共同研究・競争的資金等の研究 - 大槻 高史
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ケージド相分離ペプチドからなる相分離液滴の光制御と応用
研究課題/領域番号:25K01897 2025年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
大槻 高史
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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光制御可能な相分離顆粒デバイスの開発
研究課題/領域番号:23H04422 2023年04月 - 2025年03月
科研費 学術変革領域研究(A)
大槻 高史
配分額:10400000円 ( 直接経費:8000000円 、 間接経費:2400000円 )
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mRNAのPhotochemical Internalization
研究課題/領域番号:22K19895 2022年06月 - 2024年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 挑戦的研究(萌芽)
大槻 高史, 位高 啓史
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
mRNAは、遺伝子治療と比べてゲノムへの挿入変異リスクもなく、原理的にどのようなタンパク質でも産生可能であるため、疾患治療に向けて広範な応用の可能性がある。しかしながら、mRNAは生体内での安定性が極めて低く、標的特異的デリバリーが困難である。標的特異的医薬デリバリー戦略の1つに光でターゲティングする方法が挙げられ、その原理としては、薬剤キャリアと光増感剤を用いたphotochemical internalization(PCI)が有力だと考えられる。PCIは、エンドサイトーシスで細胞内に取り込まれてエンドソーム内蓄積する物質を、エンドソーム蓄積性の光増感剤を併用して、光依存的にエンドソームから脱出させ、細胞質内に導入する方法である。本研究では、(1) PCI用の光増感剤と様々な核酸キャリアを組み合わせて、光依存的なmRNAデリバリーを検討した。また、(2) ペプチド基材を用いた光増感剤搭載型の独自キャリアについても試作検討を行い、mRNA運搬が可能なものが見出された。(1)においては興味深いことに、同じ光増感剤を用いても、キャリアによって大きく結果が異なり、(a)光なしでもある程度のmRNA導入が起こるが、光照射時に導入の促進が全く起こらない、(b)光を照射してもしなくてもmRNA導入がほとんど起こらない、(c)光なしではmRNA導入が起こらないが、光照射すると高効率に導入が起こる、などの違いがあった。つまり、(c)により光照射した細胞に特異的な導入に成功した。
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mRNAのPhotochemical Internalization
2022年04月 - 2024年03月
科研費 挑戦的研究(萌芽)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:5000000円
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生命機能の光制御のための機能性光増感ペプチドの開発
2018年04月 - 2022年03月
科研費 基盤研究(B)
大槻 高史、舟橋 弘晃
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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卵細胞質の時空間的ミトコンドリア機能制御による高妊孕性卵母細胞の創出
研究課題/領域番号:18H02328 2018年04月 - 2022年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(B)
舟橋 弘晃, 中塚 幹也, 若井 拓哉, 大槻 高史
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
卵細胞質のミトコンドリア(mt)DNAコピー数制御機構の調節により発生能の高い卵母細胞作出を目的とした。ブタ卵細胞質mtDNAコピー数は、体外成熟(IVM)前後で変動せず、中卵胞より小卵胞由来卵で少なかった。mt分裂因子Drp1は初期発生で減少し、その阻害は卵内mt分布と初期発生能を害した。mt合成関連遺伝子(PGC1alpha)の卵内強制発現は、活性酸素種上昇やmtDNAコピー数減少を生じ、IVM率や初期発生能を低下させた。卵母細胞のオートファジー能がIVM・初期発生時に大きく変動し、由来卵胞直径で顕著に異なった。卵母細胞への光増感剤ペプチド分子ツールの卵導入は改善効果を示さなかった。
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ケージドアミノアシルtRNAによる初期胚における翻訳の時空間的制御
2017年04月 - 2019年03月
科研費 挑戦的研究(萌芽)
大槻 高史, 若井 拓哉
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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細胞内侵入型ペプチド核酸ビーコンによるマイクロRNAのライブイメージング
研究課題/領域番号:16KT0195 2016年07月 - 2019年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(C)
北松 瑞生, 大槻 高史
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
申請者は、細胞内に病気の指標となるマイクロRNAを検出するための方法を開発することを目的としている。特に細胞内での直接的なマイクロRNAの検出のために細胞内運搬ペプチドとペプチド核酸ビーコンを連結させた。また、ペプチド核酸の両端に蛍光共鳴エネルギー移動を生じる2種類の蛍光基を連結することによって蛍光発光の色に基づいて標的のマイクロRNAの検出できるようにした、申請者は、このペプチド核酸ビーコンを用いることによってin vitroでうまくRNAを検出することに成功した。
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細胞内におけるRNA分解の観測法の開発とストレス応答研究への応用
2015年04月 - 2017年03月
科研費 挑戦的萌芽研究
大槻 高史、渡邉 和則
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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光増感剤修飾分子を用いたPCI の分子科学
2014年04月 - 2016年03月
科研費 新学術領域研究(ナノメディシン)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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PCDR技術による細胞機能の光制御
2013年04月 - 2016年03月
科研費 基盤研究(B)
大槻 高史, 渡邉 和則
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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Sonochemical internalization法の確立
2013年04月 - 2015年03月
科研費 挑戦的萌芽研究
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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光増感によるエンドソーム脱出の分子科学
2012年04月 - 2014年03月
科研費 新学術領域研究(ナノメディシン)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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RNAが引き起こす細胞内イベントの細胞周期依存性の解析
研究課題/領域番号:23651221 2011年04月 - 2013年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 挑戦的萌芽研究
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
あらかじめ細胞周期を同調させる方法、及び、生細胞において特定細胞周期を可視化しておいて瞬時に細胞内にRNAを導入する方法により、RNAi機構の細胞周期依存性の解析を行った。細胞周期によるRNAi効果の違いは見られたが、再現性の確認が必要である。また、RNA導入時期(細胞周期)との細胞分化との関連を調べることを展望して、miRNAの細胞内導入により筋細胞分化促進を起こす方法を確立した。
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2010年04月 - 2011年03月
JST 研究成果展開事業 A-STEP 探索タイプ
大槻 高史
乳酸菌を用いてRNAiデリバリーを行う手法の開発に取り組んだ。本手法による癌細胞増殖抑制効果を示すこと、および、腸内デリバリー効果を示すことを目標とした。まず、乳酸菌RNAiデリバリー法により、マウス皮下に植え付けたヒト癌細胞の増殖抑制を試みた。現在、この方法による癌細胞の増殖抑制については実現できていない。また、乳酸菌のマウスへの経口投与による腸内への核酸送達を調べたが、現在のところ明確に送達されたことを示すデータは得られなかった。しかしながら、ルシフェラーゼの発現抑制という形で、乳酸菌RNAiデリバリー法によるRNAi効果は示されたので、今後の研究継続により本技術の実用性が示されることが期待される。
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CLIP-RNAi法の開発と応用
研究課題/領域番号:21686078 2009年04月 - 2012年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 若手研究(A)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
最近,筆者ら培養プレート上の動物細胞に対して光照射領域特異的にRNAi(RNA配列特異的な遺伝子発現抑制)を誘導する技術(CLIP-RNAi法)を開発した。本課題では, CLIP-RNAi法で用いるキャリア蛋白質の改良により本技術を改良し、多様な波長の光に対応するように本技術を拡張した。また、CLIP-RNAi法を光照射領域特異的な細胞の分化誘導や、In vivoでのRNAiなどに応用することに取り組んだ。
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RNAi創薬を目指したRNAデリバリー技術の開発
研究課題/領域番号:20015032 2008年04月 - 2010年03月
科研費 特定領域研究(がん研究)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
最近、研究代表者らは、細胞内侵入性ペプチド(CPP)融合型RNA結合蛋白質(RBP)と、そのRBPの認識RNA配列につながったsiRNAを組み合わせて細胞内に導入する方法を開発した。昨年度からの本助成研究において手法の確立が進んだが、本年度はがん治療への応用を目指して、CPP-RBPによるRNA導入法に関して以下の検討を行った。
1) CPP-RBPでsiRNAを細胞内導入することにより、ヒトの大腸癌細胞由来株であるSW480株の増殖抑制が可能かどうかを検討した。大腸癌細胞由来株で特異的に発現しているK-Ras変異体遺伝子のRNAi法による発現抑制により、その増殖抑制を試みたが現状では顕著な増殖抑制効果は見られていない。今後のCPP-RBPの改良により明確な効果が現れることを期待している。
2) 腸内の癌の治療を目指し、乳酸菌にCPP-RBP/shRNAを合成させて腸内送達する方法の開発を目指す。現状ではshRNAのみを産生する乳酸菌株を作製し、マウスにおいてこの乳酸菌を投与することで特異的なRNAi効果が起こることを見いだした。今後CPP-RBPとshRNAの共発現系を内包する乳酸菌を作ることにより、このRNAi効果がより顕著になることを期待している。
3) 癌細胞で過剰発現がみられる膜蛋白質を標的とした抗体あるいはペプチドを、CPP-RBPに融合させることにより、CPP-RBP/shRNA複合体が癌細胞にのみ結合しやすくなり、それに伴いshRNAの細胞内導入効率RNAi効果が高まらないかと考えた。本年度はその例として卵巣癌や乳癌などで過剰発現がみられるErbB2に結合する蛋白質をCPP-RBPに融合させたものを作製した。現在、これにより通常のCPP-RBPと比べて癌細胞の増殖抑制効果が高まるかどうかを調べている。 -
拡張型蛋白質合成系を含む細胞システムの構築
研究課題/領域番号:20034036 2008年04月 - 2010年03月
科研費 特定領域研究(バイオ操作)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
本課題では、拡張型蛋白質合成系(蛋白質へ非天然アミノ酸を導入する系)を含む細胞システムを構築すること、および、拡張型蛋白質合成系を含む人工細胞システムを構築することを目的とする。本年度は、以下について研究を行った。
1) 細胞内で非天然アミノ酸を含む蛋白質を合成するシステムの開発:細胞内で非天然アミノ酸を含む蛋白質の合成を行うため、アミノアシルtRNA(ここでは、非天然アミノ酸を担持したtRNA)の細胞内導入法を検討した。リポフェクション、マイクロインジェクション、およびエレクトロポレーション法でアミノアシルtRNAは細胞内に導入できるものの、細胞内での蛋白質合成には極めて低い効率でしか使われないことが分かってきた。この理由は、(1)アミノアシルtRNAの分解が速いため(導入操作中に、または、導入操作でダメージを受けた細胞が活発な蛋白質合成を再開するまでに、分解してしまうため)か、(2)細胞内の翻訳システムにフリーのアミノアシルtRNAが入り込むのが難しいためだと考えている。現在、(1)に対しては、アミノアシルtRNAの化学的保護および蛋白質による保護、(2)に対しては、アミノアシルtRNAと翻訳因子eEF1Aの複合体を細胞内導入すること、などの対策を行っているところである。
2) 人工細胞内で非天然アミノ酸を含む蛋白質を合成するシステムの開発:人工モデル細胞(リポソーム)中に無細胞蛋白質合成系を内包して、人工細胞内で蛋白質合成を行うようなシステムが報告されている。このシステムに、4塩基コドンを持つmRNAと非天然アミノ酸を担持したアミノアシルtRNAを加え、4塩基コドンで指定した部位に非天然アミノ酸を含む蛋白質の合成が可能であることを示した。このシステムで膜蛋白質ロドプシンに蛍光性非天然アミノ酸を導入することに成功し、これが膜に局在することも分かってきた。 -
人工核酸によるRNAの検出と精製
研究課題/領域番号:19021034 2007年04月 - 2009年03月
科研費 特定領域研究(ライフサーベイヤ)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
人工核酸の一種であるペプチド核酸(PNA)は、ペプチド骨格に核酸塩基が付いた構造をもつ。PNAの特徴の一つは、相補的なRNAと非常に強く結合することであり、同じ配列のDNAやRNAと比べても格段にRNA結合能が高く、また配列特異性も優れている。本研究では、この特性を生かして、以下の2つの研究を行った。
1) 近年miRNAと呼ばれる小さなRNAが多数存在し、広範な生命機能を制御していることが明らかになり、様々な状態における生体内のmiRNA発現量を調べることが生命科学研究における重要課題となってきた。本研究課題では、PNAがRNAに特異的に強く結合する特性を生かし、miRNAを高感度に検出するためのPNAアレイの開発を行った。様々な状態の細胞、特に様々な疾患におけるmiRNAの発現量を網羅的に調べることは、現在急務になっている。そのため疾患に関係するmiRNAなどを題材としてPNAアレイの能力を検証した。10merのPNAプローブを用いたところ, miRNAの検出によく用いられるDNAプローブ(10merおよび20mer)と比べ, 非常に感度の良い検出が可能になった。
2) RNA混合物の中から単一のRNA種を精製する方法として、PNAを固相担体とする簡便なRNA精製法の開発に取り組んだ。固定化PNA法が、低温で高効率にRNAを単離でき、多くのRNAに拡張できる方法であることを示した。 -
寄生性線虫ミトコンドリアのタンパク質合成系研究の新展開
研究課題/領域番号:19590425 2007年04月 - 2009年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(C)
吉成 茂夫, 渡邊 洋一, 大槻 高史, 横堀 伸一
担当区分:研究分担者
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
動物ミトコンドリア(mt)のタンパク質合成系は、より短い機能性RNAを用いる。我々は、短縮化したmt tRNA を持つ種と持たない種が混在する節足動物で、短縮化したtRNAを持たない昆虫の2つのEF-Tu のうちの1つが、短縮化したtRNA と結合できることを示した。また、植物寄生性線虫ミトコンドリアで遺伝子が未同定だったtRNA のうち1種の発現を同定した。このtRNA は発現が確認された中で最も短い。
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2007年04月 - 2008年03月
JST 研究成果展開事業 シーズ発掘試験
大槻 高史
担当区分:研究代表者
蛋白質の特定部位に非天然のアミノ酸を導入することができれば、創薬および蛋白質研究に対して多大な貢献が見込まれる。既存の非天然アミノ酸導入システムでは、蛋白質への導入が不可能な非天然アミノ酸が多数存在する。その原因の一つは非天然アミノ酸がEF-Tuという因子と適合しないことであった。本研究では、多様な非天然アミノ酸の蛋白質への導入を可能にすることを目的とし、EF-Tuを改変して非天然アミノ酸の導入を検討する。
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非天然アミノ酸含有タンパク質の無細胞及び細胞モデル系での発現
研究課題/領域番号:18048031 2006年04月 - 2008年03月
科研費 特定領域研究(バイオ操作)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
生命機能の再構成という目において、蛋白質生合成系の役割は大きい。本研究では、蛋白質へ非天然アミノ酸を導入する技術の開発を通じて、蛋白質合成の分子基盤の理解と、人工的な細胞機能の再構築を目指す。具体的には、非天然アミノ酸含有蛋白質合成系をtRNAや翻訳因子の改良により更に効率化し、無細胞系及びモデル細胞系で利用することを目的とする。本年度は、以下の項目に取り組んだ。
(1)改良した合成システムによる新規な人工蛋白質の創製
前年度に改変を行ったEF-Tu、及び、開発した4塩基コドン用tRNAにより、以下の(i).(ii)を試みた。
(i)従来取り込み効率の低かった非天然アミノ酸の蛋白質への導入:改変EF-Tuを用いることにより これまでほとんど蛋白質へ導入できなかった1-pyrenylalanineの導入が可能になったという結果を前年度に得ている。このような例を更に数例調べ、導入効率の極めて低かった2-anthraquinonylalanineおよび1-pyrenylalanineの効率的な導入が可能になったことを明らかにした。これらの結果および前年度の結果は本年度11月にJ.Am. Chem.Soc誌に掲載された。
(ii)蛋白質への複数種の非天然アミノ酸の同時導入:4塩基コドン用に開発した高性能なtRNAを用いて1つの蛋白質に複数種の非天然アミノ酸の同時導入を試みた。その結果、3種類の非天然アミノ酸の同時導入が可能になった。
(2)細胞中での非天然アミノ酸含有蛋白質発現
上の高効率非天然蛋白質発現系を細胞内に導入し、その中で蛍光ラベル蛋白質を合成させることを目指した。細胞としては哺乳動物細胞を用いた。現在のところ、細胞内への蛍光アミノアシルtRNAの導入法の開発途上であり、わずかながら導入できることが認められた。今後さらに導入法を最適化し、蛍光アミノアシル化tRNAが細胞内翻訳系で用いられて蛍光ラベル蛋白質の産生に結びつくことを確認したい。 -
2006年04月 - 2007年03月
JST 研究成果展開事業 シーズ発掘試験
大槻 高史
担当区分:研究代表者
近年miRNA と呼ばれる小さなRNA が広範な生命機能を制御していることが明らかになり、様々な状態における生体内のmiRNA 発現量を調べることがライフサイエンス研究における重要課題となってきた。本課題では、ペプチド核酸(PNA)の RNA に特異的に強く結合する特性を生かし、miRNA を高感度に検出するためのPNA アレイの開発を行う。先行技術であるDNA アレイと比較して、PNA アレイがmiRNA の検出感度や特異性の上で優れていることが証明できればmiRNA 解析チップとして実用化が可能になる。
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RNAの新規細胞内導入法の開発と応用
2006年01月 - 2008年12月
NEDO 産業技術研究助成事業
大槻 高史
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生細胞中での蛋白質の部位特異的蛍光標識法の開発
研究課題/領域番号:17750162 2005年04月 - 2007年03月
科研費 若手研究(B)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
細胞内の生体分子の動態や局在などのネットワークを調べることはポストゲノム時代の最重要課題の1つである。この課題を網羅的・効率的に進めるためには、生体分子を可視化させる蛍光標識技術の開発が必要である。蛋白質分子の蛍光標識法としては、目的蛋白質の末端にGFPなど蛍光蛋白質を結合させる方法が現在一般的であるが、大きな蛍光蛋白質を融合することにより目的蛋白質の本来の性質が損なわれる可能性も高い。そこで、蛋白質の機能に極力影響を与えない小さな蛍光基の導入が望まれる。本課題では、細胞内で蛋白質中の望んだ部位に蛍光基を導入する方法を開発することを試みた。本方法は細胞内の蛋白質合成装置を利用し、蛍光基をもつアミノ酸を直交化tRNAに結合させ、mRNA上のコドン特異的に蛋白質に導入するというものである。この方法では、蛍光部位は小さな蛍光基としてアミノ酸一残基分のスペースに導入するため、蛋白質の機能を損なう可能性は少ない。
本年度は、細胞内翻訳装置により蛍光アミノ酸を蛋白質に組み込む方法を検討した。蛍光アミノ酸に対応するコドンとしてアンバーコドンを用い、アンバーコドンを含む蛋白質遺伝子(ここではDsRed遺伝子)を発現ベクターに組み込んで、哺乳動物細胞(ここではCHO細胞)に導入した。その細胞に細胞内のARSによりアミノアシル化されるようなサプレッサーtRNAをリポフェクション法により導入したところ、DsRedの赤色蛍光によりアンバーコドンのサプレッションが観測された。細胞外で蛍光アミノ酸(Bodipy-FL-AF)を結合させたサプレッサーtRNAを用いた場合も、アミノアシルtRNAのエンドソーム経由での細胞内導入が確認された。主にエンドソーム内にアミノアシルtRNAが固まって強い蛍光を放っていたため、これを改善するような導入法を今後さらに検討する。 -
寄生虫ミトコンドリアに見られる、縮小化した機能性RNAを持つ翻訳系の解析
研究課題/領域番号:17590368 2005年04月 - 2007年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(C)
渡邊 洋一, 大槻 高史
担当区分:研究分担者
配分額:3600000円 ( 直接経費:3600000円 )
多細胞動物のミトコンドリアのタンパク質合成系は、様々な点で真核生物の細胞質や原核生物のタンパク質合成系と異なる特徴を持つ事が明らかになってきた。その中で、線形動物ミトコンドリアのタンパク質合成系は、多細胞生物の中で最短のtRNAセットと最小クラスのリボソームRNAを持つ事が、その遺伝子配列から予測されていた。そこで、タンパク質合成系の機能性RNAが縮小化した際、どのような影響が生じるのかという点が明らかにするため、われわれは寄生性線虫および自由性生活性線虫のミトコンドリアタンパク質合成系を解析してきた。本研究では、これをさらに発展させると共に、このような機能性RNAの縮小化がなぜ起きるのかにも迫った。2年間の主な成果は以下のとおりである。
1.細胞内に微量しか存在すしないミトコンドリアリボソームを、効率よく、高純度に調製するために、タグ付きミトコンドリアリボソームタンパク質を発現する組換え線虫を作製した。この線虫内ではタグつきタンパク質がミトコンドリアに移行し、リボソームに取り込まれていることが示唆された。しかし、現在用いているタグ配列に対するアフィニティ精製では高純度のリボソームを得ることができなかった。複数種のタンパク質とタグ配列の組み合わせを検討する必要があると考えられる。
2.自由生活性線虫Caenorhabditid elegansミトコンドリアEF-Tu2のアミノアシル基特異性をもたらす領域を、高度好熱性細菌のEF-TuにEF-Tu2の配列を移植していくことで明らかにした。
3.旋毛虫ミトコンドリアEF-TuのアミノアシルtRNAに対する結合能を明らかにした。
4.節足動物ミトコンドリアEF-TuのアミノアシルtRNAに対する結合能を明らかにした。
5.新規tRNAメチル基転位酵素候補を同定した。 -
2005年04月 - 2006年03月
JST 研究成果展開事業 シーズ発掘試験
大槻 高史
担当区分:研究代表者
蛋白質の働きは、種々の翻訳後修飾により制御されており、その中でもリン酸化修飾はシグナル伝達や転写制御において非常に重要な役割をしている。様々なリン酸化蛋白質は、それぞれについて異なるリン酸化酵素により翻訳後修飾されることが知られている。しかしながら、様々なリン酸化蛋白質の生化学的解析やそれらを用いた臨床研究のためには、個別なリン酸化方法をとるのは煩わしく、一般的な作製方法の開発が望まれる。2005年、古細菌においてリン酸化セリンをtRNAに結合させる酵素(SepRS)が発見されたことに基づき、本研究では、翻訳後修飾ではなく、翻訳中にリン酸化セリンを直接蛋白質に導入する方法(左図参照)を開発する。現在、平成17~18年度の科研費若手Bの助成を受けているが、本課題とは異なる内容である。
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蛋白質生合成系の有機化学的拡張と合成生命体の創成
研究課題/領域番号:15101008 2003年04月 - 2008年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(S)
宍戸 昌彦, 大槻 高史, 瀧 真清
担当区分:研究分担者
配分額:103610000円 ( 直接経費:79700000円 、 間接経費:23910000円 )
蛋白質生合成系を構成する分子群、すなわちアミノ酸、核酸、酵素などを有機化学的に拡張し、人工機能を持つ蛋白質を作製する。さらにこの拡張生合成系を生きた細胞に導入し、人工機能を発現する「合成生命体」を作成することが、本研究の目的である。平成19年度は以下の研究を行った。(1)大腸菌中で直交するtRNAとそれにアミノ酸を結合する酵素ARSとの対を用いて、いくつかの非天然アミノ酸をtRNAに結合させ、それらを大腸菌細胞外生合成系で発現させた。また、細胞外でアミノアシル化したtRNAを改変EF-Tuを介して哺乳類細胞(CHO)に導入し、細胞内で蛋白質が合成できることを確認した。さらに、あるtRNAに相補的な配列をもつペプチド核酸に非天然アミノ酸を結合させ、それを当該tRNAを発現させているCHO細胞に導入すると、細胞中で非天然アミノ酸が導入された蛋白質の発現が、極微量ではあるが、観測された。
一方、リボソームを使用せずに蛋白質に非天然アミノ酸を導入する新方法として、酵素L/F-transferaseを使う方法が提案された。とくにこれを変異ARSとともに使うことにより、1段階、10-20分程度で蛋白質のN末端に非天然アミノ酸を導入できることが示された。
非天然アミノ酸の蛋白質やペプチドへの導入技術は、蛍光標識蛋白質ライブラリーやペプチドライブラリー作製に使用できる。そのさきがけとして、合成ペプチドライブラリーを作製し、種々の蛍光性非天然アミノ酸を導入することによるがん細胞特異的結合ペプチドの探索を行った。現在までの準備的な結果では特異的ペプチドへの道筋が確認できている。 -
寄生性線虫を用いた線形動物のミトコンドリア蛋白質合成系の解析
研究課題/領域番号:15590365 2003年04月 - 2005年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(C)
渡邊 洋一, 大槻 高史, 北 潔, 神谷 晴夫
担当区分:研究分担者
配分額:3600000円 ( 直接経費:3600000円 )
線形動物のミトコンドリア(mt)には、他の多細胞動物mtにも存在するDアームのないtRNAに加え、TアームのないtRNAも存在する。一方、翻訳伸長因子EF-Tuは、バクテリアではアミノアシルtRNAとの結合に、tRNAのTアームを要求する。我々は、線形動物ミトコンドリアのEF-TuがTアームのないtRNAとどうして結合できるのかを明らかにするため、各種の線形動物のEF-TuのcDNAをクローニングした。その結果、これらの線形動物は2種の異なるEF-Tuを持ち、これらは、バクテリアのEF-Tuと比べて、それぞれ40ないし60アミノ酸のC末端延長を持つEF-Tu1と約15アミノ酸のC末端延長を持つEF-Tu2の2つのグループに分類できた。Caenorhabditis elegansおよびTrichinella britoviのEF-Tuの各種のtRNAに対する結合能を解析したところ、EF-Tu1はTアームのないtRNAに、EF-Tu2はDアームのないtRNAにそれぞれ結合した。また、C.elegansの2種のEF-TuおよびT.britoviのEF-Tu2はクローバーリーフ型二次構造を形成できる通常のtRNAとは結合できなかったのに対して、T.britovi EF-Tu1は通常のtRNAとも結合出来た。このことは、C.elegansのmtには通常型のtRNAが存在しないのに対して、T.britoviのmtには通常型のtRNAが存在する事と、よく対応していた。また、C.elegansのEF-TuはC末端延長をわずか10数アミノ酸残基失っただけで、tRNAの結合能を失う事が分かった。以上の結果より、線形動物ミトコンドリアでは、EF-Tuの遺伝子重複とEF-TuのC末端延長による新たなtRNA結合領域の獲得により、tRNAの大きな短縮化に対応している事が分かった。
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動物ミトコンドリアの特殊性を活用した遺伝情報翻訳システムの基盤原理の解明
研究課題/領域番号:14208077 2002年04月 - 2004年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(A)
渡辺 公綱, 鈴木 勉, 大槻 高史
担当区分:研究分担者
配分額:48880000円 ( 直接経費:37600000円 、 間接経費:11280000円 )
本研究の目標は、翻訳過程における未解決の根本問題を、動物ミトコンドリア(mt)翻訳システムの特殊性を活用して解明することである。それは良く研究されてきた大腸菌の翻訳系をベースにして、それに特殊な動物ミトコンドリアの翻訳装置を組み合わせて行う。
(1)tRNAの最小必須構造:現存する生物の中で最短のtRNAである、線虫mtのセリンtRNA(tRNA^<Ser>_<UCU>:54残基からなり、Dアームはなく、Tアームは3塩基対と4塩基のループからなる)の高次構造をNMRによって検討し、クローバ葉型の2次構造から予測される塩基対は殆ど水溶液中でも存在すること、短縮されたDループとエクストラループからなる連結領域は柔軟な構造をとることが判った。この自由度は、3'末端とアンチコドン間の相対距離を通常のtRNAと同様に保つための調整に不可欠のものである。(2)リボソームの最小必須構造:mtリボソームは大腸菌リボソームに比べ、リボソームRNA(rRNA)が約半減している代わりに、蛋白質が倍増している。rRNAの機能部位は中央部に厳密に保存され、周辺部で欠けたrRNA領域はすべて蛋白質で補填されており、これらRNAの周辺領域に位置するステム・ループ領域がかなり削除可能であることが判明した。
(3)翻訳系のエネルギー源であるGTPの加水分解反応のtriggerは何か:EF-GのGTPase活性がリボソーム蛋白質L7/L12で活性化されることからGTPの加水分解反応のtriggerはL7/L12蛋白質であることが示唆されていたが、我々は、大腸菌EF-Gはmt・リボソームでは機能しないが、EF-GのGTPase活性化因子であるL7/L12蛋白質のみを大腸菌由来のものに置換したmt・リボソームでは機能することを見出し、GTPの加水分解反応のtriggerがL7/L12蛋白質中に存在することを突き止めた。 -
異常tRNAを用いた翻訳系
2002年04月 - 2003年10月
科学技術振興調整費
大槻 高史
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伸長因子EF-TuによるTアームを欠くtRNAの認識機構
研究課題/領域番号:13780481 2001年04月 - 2002年03月
科研費 若手研究(B)
大槻 高史
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
細菌のEF-Tuの研究から、EF-TuはアミノアシルtRNAのアクセプターアームとTアームを認識していることが知られている。線形動物ミトコンドリアにおいてはEF-Tuとの相互作用に必要と思われるTアームを欠失したtRNAが存在している。線形動物ミトコンドリアでは22種類存在するtRNAのうち、20種類がTアームの欠けたtRNAで、残る2種類はDアームを欠失したtRNAであり、それぞれEF-Tu1とEF-Tu2という2種類のEF-Tuにより認識されることが分かっている。本研究では、これらのtRNAのEF-Tuによる認識機構を調べることにより、RNA構造の短縮化が蛋白質によってどのように補われているかを考察することを目的としている。前年度は、EF-Tu1によるTアームを欠いたtRNAの認識機構の解明に取り組み、EF-Tu1は通常と異なるC末端延長部分により、標準的なEF-Tuが結合する部位以外にtRNAL字構造の内側部分を認識していることを明らかにした。本年度は、以上をふまえて、更に研究を進めた。
1)EF-Tu1とtRNAの相互作用を分子レベルで明らかにするため、EF-Tu1のC-末端部分(約150残基)のNMRによる立体構造解析に取り組み、解析に必要なスペクトルを揃えるところまで到達した。
2)EF-Tu2によるDアームの欠けたtRNAの認識について調べた。全く同じtRNA部分を持つセリルtRNA、アラニルtRNA、バリルtRNAを用意し、これらに対する結合を調べたところ、EF-Tu2はセリルtRNAのみを認識することがわかった。通常のEF-Tuは全てのアミノアシルtRNAと結合するため、セリン特異的な認識は極めて珍しい例である。線形動物ミトコンドリアではDアームの欠けたtRNAはセリンtRNAのみであるため、EF-Tu2はこれに対応したものと思われる。
以上のように、Tアームの欠けたtRNAには、新しいtRNA認識部位をもつEF-Tuが対応し、Dアームの欠けたtRNAには、アミノ酸特異的認識を行うEF-Tuが対応していることが明らかになった。動物ミトコンドリアには通常のtRNAと異なる多様なtRNAが存在し、それらがどのように機能しているかは謎であったが、本研究で明らかにしたようにEF-Tuが共進化してtRNA構造の欠損を補っていることが、一つの答えだと考えられる。 -
構造生物学によるミトコンドリア翻訳装置の構築原理の解明
研究課題/領域番号:11308024 1999年04月 - 2002年03月
Japan Society for the Promotion of Science 科研費 基盤研究(A)
渡辺 公綱, 大槻 高史, 鈴木 勉
担当区分:研究分担者
配分額:34720000円 ( 直接経費:32800000円 、 間接経費:1920000円 )
本研究の目標は、現存する生物のうちでもっとも単純と思われる、動物ミトコンドリアの特異な翻訳システムにおける個々の装置の機能特性と構造的な異常性に焦点を当て、それらの機能構造の詳細な解析と実行可能なものからその立体構造を解明し、機能発現に必要な構造を探ることをにより、ミトコンドリア翻訳システムの構築原理を解明することである。主たる研究成果は以下の通りである。(1)ウシ・ミトコンドリアのin vitro翻訳システムを構築し、系の最適化を計った結果、ポリ(U)依存ポリ(Phe)合成で大腸菌のものと比肩し得る活性を示す系を確立した。(2)tRNAと翻訳因子をセットにする限り、またL7/L12蛋白質のみ大腸菌由来のものを使う限り、大腸菌とミトコンドリア・リボソームに互換性があるので、本質的にリボソーム機能は両者で等価である。(3)異常な2次構造をもつ2種類のセリンtRNAが低いながらも翻訳機能をもつことを実証した。特に片腕を欠くtRNAの効率の低さはA部位への結合に欠陥のあるためであった。(4)これら2種類のセリンtRNAは単一のセリルtRNAシンテターゼ(SeRRS)でアミノアシル化されることを明らかにし、その認識部位を特定した。(5)線虫ミトコンドリアに存在する大部分のTアーム欠損tRNAを認識する特殊なEF-Tuを発見した。それはC末端に57アミノ酸の延長部をもち、それが欠けたTアーム部分を補完していた。また2種類のDアーム欠損セリンtRNAに対応する別のEF-Tuはアミノ酸部分をも認識していた。(6)これらの翻訳因子の結晶化を行い、SerRSでは針状結晶を得た。tRNA-EF-Tu複合体の結晶化とともに、これらのX線解析を行う。
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NMRによるミトコンドリアtRNAの立体構造解析
研究課題/領域番号:97J07014 1998年04月 - 1998年12月
日本学術振興会 科研費 特別研究員奨励費
大槻 高史
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )