共同研究・競争的資金等の研究 - 西村 伸一
-
データベースと高精度地盤調査の連携によるため池群のリスク評価
研究課題/領域番号:24H00534 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
西村 伸一, 柴田 俊文, 工藤 亮治, 小松 満, 珠玖 隆行
-
ハイブリッドインバージョンによる物理探査解析の革新
研究課題/領域番号:22K18352 2022年06月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(開拓)
藤澤 和謙, 西村 伸一, 山本 清仁
配分額:25610000円 ( 直接経費:19700000円 、 間接経費:5910000円 )
本研究課題の全体的な目的は,各種の物理探査(地中や構造物の内部を波動伝播や電気の流れを観察することで材料としての固さや電気抵抗などを推定する探査)において,決定論的及び確率論的な二つのアプローチを融合する逆解析(ハイブリッドインバージョンと呼ぶ)を開発し,従来の決定論に基づく一つの推定結果だけでなく,確率的な推定結果を新規に得ることで,推定結果の不確かさを評価できる物理探査を実現することにある。現在の物理探査手法には,弾性波/表面波探査,電気/電磁探査,重力探査,地中レーダー探査が挙げられるが,これらの特徴として,波動方程式またはポアソン方程式によって探査に利用する現象(波動伝番や電気の流れ)が記述される点にある。
本研究では,波動方程式またはポアソン方程式を対象としたハイブリッドインバージョンを開発することで,幅広い探査手法に適用可能であり,既往の推定結果に確率的な情報を追加できるインバージョンを可能にすることを目指している。今年度は,波動方程式とポアソン方程式を対象としたフィルタリングと逆解析手法(これらの手法はベイズ推定に基づく)を開発・発展させるとともに,実際の現地調査をため池堤体によって実施することができた。
フィルタリングにおいて中心的な手法として位置付けるものはアンサンブルカルマンフィルタである。また,ハミルトニアンモンテカルロ法を利用した逆解析手法をポアソン方程式に適用することを可能にした。また,現地調査では測量も行い逆解析等の数値計算を行うための基礎情報も取得可能であることを確かめることができた。 -
集中群配置型クロスホールミューオン探査手法の開発
研究課題/領域番号:22K19223 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
西村 伸一, 柴田 俊文, 珠玖 隆行
配分額:6240000円 ( 直接経費:4800000円 、 間接経費:1440000円 )
-
ため池群の保全を目的とした高精度地盤調査法の開発と広域リスク評価
研究課題/領域番号:20H00442 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
西村 伸一, 柴田 俊文, 小松 満, 吉田 郁政, 珠玖 隆行
配分額:44980000円 ( 直接経費:34600000円 、 間接経費:10380000円 )
広域に多数存在するため池群のリスク評価手法の開発を最終目的とする.達成すべき具体的研究課題は,1)ため池堤体内および基礎地盤の可視化技術の開発;2)広範囲に多数存在するため池のリスクを表現する代替モデルの提案,である.この目的の達成のために,2020年度は,主に次の6項目について検討を行った.
(1)CPTU模型試験装置の開発,(2)クロスホールミューオン試験装置の開発を指向した模型地盤を用いたミューオン探査の基礎実験,(3)斜面走行型スクリューウェイト式サンディング装置の開発,(4)スパースモデリングや新たなデータサイエンス手法を用いた地盤内同定手法の開発,(5)堤防の越流破堤模型実験,(6)堤体破堤リスク手法の開発
本研究の大きな流れは,新たな地盤探査手法の開発→高精度地盤探査の達成→代替モデルによる高精度破堤リスク評価手法の開発であり,上記の(1)~(6)は,これら3項目のいずれかに関わるものである.(1)の模型実験装置は,CPTUを利用して,ため池堤体の透水係数分布を同定するためのものである.これによって,地盤強度,土質,透水係数を同時に同定する実験が可能となる.2020年度は,試験機を設計し,完成させることができた. (5)は,堤体の越流破壊挙動予測手法の開発を目指して行った,(2), (3), (4)は,地盤内部を同定する手法を確立するための実験および解析の研究である.(2)については,試験手法の精度を確認するためにその基礎実験を行った.(3)については,クローラに貫入機を装着させる基礎実験を行い,斜面での実験の可能性を探った.(6)は,豪雨と地震に対するリスク評価手法の開発で,(1)~(5)のすべての要素技術が統合される内容である.2020年度は,社会実装に向けて,応答曲面法を用いたため池のリスク評価手法を開発し,岡山県,広島県のため池に適用している. -
宇宙線ミュー粒子を用いた農業用水路トンネルの補強の評価手法の確立
研究課題/領域番号:20K06297 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
柴田 俊文, 西村 伸一
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本申請課題では,地盤や構造物を透過した宇宙線ミュー粒子を測定し,このデータを用いて農業用水路トンネルの地山の地質不良区間の密度を推定する.そして,数値解析と模型実験を併用してトンネルと地山の相互挙動を明らかにし,耐震補強工法を再現することで,その効果を検討することを目的とする.
宇宙線ミュー粒子の測定手法とその精度を確認するため,大型土槽(中に試料としてまさ土を充填)とモルタル塊を準備し,シンチレータと光電子増倍管で構成された検出装置とサーベイメータを用いた基礎実験を実施した.ここで,モルタル塊は土槽の実験で用いたまさ土と異なる密度に設定した.同時に,実験室内に設置してあるコンクリート塊や実験棟(建物),そして何も設置していない状態に対して,透過したミュー粒子を測定して結果を比較した.
次に,多方向載荷試験を行った.覆工にモルタル(高強度),地山にベントナイトを混入したモルタル(低強度)を用いた供試体を作製し,鉛直方向と水平方向に油圧シリンダーにより荷重を作用させ,供試体の変形状況を確認した.その際,覆工と地山の間に生じている背面空洞の条件を変化させて実験を実施し,その影響を確認した.
数値解析では,有限要素法を用いてモデルを作成した,並行して,ひび割れの再現などの点で精度の高い剛体バネモデル(RBSM)を用いて数値解析を行った.解析モデルでは地山とトンネル覆工,背面空洞を再現し,水平方向から荷重を作用させ,載荷板変位,内空変位,載荷荷重,モデル全体の変形状況,ひび割れ発生状況などについて実験結果と比較した. -
宇宙線を利用した超小型物理探査装置の開発とため池群の広域リスク評価
研究課題/領域番号:19K22349 2019年06月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
西村 伸一, 柴田 俊文, 珠玖 隆行
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
-
豪雨/地震災害リスク予測・評価による農業水利施設(群)の動学的マネジメント
研究課題/領域番号:18H03967 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
村上 章, 西村 伸一, 藤澤 和謙, 渦岡 良介, 福元 豊, 鈴木 誠
配分額:32110000円 ( 直接経費:24700000円 、 間接経費:7410000円 )
平成30年度は初年度の研究遂行にあたり、研究備品3Dプリンタの購入・設置を行った。各研究項目につき、以下の内容を遂行した。
地盤表面及び内部での土の侵食/変形に関して、土の表面で生じる現象のモデリングに取り組んだ。土の表面に作用する流体力(浸透流が表面の土粒子群に与える力)を評価するため、3Dプリンタを用いて一様な粒径を有する疑似的な土試料を作成した。土試料は、一層毎のシートとなっており、これを積み重ねることで、模擬土質試料を完成させた。また、この試料を利用した浸透実験装置を作成し、表層の浸透力の測定に取り組んだ。研究計画のうち「土表面に作用する流体力のモデリング」について、上向き浸透流が土粒子群の表面に与える流体力を調べた。
兵庫県のため池においてUAVを用いて三次元計測を行い、三次元モデル化を実施した。さらに、地中部分も含め、有限要素モデル化を行った。これを用いて三次元有限要素法動的解析を実施し、ため池堤体の三次元安定性を検討した。
一方、ため池堤体を模擬した遠心模型実験とその数値解析を実施した。遠心模型実験ではため池堤体の締固め度、ため池水位の変動、ため池堤体の対策工がため池堤体の地震時変形量に与える影響を検討した。この結果、ため池堤体の締固め度が十分であれば、地震時変形量は抑えられること、ため池水位が急低下した状態では地震時変形量が大きくなること、ため池堤体法尻の排水工が有効な対策であることを明らかにした。
既設管水路を対象として近接する杭基礎構造物を構築するときのリスクを評価するため、アルミ棒を用いた模型実験とその数値解析を実施した。管水路までの水平距離と杭先端からの深さをパラメータにして、影響範囲と大きさを検討した。水平距離では管径の3倍離れると影響はなくなり、1.5倍の位置では杭基礎が傾く可能性が大きくなることを、模型実験と数値解析から明らかにした。 -
インドにおける灌漑システムの調査・診断・評価
研究課題/領域番号:16H02763 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
村上 章, 林 泰一, 西村 伸一, 藤澤 和謙, 濱 武英, 藤原 正幸, 渡邉 紹裕, 福元 豊, 竹内 潤一郎
配分額:37830000円 ( 直接経費:29100000円 、 間接経費:8730000円 )
現地サウンディング調査を継続して実施した。インドのカルナータカ州に位置するバンガロール(Bangalore)周辺にて、2つの貯水池を選定し、貯水堤体の強度分布を調査するため、スウェーデン式サウンディング試験及び簡易動的コーン貫入試験を実施した。調査の実施は2018年12月17~20日に行った。その結果からは、日本のため池堤体と比較すると、高強度のかなり固い堤体表面となっているものの、内部には、低強度の柔らかい土層が存在する特徴があることが判明した。また、詳細な取得データの統計解析により、強度の相関距離の算定等を行った。
Bangalore近郊Tumkurの2つの貯水池で、堤体の内部診断を目的としてスウェーデン式サウンディング試験(SWS)と簡易動的コーン貫入試験(DCP)を実施した。前者は効率的な静的サウンディング法であり、後者は比較的強固な地盤においても適用可能なサウンディング法である。対象としたインドの貯水池の堤防は大変強固であり、SWSのみでは貫入不能であったため、DCPとの混合使用法を提案した。試験結果である地盤の剛性を地質統計学手法によって内挿補間した。
インド・アッサム地方の茶園における水及び窒素循環を明らかとする目的で、対象とする茶園に気象観測機器を設置し、2017年8月より気象データを収集するとともに、2018年3月より地下水位観測のために浅井戸と深井戸に水位計を設置して観測を続けている。観測データは、インド工科大学グワハチ校(IITG)土木学科教員の協力により、日本で確認できるようになっている。さらに、2018年10月より土壌水分計を砂質土と粘質土の土壌に設置して、連続観測を続けている。
インド亜大陸の日雨量記録について、英領インド時代の1890年代から最近の2010年代までのデータ集の構築を進め、インド北東部のアッサム州、メガラヤ州の気象観測を維持した。 -
土構造物の三次元計測と内部診断技術による高精度性能照査にも基づく意思決定法の提案
研究課題/領域番号:16H02577 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
西村 伸一, 柴田 俊文, 小松 満, 吉田 郁政, 珠玖 隆行
配分額:40560000円 ( 直接経費:31200000円 、 間接経費:9360000円 )
南海・東南海地震対策として,ダム,ため池などの農業水利構造物や,海岸堤防,河川堤防に対して耐震性能照査が実施されている.しかし,老朽化した土構造物は,内部の情報が不明確で精度の良い照査が実施できる状況ではない.照査の精度を上昇させるためには,簡便で高密度な現地試験が必要で,サウンディングと物理探査が有望である.本研究では,これらの手法を効率化,高精度化し,それぞれの情報を合成する技術を開発する.一方,近年,三次元計測技術の進展が著しく,構造物の三次元モデル化が容易になりつつある.本研究では,現地試験による内部調査結果と三次元計測結果を統合して,効率的な三次元解析を実施し,土構造物の性能照査を高精度化する.さらにリスク解析を行い,構造物の改修や防災対策の意思決定システムを構築する.
クローラに自動式スウェーデン式サンディング試験装置を結合し,自走式クローラ装着スウェーデン式サウンディング試験機を完成させた.また,スウェーデン式試験機として,音響によって土質判定が同時判定できるものを完成させた.地盤内部の統計モデル化手法の開発を目指してきたが,スパースモデリング手法を利用した地盤内部の地層や地盤物性のモデル化手法を完成させ,実際のサンディング試験結果に応用した.また,UAV(ドローン)による三次元計測を実施した.三次元計測結果に基づいて,有限要素モデルを2つのサイトについて完成させた.さらに,モデルに基づいた有限要素法による地震応答解析を実施し,南海トラフ地震に対する安定性を検討した.豪雨災害に対しては,地盤内部の透水性分布の同定が重要である.堤防の浸透特性を同定するために,CPTの模型実験と同時に,同じ供試体を用いた透水試験を実施し,CPT結果と透水係数の関係式を完成させた.この結果を,河川堤防で実施したCPT結果に適用し,堤防のパイピングリスクを求めることができた. -
事象再現型モンテカルロ計算の効率化とその防災問題への応用に関する基礎的研究
研究課題/領域番号:15K04767 2015年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松保 重之, 西村 伸一, 平山 基
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
効率的なモンテカルロ(MC)法の実現によって、今まで解けなかった問題が解けたり、誤差の大きい計算によって誤った判断を下すことを防ぐことを最終目的としている。MC法とは、乱数を用いる技法の総称なので、計算に用いる擬似乱数を高精度化することで、効率化計算を目指した。具体的には、一様乱数を用いたMC計算を行う場合、MC計算を実施する前に、精確に一様分布に従う擬似乱数列を調べ、その乱数シードを対象問題ごとにデータベース化しておく。実際のMC計算時に、最適乱数シードを用いることで、高精度計算を実現し、ひいては高精度に裏付けされた効率化計算を実現した。開発手法の有効性は、種々の例題を通じて、例証した。
-
ロックボルト補修による水路トンネル・地盤の相互作用評価と補修の方法論の確立
研究課題/領域番号:15K07648 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
柴田 俊文, 西村 伸一, 珠玖 隆行
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
老朽化した農業用水路トンネルの維持管理は社会的懸案となっており,トンネルの損傷を正確に把握することが重要である.矢板工法で施工されたトンネルでは覆工の背面に空洞が施工中・施工後に発生することがあり,この空洞が破壊の主要因となる.そのためトンネルの維持管理には,地山と背面空洞がある覆工との相互挙動の把握が必要となる.また背面空洞の充填前後の相互挙動を把握することも,補強のためには重要である.本研究では,模型実験と数値解析により相互挙動を確認した.その際,局所変形と破壊性状を把握するため,実験結果と解析結果との比較を行った.またロックボルトの効果を把握するため数値解析により内空変位の比較を行った.
-
「応力発光技術」を応用した農業水利施設の健全度診断
研究課題/領域番号:15K18759 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
珠玖 隆行, 西村 伸一, 柴田 俊文
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
本研究では,力の作用によって光を放出する「応力発光」と呼ばれる現象に着目し,応力発光を応用した既設構造物の健全度診断手法の構築を試みた.応力発光材料と呼ばれる材料を,構造物に塗布し,その発光状況を計測し,発光強度のみから構造物に作用する応力が推定できるかを検討した.応力発光塗料を塗布したセメント安定処理土を一軸圧縮試試験に供し応力発光と作用応力を計測した.その後応力発光強度と作用応力の相関を調べ,発光強度の情報のみから作用応力を間接的に推定できることを示した.
-
湖沼・ため池・水路底泥の分級・脱水・改質によるリサイクル回路の構築
研究課題/領域番号:15K14822 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
西村 伸一, 後藤 丹十郎, 村上 賢治, 珠玖 隆行
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
本研究は,ため池,水路,湖沼の浚渫土の再利用促進方法の確立を研究目的とした.第一に,従来のフィルータープレスを改良し,機能を付加し,最適な脱水,透気,吸引,乾燥のプロセスを同定することができた.第二に,脱水乾燥した浚渫土の再利用法を検討した.再利用方法としては,地盤材料として用いる方法を考えた.その結果,乾燥処理は地盤材料の強度増加のために有効であることが分かった.底泥には,農地への施肥による肥料分が多く吸着しており,この肥料分を有効に再利用するため,植栽土壌としての底泥の有効性を検討した.結果,乾燥処理温度が生育に影響を与えることが明らかとなった.
-
豪雨/地震災害リスク評価を考慮した農業水利施設(群)のアセットマネジメント
研究課題/領域番号:26252040 2014年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
村上 章, 中畑 和之, 西村 伸一, 藤澤 和謙, 小林 晃, 鈴木 誠
配分額:40950000円 ( 直接経費:31500000円 、 間接経費:9450000円 )
地震災害リスクと豪雨災害リスクを統合したアセットマネジメントシステムの構築につき、任意年の地震リスク=損失額×地震損失確率を算定し、最終的にLCC=供用年内のリスク+改修費用+維持管理費用を得る。LCCを最小化することで最適な改修および維持管理方法を決定する。この解析を複数の対象地域(ため池群の流域とその下流地域)で実施し、一連の分析を統合化した意思決定システムを完成させた。
上記の研究成果は、論文や口頭発表を通じて公表した。さらに、一般市民向け研究成果公開事業「京都大学アカデミックデイ」にて発表・説明した。 -
発展型システム信頼性理論を用いた農業生産基盤施設群の総合リスク評価システムの構築
研究課題/領域番号:25292143 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
西村 伸一, 藤澤 和謙, 珠玖 隆行, 水間 啓慈, 柴田 俊文
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
本研究では,近い将来の発生が予想される南海・東南海地震や頻発する集中豪雨に備えて,農業生産基盤施設群(水利施設や干拓堤防など)の適切な維持管理を目的とするリスク評価手法の構築を目指した.具体的な成果は次の通りである.1) 盛土構造物の地震時安定性および破堤のメカニズムを明らかにするための実験装置を試作し,盛土構造物の液状化機構を明らかにした.2) 地震時および豪雨時の斜面および構造物の安定性および氾濫被害を予測するための解析手法を開発した.3) サンディングと物理探査を基本とする現地試験法を開発し,現地での実施によって有効性を確認した.4) 農業生産基盤施設群の総合リスク評価法の開発した.
-
オンライン制御泥土脱水・乾燥システムを利用した新土質・土壌材料の開発
研究課題/領域番号:24658204 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
西村 伸一, 藤澤 和謙, 村上 賢治
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
本研究は,多量に発生する泥土に対し,新たな脱水・乾燥および泥土資源化システムを構築した。第一に,改良型フィルタープレス機の開発を行った。このフィルタープレスは,従来の浸透圧密型の機械に,圧密→吸引→透気というサイクルを加え,脱水の効率性を高めるものである.第二に,処理土の土質・土壌新材料としての開発を行行った.乾燥処理を施した土を,土質材料として再利用する場合と,植栽土壌として使用する場合を検討し,材料としての有用性を確認した.
-
データ同化による越流侵食リスクに基づく農業水利施設(群)のアセットマネジメント
研究課題/領域番号:23248040 2011年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
村上 章, 西村 伸一, 柴田 俊文, 藤澤 和謙, 小林 晃, 中村 和幸, 鈴木 誠
配分額:40560000円 ( 直接経費:31200000円 、 間接経費:9360000円 )
ため池を中心とした農業水利施設(土構造物)について、研究代表者および研究分担者がそれぞれ開発してきたデータ同化・侵食予測モデル・地震被害リスクを融合させて機能診断技術を深化・発展させるとともに、資産管理や費用便益・公会計の概念を付加して農業水利施設を、社会的便益を供給する社会資本/資産とみなした「ため池(群)のアセットマネジメント」システムを構築した。これは従来からある農業水利施設ストックマネジメントにおける機能診断を高度化させ、農業水利ネットワークの保全を図るものであり、実用に供しうる成果を目指した。また、本研究で開発するシステムは,河川堤防などの社会基盤施設にも適用可能である。
-
統計数理手法を用いた汎用的逆解析システムの開発:性能設計/維持管理への応用
研究課題/領域番号:23656297 2011年 - 2013年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
村上 章, 西村 伸一, 藤澤 和謙, 西山 竜朗, 中村 和幸, 鈴木 誠
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
統計数理の方法(アンサンブルカルマンフィルタ/粒子フィルタおよびEMアルゴリズム)を援用して、今までにない斬新な逆解析システムを構築した。従来困難であった弾塑性パラメータの同定を欠測や観測誤差がある場合が解決されるばかりか、土構造物を始めとする各種構造物の維持管理に必要な空洞などの欠陥同定についても、複数の欠陥を容易に求める可能性を有する。地盤模型実験の観測値を用いた解析を行い、得られるパラメータの精度を検証した。さらに、地盤や土構造物に関する実施工観測や各種構造物の機能診断事例を収集し、時系列解析によって観測誤差の統計的性質を検討したうえで、実問題に対する適用性を明らかにした。
-
土構造物ストックマネジメントのための統合化計測/データ同化による機能診断システム
研究課題/領域番号:20380136 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
村上 章, 西村 伸一, 西山 竜朗, 柴田 俊文, 藤澤 和謙, 鈴木 誠
配分額:19760000円 ( 直接経費:15200000円 、 間接経費:4560000円 )
土構造物を対象として、そのストックマネジメントに必要な統合化計測~データ同化・機能診断~リスク評価~LCC算定の総合的なシステムの確立を目論んだ。研究期間において、高精度表面波探査装置を岡山市内ため池堤体に持ち込み、相関式を用いてN値空間分布を求め、堤体と地山の境界が明確であることなど基本的な特性を把握した。さらに、データ同化を用いた土構造物の劣化判定を試み、豪雨によるため池破堤のリスクおよびLCC算定法を提案した。
-
軟弱地盤上構造物の長期残留沈下に対する維持管理を対象とした信頼性設計
研究課題/領域番号:20580264 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
西村 伸一, 村上 章
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
本研究は,軟弱地盤上に施工された農業土木構造物(干拓堤防など)の維持管理を目的とした最適設計を目指したものである.軟弱地盤上の構造物において,改修等で載荷が生じた場合に予想される長期の圧密沈下を対象とした.ここでは,長期残留沈下予測を適切に行う簡便な手法を開発し,これに基づいて,供用期間内のライフサイクルコスト最小化に基づく最適設計問題を信頼性設計理論の立場から議論した