共同研究・競争的資金等の研究 - 阪口 政清
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特発性肺線維症治療薬の国際展開に向けた研究開発
研究課題/領域番号:JPMJSF2406 2024年12月 - 2026年10月
国立研究開発法人 科学技術振興機構 令和 6 年度 大学発新産業創出基金事業ディープテック・スタートアップ国際展開プログラム
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ホーミングペプチド搭載型次世代抗膵がんペプチド医薬の技術開発
研究課題/領域番号:24am0521004s0301 2024年09月 - 2029年03月
日本医療医療開発機構 スマートバイオ創薬等研究支援事業
担当区分:研究分担者
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がん免疫サイクルを活性化する高機能化REICタンパク質製剤の実用化
2024年06月 - 2025年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振推進事業
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膵がん治療の革新に向けた新規DDS応用標的分子の解析と治療戦略への展開
研究課題/領域番号:24K02331 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
近藤 英作, 阪口 政清, 立花 太郎
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
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膵癌転移における核膜タンパク質の新たな機能を解明する
研究課題/領域番号:24K10298 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山内 明, 町支 臣成, 岡本 秀一郎, 片瀬 直樹, 阪口 政清
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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急性腎障害AKI の創薬ターゲット創出研究
研究課題/領域番号:23ak0101204h0001 2024年04月 - 2027年03月
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 創薬基盤推進研究事業
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がん免疫サイクルを活性化する高機能化REICタンパク質製剤の実用化
2023年06月 - 2024年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業 受託研究
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原発巣の腫瘍縮小および転移抑制効果を示す膵がん治療薬の開発
研究課題/領域番号:23K06717 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
木下 理恵, 阪口 政清
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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S100A8/A9-向転移とHRG-抗転移の細胞間・分子間クロストークの解明
研究課題/領域番号:23H02748 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
阪口 政清, 山本 健一, 近藤 英作, 豊岡 伸一, 木下 理恵, 西堀 正洋, 山内 明, 友信 奈保子, 村田 等
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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S100A8/A9-向転移とHRG-抗転移の細胞間・分子間クロストークの解明
研究課題/領域番号:23K27439 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
阪口 政清, 山本 健一, 近藤 英作, 豊岡 伸一, 木下 理恵, 西堀 正洋, 山内 明, 友信 奈保子, 村田 等
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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学会開催(日本組織培養学会第95回大会)
2022年12月 - 2023年11月
財団法人岡山医学振興会 地域社会との連携事業の助成
配分額:150000円
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ヒト炎症性疾患治療を目指したS100A8/A9抗体の研究開発
2022年08月 - 2024年03月
ノーベルファーマ株式会社 共同研究
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がん免疫サイクルの観点からみたAd-REICと分泌REICタンパク質の分子機構の解明と新規創薬
2022年06月 - 2023年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業 受託研究
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境の破壊と抗腫瘍効果の検討
研究課題/領域番号:23K24421 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
豊岡 伸一, 冨田 秀太, 枝園 和彦, 山本 寛斉, 岡崎 幹生, 阪口 政清, 冨樫 庸介, 諏澤 憲
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
がん微小環境は、がん細胞と周囲の組織や免疫細胞を含む様々な細胞・非細胞成分から構成される。がん細胞と微小環境は相互に影響し、正常組織とは異なるがんの進展に必要な異常な環境を構築するのみならず、従来の抗腫瘍薬剤への抵抗性にも関与している。がん微小環境を構成する因子のうち、がん関連線維芽細胞(CAF, cancer associatedfibroblast) は、がんの進展に重要な役割を果たしているが、これまでがん微小環境に関する研究を進める中で、マトリセルラータンパク質がCAFで高発現している知見を得た。本研究は、がん微小環境においてCAFの由来・成熟に対するマトリセルラー蛋白質の役割を解明し、マトリセルラータンパク質阻害によるがん微小環境を標的とする肺がんに対する新しい治療戦略の創出を目的としている。
2022年度は、肺がん手術臨床検体から得られた肺がん・正常肺組織のペアサンプルを用いてシングルセルRNAシークエンスを実施した。血管内皮細胞や周皮細胞が、内皮間葉移行(EndMT) をおこし分化転換したCAFを同定すべく、得られた発現データセットを用いて線維芽細胞と血管内皮/周皮細胞の特徴を持つクラスターを探索し、我々が着目しているマトリセルラー蛋白との相関、特異的に活性化しているシグネチャーの検討を行っている。
さらに、非小細胞肺がん細胞株とCAFを用いて、CAFが肺がん細胞の表現型に与える影響について検討をin vitroで共培養および馴化培地モデルなどを用いて検証した。その結果、CAFの共培養およびCAF由来のCMの刺激により、肺がん細胞細胞の増殖能、遊走・浸潤能、薬物治療抵抗性のいずれも亢進することを明らかにした。 -
乾癬、アトピー性皮膚炎におけるMCAMの意義探求とその制御製剤による病態制御
研究課題/領域番号:22K08405 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山本 健一, 木下 理恵, 阪口 政清
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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軸索変性誘導分子SARM1の活性・分解制御によるパーキンソン病治療法の開発
研究課題/領域番号:22K06884 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
村田 等, 阪口 政清
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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生物製剤産生のコスト軽減に貢献する第3世代超効率遺伝子発現技術の創出
2022年04月 - 2023年03月
公益財団法人長瀬科学技術振興財団 研究助成金 研究助成
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん免疫サイクルの観点からみたAb-REICと分泌REICタンパク質の分子機構の解明と新規創薬
2021年06月 - 2022年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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シグナルコンダクターSpred2によるがんの分子・細胞基盤解明と治療への応用
研究課題/領域番号:21H02988 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松川 昭博, 伊藤 嘉浩, 吉村 禎造, 宮武 秀行, 阪口 政清
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
1)がんの増殖・転移・幹細胞性獲得におけるSpred2の役割解明
肝がん細胞株(HepG2, HepG3, HLE)のSpred2をノックダウンすると細胞増殖能はいずれも増加した。最もSpred2発現の多いHepG2細胞からCRISPR-Cas9法でSpred2を消去した細胞を作製し、がん細胞特性を確認した。その結果、がん細胞増殖能・浸潤能は増加し、細胞形態は紡錘形に変化、上皮間葉移行と幹細胞性は増強した。これらの変化は、Spred2の過剰発現で逆転した。Spred2発現は非がん部に比較してがん部で低く(データベース上、および自験例の検討)、Spred2高発現肝がん患者では低発現患者に比べ有意に予後は高かった(データベース解析)。以上より、Spred2は、ERK経路を抑制し、がん細胞のEMTや幹細胞性を負に制御することを明らかにした(現在、論文投稿中)。
2)ヒトがん組織におけるSpred2の発現
275の尿路上皮腫瘍の検討結果から、Spred2 mRNA発現は高異型度非浸潤性乳頭状尿路上皮癌 (HGPUC)で最も高く、上皮内癌 (CIS)と浸潤性尿路上皮癌 (IUC)で低下し、Spred2タンパク発現はHGPUCで高く、CISとIUCではHGPUCに比べて減少していることを見いだした。HGPUCでSpred2膜発現を示すものはSpred2膜陰性のものと比べ、ERK活性化レベルとKi67 indexが有意に低かった。以上より、Spred2は非浸潤性膀胱癌の進展を調節する鍵であるものと考えられた(PLoS One. 2021 Nov 24;16(11):e0254289)。
3)Spred2のがん治療への応用
SPR-domainのみのSpred2に加え、さらなる短鎖Spred2プラスミドを6種類作製した。これらを用いて、全長Spred2との活性比較を行っている。 -
国産高麗人参及びその含有成分によるがん抑制作用の効果検証
2021年02月 - 2022年02月
株式会社カイタックトレーディング 共同研究
担当区分:研究代表者
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IPF急性増悪治療を目指したS100A8/A9抗体の研究開発
研究課題/領域番号:20im0210119h0001 2020年08月 - 2023年03月
日本医療研究開発機構 産学連携医療イノベーション創出プログラム ACT-M
担当区分:研究代表者 資金種別:産学連携による資金
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突発性肺線維症急性増悪治療を目指したS100A8/A9抗体の研究開発
2020年08月 - 2022年03月
ノーベルファーマ株式会社 共同研究 共同研究
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がん免疫サイクルの観点からみたAb-REICと分泌REICタンパク質の分子機構の解明と新規創薬
2020年06月 - 2021年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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がん転移の予測を可能とする全てのS100タンパク質の同時診断技術の開発
2020年04月 - 2025年03月
株式会社ホロンシステム 共同研究
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新規S100A8/A9阻害分子の発見に基づいたがん脳指向転移の機構解明とその制御
研究課題/領域番号:20H03516 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
阪口 政清, 山本 健一, 近藤 英作, 豊岡 伸一, 木下 理恵, 西堀 正洋, 村田 等
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
本年度の研究では、(1)HRGとS100A8/A9が遠隔の腫瘍に応答して脳内環境のどの細胞からそれぞれ産生放出されているかを理解すること、(2)HRGの低下と脳転移に関連性があるかを検証すること、さらに、計画終了後の展開を念頭に時間が許せば、(3)HRGによるS100A8/A9阻害作用がなぜ脳選択的に起こるのか、その糸口を見出すことである。成果は以下の通りである。
<BR>
(1)S100A8/A9はミクログリア細胞が産生していることが判明したが、HRGは免疫染色用の良い抗体がなく患者由来組織切片において検出することができていない。
(2)血漿を用いたELISA検討からHRGは脳転移がん患者さんで顕著に低下することが判明した。
(3)脳転移の起こりやすくしたB16-BL6クローン(HRGへの反応が鈍い細胞)についてRNAseq解析を行った。その結果、親株と比較して数多くの遺伝子発現変動が起こっており、その中でも脳転移の引き金になる、あるいはHRG耐性の理由となる可能性のある遺伝子変動をとらえることができた。 -
S100A8/A9が悪性化する原発巣および転移先がん微小環境を制御する治療法
研究課題/領域番号:20K07636 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
木下 理恵, 阪口 政清
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
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肺虚血再灌流障害におけるS100A8/A9の役割の解明と新しい治療法の開発
研究課題/領域番号:20K09164 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡崎 幹生, 大谷 真二, 山根 正修, 坂上 倫久, 豊岡 伸一, 山本 寛斉, 木下 理恵, 杉本 誠一郎, 阪口 政清
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
重症肺疾患に対して、肺移植手術が唯一残された治療法となることがあるが、一時的な虚
血と血液の再灌流により炎症が生じる虚血再灌流障害は依然として肺移植時の大きな問題点である。肺移植後の移植肺の機能不全は虚血再灌流障害によるものがほとんどで、基礎研究による肺虚血再灌流障害の分子メカニズムの解明や革新的治療薬が開発できると、肺移植による治療成績が格段に向上する。最近申請者らは、経時的かつ網羅的遺伝子発現解析から、肺虚血再灌流後に最も早期に過剰発現する遺伝子としてS100A8/A9を見出した。S100A8/A9は、多様な炎症反応の引き金となるためIRIの治療のターゲットとして極めて有望である。本研究では、申請者らが開発したS100A8/A9を標的とした中和抗体を用いて、肺虚血再灌流障害の抑制効果を検証し、臨床応用に向けたProof of Conceptを確立することを目的とする。
マウス肺虚血再灌流障害モデルでS100A8/A9中和抗体の効果を検証した。抗体を投与した30分後に左肺を60分クランプし(虚血)、再灌流後120分に評価し、Control群と比較・検討した。虚血再灌流障害群(IgG Control群)はSham群と比較して、有意にPaO2が低下していた。それに対して、S100A8/A9中和抗体投与群ではControl群と比較して、優位にPaO2が改善していた。病理組織学的にもS100A8/A9中和抗体群では、Control群と比較して、虚血再灌流障害に伴う炎症細胞浸潤が有意に抑制されていた。S100A8/A9中和抗体による肺虚血再灌流障害抑制効果がみられることがわかった。 -
ホーミングペプチドを基盤にした新規膵癌バイオマーカー及び膵癌標的化抗体医薬の開発
研究課題/領域番号:20H03527 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
近藤 英作, 飯岡 英和, 阪口 政清, 齋藤 憲
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
準備研究により膵がん細胞ホーミングペプチドの細胞内への取り込みに関与するアクセプター分子(受容体)として候補に挙がっているreceptorφについて、その発現と局在を患者浸潤性膵管癌組織30症例に検索を拡大して解析した。結果、receptorφは全例で膵癌細胞膜上に特異的な発現を認め、膵がん細胞ホーミングペプチドに対する特異的受容体であうこと、及び膵癌細胞において膜局在分子として何らかの生物学的役割を果たしていることが推察された。一方、receptorφの細胞外領域を特異的に認識する抗体の初回試作に失敗したため、現在新たな手法で特異抗体作成を実施中である。この経緯から、第2年度に予定していた「新規膵癌細胞膜受容体候補の生物学的な分子機能の洗い出し」のための解析を前倒しし、CRISR/Cas9 systemを用いたreceptorφノックアウトcloneを2種類の膵癌細胞株BxPC3, HPAF IIそれぞれで作成することに成功した。現在、これらノックアウトクローンと野生型を比較サンプルとしたNGS RNA Seq解析を実施中である。この結果から、の重要な膵癌細胞における生物学的機能の洗い出しを進める計画である。
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組織障害性HMGB1に着眼した肺虚血再灌流障害に対する新規戦略の確立
研究課題/領域番号:20K09176 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
大谷 真二, 山根 正修, 豊岡 伸一, 杉本 誠一郎, 王 登莉, 西堀 正洋, 岡崎 幹生, 三好 健太郎, 阪口 政清
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
①マウス肺門クランプモデルにおけるHMGB1の動態:HMGB1は通常核内に限局しているタンパクである。マウス左肺門クランプモデルにおいて、再還流後2時間までのHMGB1の血中濃度を測定したところ、HMGB1が時系列に沿って上昇することが確認された。また組織の免疫染色において、虚血再還流障害を加えた群では、HMGB1が核内よりむしろ細胞質で強く染色され、細胞障害性の刺激により核内から細胞質へ移動している様子が確認された。この現象はHMGB1抗体を投与することで抑制されたことから細胞障害によりHMGB1には自己分泌経路が出現し抗体投与によってその経路を停止させることができるのではないか、と考えられた。
②抗体投与による虚血再還流障害の抑制:HMGB1抗体を投与する事による虚血再還流障害の抑制効果を調べた。肺機能、組織障害の改善を生理学的、組織学的に確認することができた。
③抗体投与による抗炎症効果:HMGB1抗体を投与するとサイトカインの産生が低下することが確認された。HMGB1はRAGEやTLRといったレセプターのリガンドであり、MAPKの経路を介しサイトカイン産生を行っているが、HMGB1抗体によりMAPKの経路が抑制されることが示された。
④抗体投与によるアポトーシスの抑制:肺組織の細胞死を定量するため組織でのアポトーシスを検索した。虚血性再還流障害によるアポトーシスが抗体投与により抑制されていることが確認された。 -
免疫チェックポイント阻害剤の効果を高める新たな併用療法の探索
研究課題/領域番号:20nk010542h0001 2020年04月 - 2022年03月
日本医療研究開発機構 創薬支援推進事業・創薬総合支援事業(創薬ブースター)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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アトピー性皮膚炎を治療する新しい生物製剤
研究課題/領域番号:20lm0203008j0004 2020年04月 - 2021年03月
日本医療研究開発機構 橋渡し研究戦略的推進プログラム シーズA
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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無菌養蚕冬虫夏草及びその含有成分によるがん免疫誤動作の修復機構の解明
2020年02月 - 2025年02月
株式会社カイタックトレーディング 共同研究 共同研究
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Ad-SGE-REIC製剤の抗腫瘍効果・作用機序の解明
2019年09月 - 2026年03月
桃太郎源株式会社 共同研究
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がん免疫サイクルの観点からみたAb-REICと分泌REICタンパク質の分子機構の解明と新規創薬
2019年06月 - 2020年02月
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業研究委託
阪口 政清
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表皮分化および角層成熟制御因子の探索と機能解明
2019年04月 - 2025年03月
株式会社資生堂 共同研究
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喫煙によるがん細胞休眠解除と転移能獲得へのS100A8/A9の役割の探求と制御
2019年04月 - 2022年03月
公的財団法人喫煙科学研究財団 2019年度研究助成
阪口 政清
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バイオセンサー分子としてのHMGB1の動態と多機能性解析
研究課題/領域番号:19H03408 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
西堀 正洋, 阪口 政清, 逢坂 大樹, 王 登莉, 和氣 秀徳, 勅使川原 匡
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
1.HMGB1トランスロケーションを制御する受容体系ならびにシグナルトランスダクションの同定:研究代表者らは、LPSとTNF-αによるHMGB1トランスロケーションを強力に抑制する物質として、血漿タンパクHistidine-rich glycoprotein (HRG) を見出している。この制御系の実態を明らかにするため、血管内皮細胞のHRG とのインキュベーションによって生じる細胞内シグナルについて解析し、LPS刺激で生じるp38とErk1/2のリン酸化がHRG添加によって著明に抑制されることを明らかにした。さらに活性化型のRhoタンパクを低下させることも見出した。LPS刺激により、内皮細胞におけるHMGB1 mRNA発現は低下したが、HRGはその低下を抑制した。HRG単独ではHMGB1 mRNA発現に有意な効果をもたらさなかった。
2.ヒスタミンによる血管透過性亢進作用並びにアナフィラキシー性血管反応における細胞外放出HMGB1の関与:これまでに、ボイデンチェンバーを用いて、血管内皮細胞分泌性のHMGB1が血管透過性亢進に関与するかどうかを予備実験で検討した。特異的抗HMGB1抗体の添加は、血管透過性亢進を抑制したことから、細胞外に分泌されたHMGB1が血管透過性亢進にも関与する可能性が強く示唆された 。そこで、まず肥満細胞を活性化し、顆粒(ヒスタミン)分泌を惹起できるCompound48/80のラットへの投与を試みた。Compound48/80を静脈内投与すると、予想された急激な血圧の低下が観察され、その後徐々に血圧低下からの回復が観察された。抗HMGB1抗体をラットに前処理し、その効果を評価した。その結果、抗HMGB1抗体による前処理は、Compound48/80による初期の急激な血圧低下を軽度抑制し、さらに持続する低血圧状態からの回復を促進した。 -
脂肪酸の質的変化を介した核内受容体によるNASH発症機構の解明
研究課題/領域番号:19K07474 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
井上 裕介, 阪口 政清, 柿崎 暁
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
非アルコール性脂肪肝炎(NASH)は良性の脂肪肝から進展し、肝癌に進行する悪性疾患であるが、その発症機構は不明で治療薬もない。申請者は、核内受容体HNF4Aの肝臓特異的欠損マウス(Hnf4aΔHマウス)が脂肪肝を経てNASHを発症し、さらに核内受容体PPARAを欠損させたダブル欠損マウスがNASH改善と寿命延長を示すことを見出した。本研究では、①Hnf4aΔHマウスで発現上昇する脂肪酸不飽和化/伸長酵素が、脂肪酸の質的変化を引き起こし、PPARAを活性化する。②microRNA の発現低下が、PPARAのさらなる活性化と肝線維化を促進する。という2つの仮説を検証することにより、新規NASH発症機序の解明を目指した。Hnf4aΔHマウスで発現上昇する脂肪酸伸長酵素遺伝子のPPARA結合部位を同定し、この脂肪酸伸長酵素遺伝子の発現がこのPPARA結合部位依存的に転写活性化されることを明らかにした。また、miR-194遺伝子の新規標的遺伝子を8個同定することができ、これらの標的遺伝子はHnf4aΔHマウスで発現増加していることも明らかにした。さらにはmiR-192の標的遺伝子候補を32個スクリー二ングした。
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ミトコンドリア呼吸阻害による軸索変性誘導機構の解明とパーキンソン病への展開
研究課題/領域番号:19K07369 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
村田 等, 阪口 政清, 浅沼 幹人
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
SARM1の異常活性化を介した軸索変性がパーキンソン病に及ぼす影響を解析するために、ヒトiPS細胞から分化誘導した神経細胞を用いて解析を進めた。前年度において、Parkin遺伝子を欠失している家族性パーキンソン病患者由来の神経細胞は、健常者由来の神経細胞と比較して、神経毒ロテノンに対して脆弱であることを確認した。この応答がParkinの欠失に依存していることを確認するために、ゲノム編集技術を用いて健常者由来の神経細胞からParkinを欠失させた細胞を作製した。Parkinを欠失した神経細胞ではロテノン暴露時のSARM1リン酸化レベルがコントロールの神経細胞よりも増加しており、軸索変性や細胞死の割合も増加していた。Parkinは損傷ミトコンドリアを除去するマイトファジー誘導に関与する分子である。Parkin欠失による機能不全ミトコンドリアの蓄積が、活性酸素種の増加、JNKの活性化を誘導し、SARM1のリン酸化につながったと考えられる。
SARM1のリン酸化を介した活性化をin vivoで確認するために、ロテノンを用いたパーキンソン病モデルマウスの作製を試みた。ロテノンを注入した浸透圧ポンプを皮下に移植し、0、5、10 mg/kg/dayの濃度で28日間の投与を行った。マウス中脳部分を用いた解析から、ロテノン濃度の増加に伴い、SARM1のリン酸化が上昇することを見出した。また軸索成分NF-Lの分解やドーパミン神経の脱落が生じていることを確認した。今後SARM1の活性化を阻害することで、これらの症状が改善するかどうかを確認していく。 -
ダメージ関連分子パターンに着眼した肺線維化関連疾患に対する新規治療法の開発
研究課題/領域番号:19H03746 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
豊岡 伸一, 冨田 秀太, 山本 寛斉, 宮原 信明, 阪口 政清, 宗 淳一, 諏澤 憲
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
本研究は、特発性肺線維症 (IPF: idiopathic pulmonary fibrosis) を中心とした肺線維化の発症と増悪に導くダメージ関連分子パターン (DAMPs)・RAGE・線維化パスウェイの中心的分子を同定し、肺の異常線維化に関連した疾患・病態に対する新規治療法の開発を目的としている。令和2年度はIPF患者の肺組織におけるS100A8/A9の発現を免疫染色およびウエスタンブロットで評価した。正常肺組織と比較して、IPFの肺組織ではS100A8/A9の発現が上昇していた。またS100A8/A9はIPF患者の血漿中でも上昇が認められた。これらの知見と、令和元年度に得られている知見(ブレオマイシンによる肺線維症モデルマウスの作製プロトコールを確立し、そのモデルを用いた実験で抗S100A8/A9中和抗体により有意な肺線維化抑制効果が得られ、生存率の改善を認めたこと、また線維芽細胞を用いたin vitroでの実験により、S100A8/9蛋白の刺激によって線維芽細胞の増殖能は上昇し、下流の転写因子であるNF-κBの活性の上昇を認め、さらに 抗S100A8/A9中和抗体投与により、活性型線維芽細胞のマーカーであるαSMAの発現低下、コラーゲン産生能の低下、NF-κBの活性の抑制効果を認めたこと)とを併せて、論文にまとめ、Journal of Molecular Medicine誌に投稿し、掲載された。
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癌はなぜ早い時期からリンパ組織へ転移するのか。
研究課題/領域番号:19K07676 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山内 明, 岡本 秀一郎, 山村 真弘, 片瀬 直樹, 阪口 政清, 栗林 太
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
癌転移ではまずリンパ節転移が観られるが、癌細胞がリンパ組織に侵入する機序は不明である。我々はこれまで独自に開発してきた癌細胞解析方法を用いて細胞同士の相互作用や動態制御を解析する中で、炎症関連分子S100タンパク質がリンパ内皮細胞を刺激し、癌細胞の遊走を活性化する現象を見出した。つまり何らかの“リンパ向性転移因子”が存在することが分かった。この因子はケモカインなど既存の遊走因子とは異なる。本研究では、このリンパ向性転移因子を同定し、なぜ早期からリンパ組織への転移が観られるのか、その機序を解明する。
令和元年(昨年)度の成果では、in vitroでのS100タンパク質刺激の有無によるリンパ内皮細胞の網羅的遺伝子発現解析(DNAマイクロアレイ)を行い、2倍以上の発現上昇92個/減少105個を同定していた。また、低分子物質については活性酸素が癌細胞の遊走を抑える現象を見出していた。
令和2年(本年)度は、上記の分子群が生体内で働いているかどうかを確かめるために、ヒト膵癌細胞株をヌードマウスに接種して生着させた担癌マウスモデルを用いて癌組織(ヒト癌細胞由来および宿主マウス浸潤細胞由来)の遺伝子について、シングルセルRNA発現解析を行った。その結果、上記in vitro実験と同様に発現上昇・減少した分子を含むい遺伝子群が同定され、リンパ内皮細胞での遺伝子発現がin vivoでも確認された。また、in vitroとin vivoで発現が異なる遺伝子群については現在解析中である。 -
腫瘍幹細胞マーカーDCLK1を標的とした、悪性胸膜中皮腫に対する新規治療戦略
研究課題/領域番号:19K09286 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三好 新一郎, 豊岡 伸一, 宗 淳一, 山本 寛斉, 諏澤 憲, 阪口 政清, 冨田 秀太
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は腫瘍幹細胞マーカーであるDCLK1の阻害が悪性胸膜中皮腫細胞に抗腫瘍効果を及ぼすことに着目し、悪性胸膜中皮腫において同タンパク質を抑制することによる抗腫瘍効果を検討し、さらに同タンパク質を標的とする薬剤を独自に構築する技術でスクリーニングし、当該疾患に対する新規治療法の確立を目指すものである。悪性胸膜中皮腫細胞株におけるDCLK1アイソフォームの発現パターンは細胞株によって異なっている。一方で正常中皮細胞株ではDCLK1の発現を認めなかった。DCLK1阻害による腫瘍増殖抑制効果は予備実験により明らかとなったが、アイソフォーム選択的に阻害した場合の効果は不明である。令和2年度は、令和元年度に実施したsiRNAによるDCLK1阻害後の細胞増殖抑制効果の機構を解明するため、バイオインフォマティクス解析を行っているが解析途中である。また、DCLK1発現による細胞増殖能の変化や浸潤能の獲得の有無について検討するためにDCLK1発現ベクターを作成し正常中皮細胞株に導入する実験を進めている。さらに、DCLK1を標的とするshRNAを作成・導入して安定的に発現が阻害された悪性胸膜中皮腫細胞株を樹立する実験も進めている。
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HER2異常肺癌に対する新しい治療法の開発
研究課題/領域番号:19K09285 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
宗 淳一, 冨田 秀太, 豊岡 伸一, 山本 寛斉, 阪口 政清, 光冨 徹哉, 須田 健一, 諏澤 憲
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
HER2変異・増幅に代表されるHER2異常の肺癌における頻度は5%程度であり、EGFR標的療法の獲得耐性の一因としてもHER2異常は注目されている。HER2異常肺癌へのHER2標的療法は、先行研究でその有効性が示唆されており、個別化治療として期待されるが、肺癌に対するHER2標的療法は適応外であり、対策が遅れている。ただ、多岐にわたるHER2異常スペクトル別にHER2標的薬の感受性が異なること、他の分子標的薬と同様にHER2標的薬への獲得耐性が生じること、が予想されている。本研究では、多岐にわたるHER2異常スペクトル別にHER2標的薬の効果とその獲得耐性の克服を検討することで、HER2異常肺癌に対するプレシジョン・メディシンの確立を目指した基礎的検討を実施する。具体的には、「#1. HER2 異常タイプ別のHER2 標的薬の効果の検討」「#2. HER2 標的薬耐性細胞株の樹立とオミックス解析による耐性機序の解明」「#3. 獲得耐性例の治療法および耐性例出現の抑制法の開発」を行う。
これまで複数のHER標的薬について、肺癌・乳癌・胃癌のHER2異常細胞株を用いて、in vitro, in vivoにその効果を検討するとともに、長期暴露による薬剤耐性株を樹立し、耐性化の機序の解明と耐性株の治療法の開発を行い、複数の報告を行っている。今後は、新たなHER異常スペクトルそれぞれについて遺伝子異常を導入した細胞株を樹立し、HER2標的薬の効果と耐性化の機序と克服の検討を続けるとともに、耐性化出現の抑制法の開発に取り組む。また、新たなHER2標的薬の臨床試験結果が発表されたため、標的となり得る新規HER2異常スペクトルの同定も試みている。 -
無菌養蚕冬虫夏草による抗がん機能の新たな作用点の探求
2019年01月 - 2020年01月
株式会社カイタックトレーディング 共同研究 共同研究
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新たな治療標的として重要ながん転移を促すS100種の網羅的同定
2019年01月 - 2019年12月
公益財団法人テルモ生命科学芸術財団 2018年度 ?. 研究助成金
阪口 政清
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RAGE-aptamer封入ナノ粒子による肺高血圧症の新規治療法の開発
研究課題/領域番号:18K08037 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
中村 一文, 赤木 達, 阪口 政清, 三好 亨, 深水 圭, 伊藤 浩
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
1.肺高血圧モデルラットにおけるRAGE特異的 DNA aptamerの抑制効果: モノクロタリン誘発性肺高血圧症モデルラットにおいてモノクロタリンと同時に終末糖化産物受容体RAGE特異的 DNA aptamerの持続皮下注を行ったところ、肺高血圧症と肺動脈リモデリングの発生抑制効果を認めた。
2. 肺動脈性肺高血圧症患者の肺動細胞平滑筋細胞におけるRAGE特異的 DNA aptamerの増殖抑制効果: 血小板由来増殖因子刺激による増殖亢進をRAGE特異的DNA aptamerは有意に抑制した。
上記よりRAGE特異的 DNA aptamerの肺高血圧症発症の抑制作用が認められた。 -
がん細胞の転移を加速するがん微小環境内線維芽細胞の新たな役割
2018年 - 2019年
公益財団法人がん研究振興財団 第50 回がん研究助成金
阪口 政清
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敗血症治療のためのHRG血液製剤の創出
研究課題/領域番号:19im0210109 2017年10月 - 2020年03月
日本医療研究開発機構 (AMED) 医療分野研究成果展開事業 産学連携医療イノベーション創出プログラム 基本スキーム (ACT-M)
西堀正洋, 和氣秀徳, 阪口政清, 宝田剛志, 勅使川原匡, 王登莉, 森松博史, 吉田道弘, 伊藤浩和, 上園昭人, 村上弘次, 前野英毅, 須加智也, 小林不二夫, 福永裕樹
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新規S100 受容体による原発巣転移前がん微小環境構築とがん転移動力獲得の分子機構
2017年 - 2020年03月
独立行政法人 日本学術振興会 基盤研究(B)
阪口 政清
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がん転移の“種と土”を解くS100タンパク質ワールド
2017年 - 2020年
公益財団法人武田科学振興財団 2017 年度生命科学研究助成
阪口 政清
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希少漢方「冬虫夏草」中に含まれる新規抗がん成分の同定とその薬効解析
2017年 - 2019年
公益財団法人小林国際奨学財団 平成29 年度研究助成
阪口 政清
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新規S100 受容体による原発巣転移前がん微小環境構築とがん転移動力獲得の分子機構
2017年 - 2019年
独立行政法人 日本学術振興会 基盤研究(B)
阪口 政清
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分泌REICタンパク質の抗腫瘍の本態解明
2017年
岡山医学振興会 第17 回公募助成
阪口 政清
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癌遺伝子候補MYNNとp53の統合的解析と肺癌発症メカニズムの解明
研究課題/領域番号:16K10460 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
伊藤 佐智夫, 笹井 香織, 阪口 政清, 片山 博志
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
新規癌遺伝子Myoneurin (MYNN)は、BTB/POZ-Zinc Fingerタンパク質ファミリーに属し、肺癌、卵巣癌、食道癌、乳癌等において高頻度に遺伝子増幅がみられる。MYNNがコードされる染色体3q26領域は多くの癌で増幅が確認され、近年、この領域からのCancer driver geneの同定が盛んに試みられている。MYNNが強力な転写抑制能、腫瘍形成能、p53結合能を有することから、MYNNの機能解析は発癌を理解する上で大変重要であると考えた。
本研究では、MYNNとp53の機能相互作用について新しい知見を示した。 -
2型糖尿病治療薬メトホルミンと抗PD-1抗体を併用した新しい肺癌免疫療法の開発
研究課題/領域番号:16K15637 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
三好 新一郎, 豊岡 伸一, 山本 寛斉, 阪口 政清, 宗 淳一
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
肺癌において、メトホルミンによる腫瘍免疫担当細胞の機能増強作用と抗PD-1抗体による免疫寛容状態の解除作用に着目し、肺癌における両者の併用治療の確立を目指す研究を行った。癌患者における末梢血ならびに腫瘍組織中のリンパ球の機能評価を行い末梢血単核球および腫瘍浸潤性T細胞をメトホルミンの存在・非存在下で培養しT細胞に非特異的な刺激を与えたところ、メトホルミン存在下ではサイトカイン産生能が増加したことを確認した。また、初代培養肺癌細胞に対するメトホルミン処理T細胞+抗PD-1抗体の抗腫瘍効果の検討と、メトホルミン処理T細胞+抗PD-1抗体の抗腫瘍効果を予測するバイオマーカーの探索・同定を進めた。
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遺伝子発現と変異プロファイル解析に基づくEGFR変異肺癌に対する新規治療法の開発
研究課題/領域番号:16H05431 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
豊岡 伸一, 三好 新一郎, 冨田 秀太, 枝園 和彦, 山本 寛斉, 阪口 政清, 宗 淳一
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
EGFR変異肺がん治療において、獲得耐性機序を治療前に予測すると同時にその耐性出現を防ぐ初期治療の確立を目指す研究を行った。高感度の検出が可能である分子バーコードを用いたDeepシークエンスにより、肺癌臨床検体で高率に複数のEGFR変異の共存が確認された。オシメルチニブに対する耐性を獲得した細胞株の検討では、EMT化による耐性獲得細胞では、高率にAXLが高発現し、AXL阻害剤であるカボザンチニブの上乗せにより耐性が解除されることを明らかにした。またドラッグリポジショニング解析から抗生物質モネンシンが抗EMT化作用を示し、その耐性獲得を抑制が可能であることを明らかにした。
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核内受容体HNF4αとPPARによるNASH発症機序の解明と治療応用への基礎研究
研究課題/領域番号:16K08728 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
井上 裕介, 阪口 政清, 柿崎 暁
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
肝臓特異的HNF4α欠損マウス(KOマウス)でのNASH発症におけるPPARαの活性化機構の解明を目的とした。KOマウスでは脂肪酸取り込みに関与するFATP1の発現が顕著に上昇しており、FATP1の転写活性化はPPARα依存的に強く誘導された。また、KOマウスで発現低下するmiRNAを同定し、その標的遺伝子として線維化に関与する遺伝子を同定した。さらに、KOマウス肝臓では数種類の脂肪酸の割合が変動していた。加えて、脂肪酸伸長と不飽和化に関与する複数の遺伝子の発現変動が認められた。以上より、KOマウスでは脂肪酸の質的変化によりPPARαが活性化されてNASHを発症する可能性が示唆された。
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HER2新規結合分子サイトケラチン19に着目したHER2活性癌の新規治療法
研究課題/領域番号:16K10681 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
宗 淳一, 三好 新一郎, 冨田 秀太, 佃 和憲, 豊岡 伸一, 山本 寛斉, 阪口 政清, 浅野 博昭
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
HER2蛋白は、肺癌・胃癌などで活性化する。既存のHER2分子標的薬は効果や薬剤耐性の問題があり、HER2活性型腫瘍への新しい戦略が必要である。HER2蛋白活性化に関与する新規分子サイトケラチン19を同定した。胃癌細胞株に対するHER2分子標的薬(Afatinib)の治療効果(in vitro&vivo)を報告した。Afatinibの適応がないHER2変異陽性がん患者において、探索的に使用し、その治療効果を報告した。HER2活性型肺癌細胞株における汎HER阻害剤Neratinibの治療効果(in vitro&vivo)を報告した。
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研究課題/領域番号:16K15245 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
近藤 英作, 奥田 修二郎, 阪口 政清
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
TRA-1-60は糖鎖修飾型PODXL1であることから、ヒト膵がん細胞株においてPODXL1ノックアウトクローンを作成し機能解析した。結果、MiaPaCa-2, AsPC1, Panc-1 PODXL1-KO(PODXL1 -/-)クローンは膵がん肝転移を劇的に抑制した。即ち、PODXL1は膵がんの転移能獲得に直接に機能していることが判明した。PODXL1は複数のサイトカイン受容体と結合能を持ち、がん組織内でこれら受容体の機能活性化に働いていることが判明した膵がん患者病理組織では、上記の遺伝子機能を反映し、腫瘍の浸潤先進部や肝転移巣で高発現していることが判明した。
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臓器が発するがん誘引性転移シグナルの遮断を目指して開発した「新規分子標的タンパク質製剤」によるがん細胞転移制御の試み
2016年 - 2018年
一般財団法人藤井節郎記念大阪基礎医学研究奨励会 平成28 年度研究助成金
阪口 政清
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CHO細胞における組み換えタンパク質大量発現に有効な超高効率遺伝子安定発現プラスミドベクター
2016年 - 2017年
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 革新的医療技術創出拠点プロジェクト(橋渡し研究加速 ネットワークプログラム)
阪口 政清
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がんの転移をターゲットとした新しい治療法の開発
2016年 - 2017年
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 次世代がん医療創生研究事業
阪口 政清
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REIC タンパク質の機能解析による新たな創薬基盤プラットフォームの構築
2016年 - 2017年
岡山県 特別電源所在県科学技術振興事業研究委託
阪口 政清
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RAGE シグナル抑制による肺高血圧症治療法の新規開発
研究課題/領域番号:15K09158 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
中村 一文, 赤木 達, 阪口 政清, 伊藤 浩
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
1.乳酸・グリコール酸共重合体(co-poly-lactic/glycolic acid: PLGA)という生体内で加水分解され水と二酸化炭素になる物質をナノ粒子化し、イマチニブならびにベラプロストを封入した薬剤封入ナノ粒子を作成した。肺高血圧症モデルラットに気管内投与すると右室収縮期圧や右室肥大の抑制をみとめ肺高血圧の改善がみられた。
2.肺動脈性肺高血圧症(PAH)の肺動脈平滑筋細胞の増殖は亢進しており、TIR/BB-loop類似構造体(mimetic), AS-1 にてRAGEシグナルを抑制してみると、過剰な増殖が抑制された。 -
S100A8/A9-Emmprin系を介したメラノーマの増殖転移制御に関する研究
研究課題/領域番号:15K09788 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
坪井 良治, 原田 和俊, 山本 真実, 前 賢一郎, 阪口 政清, 前田 龍郎, 江草 智津, 日比野 利彦
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
S100蛋白ファミリーのS100A8/A9に対してEmmprinとneuroplastin bは受容体である。Emmprin高発現メラノーマ細胞をS100A9Tgマウスの尾静脈から注入すると皮膚に転移巣を生じた。本研究ではC57/BL6マウスの皮膚にB16F10細胞を注射し、肺に転移するマウスモデルを確立した。しかし、S100A8/A9-Emmprinの結合を抑制する物質は発見できなかった。
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がんの転移先臓器親和性を制御する新規生物製剤の開発
2015年 - 2017年
独立行政法人 日本学術振興会 挑戦的萌芽研究
阪口 政清
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ヒトS100A9ホモダイマーおよびヒトS100A8/A9へテロダイマーに対する抗体製剤の開発によるがん転移制御の試み
2015年 - 2016年
公益財団法人小林がん学術振興会 第9 回研究助成金
阪口 政清
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新開発哺乳細胞超高効率遺伝子安定発現プラスミドベクターのタンパク質製剤大量産生系への有用性の評価
2015年 - 2016年
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 革新的医療技術創出拠点プロジェクト(橋渡し研究加速 ネットワークプログラム)
阪口 政清
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肺癌の新しい癌化機構の解明と治療法確立に向けた基礎的研究
研究課題/領域番号:26293318 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
三好 新一郎, 豊岡 伸一, 宗 淳一, 山本 寛斉, 佃 和憲, 阪口 政清, 片山 博志, 枝園 和彦, 諏澤 憲, 大塚 智昭
配分額:16120000円 ( 直接経費:12400000円 、 間接経費:3720000円 )
治療抵抗性で予後不良な疾患である肺癌の治療において、発癌に関わる新たな分子機序を解明することが重要と考えられてきた。我々は、ヒト上皮成長因子受容体関連物質2(HER2)遺伝子の新たな変異を発見し、その発癌への寄与について明らかにした。また、HER2と結合してその活性化に関与すると考えられる分子を見出し、新たな治療標的となる可能性を明らかにした。
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癌抑制遺伝子REIC/Dkk-3による癌化シグナル制御機構の解明
研究課題/領域番号:26293352 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
公文 裕巳, 高本 篤, 江原 伸, 阪口 政清, 佐々木 克己
配分額:16120000円 ( 直接経費:12400000円 、 間接経費:3720000円 )
癌治療遺伝子REIC/Dkk-3を用いた固形癌に対するin situ遺伝子治療では、癌細胞の選択的アポトーシスが誘導されることがその主要な機序である。またこれまでに、癌治療遺伝子・タンパク質REIC/Dkk-3による癌細胞増殖抑制作用が報告されており、本申請研究では、当該治療による癌化シグナル制御機構を明らかにする為の研究を実施し、関連する重要な因子群を同定した。
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転移先臓器を感知する受容体群の分子制御機構の解明とその応用
2014年 - 2016年
独立行政法人 日本学術振興会 基盤研究(B)
阪口 政清
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糖尿病網膜症制御法の新構築を目指したRAGE膜直下信号伝達阻害手段の確立
2014年 - 2015年
公益財団法人高齢者眼疾患研究財団 平成25 年度研究助成
阪口 政清
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がん細胞の転移先臓器を感知する新規センサー分子の発見を基盤とした転移機構の解明とその制御
2014年 - 2015年
公益財団法人山陽放送学術文化財団 第51 回学術研究助成
阪口 政清
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独自に開発した超高効率遺伝子発現プラスミドベクターの抗体大量産生系への応用を目指した基礎研究
2014年 - 2015年
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 平成26 年度学術研究費助成
阪口 政清
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新規S100A8/A9受容体の発見を切り口とした膿疱性乾癬の分子機構の解明
2014年 - 2015年
公益財団法人先進医薬研究振興財団 第33 回一般研究助成金(血液医学分野)
阪口 政清
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がん転移における「種と土」のクロストークを遮断する分子標的製剤の開発
2014年
公益財団法人高松宮妃癌研究基金 平成26 年度研究助成金
阪口 政清
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核内受容体による非アルコール性脂肪肝炎発症経路の解明と治療応用への基盤構築
研究課題/領域番号:25460490 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
井上 裕介, 行木 信一, 阪口 政清
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
肝臓HNF4α欠損マウス(KOマウス)はNASHを発症するが、PPARαの欠損によりNASHが改善する。KOマウスでFATP1, CD36, CideAの発現増加が認められ、ダブルKOマウスで発現低下することが分かった。また、KOマウスではFATP1のプロモーターにおけるPPARαのDNA結合活性と肝臓での脂肪酸量が増加していることが分かった。このため、内在性脂肪酸がPPARαを活性化し、PGC1αによりPPARα標的遺伝子が転写活性化され、NASHが誘導されると推測された。
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転移先臓器を感知する受容体の発見に基づくがん転移機構の解明
2013年 - 2016年
公益財団法人武田化学振興財団 2013 年度医学系研究奨励(基礎)
阪口 政清
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RAGE膜直下信号伝達阻害剤による糖尿病性網膜症治療の試み
2013年 - 2014年
公益財団法人薬理研究会 平成25 年度研究助成金
阪口 政清
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がん幹細胞をも標的とするREIC遺伝子治療の消化器がんへの応用
研究課題/領域番号:24591943 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
片岡 健, 阪口 政清, 村田 等
配分額:5330000円 ( 直接経費:4100000円 、 間接経費:1230000円 )
マウス組織を用いてREIC/Dkk-3の発現局在の詳細なスクリーニングを行ったところ、皮膚と腸上皮組織において幹細胞のニッチとREIC/Dkk-3の局在が一致していた。また腸管上皮細胞株Caco-2を細胞外マトリクスタンパク質に包埋して3次元培養を行ったスフェロイドにおいてもREIC/Dkk-3の発現を認めた。またREIC/Dkk-3の発現制御因子を探索したところ、TNF-αが表皮ケラチノサイトのREIC/Dkk-3発現を低下させることがわかった。REIC/Dkk-3とTNF-αのバランスが発生過程や炎症における表皮ケラチノサイトと血管内皮細胞による組織構築を調整していることが示唆された。
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新開発超高効率遺伝子発現プラスミドベクターによる抗体大量産出技術の確立
2012年 - 2014年
公益財団法人加藤記念バイオサイエンス振興財団 平成23年度加藤記念研究助成
阪口 政清
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抗体大量産生用超高率遺伝子発現ベクターの開発
2012年 - 2013年
財団法人ノバルディス科学振興財団 第25 回ノバルディス研究奨励金
阪口 政清
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炎症を感知する新規内因性リガンドセンサーの作動機構解明とがん進展における役割
2012年 - 2013年
独立行政法人 日本学術振興会 新学術領域研究
阪口 政清
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CD133のリガンド同定によるがん幹細胞特性の解析
2012年 - 2013年
公益財団法人アステラス病態代謝研究会 平成24 年度研究助成金
阪口 政清
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がん特異的 REIC 遺伝子治療の特長を最大限に引き出す超高機能ベクターの開発
2012年 - 2013年
財団法人両備てい園記念財団 第34 回研究助成金
阪口 政清
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RAGE複合体情報処理ユニットによるがん進展の分子基盤解析
2012年
公益財団法人金原一郎記念医学医療振興財団 第27回基礎医学医療研究助成金
阪口 政清
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REIC/Dkk―3遺伝子治療による自己癌ワクチン化療法の基盤解析
研究課題/領域番号:23390382 2011年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
公文 裕巳, 許 南浩, 渡部 昌実, 阪口 政清, 賀来 春紀, 植木 英雄
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
癌治療遺伝子REIC/Dkk-3を用いた固形癌に対するin situ遺伝子治療では、「癌細胞の選択的アポトーシス」と「抗癌免疫の活性化」による相乗的効果増強作用(自己癌ワクチン化)が誘導されることが示されている。本申請研究では、当該治療による自己癌ワクチン化機序として、発現したREICタンパク質による骨髄系免疫抑制細胞(MDSC)の分化抑制機構と、その下流の現象としての細胞傷害性T細胞(CTL)の活性化が重要であることを明らかにした。
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多機能受容体RAGEによるがん幹細胞活性化と炎症憎悪の負の連鎖
2011年 - 2013年
公益財団法人内藤記念科学振興財団 第43回科学奨励金
阪口 政清
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炎症性多機能受容体RAGEの活性化動態評価システムの構築
2011年 - 2012年
財団法人薬学研究奨励財団 第32回研究助成金(グループA)
阪口 政清
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RAGE 膜直下信号伝達機構解明を基盤とした糖尿病性血管障害の治療戦略
2011年 - 2012年
公益財団法人先進医薬研究振興財 第30回一般研究助成金
阪口 政清
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がん幹細胞特異的殺傷抗体作成技術の創出
2011年 - 2012年
独立行政法人 日本学術振興会 挑戦的萌芽研究
阪口 政清
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新世代REICアデノウィルスによる純国産がん遺伝子治療の統合新戦略
研究課題/領域番号:23650625 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
許 南浩, 阪口 政清, 片岡 健, 村田 等
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
抗がんウイルス製剤 REIC アデノウイルスに、独自に開発した「がん特異的新規プロモーターシステム」と「新規アデノウイルスアダプター」を適用することで、REIC アデノウィルスを高機能化させることに成功した。これは、従来に比較して遥かに強力ながん選択的なアデノウイルス感染とREIC 遺伝子発現を可能にし、抗腫瘍効果を大幅に上昇させた。
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腹膜播種性転移がんの特性を利用した統合的新規遺伝子治療プロトコールの開発
研究課題/領域番号:21591699 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
片岡 健, 阪口 政清
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
スキルス胃がん腹膜播種マウスモデルにREIC/Dkk-3発現アデノウイルスを投与したところ、抗腫瘍効果が認められた。腫瘍部分にはナチュラルキラー細胞が動員されており、REIC/Dkk-3遺伝子治療はスキルス胃がんに対する統合的なアプローチの選択肢になりうると考えられた。さらにミトコンドリアの品質管理に重要な分子PINK1が、REIC/dkk-3遺伝子治療の耐性克服の新しい標的となることが新たに示された。またREIC/Dkk-3の正常組織における発現制御因子のスクリーニングの結果、TNF-αが同定された。
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多機能受容体RAGEの動的イメージングを基盤とした動作原理の解明,
2009年 - 2010年
公益財団法人武田科学振興財団 2009年度医学系研究奨励(基礎)
阪口 政清
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炎症および神経変性疾患の発症? 進展を制御する受容体RAGEの多機能性の解明
2009年 - 2010年
独立行政法人 日本学術振興会 若手研究(A)
阪口 政清
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がん特異的超高効率発現アデノウィルスベクターの開発とがん遺伝子治療への応用
2009年
公益財団法人持田記念医学薬学振興財団 第27回医学薬学振興財団研究助
阪口 政清
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不死化関連遺伝子群によるOncogenic Ras制御と前立腺癌化抑制機構の解明
研究課題/領域番号:20390426 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
公文 裕巳, 許 南浩, 阪口 政清, 那須 保友, 筒井 研
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
岡山大学で同定した新規の不死化関連遺伝子群について、前立腺正常上皮細胞および前立腺癌細胞における発現動態が、細胞内でのRasシグナリングの抑制および細胞増殖抑制にどのような分子機構により関わるのかを系統的に解析した。特に、不死化関連遺伝子の一つであるREIC/Dkk-3の発現が、活性化Rasタンパク質を抑制することによりAktタンパク質の非活性化に関与することを明らかにした。また、REIC発現による細胞死の分子シグナル伝達を、分子シャペロンタンパク質であるBiP/GRP78タンパク質が負に制御することを明らかにした。
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誤標的された正常細胞をも抗がんに動員する統合的遺伝子治療の新戦略
研究課題/領域番号:20015031 2008年 - 2009年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特定領域研究
許 南浩, 阪口 政清, 片岡 健
配分額:10700000円 ( 直接経費:10700000円 )
REIC/Dkk-3発現アデノウイルスベクター(Ad-REIC)のスキルス胃癌への適用
スキルス胃癌は進行が早く腹膜やリンパ節に転移しやすい難治性のがんの一つである。現在、本がん種を標的とした有効な治療法がない。本年度では、Ad-REICのスキルス胃癌への有効性を検討する目的で、胃がん腹膜播種動物モデルを新規に開発した。Ad-REICを服腔内に投与したところ、胃がん細胞株の腹膜播種の有為な抑制が観察された。これは、Ad-REICの直接効果(がん細胞特異的細胞死誘導)とAd-REICにより誤標的された正常細胞を介した間接効果(正常細胞がIL-7を産生してNK細胞の活性化を誘導)によることが明らかとなった(論文準備中)。
Ad-REICの改良
Ad-REICによるアポトーシス誘導作用を高めるために、強力な遺伝子発現システムを独自に開発した。結果、従来のプロモーター(CAGやCMV)を用いた遺伝子発現システムに比較して顕著な遺伝子発現増強効果(各種遺伝子で、100倍から1000倍)が達成された。このシステムをAd-REICに組み込むことにより、現存のAd-REICを上回る治療効果が期待できる(論文準備中)。
分泌REIC/Dkk-3タンパク質の機能の解明
分泌型REIC/Dkk-3も免疫系を介した間接的抗腫瘍効果を示す。REIC/Dkk-3の発現組織と分泌されたREIC/Dkk-3を積極的に取り込む細胞の同定を行ったところ、分泌されたREIC/Dkk-3は末梢血単球の樹上細胞様細胞への分化・増殖を制御している可能性が示唆された。
REIC/Dkk-3ノックアウトマウスの作製
癌抑制遺伝子REIC/Dkk-3の主要ドメインであるEXON 5、6を全身性にノックアウトしたマウスの作成を行っていたが、2009年10月に、ホモノックアウトマウスの作成に成功した。 -
尿路性器癌の抗癌剤耐性獲得における新規分子機構解明と治療法開発のための基盤研究
研究課題/領域番号:18390437 2006年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
那須 保友, 阪口 政清, 雑賀 隆史, 江原 伸
配分額:14120000円 ( 直接経費:11600000円 、 間接経費:2520000円 )
抗がん剤による治療を行った場合に、徐々にその効果が低下することは臨床上しばしば認めることであり、そのメカニズムを解明しその結果に基づき新たな治療法を開発することは極めて重要なことである.がん細胞に対してアポトーシス(細胞死)誘導するREIC/Dkk-3が耐性獲得抑制、耐性克服もしくは感受性増強のための標的となることを明らかにした.特に、REIC/Dkk-3により抗がん剤耐性獲得におけるkey moleculeであるP-glycoproteinの発現が低下することを突き止めた.
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骨髄由来MAPC類似幹細胞移植による肝不全治療と肝線維症予防の基盤研究
研究課題/領域番号:18590269 2006年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
宮崎 正博, 許 南浩, 阪口 政清, 娜依拉 馬合木提
配分額:3860000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:360000円 )
我々は、ラット骨髄からMAPC類似の間葉系幹細胞(CD29^+/CD44^+/CD49b^+/CD90^+/CD45^-、ビメンチン及びフィプロネクチン陽性)を単離、クローン化した。本細胞株は約24時間の倍加時間で対数増殖し、300PDLを越えても正二倍体性を維持した。本細胞をHGFおよびFGF-4を添加してマトリゲル上で1週間培養すると、アルブミン、AFP、G6Pase、TO、TAT、CYP1A1、CYP1A2、HNF1α、HNF4α、CK-8、CK-18を発現する肝細胞類似の細胞(類肝細胞)へほぼ100%の効率で分化する。この類肝細胞を90%肝切除による急性肝不全ラットモデルの脾臓に移植したところ、血中アンモニア濃度の増加が有意に抑制され、15匹中5匹が生還した。一方、対照ラットは術後48時間以内に全例死亡した。本類肝細胞はケモカインSDF-1のレセプターCXCR-4、肝再生因子(HGF、TGF-α)とそのレセプター(c-Met、EGFR)を発現することから、これらの分子が移植細胞の肝臓内へのケモタクシス・リクルートおよびオートクリン、パラクリン増殖促進に関与した可能性が考えられる。
四塩化炭素誘導ラット肝線維症モデルに対し、未分化幹細胞クローンを脾臓内に移植した結果、Picrosirius Red染色およびα-Smooth Muscle Actin免疫染色により示されるように、肝臓の線維化が顕著に抑制された。未分化幹細胞クローンにMMP-9の活性が認められることから、本細胞移植による線維化抑制効果の一部はMMP-9の作用による可能性が考えられる。
以上のとおり、本幹細胞クローン由来の類肝細胞は肝不全を救命するポテンシャルを有し、また元未分化幹細胞クローンは肝線維症の治療に有効であることがわかった。今後は、これらの細胞の組み合わせ移植による効果を検討したいと考えている。 -
正常皮膚および腫瘍に対するWnt調節因子REIC/DKK3の作用に関する研究
研究課題/領域番号:18591249 2006年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
片岡 健, 李 代偉, 阪口 政清, 片岡 健
配分額:3500000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:300000円 )
1.培養ヒト正常表皮角化細胞にREIC/Dkk-3を発現するアデノウイルスベクター(Ad-REIC)を感染させ発現が変化する遺伝子をスクリーニングしたところ、免疫機能の調節に重要な役割を果たすサイトカインの発現が誘導されることが分かった。このサイトカイン誘導により個体の免疫機能の亢進することが認められ、REIC/Dkk-3が生体での防護機構に関与する可能性が示唆された。
2.REIC/Dkk-3を強制発現すると腫瘍特異的にアポトーシスが誘導される。この機構を探るため、Ad-REICに高感受性のがん細胞株をスクリーニングし、マウス腎がん細胞株RENCAを同定した。この細胞株と正常線維芽細胞であるNIH3T3を比較することにより、Ad-REICによる腫瘍特異的アポトーシス誘導にHsp70/72が防護的に働き、それが腫瘍特異的アポトーシス誘導の一因であることを明らかにした。
3.Ad-REICに感受性がある前立腺がん細胞株PC3に低濃度でAd-REICを感染させながら長期間培養し、耐性細胞を得た。この細胞を用いてPC3親株と比較するためマイクロアレイによる発現解析を行ったが、結果は現在解析中である。また耐性の鍵となるシグナル伝達経路を同定し、詳細な解析を行った。
4.前年度に開発した方法によりヒト正常線維芽細胞からREIC/Dkk-3タンパク質を培養実験に使用できる純度で精製した。
5.REIC/Dkk-3のノックアウトマウスを作成中である。当該遺伝子をノックアウトしたマウスES細胞を既に得て、現在個体を作成中である。 -
上皮細胞増殖制御の機能的ハプタンパク質S100Cの機能解明とがん治療への応用
研究課題/領域番号:18013035 2006年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特定領域研究
許 南浩, 阪口 政清, 宮崎 正博
配分額:12100000円 ( 直接経費:12100000円 )
本研究計画は1)がんのTGFβ抵抗性とS100A11機能との関連を明らかにする、2)S100A11のAnnexinA1との結合、ヒトがんでの発現充進の意味を明らかにする、3)この知見を治療に応用する、ことを目的とする。平成18年度は1)について報告した。平成19年度は主に2)に取り組み、以下の結果を得た。
1.正常ヒト表皮角化細胞(NHK)において、S100A11はAnnexin A1と複合体を形成しPhospholipase A2と結合してその活性を抑制した。その結果アラキドン酸カスケードが抑制されて細胞増殖が低下した。EGFという増殖刺激が入るとphospholipase A2活性抑制の解除が起こって細胞増殖が維持される。即ち、TGFβとEGFというシグナル系がS100A11を接点として関連する。(J Biol Chem 282:35679-86,2007)
3.NHKはS100A11を分泌し、分泌型SIOOA11はNHKの増殖を促進した。この増殖促進は主にEGFファミリーの産生誘導によった。S100A11はRAGE、NFkBとAkt、CREBを介してEGF遺伝子を活性化した。即ち、S100A11は、細胞内では増殖抑制、分泌されると増殖促進という二面性の役割を担う。(Mol Biol Cell 19:78-85,2008)
4.S100A8とS100A9がNHKから分泌され、NHKに作用して炎症性サイトカインの産生・分泌を誘導する、それが逆にS100A8,S100A9の産生・分泌を促進する、S100A8/A9自体がNHKに対する増殖促進作用を持つ、ことを見出した(J Cell Biochem印刷中)。
以上の成果によって、S100C/A11の機能的ハブとしての本態の解明に大きな展開が得られた。今後は、SIOOタンパク質群の受容体RAGEの作動機構の本態の解析を通じて治療戦略の構築を目指す。 -
S100C タンパク質を介した新規細胞増殖制御機構の解明
2005年 - 2006年
独立行政法人 日本学術振興会 若手研究(B)
阪口 政清
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S100C/A11を介する新しいTGFβ増殖抑制信号伝達系の発がんにおける意義
研究課題/領域番号:17014065 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特定領域研究
許 南浩, 宮崎 正博, 阪口 政清
配分額:6800000円 ( 直接経費:6800000円 )
S100C/A11を介する新しい信号伝達系が、ヒト正常表皮角化細胞の増殖抑制と発がんにどのような意義を持っているかを検討し、以下の結果を得た。
1.TGFβは受容体の活性化からSmadを介する経路とS100C/A11を介する経路に分岐するが、増殖抑制には両経路の活性化が必須であり、一方でもブロックすると抑制が解除されることが明らかになった。このことは、高Caの場合でも、Smad経路がNFAT1経路に代わるだけで成り立つことが分かった。
2.核内における両経路の集約機構を検討した結果、増殖中の細胞のp21プロモーターにはSp/KLF family memberのKLF16が結合して不活化しており、このKLF16を駆逐してp21プロモーターを活性化するには、両経路によってそれぞれ活性化されたSp1とSmad3を含む複合体が必要であることを明らかにした。以上を纏めて、論文に発表した(ProNAS USA 102:13921,2005)。
3.ヒト正常上皮細胞の多くはTGFβによって増殖が抑制され、それに対する抵抗性の獲得が発がんや悪性度の進展に関わると考えられている。TGFβに対する抵抗性獲得の機序としてS100C/A11経路の異常が関与しているかどうかを検討した。解析対象としたヒト扁平上皮がん細胞株は、全例がTGFβに対して抵抗性であった。TGFβによるS100C/A11、Smad3、Smad4の核移行は増殖抑制に必須であるが、これらのがん細胞株では様々組み合わせで異常が見られた。従って、がん細胞の示すTGFβ抵抗性の少なくとも一部はS100C/A11経路の異常によることが示唆された(投稿中)。
4.本研究で明らかになったS100C/A11の機能を治療に応用することを目指して、信号伝達機能を担うドメインとHIV由来の細胞内移行シグナルを融合したペプチドの大量合成と精製条件を確立した。このペプチドを培地中に添加すると多様な細胞でアポトーシスが誘導された。現在、その詳細な細胞内機構を解析中である。 -
皮膚組織構築に関わる遺伝子のヒト疾患における意義とその再生医学的治療法の開発
研究課題/領域番号:14370260 2002年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
許 南浩, 宮崎 正博, 高石 樹朗, 片岡 健, 阪口 政清, 諸橋 正昭
配分額:14600000円 ( 直接経費:14600000円 )
本研究は、皮膚の組織構築に関わる遺伝子の同定とその作用機序を解明し、その知見を活用して皮膚疾患の再生医学的治療法を開発するための基盤研究を行うものである。研究期間中の主な成果は以下のとおりである。
1.ヒト表皮角化細胞の増殖抑制:S100C/A11を介する新しい機構の解明
高CaとTGFβはヒト表皮ケラチノサイトの代表的な増殖抑制因子であるが、その詳細な機構は明らかではなかった。我々は、S100C/A11が両者の増殖抑制シグナル伝達に関与することを明らかにした。高CaかTGFβにヒト表皮ケラチノサイトが曝露されるとPKCαが活性化しS100C/A11をリン酸化する。このS100C/A11がNucleolinと結合して核に移行し、Sp1を介してp21を誘導することにより、細胞増殖抑制をもたらすのである。高CaとTGFβによる増殖抑制には、それぞれNFAT1とSmadsを介する固有経路の活性化も同時に必要であった。
2.表皮角化細胞の角化:Hornerin遺伝子の解析
Hornerinはprofilaggrinに類似したタンパク質をコードする新しい遺伝子である。マウスでは皮膚、舌、食道、前胃の重層扁平上皮発現しており、profilaggrinと同一のケラトヒアリン顆粒に見出された。ヒトのHornerin遺伝子を単離してその構造を明らかにした。成人の正常駆幹表皮には発現が見られなかったので様々な表皮を検索し、乾癬病変部および創傷治癒過程にある表皮でHornerinの発現が誘導されることを見出した。
3.マウス骨髄細胞の皮膚細胞への分化
マウス骨髄細胞を、ヌードマウス皮膚欠損部での皮膚再構成系に混入すると、3週間で表皮、毛のう、皮脂腺を含む各種皮膚構成細胞に分化することを明らかにした。
4.マウス皮膚細胞由来幹細胞の単離
マウス胎児皮膚から、特殊なゲルを用いて簡便に幹細胞を単離する方法を開発した。 -
ヒト細胞の老化、不死化、癌化
研究課題/領域番号:01J04310 2001年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費
阪口 政清
配分額:3600000円 ( 直接経費:3600000円 )
我々は先に、高Caによるヒト表皮角化細胞の増殖抑制が、S100C/A11のリン酸化、核移行、Sp1の活性化によるp21(WAF1/CIP1)の誘導という新しい信号伝達経路を介することを報告した(JCB,163:825-835,2003)。本研究では、ヒト表皮角化細胞に対するもう一つの代表的な増殖制御因子であるTGFβの作用機序を検討した。ヒト正常表皮角化細胞(NHK)をTGFβで処理すると、高Caに曝露した際と同様に、S100C/A11は10Thrがリン酸化され、nucleolinに結合して核に移行し、核内でSp1を介してp21(WAF1/CIP1)を誘導した。S100C/A11をリン酸化する酵素を探るため、皮膚で発現しているprotein kinase C(PKC)のα,δ,ε,η,ζ分子種を強制発現させたところ、PKCαのみがS100C/A11の10Thrをリン酸化した。TGFβ処理により、PKCαは活性化された。また、PKCαのドミナントネガティブ体を導入すると、TGFβによるS100C/A11のリン酸化が阻害され、増殖抑制も解除された。以上の結果は、細胞内でS100C/A11の10Thrをリン酸化するのはPKCαであることを示している。TGFβの信号伝達にSmad s系が働いていることはよく知られている。siRNAを用いてSmad3をdown-regulateすると、TGFβに依る増殖抑制が解除された。抗S100C/A11抗体を用いて、S100C/A11の機能をブロックしても同様であった。即ち、TGFβによる増殖制御はS100C/A11系とSmad s系の両方が機能して初めて起こることが確認された。なお、この条件下でSp1はSmad3と結合し、p21(WAF1/CIP1)プロモーターに作用する。以上、我々はS100C/A11がNHKの増殖抑制に中心的な役割を果たすことを明らかにした。