共同研究・競争的資金等の研究 - 大内田 守
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機能的インターラクトーム解析による滑膜肉腫抗腫瘍作用のメカニズムの解明
研究課題/領域番号:23K08652 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大内田 守
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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酸化ストレスによる神経細胞死とてんかん発症機序に関する多層オミックス解析
研究課題/領域番号:22K07914 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
大守 伊織, 大内田 守
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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MCLMR症候群における輸送蛋白の役割
研究課題/領域番号:21K07845 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
綾 邦彦, 大内田 守
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
MCLMR症候群(Microcephaly with or without chorioretinopathy,lymphedema,or mental retardation)は、ある輸送蛋白の異常が原因と考えられている。症状は多彩で、小頭症、網脈絡膜症を含む眼症状、下肢の先天性リンパ浮腫、軽度から中度の知的障害以外に、筋力低下、静脈瘤、肺血管異常、口蓋裂、糖尿病、線維肉腫、糸球体症、蛋白尿、反復性皮膚感染症、反復性尿路感染症、重複腎、脊髄くも膜嚢胞、尿細管間質性腎炎、翼状頸、蜂窩織炎、ファロー四徴症心室中隔欠損など様々な症状が報告されている(syndromefinder.ncchd.go.jp/UR-DBMS/)。また 本輸送蛋白は、中枢神経、呼吸器、膵臓を含む消化器、腎尿路、精巣を含む男性生殖器、卵巣を含む女性生殖器、心筋を含む筋組織、皮膚、リンパ組織、骨髄、内分泌器官など広範囲に発現しており、多彩な症状を発症することとよく相関する。本輸送蛋白の通常のノックアウトマウスが胎生致死であるため、本輸送蛋白のコンディショナルノックアウトマウスは、現時点では最適な本疾患のモデルマウスになりうると考えられる。これを解析することでMCLMR症候群における本輸送蛋白の役割を明らかにすることができると推測される。また、表現系を詳細に解析することで、各症状自体の発症メカニズムの解明にもつながることが期待される。今年度は、マウスの系統維持を行いながら、妊娠マウスを使って、胎齢の異なる胎児マウスに時期特異的に本輸送蛋白をノックアウトする実験を行い、ノックアウトする時期とその表現系の確認を行った。
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肺がんにおける癌関連遺伝子MYNNとp53の相互制御機構の解明
研究課題/領域番号:21K08668 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
伊藤 佐智夫, 堺 明子, 大内田 守
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
これまでに申請者は、マウス尾静脈接種実験を行い、MYNN過剰発現細胞では肺への癌細胞の浸潤および定着が亢進すること、MYNN発現抑制細胞では浸潤および定着が抑制されることを発見した。またMYNNとp53が直接結合していること、DNA損傷刺激によるp53の活性化でMYNNタンパク質量が減少すること、MYNN過剰発現でp53およびp21が減少すること、MYNN抗体を用いたクロマチン免疫沈降 (ChIP)でMYNNがいくつかのp53標的遺伝子の調節領域に結合することを発見した。
まずp53によるMYNNの発現調節機構を転写制御および転写後抑制から検証した。p53の過剰発現に伴いMYNN mRNAは僅かながら減少がみられたため、MYNNの調節領域・遺伝子領域に存在するp53レスポンスエレメント (p53RE)を同定し、それらp53REをルシフェラーゼレポータープラスミドにクローニングする。p53-wtをもつA549・H460ヒト肺腺癌細胞に構築したルシフェラーゼレポータープラスミドを導入し、エトポシド等のDNA切断型抗がん剤でp53を活性化させた後、ルシフェラーゼ活性を計測した。その結果では有意差は確認されなかったが引き続き検証を行う。また、p53活性化に伴い発現誘導されるmicroRNA (miRNA)が報告されており、申請者は、これらmiRNAの標的配列をMYNN mRNA-3’UTR上で確認している。p53活性化後、miRNAの発現亢進をTaqMan miRNAアッセイで、MYNNタンパク質発現低下をウェスタンブロット法で検証した。miRNA発現ベクターとMYNN-3’UTRの標的配列(wt/mut)をもつルシフェラーゼレポータープラスミドをそれぞれ構築してルシフェラーゼ活性を計測した。その結果、1つのmiRNAによる転写後抑制が確認された。 -
X染色体転座を伴う軟部肉腫特異的分子標的治療の開発
研究課題/領域番号:20K07687 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
伊藤 達男, 中田 英二, 大槻 剛巳, 大内田 守
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
研究目的:国内での第1相試験開始に向けた非臨床POC獲得のための試験データの回収
研究内容:BET抑制剤Plx2に対して、抗腫瘍効果が期待できるバイオマーカーとして融合遺伝子SS18-SSX以外の項目を探索するため、性差での薬剤感受性評価検証試験を行う。
結果:BET抑制剤である化合物Plx2が抗腫瘍効果を発揮する条件として、融合タンパク質SS18-SSXの存在と性差が重要因子であるとの結果を得た。更に、性差での効果の差は明確には確認できなかった。IC50が低値を示した滑膜肉腫細胞株2株はいずれも女性由来であった。追加で検証した項目では、BET遺伝子の発現を抑制した女性由来の滑膜肉腫細胞株ではX染色体上にある遺伝子群で優位に発現量の変化をきたしていた。 -
染色体転座型癌遺伝子産物に対する新規阻害剤の探索
2017年12月 - 2019年11月
日本医療研究開発機構 創薬支援推進事業
大内田 守
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悪性中皮腫リスクバイオマーカーとして がん抑制因子BAP1活性検査の実用化研究
研究課題/領域番号:17K09157 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
伊藤 達男, 長岡 憲次郎, 江口 依里, 荻野 景規, 大内田 守
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
研究目的(概要)悪性中皮腫はアスベスト暴露にて発症する極めて致死率の高い疾患で、特殊な治療ケースを除き早期切除が唯一有効な治療方法である。早期診断を診断を期待できるバイオマーカー開発への社会的要請は高い。それ故に中皮腫関連遺伝子で新規がん抑制因子BAP1の体細胞変異が高頻度に認められたことは重大な発見であった。BAP1は緩慢ながん抑制因子であるため生殖細胞変異による家族性がん症候群を来す。我々はBAP1タンパクのがん抑制機能としてDNA二重鎖損傷修復への寄与があることを砂防レベルで突き止めた。以上を踏まえて等研究計画で以下の二点を明らかにする。
I:遺伝子修復タンパクとしてBAP1機能活性が中皮腫サンプルで機能活性評価方法として的腕切るか悪性中皮腫倦怠とアスベスト暴露軍の関連性を臨床疫学的に検討する。II:アスベスト曝露群で先天的/後天的なBAP1タンパクの機能低下が招待的な悪性中皮腫発ガンリスクアクターとなり得るかBAP1ノックアウトマウスと細胞を用いて検討する。
達成実績(概要)
I:BAP1機能低下確認の指標となる遺伝子不安定性の検証をBAP1遺伝子改変中皮細胞を用いてのコメット回s系と免疫染色法及び、ウェスタンブロット解析にて検証し、BAP1遺伝子変異導入部(ドメイン)により顕著な不安定性への影響差を確認できてた。人サンプルでの検証試験を行う上で重要な知見を得た。
II:BAP1ノックアウトマウス胚をレシピエントマウスに受精させ、ノックアウトマウスの作成を行なった。
出産に成功したノックアウトマウスの遺伝子型判定を行なったところ、ノックアウトマウスの作成が確認できなかった。 -
成人T細胞白血病・リンパ腫におけるエピジェネテイック異常の1細胞解析
研究課題/領域番号:16K08667 2016年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡 剛史, 大内田 守, 岡田 康志, 吉野 正
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
成人T 細胞白血病・リンパ腫(ATL) はとくに病期の進んだ症例の予後は大変不良であり、このような難治性リンパ腫・白血病をどのように扱うかは焦眉の課題となってきている。ATLはHTLV-I を原因ウイルスとする疾患であるが現在のところ有効な治療法が確立されていない。本研究では、患者検体、培養細胞、動物モデル等の様々な実験系によりATL におけるエピジェネテイック異常の発症機構について包括的網羅的解析法を駆使しながら様々な角度から総合的且つ詳細に解析した。とくに新たに開発したメチル化DNA 結合蛋白MBD-EGFP によるDNA メチル化ライブイメージング法を用いて内部環境及び外部環境の変化に応答するDNA メチル化の動的変化をライブ解析し、HTLV-I の感染がどのように異常DNA メチル化を誘導し、ATL発症にいたるか詳細に解析した。我々はHTLV-I tax 遺伝子ON の後、一過的なグローバルDNA 脱メチル化誘導の後、引き続き異常DNA メチル化が起こることを確認し,多数のhyper-methylation focus が新たに形成されていることを観察した。更にHTLV-I tax 遺伝子発現ON にした後、細胞の DNA メチル化レベルの変動パターンの経時的変化を追跡し、異常DNA メチル化がおこるのに必要とされる時間依存性をさらに詳細に解析した。フローサイトメトリー(FCM )解析で観察されるグローバルDNA メチル化レベルの変動解析と平行して網羅的遺伝子発現解析を行い、個々の遺伝子レベルでDNAメチル化と遺伝子発現のダイナミックな変動が捕らえられた。
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研究課題/領域番号:16H05354 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大内田 守, 大守 伊織
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
年齢依存性てんかん性脳症に似た症状を示すラットの病態解析を行なった。生後5週齢変異ラットの頭部MRI検査を行ったところ,下丘から視床,視床下部にかけてT2強調画像で高信号領域を認めた。この病変はヘテロよりもホモで広範であった。そこで同様に,生後3週齢から11週齢までのラットを用いて頭部MRI検査を行ったところ,離乳時期である3週齢ですでに淡く高信号が認められ,5週齢で病変はさらに広がっていた。しかし,7週齢で高信号領域は縮小し始め,9週齢ではほぼ消失していた。
次にラット脳の組織切片を作成後,HE染色にて病理組織解析を行った。5週齢ヘテロ,および,ホモラットの下丘から視床にかけて,MRIでT2高信号を示した部位で組織異常を認めた。同様に生後3週齢から11週齢までのラット脳の病理組織解析を行った。その結果、3週齢以降で下丘から視床にかけて組織異常が認められたが,7週齢から9週齢で病変はほぼ解消していた。酸化ストレスマーカーである8-OHdG,および,4-HNEに対する抗体を用いて脳病変部組織の免疫染色を行ったところ,ヘテロ,ホモの視床が強く染まることが示された。WTとホモラットより作成した線維芽細胞の初代培養細胞を用いて,アポトーシスを解析した。過酸化水素処理3時間後に細胞を解析すると,ホモラットの細胞はアポトーシスを起こしやすいことが示された。 -
研究課題/領域番号:26461611 2014年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
綾 邦彦, 大内田 守, 岡 剛史
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
ポドサイトのみ本輸送蛋白を特異的にノックアウトするマウスに、LPS投与により尿蛋白を惹起させる系(蛋白尿惹起モデル)を導入して、本輸送蛋白の生体内における機能を検討したが、尿中アルブミン量において一定の結果を得られなかった。
誘導剤(タモキシフェン)投与により全身の本輸送蛋白を時期特異的に欠損誘導可能なマウスを作成して、タモキシフェン投与したところ、明らかな体重増加不良を認めた。また、腸管粘膜上皮には異形腺管を認めた。 -
研究課題/領域番号:26670500 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大守 伊織, 真下 知士, 大内田 守
配分額:3250000円 ( 直接経費:2500000円 、 間接経費:750000円 )
けいれん重積型急性脳症モデル動物の作製を試みた。高体温誘発けいれん感受性が高く、人では急性脳症の合併が報告されているSCN1A遺伝子変異を持つラットを使用した。Scn1a遺伝子変異ラットに様々な条件でけいれん誘発を行い、あるいは炎症薬剤投与による誘発を行った。けいれんは誘発されるものの、人で特徴的な30分以上継続するような遷延性けいれんは誘発されなかった。けいれん誘発後、各種行動テストと脳組織検査を行った。空間認知障害や運動障害の合併はなかった。また、脳組織検査では、脳浮腫などの所見は認められなかった。
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成人T細胞白血病・リンパ腫におけるエピジェネテイック異常と発症・進展機構の解析
研究課題/領域番号:25460437 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡 剛史, 伊藤 佐智夫, 大内田 守, 吉野 正
配分額:5200000円 ( 直接経費:4000000円 、 間接経費:1200000円 )
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)の発症機構をエピジェネテイック異常の観点から患者検体・培養細胞等を用いて解析した。その結果ATLにおいてポリコーム遺伝子群PRC1.4の発現がPRC1.2に対し異常な偏りが生じている事が明らかとなった。ウイルス癌遺伝子Tax発現によるDNA異常メチル化誘発によりHTLV-I 感染細胞クローンのEpigenetic状態の多様性の誘導されATLの発症・進展に重要な役割をしている事が示唆された。
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肺癌に関わるmiRNAクラスターの標的遺伝子群の同定と肺癌発症機構の解析
研究課題/領域番号:24591905 2012年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大内田 守, 岡 剛史, 伊藤 佐智夫
配分額:5330000円 ( 直接経費:4100000円 、 間接経費:1230000円 )
悪性の肺癌細胞で高発現しているmiR-17-92クラスターは、癌悪性化の原因解明の鍵となると考えられているが、その標的遺伝子についてはあまり報告されていない。我々は、そのクラスターの中でもmiR-19aに焦点を当て、miRNAの標的遺伝子予測ソフトを使用して標的遺伝子候補を抽出し、ルシフェラーゼアッセイ、pull-downアッセイ、ウエスタンブロット法によって標的遺伝子としての可能性を評価した。その結果、4つの遺伝子をmiR-19aの標的遺伝子として同定することができた。さらに、これらの遺伝子は肺癌細胞の生存率、コロニー形成能、遊走能、浸潤能を抑制することを確認した。
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コンディショナルノックアウトマウスを用いた蛋白尿発症機序の解明
研究課題/領域番号:24659499 2012年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
綾 邦彦, 大内田 守
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
蛋白尿発症機序を明らかにするために、2009-2011年の基盤研究Cでは 糸球体上皮細胞(ポドサイト)に発現し、ポドシン蛋白に結合する輸送蛋白を同定した。この輸送蛋白のin vivoにおける機能を確かめるために、今回はポドサイト特異的コンディショナルノックアウトマウスを作成し、尿蛋白 尿潜血などにつき、検討を開始した。
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ビオチン標識miRNAを用いたプルダウン法による食道癌関連遺伝子の同定と機能解析
研究課題/領域番号:22591433 2010年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
伊藤 佐智夫, 岡 剛史, 大内田 守
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
我々は食道癌予測マーカーを同定するため、食道癌臨床検体および食道癌細胞株のプロファイリングにより分化度・悪性度に関連するmiRNAの同定を行った。その結果、低分化細胞株においてmiR-29aおよびlet-7bの発現が高いことが分かった。本プルダウン法を用いてこれらのmiRNAの標的遺伝子を同定したところ、癌抑制遺伝子やアポトーシス関連遺伝子を標的として発現抑制していることが分かった。悪性度が高い食道癌細胞株においてこれらのmiRNAは高発現しており、癌の進行に関わっていることが示唆された。
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成人T細胞白血病・リンパ腫におけるエピジェネテイック異常の包括的解析
研究課題/領域番号:22590312 2010年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡 剛史, 吉野 正, 大内田 守, 佐藤 妃映
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
成人T細胞白血病・リンパ腫(ATLL)の発症機構をDNAメチル化状態、ヒストン修飾状態、miRNA発現、ポリコーム遺伝子群、クロマチン構造変換等エピジェネテイック異常の観点から患者検体・培養細胞等を用いて解析した。ポリコーム遺伝子群の発現の異常偏り、ヒストン修飾状態の大幅な変化、miRNAの異常発現, 様々な遺伝子の異常発現およびDNAメチル化異常が発症に重要な役割を果たしていることが明らかとなった。
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がん体質遺伝子診断法の確立とがんの予防、早期発見システムの開発
研究課題/領域番号:22300346 2010年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
清水 憲二, 品川 克至, 豊岡 伸一, 大内田 守, 堺 明子, 伊藤 佐智夫
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
孤発性癌の発症リスクに関与する遺伝子多型、特に1塩基多型(SNP)の重複による癌体質遺伝の解明と応用をめざした。のべ約 8,000 検体を解析し、53 SNP が 17 種の何れか1種以上の癌のリスクに関係した。関与する SNP の個人別重複を総積で評価し、多くの癌について日本人の約15%が高リスク群に、1%程が超高リスク群に属すること、肺腺癌等4種の癌では再現性が確認できたこと、リスクは男女間で異なること、癌の悪性化や肺癌の遺伝子変異に関係する SNP を同定できたこと、等が主な成果である。
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2010年
産学が連携した研究開発成果の展開 研究成果展開事業 研究成果最適展開支援プログラム(A-STEP) 探索タイプ
大内田 守
申請者は疼痛シグナル伝達遺伝子の発現をデコイDNAで選択的に抑制する慢性疼痛治療剤を開発した。本課題の目標は当該遺伝子発現を制御する転写因子の検出である。疼痛刺激に反応するプロモーター領域の同定と、その領域に結合する35個の転写調節因子の結合サイトの検出に成功した。しかし、蛋白解析においては非特異的吸着蛋白の存在という予期せぬ事態となり、目標達成には時間不足であった。今後は本研究を継続し、疼痛刺激特異的な転写因子の抑制技術による疼痛緩和、デコイDNAを利用した疼痛緩和、その受容体蛋白を応用した疼痛緩和、これらの技術を総合的に組み合わせることにより効果的な慢性疼痛の治療法を開発する計画である。
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研究課題/領域番号:21390312 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大守 伊織, 大内田 守, 真下 知士
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
難治てんかんの一種である乳児重症ミオクロニーてんかん(ドラベ症候群)は電位依存性ナトリウムチャネルSCN1A遺伝子変異によって発症する。本疾患の修飾因子を検索するため、患者48例に対し、電位依存性カルシウムチャネルCACNA1A遺伝子解析を行った。CACNA1A遺伝子変異/多型を21例に認め、これらの変異/多型のチャネルは機能獲得型の変化を示した。2種類のチャネル変異をもつ動物(ラット)のてんかんの症状を比較すると、1種類の変化をもつ動物よりも重症化が認められた。
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遺伝性ネフローゼ症候群原因分子と相互作用する蛋白群の同定と発症機序の解析
研究課題/領域番号:21591387 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
綾 邦彦, 大内田 守
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
免疫沈降法、質量分析法を利用して、蛋白尿発症に重要なポドシンに結合する輸送蛋白xを同定した。糸球体内皮細胞マーカーと輸送蛋白xの2重染色によりxがポドサイトに存在することを証明した。
siRNAによるxの発現抑制により、ポドシンの細胞膜での発現が著明に低下し、細胞形態の変化も伴った。xの過剰発現により異常ポドシン蛋白の細胞膜への発現の低下が改善した。これらから、輸送蛋白xは、ポドシンの細胞膜への輸送に関係すると考えられた。