共同研究・競争的資金等の研究 - 佐藤 あやの
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アルデヒドパラドックスの分子基盤の確立と食品成分による制御
研究課題/領域番号:23K26854 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中村 宜督, 松本 明子, 佐藤 あやの, 中村 俊之
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角化細胞における細胞内輸送を介したメラニン量調節の分子機構の解明
研究課題/領域番号:22K06128 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐藤 あやの
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糖タンパク質の革新的合成法の確立と翻訳後修飾の機能解明に向けた統合的アプローチ
研究課題/領域番号:21H05028 2021年07月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
梶原 康宏, 武田 陽一, 佐藤 あやの, 和泉 雅之, 川本 晃大
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日本人特有の遺伝的背景が機能性食品成分の代謝・生理機能に与える影響
研究課題/領域番号:20H02933 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
中村 宜督, 松本 明子, 増田 潤子, 佐藤 あやの, 中村 俊之
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
本申請課題では、代表的な機能性食品成分であるケルセチンとイソチオシアネート(ITC)に注目して、日本人特有の遺伝的背景であるALDH2変異が機能性食品成分の代謝・生理機能に与える影響を明らかにすることを目的とした。以下に、本年度の具体的な成果を示す。
1)昨年度確立した薬物代謝酵素活性が高い肝臓培養細胞モデル(マウスHepa1c1c7)を用いて、ケルセチン腸内細菌代謝物の3-ヒドロキシフェニル酢酸(OPAC)にALDH活性増強作用及びアセトアルデヒド毒性に対する保護作用を見出した。OPACは抗酸化作用を示さないだけでなく、Nrf2も活性化せず、AhR依存的に総ALDH活性を増強することにより、アセトアルデヒド誘導細胞毒性を緩和したことから、ポリフェノールのなかでも非常にユニークな生理活性発現機構を持つことが示唆された。
2)皮膚培養細胞モデル(ヒトHaCaT)を用いて、ケルセチンのアセトアルデヒドに対する保護作用とそのメカニズムを明らかにした。ケルセチンは第2相薬物代謝酵素群や細胞内グルタチオン量を上方調節することで細胞内抗酸化活性を増強し、アセトアルデヒド誘導酸化ストレスを軽減することが示唆された。
3)肝臓培養細胞モデルを用いて、米抽出物とα-トコフェロールの細胞内抗酸化活性の増強作用を見出した。抽出物レベルでは、白米に玄米と同等の抗酸化潜在能力があることが示唆された。
4)ALDH2ノックアウトマウスとLC-MS/MSを用いて、ケルセチン摂取後のケルセチン代謝物(グルクロン酸/硫酸抱合体)の血中動態を解析したところ、野生型とほぼ同様であることを観察した。 -
低線量・低線量率放射線被ばくが疾病モデル動物の全身免疫能に及ぼす影響
研究課題/領域番号:18K09780 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
高山 英次, 佐藤 あやの, 一戸 辰夫, 本庶 仁子, 中田 隆博, 藤井 元, 徳野 慎一, 石塚 俊晶, 守本 祐司, 近藤 信夫, 神谷 真子, 川木 晴美, 梅村 直己
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
広島大学原爆医科学研究所の動物飼育施設において、5週齢のマウスを購入して一週間馴化させ、7週齢で全身免疫能が増強される低線量の放射線被ばく後24時間以内に放射線障害治療を施し、全身免疫能、腫瘍の生着、および担がんマウスの生存日数を調べた。
(4)放射線被ばく後の治療が全身免疫能に及ぼす影響:低線量の放射線被ばくのみのマウスに較べ、被ばく後の放射線障害治療で全身免疫能の増強がみられた。
(5)放射線被ばく後の治療が腫瘍の生着に及ぼす影響:放射線被ばく後に腫瘍を移植した3週後に、低線量の放射線被ばくのみのマウスに較べ、被ばく後の放射線障害治療で腫瘍の生着に改善がみられた。
(6)放射線被ばく後の治療が腫瘍の生着に及ぼす影響:放射線被ばく後に腫瘍を移植した7週後までで、低線量の放射線被ばくのみのマウスに較べ、被ばく後の放射線障害治療で生存率に改善がみられた。
これまでの結果の再現性を確かめるとともに、研究成果の発表準備を進める。 -
新規分泌阻害剤の標的分子の探索によるゴルジ体維持と分泌に重要な因子の同定
研究課題/領域番号:18K06133 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐藤 あやの
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
分泌を阻害するビスインドール含有化合物を見出した。分泌阻害剤は膜輸送の分子機構の解明に寄与していることから、この分泌阻害剤(Bisindole)の特性を明らかにした。Bisindole は、既知の分泌阻害剤である Brefeldin A や Golgicide A と同様にゴルジ体を破壊する。既知の分泌阻害剤がグアニンヌクレオチド交換因子を膜に捕捉して作用するのに対し、Bisindoleはしなかった。Rab6a/a'やダイニンを枯渇させると、Bisindoleの細胞内作用が中和されることから、微小管に依存するRab6を介した輸送経路に影響を与える可能性が示唆された。
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精密合成した糖タンパク質プローブを用いるゴルジ装置内糖鎖構造管理機構の解明
研究課題/領域番号:17H01214 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
梶原 康宏, 佐藤 あやの
配分額:39650000円 ( 直接経費:30500000円 、 間接経費:9150000円 )
新規に確立した方法で合成した糖タンパク質をもちいて、水素重水素交換質量分析実験をおこない、糖鎖周辺の重水素化の交換速度が他のタンパク質表面と特異に違うことを見出した。また、化学合成し、かつフォールディングした糖タンパク質を生細胞のゴルジ体内に挿入することに成功した。糖タンパク質の糖鎖周辺のタンパク質表面を疎水性から親水性に変化させ、細胞培養するとN型糖鎖の分枝数の変化がおこることが明らかになった。遺伝子機能欠損によるゴルジ体の変化の構造の詳細を解析した。このゴルジ体の構造の変化によって細胞表面の糖鎖の構造が変化することを見出した。
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酵母全遺伝子スクリーニングによる食品成分標的遺伝子の同定とその発現調節機構の解明
研究課題/領域番号:17H03818 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
中村 宜督, 佐藤 あやの, 守屋 央朗, 中村 俊之
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
出芽酵母の遺伝子綱引き法(gTOW法)を用いた新たな評価モデル系を用いて、機能性食品成分ベンジルイソチオシアネート(BITC)の耐性遺伝子を探索し、酵母全6000遺伝子の中から12遺伝子を同定した。さらに、BITC耐性遺伝子の一つMTW1のヒトホモログ(Mis12)安定過剰発現ヒトがん細胞株を樹立し、これがBITCに対する高い抵抗性を示すこと、ノックダウンは逆に感受性が高まることを示した。また、Mis12はBITCにより翻訳後修飾を介して発現が下方調節され、細胞周期依存的にアポトーシスへの感受性を高めることによって、BITCの大腸がん細胞増殖抑制作用に貢献することが示唆された。
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口腔扁平上皮癌モデル動物の抗腫瘍免疫能に低線量・低線量率放射線被ばくが及ぼす影響
研究課題/領域番号:15K11096 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
高山 英次, 一戸 辰夫, 佐藤 あやの, 増田 潤子, 近藤 信夫, 川木 晴美, 神谷 真子, 梅村 直己, 中田 隆博, 本庶 仁子, 足立 誠
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
同系マウス腫瘍細胞株を皮下および静脈内に移植した、原発巣および肺転移巣モデルを確立した。骨髄球由来サプレッサー細胞(MDSC)は、原発巣モデルで増加した。CD4+およびCD8+T細胞およびCD4+Foxp3+T細胞は、原発巣モデルにおいて有意に減少した。さらに、原発巣モデルでTh1免疫能が増強した。原発巣モデルのTh1免疫能増強は、IL-4、IL-9およびIL-10産生能の減弱により特徴付けられた。肺転移巣モデルでは、IL-10産生が増強した。これらの結果は、腫瘍発生の様式が全身性免疫に異なる効果を及ぼし、癌患者の治療へのアプローチに影響を及ぼし得ることを示唆している。
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細胞内輸送の高効率化とゴルジ体構造変化に関わるゴルジンタンパク質の機能解析
研究課題/領域番号:26440055 2014年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐藤 あやの, 西野 邦彦, 西野 美都子, 仁科 勇太
配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )
これまでに、ゴルジンタンパク質群のひとつであるgiantinをノックダウンすると分泌が上がること、ゴルジ体の構造に変化が起こることを示した。本研究課題では、この現象に関わる分子機構を明らかにすることを最終的な目的とし、電子線トモグラフィーなどを用いゴルジ体の構造を詳細に解析した。また、この間、分泌調節に関わる新規小分子を発見したため、新規分子の特徴付けを合わせて行なった。本研究課題の期間は終了したが、引き続き、これらの解析や新規分子のターゲットの探索を行う予定である。
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ゴルジンタンパク質によるゴルジ嚢の長さ調節とカーゴ輸送調節の分子機構解明
研究課題/領域番号:23570167 2011年 - 2013年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐藤 あやの
配分額:5590000円 ( 直接経費:4300000円 、 間接経費:1290000円 )
申請者は、分泌や輸送における中心的な役割を果たす細胞内小器官であるゴルジ体、とその周辺輸送に関わるゴルジンタンパク質群に関して研究を進めている。本研究では、ゴルジンファミリーに属する、Giantinが、細胞内の輸送とゴルジ体形成を調節するということを明らかにした。これらの事実は、Giantinの発現量を変化させることによって細胞内輸送や分泌を調節することができるということを意味する。つまり、Giantinを標的として、分泌調節薬の開発が可能であることを示唆する。