共同研究・競争的資金等の研究 - 曲 正樹
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抗体産生を促進する因子探索からワクチン強化技術への展開
研究課題/領域番号:24K08171 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
曲 正樹
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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抗体産生を増強する因子探索によるワクチン強化技術への展開
2023年06月 - 2025年05月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 研究助成金
曲 正樹
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抗体産生を増強する因子解明によるワクチン強化技術の開発
2022年08月 - 2023年03月
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 統合科学研究プロジェクト経費
担当区分:研究代表者
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免疫機能を内包する人工リンパ節の構築
2021年06月 - 2022年05月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 研究助成金
担当区分:研究分担者
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リンパ節由来ストローマ細胞株を用いる人工リンパ節構築系の開発
研究課題/領域番号:21K04791 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
曲 正樹
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
リンパ節は,体内に侵入した病原体 (抗原) に対する免疫応答を活性化するために重要な二次リンパ組織である.リンパ球は,血管とリンパ管を通して全身のリンパ組織を循環しているが,病原体が侵入した際には感染部位近傍のリンパ節で活性化し,ストローマ細胞の制御のもと抗原への免疫応答を開始する.本課題では,体内に病原体が侵入した際のリンパ節での免疫応答の動的変化を解析するため,リンパ組織の支持細胞であるストローマ細胞を利用し,生体内に免疫能力を備えたリンパ節構造を構築できるシステムを開発することを目的とした.そのため,以前に樹立したストローマ細胞株(FL-Y)を利用した.
本年度は,FL-Y細胞のリンパ球支持機能を強化するため,B細胞活性化因子(BAFF)および遊走因子(CXCL13)遺伝子を導入したFL-Y細胞株を樹立した.細胞培養系を用いて遺伝子導入したFL-Y細胞株のB細胞に対する作用を評価したいところ,B細胞の生存維持能力および遊走活性が増加していた.さらに,B細胞の抗体産生量も増加も見られた.これらの結果は,BAFFとCXCL13の発現によりFL-Y細胞のB細胞活性化能力が向上することを示している.
次に,ストローマ細胞の活性化状態において発現変動する遺伝子を調査した.ストローマ細胞は,リンホトトキシンβ受容体(LTβR)からの刺激に応答して活性化するため,FL-Y細胞を抗LTβR抗体で刺激し,マイクロアレイにより網羅的に遺伝子発現変化を解析した.その結果,B細胞活性化に関わる可能性のあるいくつかの分子の発現上昇を見出した. -
CaMKKシグナル伝達の制御機構解明とそれに基づく分子標的薬創製
研究課題/領域番号:21H02429 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
徳光 浩, 石川 彰彦, 渡辺 泰男, 曲 正樹
担当区分:研究分担者
配分額:16380000円 ( 直接経費:12600000円 、 間接経費:3780000円 )
本研究では、細胞内Ca2+を二次伝達因子とする細胞内シグナル伝達機構において、神経発生、遺伝子発現制御から代謝応答まで多岐に渡る生体機能調節を担う制御酵素として見出されたタンパク質リン酸化酵素であるCaMKKの分子制御機構の解明とその分子基盤に立脚したCaMKK阻害薬の創製を研究目的としている。本年度の研究実績として、消化管平滑筋におけるカルシウム脱感作反応においてCaMKKを介したリン酸化カスケード反応の関与が、新たに開発したCaMKK阻害剤TIM-063を用いることで明らかとなった(Kitazawa et al. Am J Physiol Cell Physiol 2021)。さらにCaMKKと阻害剤TIM-063の物理的相互作用について、TIM-063誘導体(TIM-127)を架橋したセファロース担体を用いることにより詳細に解析した。その結果、CaMKKと阻害剤TIM-063の相互作用は、酵素のカルシウム/calmodulin結合に依存しており、不活性型のコンフォメーションをとるCaMKKは阻害剤に結合しないこと、さらにはCaMKK/阻害剤結合はCaMKKの活性化状態に依存して可逆的であることを証明することに成功した(Ohtsuka et al. Biochemsitry 2022)。これまでCaMKKはその分子構造が単量体と考えられていたが、本研究において培養細胞に遺伝子導入したCaMKKアイソフォームは、多量体を形成することを細胞膜透過性架橋剤を用いることで明らかにした。さらに、この遺伝子導入細胞より単離した多量体CaMKKは、リン酸化酵素として酵素活性を有することも併せて証明することができた(Fukumoto et al. Biochem Biophys Res Commun 2022)。
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免疫調節剤の開発に向けた抗体産生能力評価系の構築
2021年01月 - 2021年03月
岡山大学大学院ヘルスシステム統合科学研究科 統合科学チャレンジ経費
担当区分:研究代表者
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免疫機能を内包する人工リンパ節の構築
2020年06月 - 2021年05月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 研究助成金
担当区分:研究分担者
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リンパ節ストローマ細胞を用いる人工リンパ組織の構築
2019年07月 - 2020年06月
岡山工学振興会 科学技術賞
担当区分:研究代表者
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二次リンパ組織由来ストローマ細胞株を用いる人工リンパ節構築系の開発
2019年06月 - 2020年05月
公益財団法人両備てい園記念財団 研究助成金
担当区分:研究代表者
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生体内の抗体の親和性成熟機構を再現する細胞培養システムの開発
研究課題/領域番号:18K04852 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
曲 正樹
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
B細胞が産生する抗体の抗原結合力の向上(抗体の親和性成熟)は効率の良い病原体の排除に有効である.抗体の親和性成熟は,リンパ節内に 一過的に形成される胚中心と呼ばれる微小環境において誘発される.しかし,複雑な細胞間相互作用を必要とするためその詳細な機構は不明である.我々は,抗体の親和性成熟の支持(制御)細胞である濾胞樹状細胞(FDC)の細胞株を世界で初めて樹立し,FDC株を利用した細胞培養系を用いて,FDCによる抗体の親和性成熟機構の制御メカニズムを解析してきた.その過程で,FDCが,胚中心B細胞の分化・増殖を著しく促進する単球系細胞 (FDC-induced monocytic cell (FDMC) と命名)の分化を誘導することを発見した. 本研究では,FDMCによるB細胞活性化機構を明らかにし,抗体の親和性成熟に必須の因子を同定する.
前年度,胚中心B細胞へのアポトーシス誘導因子の一つであるBimを欠損するB細胞を用いることで,FDMCにより刺激されたB細胞のアポトーシスを回避し,抗体遺伝子における体細胞高頻度突然変異の頻度をより正確に評価することが可能した.
本年度は,FDMCの発現するB細胞活性化因子の同定を試みた.まず,FDMCによるB細胞活性化機構を解明するため,トランスウエルを用いてFDMCとB細胞との細胞間接触が起こらない条件でFDMCのB細胞活性化能力を評価したところ,非接触条件下でもB細胞活性化能が見られた.また,逆に,FDMCのタンパク質分泌を阻害した条件では,B細胞活性化能力は見られなかった.これらの結果より,FDMCによるB細胞の活性化にはB細胞との細胞間接触を必要とせず,FDMCの産生する可溶性因子が重要であることが明らかとなった.さらに,FDMCの網羅的な遺伝子発現解析の結果、可溶性因子を含むいくつかのFDMCに特徴的に発現する遺伝子を同定した.実際に,いくつかの分子については,タンパクレベルでの高発現も確認できた. -
CaMKKβ/AMPKシグナル伝達制御の解明と分子標的薬の創製
研究課題/領域番号:18K06113 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
徳光 浩, 曲 正樹
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
Ca2+/Calmodulin(CaM)依存性プロテインキナーゼ活性化キナーゼβ(CaMKKβ)は、CaMキナーゼⅠやCaMキナーゼⅣ、5’-AMP活性化キナーゼ(AMPK)をリン酸化依存的に活性化し、遺伝子発現や神経発生、代謝調節やがん細胞増殖に至る多様な細胞内Ca2+に応答した生理機能を調節する。これまでの研究より、cAMP/PKA経路がCaMKKβ(Thr144)のリン酸化に関与しており、細胞内Ca2+とcAMP経路がCaMKKβ分子上においてクロストークしていることが明らかとなった。
そこで本研究では、細胞内における主要な脱リン酸化酵素であるProtein Phosphatase 2A/1 (PP2A/1)の選択的阻害剤(オカダ酸:OA)を用いた解析により、CaMKKβ(Thr144)の脱リン酸化を検証した。その結果、未刺激の状態においてCaMKKβ(Thr144)は、PP2A/PP1により脱リン酸化状態を保つことが分かった。さらに、細胞内CaMKKβキナーゼ活性の測定の結果、OAの処理時間に依存してCaMKKβキナーゼ活性が上昇し、脱リン酸化酵素阻害により活性化するCaMKKβ(Thr144)キナーゼの存在が示唆された。しかしこのキナーゼは、阻害剤による薬理学的実験から、これまでに示されたAMPK やPKAとは異なると考えられる。以上の結果より、CaMKKβは細胞内において、PKAを含めたリン酸化酵素および脱リン酸化酵素によりThr144残基のリン酸化/脱リン酸化制御が動的に調節されていることが明らかとなった。 -
In vitro細胞培養系を利用する抗体の親和性成熟機構の解明
2015年11月 - 2016年10月
両備てい園記念財団 研究助成金
担当区分:研究代表者
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スプライシング因子の新規機能を利用した動物細胞ディスプレー技術の高度化
研究課題/領域番号:15H04196 2015年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
金山 直樹, 徳光 浩, 曲 正樹
配分額:16640000円 ( 直接経費:12800000円 、 間接経費:3840000円 )
申請者は、抗体遺伝子の変異能力を有するニワトリB細胞株DT40を利用して動物細胞ディスプレー技術を構築した。本研究では、抗原結合による生存シグナルの惹起と抗体遺伝子変異の誘導におけるSRSF1の機能の一端を明らかにし、スプライシング因子の発現操作により、外来からDT40細胞に導入した抗体遺伝子、非抗体遺伝子への変異導入効率を向上させるのに有効であることを見いだした。一方、変異導入効率に有効な導入遺伝子の最適化法も見いだした。
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濾胞樹状細胞による抗体の親和性成熟の制御メカニズムの解明
2014年09月 - 2015年08月
武田科学振興財団 医学系研究奨励
担当区分:研究代表者
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カルモデュリンキナーゼカスケードの動作原理と新しいリン酸化制御機構の解明
研究課題/領域番号:26440056 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
徳光 浩, 波多野 直哉, 曲 正樹
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
細胞内カルシウムイオンをセカンドメッセンジャーとする細胞内情報伝達機構においては、カルシウム受容タンパク質であるカルモデュリン(CaM)を活性化因子とする多機能性CaM-依存性タンパク質リン酸化酵素群(CaMK)がその中心的な役割を担っている。本研究においては、Ca2+/calmodulin-dependent protein kinase kinase betaの構造機能解析より、基質認識機構の詳細な分子機構が明らかとなった。
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濾胞樹状細胞に依存して発生する新規な単球系細胞による胚中心B細胞活性化機構の解明
研究課題/領域番号:25460590 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
曲 正樹
配分額:5200000円 ( 直接経費:4000000円 、 間接経費:1200000円 )
濾胞樹状細胞(FDC)は、胚中心反応において重要な役割を担う。我々は、マウスFDC株が新規な単球系細胞(FDMC)の分化を誘導することを発見した。本課題では、FDMCの分化機構および免疫学的役割について検討した。まず、FDMCの分化にはFL-Yが産生するIL-34がCSF-1Rに作用することが重要であった。さらに、FDMCは、抗CD40抗体で刺激したB細胞の増殖および胚中心マーカーの発現を著しく促進し、抗体遺伝子への高頻度突然変異を誘発した。最後に、生体内において、FDMC様の単球系細胞を同定した。これらの結果は、FDCから産生されるIL-34とFDMCが胚中心反応に関与する可能性を示唆する。
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研究課題/領域番号:24360343 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
金山 直樹, 曲 正樹
配分額:12480000円 ( 直接経費:9600000円 、 間接経費:2880000円 )
抗体は次世代の分子標的医薬として注目されており、一本鎖抗体などの改変型抗体の利用も進みつつある。我々は、これまでに変異能力を有するニワトリB細胞株DT40を利用してin vitro抗体作製システムを構築した。本研究では、他の抗体作製技術で取得された任意のモノクローナル抗体の可変部や一本鎖抗体を、ヒトIgG1抗体定常部とのキメラ抗体としてDT40細胞表面に発現させることができ、かつ、DT40の変異能力によって親和性成熟できる革新的な動物細胞ディスプレーシステムを構築した。本研究の成果は、医薬候補となりうる活性を有した抗体を創出するための技術として有用であると考えられる。
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抗体の親和性成熟を促進する新規骨髄系細胞の同定とそのB細胞活性化機構の解明
研究課題/領域番号:24560961 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大森 齊, 曲 正樹
配分額:5460000円 ( 直接経費:4200000円 、 間接経費:1260000円 )
B細胞は、胚中心で髙頻度突然変異と選択によって、髙親和性抗体産生細胞へ分化する。この過程で濾胞樹状細胞(FDCs)は中心的役割を担っている。FDC細胞株FL-Yを樹立し機能解析を行ったところ、FL-Yが脾臓の前駆細胞から新規な単球系細胞(FDMC)の分化を誘導することを発見した。FDMC はB細胞の増殖を強く促進し、その分化はCSF-1受容体(R)を介するIL-34シグナルに特異的に依存することを発見した。これは、IL-34選択的CSF-1Rシグナル経路の初めての報告である。
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新規なマウス瀘胞樹状細胞株を用いる胚中心B細胞選択機構の解明
研究課題/領域番号:23790537 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
曲 正樹
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
胚中心において,B細胞は免疫複合体を保持している濾胞樹状細胞とIL-21を産生する濾胞ヘルパーT細胞(Tfh)によるクローン選択を受ける。細胞レベルでこの選択機構を解析するため,我々は濾胞樹状細胞株,FL-YBを利用し,in vitroにおいて胚中心B細胞を解析することが出来る培養系を構築した。FL-YBは,BAFF依存的にマウスB細胞の生存を促進する。興味深いことに,我々は,主にTfhから産生され,単独ではB細胞に対し生存促進効果を示すIL-21が,FL-YBとの共培養時には,逆に急速なB細胞死を誘導することを見いだした。このIL-21依存的なB細胞死は,FL-YBから産生される低分子の可溶性因子に依存しており,この可溶性因子がプロスタグランジンE2(PGE2)であること同定した。さらに,IL-21/ PGE2によりB細胞を刺激すると,転写因子Foxo1とその下流に存在する,アポトーシス促進因子の一つとして知られているBimの発現が上昇することを発見した。また,IL-21/ PGE2によるB細胞死には,PGE2受容体のなかでも,EP4が重要であった。これは,PGE2がB細胞に対し,IL-21 の作用を反転させる内因性のケミカルメディエーターであることを示す。さらに,IL-21/ PGE2によるB細胞死は,抗CD40抗体の刺激により救済された。また,IL-21受容体欠損マウスにおいて,免疫後,胚中心内のcaspase3陽性B細胞の頻度は優位に減少しており,これと一致して,抗体の親和性成熟も抑制されていた。以上の結果は,IL-21/ PGE2誘導性のB細胞死が,胚中心内のB細胞選択において重要な役割をもつことを示す。
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新規な濾胞樹状細胞株を用いる抗体の親和性成熟機構の解明とその応用
研究課題/領域番号:21360405 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大森 齊, 曲 正樹
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
新規に樹立したマウスの濾胞樹状細胞の細胞株FL-Yを用いて、抗体の親和性成熟過程を胚中心におけるB細胞の選択機構に焦点を当てて解析した。FL-Y細胞は、ヘルパーT細胞由来のサイトカインIL-21存在下で、B細胞死を誘導した。この細胞死には、FL-Yの産生するPGE2が関与することを明らかにした。IL-21とPGE2によるB細胞死は胚中心におけるB細胞の新規な負の選択機構を示唆するものである。
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抗体医薬開発への応用をめざしたニワトリモノクローナル抗体作製系の開発
研究課題/領域番号:21760641 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
曲 正樹
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
近年,抗体は研究用試薬や抗体医薬としての利用価値が高まっている。そのため,抗体作製に関する研究は重要な分野である。そこで,本研究ではニワトリを利用する新規なモノクローナル抗体作製システムの開発することを目的とした。そのために,ニワトリB 細胞株DT40を親株とし,抗体遺伝子とチミジンキナーゼ遺伝子をノックアウトする事により,ハイブリドーマ作製に必要な新規ニワトリ細胞融合株を樹立した。
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抗体遺伝子再構成を行ったB細胞を検出する新規可視化法の確立
研究課題/領域番号:16760637 2004年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
曲 正樹
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
本研究では、抗体遺伝子再構成を行った細胞の標識方法の開発を行った。抗体遺伝子再構成は、様々なリンパ球の分化段階で行われ、また、それぞれが一過性におこなわれるためそれらを厳密に評価することが困難である。そこで、分化段階別に、厳密に組み換え活性をモニターする方法を確立することを目的とした。方法としては、抗体遺伝子再構成を触媒するrecombination activating gene (RAG)の認識配列である、Recombination signal sequence (RSS)と2種類の蛍光タンパク遺伝(EGFP,DsRed2)を用いてRAGの人工基質を作成し、様々な培養細胞株に遺伝子導入し、抗体遺伝子再構成の活性を可視化することとした。この人工基質は、プロモーターの下流にEGFPとDsRed2を互いに逆方向に配置し、その両端に互いに逆方向にRSS配列を配置した。このシステムでは、RAGが発現するとRSS間の遺伝子の反転がおこるため、緑色蛍光から赤色蛍光へのが変化する。以後、このベクターを抗体遺伝子再構成を行った細胞を検出するための人工基質として用いることとした。
昨年度までに、マウス繊維芽細胞において、RAGの発現に依存して蛍光タンパク遺伝子の反転と共に、蛍光タンパクの変化を観察することが出来た。そこで、実際に様々なマウス脾臓B細胞株や胸腺種細胞に人工基質を導入し、その蛍光タンパクの発現について検討した。その結果、RAGの発現に依存して、赤色蛍光を観察することが出来た。これらの蛍光の変化を遺伝子レベルで解析したところ、遺伝子レベルでも人工基質の反転が起きていた。
以上の結果より、本システムは抗体遺伝子再構成についての検討するために有用な方法である。