共同研究・競争的資金等の研究 - 曲 正樹
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新規な濾胞樹状細胞株を用いる抗体の親和性成熟機構の解明とその応用
研究課題/領域番号:21360405 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大森 齊, 曲 正樹
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
新規に樹立したマウスの濾胞樹状細胞の細胞株FL-Yを用いて、抗体の親和性成熟過程を胚中心におけるB細胞の選択機構に焦点を当てて解析した。FL-Y細胞は、ヘルパーT細胞由来のサイトカインIL-21存在下で、B細胞死を誘導した。この細胞死には、FL-Yの産生するPGE2が関与することを明らかにした。IL-21とPGE2によるB細胞死は胚中心におけるB細胞の新規な負の選択機構を示唆するものである。
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抗体医薬開発への応用をめざしたニワトリモノクローナル抗体作製系の開発
研究課題/領域番号:21760641 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
曲 正樹
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
近年,抗体は研究用試薬や抗体医薬としての利用価値が高まっている。そのため,抗体作製に関する研究は重要な分野である。そこで,本研究ではニワトリを利用する新規なモノクローナル抗体作製システムの開発することを目的とした。そのために,ニワトリB 細胞株DT40を親株とし,抗体遺伝子とチミジンキナーゼ遺伝子をノックアウトする事により,ハイブリドーマ作製に必要な新規ニワトリ細胞融合株を樹立した。
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抗体遺伝子再構成を行ったB細胞を検出する新規可視化法の確立
研究課題/領域番号:16760637 2004年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
曲 正樹
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
本研究では、抗体遺伝子再構成を行った細胞の標識方法の開発を行った。抗体遺伝子再構成は、様々なリンパ球の分化段階で行われ、また、それぞれが一過性におこなわれるためそれらを厳密に評価することが困難である。そこで、分化段階別に、厳密に組み換え活性をモニターする方法を確立することを目的とした。方法としては、抗体遺伝子再構成を触媒するrecombination activating gene (RAG)の認識配列である、Recombination signal sequence (RSS)と2種類の蛍光タンパク遺伝(EGFP,DsRed2)を用いてRAGの人工基質を作成し、様々な培養細胞株に遺伝子導入し、抗体遺伝子再構成の活性を可視化することとした。この人工基質は、プロモーターの下流にEGFPとDsRed2を互いに逆方向に配置し、その両端に互いに逆方向にRSS配列を配置した。このシステムでは、RAGが発現するとRSS間の遺伝子の反転がおこるため、緑色蛍光から赤色蛍光へのが変化する。以後、このベクターを抗体遺伝子再構成を行った細胞を検出するための人工基質として用いることとした。
昨年度までに、マウス繊維芽細胞において、RAGの発現に依存して蛍光タンパク遺伝子の反転と共に、蛍光タンパクの変化を観察することが出来た。そこで、実際に様々なマウス脾臓B細胞株や胸腺種細胞に人工基質を導入し、その蛍光タンパクの発現について検討した。その結果、RAGの発現に依存して、赤色蛍光を観察することが出来た。これらの蛍光の変化を遺伝子レベルで解析したところ、遺伝子レベルでも人工基質の反転が起きていた。
以上の結果より、本システムは抗体遺伝子再構成についての検討するために有用な方法である。