し,歯胚発生における1細胞レベル時空間的トランスクリプトームMapを構築し,これらのデータベースをもとに,iPS干渉法を応用し,歯原性上皮・間葉細胞の誘導方法を開発する.そして,器官原基法により,非歯原性細胞から,生理的機能を有した臓器としての歯を世界で初めて再生することを目的としている.
本年度は,歯胚発生における1細胞レベル時空間特異的トランスクリプトームMapを構築した.
具体的には,マウスE10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E18.5の歯胚および非歯原性口腔粘膜組織を摘出し,酵素処理にて約1万細胞の単一細胞を得て,Single cell RNA-Seq (scRNA-Seq)解析し,どの細胞が,どの遺伝子を,どの程度発現しているか1細胞レベルで解析を行った.また,メッシュ状に位置情報となるインデックス配列が付加されたスライドガラスに,E10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E16.5の歯胚を含むマウス頭部前頭断の凍結切片を貼り付け,HE染色を行い,組織学的情報を取得した.次に,スライド上でmRNAを単離,位置情報のインデックス配列が付加されたcDNAを合成し,ライブラリー作製後にシークエンスを行い,インデックス情報から,二次元空間での遺伝子発現情報を構築し,遺伝子発現Mapを構築した. -
ヒト関節軟骨オルガノイドを利用した革新的創薬スクリーニング技術の開発
研究課題/領域番号:21H02643 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宝田 剛志, 高尾 知佳, 山田 大祐, 戸口田 淳也
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
高齢化が急速に進行する中で、膝関節軟骨の代表的疾患である変形性関節症(Osteoarthritis, OA)に対する薬物治療開発は遅々として進んでいない。ヒト生体環境/病態を模倣したハイスループット化合物スクリーニングシステムの開発は、薬剤開発の初期段階に極めて重要であるが、ヒト関節軟骨組織(硝子軟骨組織)を均一大量に調整することは従来不可能であった。申請者は、ヒト多能性幹細胞より、高い軟骨分化指向性を有し、拡大培養可能で、前向き品質管理が可能なヒト軟骨前駆細胞を大量に調整する技術を開発することに成功し、「ヒト」の硝子軟骨組織(=ヒト関節軟骨オルガノイド)を「均一・大量」に、安定的に調整する準備が整った。本研究では、開発したヒト軟骨前駆細胞を細胞源とし、均一大量に作製したOA病態ヒト関節軟骨オルガノイドによるハイスループット化合物スクリーニング系を開発することで、OA治療候補化合物を同定し、独自に開発する疾患モデル動物での治療効果を検証することを目指す。この点において本年度は、ヒト多能性幹細胞株にpiggybacでのDOX inducible RUNX2発現カセットを導入し (hPSC-iRUNX2株の樹立)、同株より申請者らの開発した方法を使用して、ヒト軟骨前駆細胞(hCPC-iRUNX2)を樹立し、継代培養により増やした。DOXを添加することでRUNX2の発現が認められ系の確立に成功した。
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ヒト肉腫自然発症モデルを利用した血中悪性化指標マーカーの探索
研究課題/領域番号:21K07192 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山田 大祐, 中田 英二, 宝田 剛志, 高尾 知佳
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
申請者らは、ヒト骨肉種では転写制御因子PRRX1が高発現していることを見出しているだけでなく、PRRX1の発現量が高い患者は予後不良を示すことも明らかにしている。さらに、マウス骨肉腫モデルでもPRRX1が発現しているだけでなく、ヒト骨肉腫細胞株143Bにおいては、PRRX1のノックダウンによって増殖性や浸潤性が低下するだけでなく、ドキソルビシンとシスプラチンへの抵抗性が解除されることも見出している。これらの研究実績は、Transl Oncol 誌(2021 Vol. 14 Issue 1 Pages 100960)にて発表を行い、骨肉腫におけるPRRX1の増悪因子としての機能を明らかにした。その後、悪性神経鞘腫においてもPRRX1が増悪因子として機能することも見出しており(未発表データ)、肉腫におけるPRRX1の重要性が明らかになってきている。また、Nature Biomedical Engineering誌(2021 Vol. 5 Issue 8 Pages 926-940)にて、ヒト多能性幹細胞から発生過程を模倣した分化誘導方法を用いて、肢芽間葉系細胞を作成する技術に関しての発表を行い、本研究課題を遂行するための研究ツールの開発にも成功している。研究成果は、AMED及び申請者の所属機関である岡山大学にてプレスリリースを行い、一般向けの内容紹介を掲載して公開されている。さらに、ヒト多能性幹細胞から作成した肺オルガノイドを用いて、前がん病変を再現することにも成功している(Int J Cancer 2021 Vol. 149 Issue 8 Pages 1593-1604)。以上の結果から、ヒト多能性幹細胞を用いた腫瘍モデルを構築するための実験技術に関しては、十分整っていると考えられる。
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悪性軟部腫瘍におけるPRRX1の機能解析とその新規薬物療法への応用
研究課題/領域番号:21K07178 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
たき平 将太, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
我々は転写制御因子Paired related homeobox 1(PRRX1)について研究を行ってきた。PRRX1は四肢骨格形成に強く関与しているが、腫瘍の悪性化に関与するとの報告がある。オープンデータベースの解析にて悪性軟部腫瘍の1つである悪性末梢神経鞘腫(MPNST)においてPRRX1が比較的高発現していることを見出した。ヒト腫瘍検体においてPRRX1の発現の多寡を免疫染色にて確認し高発現/低発現と群分けし予後と肺転移について相関を評価したところ、高発現グループにおいて5年生存率は低く、転移率も高い結果となった。次にレンチウイルスベクターを用いてPRRX1に対するshRNA(shPRRX1)をヒトMPNST細胞株に導入、PRRX1の発現を抑制した細胞株を作製し、対照群(空ベクター導入群)とshPRRX1導入群間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、増殖能・遊走能・浸潤能いずれも低下する結果となった。次にPiggybac systemを用いてPRRX1をドキシサイクリン依存的に過剰発現させるヒトMPNST細胞株を樹立した。対照群(ドキシサイクリン未処理群)とPRRX1過剰発現群(ドキシサイクリン処理群)間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、PRRX1過剰発現群では増殖能に変化はなく、遊走能、浸潤能は増加していた。次に、PRRX1の発現を抑制した細胞株と対照群、それぞれの細胞株をマウスに皮下移植を行ったところshPRRX1導入群では腫瘍径は有意に縮小していた。本研究によりPRRX1は腫瘍悪性化の原因の可能性が示唆され、その働きを阻害する薬剤を見いだすことで、本来治療が困難なことが多いとされる軟部肉腫に対する新規治療法となり得る可能性が考えられた。本研究では悪性腫瘍のメカニズムの一端を解明しうるだけでなく、新規創薬開発の点においても非常に重要性が高いと考える。
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光活性型Creシステムを利用した生体内遺伝子操作法の開発
研究課題/領域番号:20K21373 2020年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
宝田 剛志, 高尾 知佳, 山田 大祐, 佐藤 守俊
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
生体内遺伝子操作の精度(時期特異性や、細胞種特異性)は、Cre recombinase (Cre)loxP 部位特異的 DNA組換え酵素反応の応用により格段に上昇した。青光照射でDNA組み換え反応をコントロールできる光活性型Cre(Photoactivatable(PA)-Cre)に着目し、このPA-Cre技術と、テトラサイクリン誘導発現系システム(TetON/OFF)のActb locusへのノックイン技術を組み合わせることで、in vivoでのlight/Dox-dependentなDNA組み換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)の開発に成功した。同マウスを使用することで、個体レベルでの光活性型Creシステムの有用性を実証し、免疫/幹細胞の細胞動態研究(例:どのタイミングで傷害部位へ遊走し、遊走後どれくらい滞在するのか?遊走後の細胞は分化/機能変化の点でどのような運命を辿るのか?)や、がん研究(例:遺伝子変異細胞の動態を極めて早期に生体内で観察)への応用を目指す。本年度は同マウスと交配するための、各種tTAマウス(ROSA-tTA:全身性にtTAを発現するマウス、Foxp3-tTAマウス:制御性T細胞にてtTAを発現するマウス、LepR-tTAマウス:LepR陽性間葉系間質細胞にてtTAを発現するマウス)の開発を実施した。それぞれについてtargeting vectorを作成し、CRISPR/Cas9の系でノックインさせることでマウスの樹立することを目指した。産仔のGenotypingの結果、正しくノックインされたマウスを選別することに成功したため、現在はマウスを増やし、。TRE-PA-Creマウスとの交配を実施中である。
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歯周病原菌が放出する小胞の組織障害性と病態評価への応用
研究課題/領域番号:19H04051 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡村 裕彦, 江口 傑徳, 宝田 剛志, 吉田 賀弥, 池亀 美華, 江國 大輔, 伊原木 聰一郎
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
歯周病原菌によって惹起される歯周病は,慢性炎症をともなう生活習慣病である。歯周病の病態の悪化が糖尿病などの全身性疾患の重症化に関与することが明らかになってきたが,現在でも高齢者を中心に8割以上の人々が何らかの歯周疾患を患っている。口腔は全身状態を示す鏡であり,健全な歯と口腔を維持することは,全身の健康にとって重要と認識されながらも,現状との間には依然として乖離がある。この原因として,歯周病と全身性疾患の重症化を関連づける明確な分子生物学的根拠が乏しいことが挙げられる。我々は,これらの疾患を関連づける新たな因子として歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』に注目した。
当該年度は,1.歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』の組織・細胞障害性を調べる。2.細胞外分泌小胞』に含まれる病原因子を同定し,その細胞障害性について調べることを目的とした。
歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』を標識し,生体内での動向を可視化することに成功した。『細胞外分泌小胞』は,肝臓を含む遠隔臓器に集積した。また,このマウスではインスリンに対する応答性が減弱し,高いレベルの血糖値を示した。培養細胞を用いた実験により,『細胞外分泌小胞』は肝細胞において糖代謝に関わるシグナル伝達経路を阻害することが分かった。回収した『細胞外分泌小胞』からタンパク質を抽出し,質量分析により解析したところ,菌固有のタンパク質分解酵素などが含まれていた。以上の結果より,歯周病原菌は『細胞外分泌小胞』を介して細胞障害性因子を肝臓に到達させ,肝細胞の糖取り込みを抑制することで,糖尿病の重症化に関与すると考えられる。 -
骨髄微小環境における骨形成・吸収メカニズムの分子基盤の解明と治療戦略
研究課題/領域番号:19H03842 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎, 淺田 騰, 枝松 緑
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
BMP-2は,有効な骨再生療法を提供するとして大変期待されている.一方,我々は,骨髄腔内にBMP-2を投与すると逆に,骨形成が抑制され,骨髄腔が拡大するという大変興味深い知見を得た.本申請研究では,骨髄細胞のシングルセル解析にて,BMP-2投与による骨形成抑制・骨髄腔拡大に関わっている細胞を抽出し,これら候補細胞が,BMP-2投与下で骨髄ニッチや骨髄腔の維持にどの様にして関わっているのかを解析する. そして,上記の解析より,骨髄ニッチや骨髄腔の維持に関わりが深い細胞や分子を抽出し,その欠損マウスを用いてBMP-2にて骨形成が誘導可能か検証し,骨髄腔の維持に関わる細胞やその分子を同定する予定である.
令和元年度は,間葉系幹細胞が可視化されたCXCL12-GFPマウス,骨芽細胞が可視化されたCol1a1-GFPマウス,破骨細胞が可視化されたTrap-Tomatoマウスを用いて,BMP-2の骨髄内投与によりこれらの細胞がどのような挙動を取るか,詳細に検討した.また,BMP-2を骨髄内に投与による骨髄細胞分画の変化をフローサイトメーターにて詳細に検討し,single cell RNA-seq解析の条件検討を行った.
また,in vitroにてBMP-2が骨芽細胞分化に与える影響をどの骨髄細胞が抑制的に制御しているかを明らかにするため,B細胞,T細胞,ミエロイド系細胞をマグネットビーズが付与された抗体を用いて分離し,骨芽細胞分化に与える影響を検討し,どの骨髄細胞が間葉系細胞の骨形成能を抑制しているか絞り込みを行った. -
メカニカルストレス高反応性間葉系幹細胞由来のエクソソームと糖鎖による骨再生制御
研究課題/領域番号:19K07269 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
池亀 美華, 岡村 裕彦, 内部 健太, 宝田 剛志, 江尻 貞一, 河邊 憲司
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の目的は、メカニカルストレスに反応して骨芽細胞分化に寄与する組織内間葉系細胞の同定、それらの細胞から分泌されるエクソソームやその糖鎖の、メカニカルストレスによる変化、ならびに骨修復過程への関与を明らかにすることである。
本年度は、頭蓋冠器官培養系で縫合部に24時間伸展刺激を加え、その培養上清から得られたエクソソームを回収し、その微細構造を観察し、典型的エクソソームのサイズの粒子を確認した。さらにそれらを、MC3T3-E1の培養上清に加えて、RNAを回収し、骨芽細胞分化の指標となる遺伝子発現をリアルタイムPCRによって調べ、骨芽細胞分化への影響を検討した。その結果、メカニカルストレスを加えない群、加えた群、いずれの培養上清からも、典型的サイズのエクソソームを得ることができた。また、リアルタイムPCRの結果、早期の骨芽細胞分化指標の一つであるRunx2の遺伝子発現に対して、メカニカルストレスを与えないエクソソームは影響しなかったが、メカニカルストレスを加えたエクソソームは抑制的な効果を示した。しかし、他の骨芽細胞分化指標となるOsterix遺伝子発現については変化はなかった。
また、骨縫合部から間葉系幹細胞の各系譜の細胞を採取することについて、共同研究者の宝田と検討をしているところであるが、解析に十分な量の細胞を採取することはかなり困難であり、まだ解析に至っていない。組織由来の幹細胞が利用できない場合に備えて、間葉系幹細胞株、C3H10T1/2や、前骨芽細胞系細胞株、MC3T3-E1の骨芽細胞分化に対し促進的な効果を示す伸展刺激条件を検討した。 -
悪性軟部腫瘍に対する新しい複合がん免疫療法の開発
研究課題/領域番号:19K09551 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐, 伊藤 達男, 上甲 良二
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
悪性骨軟部腫瘍は四肢に多く発生し、肺転移を起こす予後不良な悪性腫瘍である。有効な化学療法はほとんど開発されておらず、進行例に対する新規抗がん剤の開発が期待されている。我々は、間葉系幹細胞(MSC)に発現するPaired related homeobox 1 (PRRX1) という遺伝子が、間葉系幹細胞由来である肉腫にも強く発現し、PRX1の発現を抑制すると、肉腫細胞株の増殖が著しく抑制されることを確認した。また、PRX1が免疫チェックポイント阻害剤の効果のキーとなるProgrammed Death-Ligand 1 (PD-L1)を制御することを確認した。したがって、PRRX1阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤 (ニボルマブ)を併用した複合がん免疫療法が軟部肉腫に対しより効果が得られると考えた。そこで、我々は、さらに複数の肉腫細胞株でPRRX1の発現を抑制し、細胞増殖が低下することをin vivoとin vitroで調べることとした。また、ニボルマブで肉腫細胞株の増殖が抑制されることを調べることとした。さらに、PRRX1阻害と、ニボルマブの併用による相乗効果で、抗腫瘍作用がより増強されることを調べることとした。
この研究に取り組みにあたり、まず我々は様々なPRRX1の発現を肉腫細胞株で調べた。その結果、最も発現している細胞株の1つが骨肉腫細胞株であることが判明した。したがって、我々は骨肉腫細胞株でのPRRX1抑制効果について検討することとした。