共同研究・競争的資金等の研究 - 寳田 剛志
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難病における病的バリアントに特有な疾患進行メカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K10453 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
濱田 全紀, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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培養軟骨組織体における内軟骨性骨化抑制へのアプローチとメカニズムの解明
研究課題/領域番号:24K12826 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
北口 陽平, 宝田 剛志, 太田 智之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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軟骨再生による変形性足関節症に対する新規治療の開発
研究課題/領域番号:24K12374 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
雑賀 建多, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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加齢による骨格筋細胞の生体変容に関わるlncRNAのランドスケープ
研究課題/領域番号:23K27845 2024年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
伊藤 達男, 武井 直子, 浜田 道昭, 宝田 剛志, 山崎 晃, 清水 由梨香
配分額:10400000円 ( 直接経費:8000000円 、 間接経費:2400000円 )
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変形性股関節症に対する軟骨再生の新規治療の開発
研究課題/領域番号:23K08590 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山田 和希, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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スキャフォールドフリー培養軟骨を用いたヒト由来細胞外マトリックス製剤の開発
研究課題/領域番号:23K09099 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
太田 智之, 宝田 剛志, 高尾 知佳
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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抗腫瘍免疫応答における腫瘍「周辺」環境での時空間的T細胞分化動態の解明
研究課題/領域番号:22K19459 2022年06月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
冨樫 庸介, 宝田 剛志
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
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関節軟骨の光in vivoイメージング技術の開発
研究課題/領域番号:22K09332 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
鉄永 智紀, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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口蓋突起の癒合におけるFilamin Aを介した上皮間葉転換の分子機序の解明
研究課題/領域番号:22K10245 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
早野 暁, 宝田 剛志, 井澤 俊
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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骨肉腫肺転移に対する新規分子標的治療の開発
研究課題/領域番号:22K09401 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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新規肉腫モデルを用いた肉腫発生メカニズムの解明と治療標的分子同定の試み
研究課題/領域番号:22K09378 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
上原 健敬, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 高尾 知佳, 山田 大祐
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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時空間的トランスクリプトーム解析・iPS干渉法を応用した歯の再生技術の開発
研究課題/領域番号:21H04842 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志
配分額:42510000円 ( 直接経費:32700000円 、 間接経費:9810000円 )
本申請研究では,「臓器としての歯の再生」を最終目的に,1細胞レベルでのRNA発現解析に加えて,時空間情報を加味した遺伝子発現解析法を駆使し,歯胚発生における1細胞レベル時空間的トランスクリプトームMapを構築し,これらのデータベースをもとに,iPS干渉法を応用し,歯原性上皮・間葉細胞の誘導方法を開発する.そして,器官原基法により,非歯原性細胞から,生理的機能を有した臓器としての歯を世界で初めて再生することを目的としている.
本年度は,歯胚発生における1細胞レベル時空間特異的トランスクリプトームMapを構築した.
具体的には,マウスE10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E18.5の歯胚および非歯原性口腔粘膜組織を摘出し,酵素処理にて約1万細胞の単一細胞を得て,Single cell RNA-Seq (scRNA-Seq)解析し,どの細胞が,どの遺伝子を,どの程度発現しているか1細胞レベルで解析を行った.また,メッシュ状に位置情報となるインデックス配列が付加されたスライドガラスに,E10.5,E11.5,E12.5,E14.5,E16.5の歯胚を含むマウス頭部前頭断の凍結切片を貼り付け,HE染色を行い,組織学的情報を取得した.次に,スライド上でmRNAを単離,位置情報のインデックス配列が付加されたcDNAを合成し,ライブラリー作製後にシークエンスを行い,インデックス情報から,二次元空間での遺伝子発現情報を構築し,遺伝子発現Mapを構築した. -
ヒト関節軟骨オルガノイドを利用した革新的創薬スクリーニング技術の開発
研究課題/領域番号:21H02643 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宝田 剛志, 高尾 知佳, 山田 大祐, 戸口田 淳也
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
高齢化が急速に進行する中で、膝関節軟骨の代表的疾患である変形性関節症(Osteoarthritis, OA)に対する薬物治療開発は遅々として進んでいない。ヒト生体環境/病態を模倣したハイスループット化合物スクリーニングシステムの開発は、薬剤開発の初期段階に極めて重要であるが、ヒト関節軟骨組織(硝子軟骨組織)を均一大量に調整することは従来不可能であった。申請者は、ヒト多能性幹細胞より、高い軟骨分化指向性を有し、拡大培養可能で、前向き品質管理が可能なヒト軟骨前駆細胞を大量に調整する技術を開発することに成功し、「ヒト」の硝子軟骨組織(=ヒト関節軟骨オルガノイド)を「均一・大量」に、安定的に調整する準備が整った。本研究では、開発したヒト軟骨前駆細胞を細胞源とし、均一大量に作製したOA病態ヒト関節軟骨オルガノイドによるハイスループット化合物スクリーニング系を開発することで、OA治療候補化合物を同定し、独自に開発する疾患モデル動物での治療効果を検証することを目指す。この点において本年度は、ヒト多能性幹細胞株にpiggybacでのDOX inducible RUNX2発現カセットを導入し (hPSC-iRUNX2株の樹立)、同株より申請者らの開発した方法を使用して、ヒト軟骨前駆細胞(hCPC-iRUNX2)を樹立し、継代培養により増やした。DOXを添加することでRUNX2の発現が認められ系の確立に成功した。
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ヒト肉腫自然発症モデルを利用した血中悪性化指標マーカーの探索
研究課題/領域番号:21K07192 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山田 大祐, 中田 英二, 宝田 剛志, 高尾 知佳
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
申請者らは、ヒト骨肉種では転写制御因子PRRX1が高発現していることを見出しているだけでなく、PRRX1の発現量が高い患者は予後不良を示すことも明らかにしている。さらに、マウス骨肉腫モデルでもPRRX1が発現しているだけでなく、ヒト骨肉腫細胞株143Bにおいては、PRRX1のノックダウンによって増殖性や浸潤性が低下するだけでなく、ドキソルビシンとシスプラチンへの抵抗性が解除されることも見出している。これらの研究実績は、Transl Oncol 誌(2021 Vol. 14 Issue 1 Pages 100960)にて発表を行い、骨肉腫におけるPRRX1の増悪因子としての機能を明らかにした。その後、悪性神経鞘腫においてもPRRX1が増悪因子として機能することも見出しており(未発表データ)、肉腫におけるPRRX1の重要性が明らかになってきている。また、Nature Biomedical Engineering誌(2021 Vol. 5 Issue 8 Pages 926-940)にて、ヒト多能性幹細胞から発生過程を模倣した分化誘導方法を用いて、肢芽間葉系細胞を作成する技術に関しての発表を行い、本研究課題を遂行するための研究ツールの開発にも成功している。研究成果は、AMED及び申請者の所属機関である岡山大学にてプレスリリースを行い、一般向けの内容紹介を掲載して公開されている。さらに、ヒト多能性幹細胞から作成した肺オルガノイドを用いて、前がん病変を再現することにも成功している(Int J Cancer 2021 Vol. 149 Issue 8 Pages 1593-1604)。以上の結果から、ヒト多能性幹細胞を用いた腫瘍モデルを構築するための実験技術に関しては、十分整っていると考えられる。
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悪性軟部腫瘍におけるPRRX1の機能解析とその新規薬物療法への応用
研究課題/領域番号:21K07178 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
たき平 将太, 中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
我々は転写制御因子Paired related homeobox 1(PRRX1)について研究を行ってきた。PRRX1は四肢骨格形成に強く関与しているが、腫瘍の悪性化に関与するとの報告がある。オープンデータベースの解析にて悪性軟部腫瘍の1つである悪性末梢神経鞘腫(MPNST)においてPRRX1が比較的高発現していることを見出した。ヒト腫瘍検体においてPRRX1の発現の多寡を免疫染色にて確認し高発現/低発現と群分けし予後と肺転移について相関を評価したところ、高発現グループにおいて5年生存率は低く、転移率も高い結果となった。次にレンチウイルスベクターを用いてPRRX1に対するshRNA(shPRRX1)をヒトMPNST細胞株に導入、PRRX1の発現を抑制した細胞株を作製し、対照群(空ベクター導入群)とshPRRX1導入群間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、増殖能・遊走能・浸潤能いずれも低下する結果となった。次にPiggybac systemを用いてPRRX1をドキシサイクリン依存的に過剰発現させるヒトMPNST細胞株を樹立した。対照群(ドキシサイクリン未処理群)とPRRX1過剰発現群(ドキシサイクリン処理群)間で増殖能、遊走能、浸潤能を検討したところ、PRRX1過剰発現群では増殖能に変化はなく、遊走能、浸潤能は増加していた。次に、PRRX1の発現を抑制した細胞株と対照群、それぞれの細胞株をマウスに皮下移植を行ったところshPRRX1導入群では腫瘍径は有意に縮小していた。本研究によりPRRX1は腫瘍悪性化の原因の可能性が示唆され、その働きを阻害する薬剤を見いだすことで、本来治療が困難なことが多いとされる軟部肉腫に対する新規治療法となり得る可能性が考えられた。本研究では悪性腫瘍のメカニズムの一端を解明しうるだけでなく、新規創薬開発の点においても非常に重要性が高いと考える。
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光活性型Creシステムを利用した生体内遺伝子操作法の開発
研究課題/領域番号:20K21373 2020年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
宝田 剛志, 高尾 知佳, 山田 大祐, 佐藤 守俊
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
生体内遺伝子操作の精度(時期特異性や、細胞種特異性)は、Cre recombinase (Cre)loxP 部位特異的 DNA組換え酵素反応の応用により格段に上昇した。青光照射でDNA組み換え反応をコントロールできる光活性型Cre(Photoactivatable(PA)-Cre)に着目し、このPA-Cre技術と、テトラサイクリン誘導発現系システム(TetON/OFF)のActb locusへのノックイン技術を組み合わせることで、in vivoでのlight/Dox-dependentなDNA組み換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TRE-PA-Creマウス)の開発に成功した。同マウスを使用することで、個体レベルでの光活性型Creシステムの有用性を実証し、免疫/幹細胞の細胞動態研究(例:どのタイミングで傷害部位へ遊走し、遊走後どれくらい滞在するのか?遊走後の細胞は分化/機能変化の点でどのような運命を辿るのか?)や、がん研究(例:遺伝子変異細胞の動態を極めて早期に生体内で観察)への応用を目指す。本年度は同マウスと交配するための、各種tTAマウス(ROSA-tTA:全身性にtTAを発現するマウス、Foxp3-tTAマウス:制御性T細胞にてtTAを発現するマウス、LepR-tTAマウス:LepR陽性間葉系間質細胞にてtTAを発現するマウス)の開発を実施した。それぞれについてtargeting vectorを作成し、CRISPR/Cas9の系でノックインさせることでマウスの樹立することを目指した。産仔のGenotypingの結果、正しくノックインされたマウスを選別することに成功したため、現在はマウスを増やし、。TRE-PA-Creマウスとの交配を実施中である。
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歯周病原菌が放出する小胞の組織障害性と病態評価への応用
研究課題/領域番号:19H04051 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡村 裕彦, 江口 傑徳, 宝田 剛志, 吉田 賀弥, 池亀 美華, 江國 大輔, 伊原木 聰一郎
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
歯周病原菌によって惹起される歯周病は,慢性炎症をともなう生活習慣病である。歯周病の病態の悪化が糖尿病などの全身性疾患の重症化に関与することが明らかになってきたが,現在でも高齢者を中心に8割以上の人々が何らかの歯周疾患を患っている。口腔は全身状態を示す鏡であり,健全な歯と口腔を維持することは,全身の健康にとって重要と認識されながらも,現状との間には依然として乖離がある。この原因として,歯周病と全身性疾患の重症化を関連づける明確な分子生物学的根拠が乏しいことが挙げられる。我々は,これらの疾患を関連づける新たな因子として歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』に注目した。
当該年度は,1.歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』の組織・細胞障害性を調べる。2.細胞外分泌小胞』に含まれる病原因子を同定し,その細胞障害性について調べることを目的とした。
歯周病原菌由来の『細胞外分泌小胞』を標識し,生体内での動向を可視化することに成功した。『細胞外分泌小胞』は,肝臓を含む遠隔臓器に集積した。また,このマウスではインスリンに対する応答性が減弱し,高いレベルの血糖値を示した。培養細胞を用いた実験により,『細胞外分泌小胞』は肝細胞において糖代謝に関わるシグナル伝達経路を阻害することが分かった。回収した『細胞外分泌小胞』からタンパク質を抽出し,質量分析により解析したところ,菌固有のタンパク質分解酵素などが含まれていた。以上の結果より,歯周病原菌は『細胞外分泌小胞』を介して細胞障害性因子を肝臓に到達させ,肝細胞の糖取り込みを抑制することで,糖尿病の重症化に関与すると考えられる。 -
I型インターフェロンが顎顔面の形態形成に及ぼす影響
研究課題/領域番号:19K10381 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
早野 暁, 川邉 紀章, 宝田 剛志
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の目的であるI型インターフェロンの機能亢進による全身性骨形成不全の発生機序を解明するため、Singleton-Merten Syndrome 患者および対照群となる健常患者の抜去歯から間葉系幹細胞を単離し、骨芽細胞への分化を試みた。また同時に、健常患者の抜去歯から単離した間葉系幹細胞にI型インターフェロンのリコンビナントプロテイン(IFN-alfa-2a, IFN-alfa-2b, IFN-beta)添加した実験群と、同じく健常患者由来の間葉系幹細胞にI型インターフェロンを添加しない対照群とで骨芽細胞への分化を試みた。どちらの実験でもI型インターフェロンが亢進している群において、重度の骨芽細胞への分化抑制が認められた。興味深いことに後者の実験から骨芽細胞への分化抑制は特にIFN-betaにおいて著しいことが分かった。
これら一連の結果の原因を解明するため、培養後の細胞からRNAを単離し、qPCR法によって骨芽細胞分化マーカー、p53経路の活性、細胞死の状況を確認した。我々の当初の仮説では、I型インターフェロンの機能亢進が間葉系幹細胞においてp53細胞死経路を活性化することで骨芽細胞への分化抑制が生じていると考えていたが、予想に反してp53細胞死経路の活性化はI型インターフェロン亢進群では見られなかった。つまり、I型インターフェロンによる骨芽細胞への分化抑制はアポトーシスによるものではない可能性が示唆された。
この結果はSingleton-Merten Syndrome の全身性骨形成不全の原因を解明する上で非常に重要な情報だと言える。 -
骨髄微小環境における骨形成・吸収メカニズムの分子基盤の解明と治療戦略
研究課題/領域番号:19H03842 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大野 充昭, 窪木 拓男, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ, 渡辺 亮, 秋山 謙太郎, 淺田 騰, 枝松 緑
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
BMP-2は,有効な骨再生療法を提供するとして大変期待されている.一方,我々は,骨髄腔内にBMP-2を投与すると逆に,骨形成が抑制され,骨髄腔が拡大するという大変興味深い知見を得た.本申請研究では,骨髄細胞のシングルセル解析にて,BMP-2投与による骨形成抑制・骨髄腔拡大に関わっている細胞を抽出し,これら候補細胞が,BMP-2投与下で骨髄ニッチや骨髄腔の維持にどの様にして関わっているのかを解析する. そして,上記の解析より,骨髄ニッチや骨髄腔の維持に関わりが深い細胞や分子を抽出し,その欠損マウスを用いてBMP-2にて骨形成が誘導可能か検証し,骨髄腔の維持に関わる細胞やその分子を同定する予定である.
令和元年度は,間葉系幹細胞が可視化されたCXCL12-GFPマウス,骨芽細胞が可視化されたCol1a1-GFPマウス,破骨細胞が可視化されたTrap-Tomatoマウスを用いて,BMP-2の骨髄内投与によりこれらの細胞がどのような挙動を取るか,詳細に検討した.また,BMP-2を骨髄内に投与による骨髄細胞分画の変化をフローサイトメーターにて詳細に検討し,single cell RNA-seq解析の条件検討を行った.
また,in vitroにてBMP-2が骨芽細胞分化に与える影響をどの骨髄細胞が抑制的に制御しているかを明らかにするため,B細胞,T細胞,ミエロイド系細胞をマグネットビーズが付与された抗体を用いて分離し,骨芽細胞分化に与える影響を検討し,どの骨髄細胞が間葉系細胞の骨形成能を抑制しているか絞り込みを行った. -
メカニカルストレス高反応性間葉系幹細胞由来のエクソソームと糖鎖による骨再生制御
研究課題/領域番号:19K07269 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
池亀 美華, 岡村 裕彦, 内部 健太, 宝田 剛志, 江尻 貞一, 河邊 憲司
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の目的は、メカニカルストレスに反応して骨芽細胞分化に寄与する組織内間葉系細胞の同定、それらの細胞から分泌されるエクソソームやその糖鎖の、メカニカルストレスによる変化、ならびに骨修復過程への関与を明らかにすることである。
本年度は、頭蓋冠器官培養系で縫合部に24時間伸展刺激を加え、その培養上清から得られたエクソソームを回収し、その微細構造を観察し、典型的エクソソームのサイズの粒子を確認した。さらにそれらを、MC3T3-E1の培養上清に加えて、RNAを回収し、骨芽細胞分化の指標となる遺伝子発現をリアルタイムPCRによって調べ、骨芽細胞分化への影響を検討した。その結果、メカニカルストレスを加えない群、加えた群、いずれの培養上清からも、典型的サイズのエクソソームを得ることができた。また、リアルタイムPCRの結果、早期の骨芽細胞分化指標の一つであるRunx2の遺伝子発現に対して、メカニカルストレスを与えないエクソソームは影響しなかったが、メカニカルストレスを加えたエクソソームは抑制的な効果を示した。しかし、他の骨芽細胞分化指標となるOsterix遺伝子発現については変化はなかった。
また、骨縫合部から間葉系幹細胞の各系譜の細胞を採取することについて、共同研究者の宝田と検討をしているところであるが、解析に十分な量の細胞を採取することはかなり困難であり、まだ解析に至っていない。組織由来の幹細胞が利用できない場合に備えて、間葉系幹細胞株、C3H10T1/2や、前骨芽細胞系細胞株、MC3T3-E1の骨芽細胞分化に対し促進的な効果を示す伸展刺激条件を検討した。 -
悪性軟部腫瘍に対する新しい複合がん免疫療法の開発
研究課題/領域番号:19K09551 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中田 英二, 宝田 剛志, 尾崎 敏文, 山田 大祐, 伊藤 達男, 上甲 良二
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
悪性骨軟部腫瘍は四肢に多く発生し、肺転移を起こす予後不良な悪性腫瘍である。有効な化学療法はほとんど開発されておらず、進行例に対する新規抗がん剤の開発が期待されている。我々は、間葉系幹細胞(MSC)に発現するPaired related homeobox 1 (PRRX1) という遺伝子が、間葉系幹細胞由来である肉腫にも強く発現し、PRX1の発現を抑制すると、肉腫細胞株の増殖が著しく抑制されることを確認した。また、PRX1が免疫チェックポイント阻害剤の効果のキーとなるProgrammed Death-Ligand 1 (PD-L1)を制御することを確認した。したがって、PRRX1阻害剤と免疫チェックポイント阻害剤 (ニボルマブ)を併用した複合がん免疫療法が軟部肉腫に対しより効果が得られると考えた。そこで、我々は、さらに複数の肉腫細胞株でPRRX1の発現を抑制し、細胞増殖が低下することをin vivoとin vitroで調べることとした。また、ニボルマブで肉腫細胞株の増殖が抑制されることを調べることとした。さらに、PRRX1阻害と、ニボルマブの併用による相乗効果で、抗腫瘍作用がより増強されることを調べることとした。
この研究に取り組みにあたり、まず我々は様々なPRRX1の発現を肉腫細胞株で調べた。その結果、最も発現している細胞株の1つが骨肉腫細胞株であることが判明した。したがって、我々は骨肉腫細胞株でのPRRX1抑制効果について検討することとした。 -
低栄養時の炎症の遷延化,創傷治癒遅延のメカニズム解明:HMGB1機能不全の可能性
研究課題/領域番号:19K10128 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山城 圭介, 青柳 浩明, 宝田 剛志, 西堀 正洋
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究の目的は,低栄養状態のモデルマウスにおいて,HMGB1の機能不全が生じた結果,炎症の遷延化や創傷治癒遅延が起こるのかを検証することである。
最初に低栄養モデルマウスの作成を行った。具体的には,2週間マウスに低栄養食(カゼイン3%)を与え低栄養状態を作成した。コントロールは標準食(カゼイン25%)とした。低栄養群ではコントロール群と比較して体重が約30%減少した。血液検査の結果,総蛋白量,アルブミン値,グルコース量なども低栄養群ではコントロール群と比較して有意に減少した。次にこれら2群のマウスの歯を抜歯し,創傷治癒過程の比較検討を行った。組織学的解析の結果,抜歯後3日目では,コントロール群で血管新生が見られたのに対して,低栄養群では赤血球などの血球細胞の浸潤が見られた。抜歯後7日目ではコントロール群で親生骨の形成が見られたのに対して,低栄養群では依然炎症細胞の浸潤が持続していた。次に抜歯窩周囲組織を抽出し,以下の解析をおこなった。定量PCR解析の結果,コントロール群と比較し低栄養群では,抜歯後3日目,7日目双方において炎症性サイトカイン,幹細胞,骨マーカーなどの遺伝子発現量が有意に減少していた。フローサイトメトリー解析の結果,コントロール群と比較し低栄養群では,抜歯後3日目,7日目双方において,幹細胞の割合が有意に減少していた。
次に抜歯窩周囲組織のHMGB1およびATPの産生量をELISA法を用いて定量した。抜歯後3日目,7日目において,コントロール群と比較し低栄養群では,ややHMGB1の産生量が少ない傾向が見られた。抜歯後3日目,7日目において,コントロール群と比較し低栄養群ではややATPの産生量は有意に少なかった。 -
ステムセルエイジングの制御に向けた間葉系幹細胞未分化性維持機構の解明
研究課題/領域番号:18K19646 2018年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
窪木 拓男, 大野 充昭, 宝田 剛志, 渡辺 亮, 大野 彩, 秋山 謙太郎, 升井 伸治
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
老化による間葉系幹細胞 (MSCs)の能力低下が,加齢変化に伴う様々な疾患の発症に関与していることから,如何にMSCsの老化を防ぐかが重要な課題である.そこで本申請研究では,骨髄由来MSCs (BMSCs)の幹細胞性維持に必須な転写因子を同定することを目的とする.若齢マウスおよび老齢マウス由来MSCsの比較,ヒトBMSCsとヒト皮膚線維芽細胞の比較より,若齢マウス由来BMSCとヒトBMSCsに高発現している転写因子を抽出した.さらに,iPS干渉法を応用し,BMSCに重要な転写因子の抽出を行った.現在,BMSCsにおけるこれらの転写因子の機能を解析中である.
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iPS干渉法を応用した歯胚発生メカニズムの理解と歯の再生技術への応用
研究課題/領域番号:18H02991 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
窪木 拓男, 大野 充昭, 辻 孝, 渡辺 亮, 宝田 剛志, ハラ エミリオ・サトシ
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本申請研究は,歯科医学において未達成の重要な研究課題である「エナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子」を同定し,それを利用して生理機能を有した 臓器としての歯の再生法を開発することを目的としている.具体的には,1器官原基法を応用した発生学的アプローチ,2レーザーマイクロダイセクションを応 用した組織学的アプローチ,3既知の重要な転写因子を利用した絞り込み等の技術を総動員してエナメル芽細胞・象牙芽細胞分化時におけるマスター遺伝子の絞 り込みを行い,iPS細胞樹立技術を逆手に取ったマスター遺伝子同定法(iPS干渉法)やゲノム編集技術を駆使してエナメル芽細胞・象牙芽細胞のマスター遺伝子を同定する.
2018年度に,発生過程の歯胚から定期的に組織を回収し,RNA-Seq解析データ,ヒト歯乳頭由来間葉系幹細胞 (以下, hSCAP),ヒト骨髄由来間葉系幹細胞,ヒト成人皮膚由来線維芽細胞 (以下, hADF)のRNA-Seq解析データを照らし合わせ,幹細胞の象牙芽細胞への分化や象牙芽細胞自身の分化に関わっている可能性がある転写因子を抽出した.
2019年度は,hSCAPに山中4因子と上記で抽出された転写因子を一つずつ入れ,どの転写因子が山中4因子の導入によるiPS細胞への誘導を阻害するのか検討した.その結果,13転写因子がiPS細胞への誘導を阻害することが明らかとなった.現在この13転写因子をhADFに遺伝子導入し,hADFがhSCAPにdirect reprogramingされていないか様々な方法で検討を行っている. -
神経が顎顔面形成に与える影響を考える-顔面半側萎縮症と顔面半側肥大症の病因解明-
研究課題/領域番号:18K09832 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
川邉 紀章, 植田 紘貴, 早野 暁, 岡村 裕彦, 宝田 剛志
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
顎顔面領域の形態異常は外表奇形の中でも最も割合が高く、著しい不正咬合を呈することから、歯科領域において重要な疾患の一つである。しかし、多くの疾患の発症機序はほとんど解明されておらず、有効な治療方法も開発されていない。本研究課題では、顎顔面領域の成長期における正常な形態形成には、Shhを介した神経細胞による幹細胞の制御が重要な役割を担っており、この制御機構が崩れると顔面半側萎縮症や顔面半側肥大症など顎顔面領域の形態異常が起こるのではないか、との学術的「問い」を立てた。したがって、本研究の目的は、マウスの三叉神経および顔面神経が、Shhを介して成長期の顎顔面の形態形成に及ぼす影響を明らかにし、顔面半側萎縮症や顔面半側肥大症など顎顔面領域の形態異常の発症機序を解明することである。
本年度の研究は、実験②として、神経に発現するShhが、成長期の顎顔面領域の形態形成にどのような影響をおよぼすのかを明らかにするための実験を行った。現在、Synapsin Iプロモーター(神経細胞)と、nestinプロモーター(神経細胞)を用いて、tamoxifen依存的にCre-loxPシステムを調整できるShh遺伝子欠損マウスとShh遺伝子発現マウスを作成している。今後、Tamoxifen投与開始を生後1・2・4・8週目で行い、それぞれの時期でShhがどのような影響をおよぼすのか時間的特徴を明らかにする予定である。 -
光操作技術による生体内間葉系幹細胞の集積に関する分子理解と歯槽骨関連疾患への応用
研究課題/領域番号:17H04399 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宝田 剛志, 窪木 拓男, 大野 充昭, 佐藤 守俊, 戸村 道夫, 戸口田 淳也, 渡辺 亮
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
抜歯窩創傷治癒過程に必須な間葉系幹細胞に関する従来の研究は、培養条件下での解析や、外来性移植MSCの効果の検証が主である。しかしこの現状では、生体内MSCの「内在性」の組織修復システムを理解することは難しい。申請者らは、青光照射でDNA組み換え反応をコントロールできる光活性型Cre(Photoactivatable(PA)-Cre)に着目し、このPA-Cre技術と、テトラサイクリン誘導発現系システム(TetON/OFF)のActb locusへのノックイン技術を組み合わせることで、R1年度は、in vivoでのlight/Dox-dependentなDNA組み換え反応を可能とする遺伝子改変マウス(TREPA-Creマウス)の開発を目指した。その結果、TRE-PACreマウスの開発に成功し、同マウスにtail veinよりtTA発現プラスミドと、レポーターであるLSL-tdTomatoプラスミドを導入することで、生体外からの光照射による肝臓でのDNA組み換え反応に成功し、これについて論文投稿を達成した(Takao et al, BBRC, 2020)。私たちが作製したTRE-PA-Creマウスを利用すれば、「生体組織」で、「細胞種(特定プロモーターでON)特異的」かつ、従来不可能であった「時間・空間(光照射時/部位)特異的」な精度を持つ生体内遺伝子操作が可能である。
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BMP-2含有人工骨膜の難治性骨疾患・骨癒合不全治療への応用
研究課題/領域番号:17K11750 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大野 彩, 大野 充昭, 窪木 拓男, 三野 卓哉, 宝田 剛志, 笈田 育尚
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では,BMP-2含有PLGAメンブレン(BMP-2含有人工骨膜)の臨床応用に向け,イヌインプラント周囲炎骨欠損モデルでの有用性を検討した.イヌインプラント周囲炎モデルのインプラント周囲骨欠損部に自家骨を移植したが,十分な骨再生は認められなかった.次に,本モデルの骨欠損部に,BMP-2含有β-TCPを移植し,その周囲をBMP-2含有人工骨膜にて被覆した.対照群にはBMP-2含有β-TCPのみを移植した.その結果,BMP-2含有人工骨膜被覆群では,対照群と比較し骨再生が促された.以上の結果より,BMP-2含有人工骨膜は,インプラント周囲炎などの難治症例において有用である可能性が示唆された.
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必須アミノ酸トリプトファンによる幹細胞老化制御機構の解明・骨質改善治療への応用
研究課題/領域番号:17K11751 2017年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
笈田 育尚, 窪木 拓男, 大野 彩, 宝田 剛志, 大野 充昭
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
口腔インプラント治療は,人工歯根が歯槽骨や顎骨と結合することにより強固な骨支持を得るため,骨量と骨質が重要な因子となる.しかし,日本人は欧米人と比べ歯槽骨が解剖学的に菲薄で,インプラント体埋入のために骨造成が必要な場合も少なくない.また,高齢化の進む日本で増加傾向にある骨粗鬆症患者へ口腔インプラント治療がなされる場合も多く,多くの研究者が骨造成や骨質改善に関する研究を進めてきた.
我々は,これまでの研究から骨髄由来間葉系幹細胞の幹細胞性維持という観点からスクリーニングし,同定したトリプトファンが,骨質改善や骨の創傷治癒を促進することが明らかにした.この結果は,トリプトファンの投与が口腔インプラントの骨結合促進においても有用である可能性を強く示唆するものである.しかし,口腔インプラントの埋入に伴うトリプトファンの投与が,①骨のリモデリングを担う骨芽細胞,破骨細胞や間葉系幹細胞にどのような影響を与えるのか,また,②インプラント体の初期固定や長期予後に有意に働くのか,また,トリプトファンによる幹細胞の活性化が骨粗鬆症をはじめとする老化疾患に対して有効なのか,未だその詳細は明らかでない.
そこで,本研究ではトリプトファンの骨代謝関連細胞に与える効果の検討を行うこととした.トリプトファンと間葉系幹細胞の骨芽細胞分化との関係性は明らかにしてきたが,破骨細胞との関係性は未だ不明である.はじめに,トリプトファンが破骨細胞分化に与える影響を検討した.すなわちトリプトファンを投与したマウスの大腿骨を経時的 (0, 3, 7, 14日)にサンプリングし,組織学的,分子生物学的に検討する計画をした.しかし本研究では研究期間が短く解析,評価するまでには至らなかった.
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研究課題/領域番号:16KT0192 2016年07月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
宝田 剛志, 小川 数馬
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究では、精神疾患病態として脳血管周囲に存在するペリサイトのロスを取り上げ、その分子メカニズムを体内時計ネットワークの切り口から解析するだけでなく、疾患早期診断を指向する目的で、ペリサイトを可視化させる技術を開発することをめざした。その結果、体内時計システムは、ペリサイトでのPDGFRβの発現を調節し、脳血管透過性の調節を介して障害前のアストロサイト活性化状態を制御する可能性を見出した。また、脳血管ペリサイトのマーカーであるPDGFRβに高親和性な化合物であるIQPを母体化合物としたPET/SPECTイメージングプローブを開発することができた。
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体内時計制御グリアネットワークによる「精神-疼痛」連関メカニズムの解明
研究課題/領域番号:16H01332 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
宝田 剛志
配分額:9490000円 ( 直接経費:7300000円 、 間接経費:2190000円 )
グリア病である神経障害性疼痛は、精神的ストレスや精神疾患との関連性が臨床上指摘されている(うつを伴う慢性痛、統合失調症や自閉スペクトラム症での痛覚鈍麻など)。しかし、この「精神と疼痛(痛み)」の関連性(連関)の分子基盤は未解明である。本研究では、睡眠障害やうつ等の精神疾患に関連性が深い時計システム(体内時計)に注目し、「体内時計によるグリアネットワークの制御」という観点から、この「精神と疼痛」の謎に挑んだ。我々の解析結果より、睡眠障害等の精神疾患との関連性が深い体内時計システムが破綻したマウス(Bmal1欠損マウス)では、脳・脊髄組織でのアストロサイトの異常活性化が認められた。同マウスにて行動学的解析を実施した結果、多動といった精神行動異常が観察されただけでなく、神経障害性疼痛モデルを実施した結果、神経障害時におけるアロディニアが消失していた。更なる解析の結果、この病態は、血管周囲に存在するアストロサイト-ペリサイトアセンブリ異常による血液脳関門(BBB)破綻に起因することを見出した(J Neurosci.37:10052-10062,2017)。つまり、BBB恒常性は体内時計システムによるグリアネットワークの上に成り立ち、そのシステム破綻は、アストロサイトの異常活性化という段階を経て、精神/疼痛機構を共に破綻させることが示唆される。また、体内時計システムが破綻したマウスでは、脳幹部位特異的な炎症性サイトカインの上昇が観察され、脳幹の特定神経核での異常が行動異常の原因である可能性を見出した。
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Runx2コンディショナル欠損マウスを使用した成体間葉系幹細胞の機能解析
研究課題/領域番号:26460387 2014年 - 2016年
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
宝田 剛志
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
組織幹細胞である間葉系幹細胞(MSC)の個体レベルでの性質の多くは謎に包まれている。Runx2コンディショナル欠損マウスを独自に開発し、同マウスでの遺伝学的解析とフローサイトメトリー解析を組み合わせた解析結果から、Prx1とSca1 が共陽性なMSCが最も幹細胞性の高いMSCであり、まずSca1陰性となり、次にPrx1陰性 なOsterix陽性細胞となり、そして成熟した骨芽細胞となる、という骨形成への分化過程の詳細を明らかにした。つまり、「生体内」でのMSCの細胞生物学的な特徴(どのようなMSCが、どのような系列をたどり、どのような細胞となり、どのような機能を有するか)の一端が見えてきた。
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体内時計によるグリアネットワーク調節に注目した「精神-疼痛」連関メカニズムの解明
研究課題/領域番号:26117507 2014年 - 2015年
文部科学省 科学研究費補助金(新学術領域研究(研究領域提案型)) 新学術領域研究(研究領域提案型)
宝田 剛志
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:8320000円 ( 直接経費:6400000円 、 間接経費:1920000円 )
グリア病である神経障害性疼痛は、精神的ストレスや精神疾患との関連性が臨床上指摘されている(うつを伴う慢性痛、統合失調症や自閉スペクトラム症での痛覚鈍麻など)。しかし、この「精神と疼痛(痛み)」の関連性(連関)の分子基盤は未解明である。
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我々の解析結果より、睡眠障害等の精神疾患との関連性が深い体内時計システムが破綻したマウスでは、行動・疼痛機能の異常とともに、脳・脊髄組織でのアストロサイトでの異常活性化が認められる。これにより、血管周囲に存在するアストロサイト-ペリサイトアセンブリが異常をきたす可能性を提唱した。つまり、BBB恒常性は体内時計システムによるグリアネットワークの上に成り立つことを示唆するものである。 -
研究課題/領域番号:22659065 2010年 - 2011年
文部科学省 科学研究費補助金(挑戦的萌芽研究) 挑戦的萌芽研究
檜井 栄一, 宝田 剛志
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
配分額:3030000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:330000円 )
骨組織から分泌されるホルモン様分子を網羅的にスクリーニングした結果、骨細胞から分泌される因子として、GDF15を同定した。さらに、GDF15が破骨細胞の分化・成熟化を促進すること、また、その中和抗体が虚血性骨粗鬆症の発症を予防することが明らかとなった。本研究により、虚血や低酸素等の病態生理学的条件下において骨細胞から分泌されるGDF15が、破骨細胞へ作用し骨代謝を制御していることが判明した。
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研究課題/領域番号:22500330 2010年 - 2011年
文部科学省 科学研究費補助金(基盤研究(C)) 基盤研究(C)
宝田剛志
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
我々は、骨芽細胞特異的表現型を特徴付けるRunt-related transcription factor 2(Runx2)分子が、中枢神経系にも機能的に発現する事実を報告した。本研究では、個体レベルでのRunx2の脳機能解析を実施する目的で、Cre/loxPシステムを利用したRunx2 conditional欠損マウスの作製に取り組み、Runx2遺伝子のexon 4をloxP配列にて挟んだRunx2^flox/+のマウス作製に成功した。
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研究課題/領域番号:20790250 2008年 - 2009年
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
宝田剛志
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究では、軟骨細胞に発現する時計遺伝子群(Bmal1, ClockあるいはPer1等)の生理学的あるいは病態生理学的役割を解明した。Bmal1欠損マウスや各種分子生物学的解析の結果、軟骨細胞では分化調節能を有するIhhの発現が、Per1をはじめとする時計遺伝子群によって直接的に転写制御され、骨の伸長過程が24時間周期にて制御されている可能性が示唆された。
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新規シグナル分子によるグリアニューロン相互回路網構築の可能性探究
研究課題/領域番号:18053009 2006年 - 2007年
文部科学省 科学研究費補助金(特定領域研究) 特定領域研究
米田幸雄, 寳田剛志
資金種別:競争的資金
配分額:6100000円 ( 直接経費:6100000円 )
本研究では、脳内神経情報伝達物質が骨関節系細胞において細胞間情報伝達に利用される事実に基づいて、骨関節系細胞における情報分子群について脳内ニューロンおよびグリア細胞における機能的発現の可能性を探索した。特に、Runt related factor-2(Runx2)は間葉系幹細胞から骨芽細胞への分化と成熟過程に必須の転写制御因子であるが、中枢神経系における発現解析は全く行われていない。したがって本研究ではRunx2に焦点を当てて、その中枢神経系における機能的発現の可能性を追究するとともに、一過性脳虚血時における病態生理学的役割について検討した。RT-PCR法による解析の結果、ラット大脳皮質由来培養アストログリア細胞およびC6グリオーマ細胞ともにRunx2のmRNA発現が認められた。C6グリオーマ細胞にRunx2の発現ベクターを導入すると、Matrix metalloproteinase-13(MMP13)のmRNA発現量が有意に上昇することが明らかとなった。次いで、中大脳動脈結紮(MCAO)ラット脳におけるMMP13発現を検討した結果、MCAO負荷により梗塞側でMMP13のmRNA発現量の著明な上昇が認められた。以上の結果より、Runx2は中枢神経系内でも特にアストログリア細胞に強く発現するだけでなく、MMP13の発現制御を介して脳虚血病態出現に何らかの関与を示す可能性が示唆される。
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細胞間コミュニケーションにおけるセリン光学異性体に関する研究
研究課題/領域番号:17790057 2005年 - 2006年
文部科学省 科学研究費補助金(若手研究(B)) 若手研究(B)
宝田剛志
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )
我々の研究グループでは、以前より骨関節組織を構成する骨芽細胞、破骨細胞および軟骨細胞の分化段階を制御する因子の探索を行っているが、近年中枢神経系において興奮性情報伝達物質として機能するグルタミン酸(Glu)が、これらの細胞において情報伝達物質として機能することを世界に先駆けて報告した。我々は、Gluシグナリング機構に関連する因子が骨関節組織においても存在するのではないかとの仮説に基づき、中枢神経系のGlu受容体の一種であるNMDA受容体の機能制御を行うD-Serの軟骨細胞分化に与える影響について解析を始めた。現在までのところ、培養骨芽細胞および軟骨細胞において、D-Ser合成酵素であるSRのmRNAおよびタンパク質の発現を認めており、またラット脛骨の組織切片を用いたin situ hybridization法においても骨芽細胞および軟骨細胞におけるSR mRNAの局在性を確認している。前軟骨細胞株であるATDC5細胞にSRを強制的に安定発現させた結果、軟骨細胞分化の指標であるアルシアンブルーの染色性が有意に抑制され、これが軟骨細胞分化過程において重要な役割を果たすSOX9の細胞内タンパク質の安定性に対して影響を与えることが明らかとなった。これらの結果より、D-Ser合成酵素であるSRが軟骨細胞の分化過程を制御する可能性は充分に高いことが予想され、更なる研究計画の効率的実施によ...