共同研究・競争的資金等の研究 - 早野 暁
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空間情報に紐づけられた遺伝子発現解析から探る口蓋裂発生機序の解明への挑戦
研究課題/領域番号:22K19624 2022年06月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
上岡 寛, 早野 暁, 大野 充昭
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顎顔面領域先天性疾患の骨リモデリングを規定するエピゲノム制御機構の統合的理解
研究課題/領域番号:22H03297 2022年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
井澤 俊, 加治屋 幹人, 早野 暁, 上岡 寛
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後天的な顎骨形態決定の鍵となる遺伝子の同定とそれに基づく不正咬合抑制への新戦略
研究課題/領域番号:22K10271 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
河野 加奈, 早野 暁, 山城 隆, 上岡 寛
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口蓋突起の癒合におけるFilamin Aを介した上皮間葉転換の分子機序の解明
研究課題/領域番号:22K10245 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
早野 暁, 宝田 剛志, 井澤 俊
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喫煙によるダイオキシン受容体を介した口腔組織修復の破綻メカニズム解明への挑戦
研究課題/領域番号:21K19602 2021年07月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
井澤 俊, 加治屋 幹人, 早野 暁
担当区分:研究分担者
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
近年、内分泌撹乱物質を含む喫煙が口唇口蓋裂のリスクファクターであることは疫学的にはよく知られた事実であるが、そのメカニズムは十分に明らかにされていない。タバコの煙には発癌性物質が100種類以上含まれていることが知られているが、その中で最も強力な化学物質の一つがベンツピレン(benzo[a]pyrene;B[a]P)である。最近、マクロファージにおけるアリルハイドロカーボン受容体(AhR)シグナルとヘテロ二量体を形成する低酸素応答遺伝子HIF-1が口蓋粘膜の創傷治癒に重要な役割を果たしていることを我々は明らかにしてきた(Sci Rep 2021, IJMS 2021, Oral Dis 2022 すべて責任著者として発表・報告)。そこで今回、マクロファージにおけるB[a]P等が結合するAhRシグナル伝達経路に着目し、喫煙などの外的因子による口蓋粘膜創傷治癒に及ぼす影響について検討した。in vivo実験系としてB[a]Pを経口投与後、野生型マウス及びAhR欠損マウスの口蓋粘膜に創傷を作製後その治癒過程における形態学的観察を行った。in vitro実験系としてマクロファージをB[a]Pで刺激後に遊走能、細胞内シグナル伝達や各種サイトカイン産生能の解析を実施した。タバコ煙中に含まれるB[a]Pを野生型マウスへ経口投与した結果、口蓋粘膜の創傷治癒が遅延していることが肉眼的および病理組織学的解析により明らかとなった。一方でAhR欠損マウスへの投与では口蓋粘膜の創傷治癒に変化を認めなかった。さらに、野生型マウスへのB[a]Pの経口投与群ではM1マクロファージの集積が優位となり、組織修復M2マクロファージの集積は減少していた。以上のことから、B[a]P/AhRシグナル伝達経路により活性化したマクロファージの亜型プロファイルの制御が口蓋粘膜創傷治癒における治療標的となることが示唆された。
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生体ボリュームイメージ解析を用いた骨細胞のメカノセンサー機能獲得過程の解明
研究課題/領域番号:19H03859 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
上岡 寛, 植田 紘貴, 早野 暁, 亀尾 佳貴, 原 徹
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
2019年度に機械学習を用いた今後の生体ボリュームイメージ解析が可能となり、本年度は、本研究を進めることのボトルネックとなっていた輪郭抽出の時間を大幅に縮小できることが確認できた。この手法を用いて新たにNIMS(つくば市)で骨細管の生体ボリュームイメージ解析を行う予定であったが、コロナウイルス感染の影響で現地での移動が困難となり新しいデータを用いた各種条件設定を変えた研究が進められなかった。そのために、既存の生体ボリュームイメージデータを用いて、今後の研究に必要である骨細管内での流体剪断応力をシミュレートするコンピュータ上での実験を先行し、細管に体液が流れたときに骨細胞突起表面に与える変形量を測定した。この結果を研究分担者の亀尾先生(京都大学)と国際雑誌に投稿している。また、平行して行った骨細胞周囲のスクレロスチン蛋白の機械的刺激による分布の違いについて、検討をおこなった。これは流体剪断応力により骨細胞から産出された蛋白が骨に加えられた力により骨深部から表層へ移動することを示すこととなり、今後、我々が観察していく機械的刺激による骨細胞の活性化とともにその産生された蛋白の輸送の実態についても重要な意味をもつと考えられる。また、機械的刺激を受けた骨細胞が骨細管を介して、情報の伝達を行っていることに関しては、Springer社からの依頼を受けて、我々の方法をMethods Mol Biolに方法論として公表した。
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I型インターフェロンが顎顔面の形態形成に及ぼす影響
研究課題/領域番号:19K10381 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
早野 暁, 川邉 紀章, 宝田 剛志
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の目的であるI型インターフェロンの機能亢進による全身性骨形成不全の発生機序を解明するため、Singleton-Merten Syndrome 患者および対照群となる健常患者の抜去歯から間葉系幹細胞を単離し、骨芽細胞への分化を試みた。また同時に、健常患者の抜去歯から単離した間葉系幹細胞にI型インターフェロンのリコンビナントプロテイン(IFN-alfa-2a, IFN-alfa-2b, IFN-beta)添加した実験群と、同じく健常患者由来の間葉系幹細胞にI型インターフェロンを添加しない対照群とで骨芽細胞への分化を試みた。どちらの実験でもI型インターフェロンが亢進している群において、重度の骨芽細胞への分化抑制が認められた。興味深いことに後者の実験から骨芽細胞への分化抑制は特にIFN-betaにおいて著しいことが分かった。
これら一連の結果の原因を解明するため、培養後の細胞からRNAを単離し、qPCR法によって骨芽細胞分化マーカー、p53経路の活性、細胞死の状況を確認した。我々の当初の仮説では、I型インターフェロンの機能亢進が間葉系幹細胞においてp53細胞死経路を活性化することで骨芽細胞への分化抑制が生じていると考えていたが、予想に反してp53細胞死経路の活性化はI型インターフェロン亢進群では見られなかった。つまり、I型インターフェロンによる骨芽細胞への分化抑制はアポトーシスによるものではない可能性が示唆された。
この結果はSingleton-Merten Syndrome の全身性骨形成不全の原因を解明する上で非常に重要な情報だと言える。 -
顎顔面領域骨代謝性疾患におけるエピゲノム制御による新規骨リモデリング機構の解明
研究課題/領域番号:18H03011 2018年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
井澤 俊, 川邉 紀章, 早野 暁, 植田 紘貴, 松本 健志, 竹下 淳, 泰江 章博, 岩浅 亮彦, 森 浩喜, 常松 貴明
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
本研究課題では、ダイオキシン受容体AhRの外因性リガンドB[a]P及び内因性リガンドFICZなどの種々のAhRリガンドを使用して破骨細胞を含めた下顎頭骨吸収へのメカニズムについて解析を行った。B[a]P投与マウスでは、下顎頭において破骨細胞の活性上昇による骨量の減少、Cyp1a1の発現上昇を示した。過開口によるTMJ-OAモデルマウスを用いてFICZによる顎関節部への影響を検討した結果、過剰な破骨細胞集積の減少傾向がみられた。一方TMJ-OAモデル下顎頭ではFICZ投与によりCyp1a1の発現低下がみられた。さらにインビトロFICZ添加により破骨細胞形成能およびCyp1a1発現の低下を認めた。
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神経が顎顔面形成に与える影響を考える-顔面半側萎縮症と顔面半側肥大症の病因解明-
研究課題/領域番号:18K09832 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
川邉 紀章, 植田 紘貴, 早野 暁, 岡村 裕彦, 宝田 剛志
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では、三叉神経および顔面神経が、成長期の顎顔面領域の形態形成に及ぼす影響を明らかにする実験を行なった。ラットの三叉神経および顔面神経の神経活動遮断実験や神経活動賦活化実験を行った結果、切歯の形成速度の低下や歯髄の石灰化、エナメル芽細胞や象牙芽細胞の配列の乱れが認められた。また、Sonic hedgehog(Shh)遺伝子欠損マウスとShh遺伝子発現マウスを解析した結果、長期の顎顔面領域の形態形成にShhの影響と思われる骨や歯の形態の変化が観察された。蛍光生体イメージングを用いた実験を行った結果、神経活動遮断・賦活化の有無による特徴的な幹細胞の動態は観察されなかった。
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骨細胞性骨溶解を基軸とした歯牙移動制御機構の解明
研究課題/領域番号:17H04413 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
石原 嘉人, 飯村 忠浩, 早野 暁, 上岡 寛
配分額:16770000円 ( 直接経費:12900000円 、 間接経費:3870000円 )
矯正学的歯の移動に伴う歯槽骨の改造は、骨芽細胞と破骨細胞によるメカニカルストレス由来の骨代謝調節で制御されていると考えられてきた。本研究は、矯正学的歯の移動で起こる歯槽骨改造において歯根膜と骨細胞が及ぼす影響をSOST/Sclerostinに着目し、その制御に関与する調節機構を検討した。その結果、歯根膜由来のSclerostinが骨細胞のSclerostinに作用することで骨代謝を調節することを見出し、細胞内カルシウムの変動が上記の調節を司る可能性を示した。
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iPS細胞を用いた頭蓋顔面形成異常を伴う先天疾患の発生機構解明方法の樹立
研究課題/領域番号:17K17323 2017年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
早野 暁, 嶋田 明, 斎藤 潤, 上岡 寛, 川邉 紀章, 福井 裕子
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
本研究では頭蓋顔面の形態異常を伴う先天性希少疾患であるダイアモンドブラックファン貧血に着目し、患者由来の細胞から樹立したiPS細胞を用いてその頭蓋顔面形態異常の発生機構について解析を行った。その結果、特に軟骨細胞においてリボソームタンパクがMDM2を介したp53細胞死経路を活性化し、軟骨細胞死を引き起こしていることが示唆された。
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骨梁形成における細胞極性の関与について
研究課題/領域番号:16K15837 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
上岡 寛, 坂元 尚哉, 早野 暁
配分額:3510000円 ( 直接経費:2700000円 、 間接経費:810000円 )
骨芽細胞株Saos2にsiRNAを用いたNesprin-1のノックダウン実験を行った。Si-Nesprin1を導入することで、Nesprinの核局在が減少していることを確認した。さらにsi-Nesprin1が蛋白レベルでの発現を抑制していることが確認された。
次に、凹凸表面構造を用いたノックダウン細胞の極性変化を観察した。しかし、細胞の配列において有意な差は認められなかった。メカニカルストレスにおけるSaos2の極性に与える変化をみるため細胞の伸展実験を行った。しかしながら、Saos2ではメカニカルストレスに対する極性の変化はみられなかったためにNesprinの関与を検討するに至らなかった。 -
研究課題/領域番号:15H06423 2015年08月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
早野 暁
配分額:2730000円 ( 直接経費:2100000円 、 間接経費:630000円 )
本研究では、歯および四肢発生時の形態形成におけるBMPシグナリングの役割について検討を行った。歯および四肢発生時にプログラム細胞死が生じる部位にBMPリガンド、リン酸化SMADの発現が亢進することが分かった。さらに、胎生期マウスから単離した歯および四肢をp53細胞死経路阻害薬と共に器官培養し、分子レベルでの解析を行った結果、p53細胞死経路が歯および四肢発生時の形態形成に重要な役割を果たしている可能性が示唆された。