共同研究・競争的資金等の研究 - 嶋吉 隆夫
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軽量コンテナによる大規模高集積メールホスティング基盤における送信機能の高機能化
研究課題/領域番号:20K11791 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
笠原 義晃, 嶋吉 隆夫
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究課題で開発する高集積メールサービス基盤の基本的な検証環境の構築に向けて、今年度は昨年度発案した送信メール集約用透過型SMTPプロキシに関する研究開発を中心に推進した。透過型SMTPプロキシの有効性を実証する予備実験と、プロトタイプ実装を進め、2021年5月開催の「マルチメディア、分散、協調とモバイル(DICOMO2021)シンポジウム」で発表した。
その後、本課題で調達したクラウド上のベアメタルサーバを利用し、透過型SMTPプロキシを中心としたメールサービス検証環境の構築を進めた。本課題では、自分が運用するメールホスティング環境が宛先のメールサービスからセキュリティ対策による何らかの措置を受けた場合の検知と対応を柔軟に行えることを目指しているため、インターネット上の実サーバに対するメール送信と情報収集を試みたいと考えていたが、悪性メールに見えるメールを自分から送信するのは問題があるため、まずは一旦メールを外部から受けて他のアドレスに転送できるような環境を構築し、転送によって他のメールサービスにメールを送信する際のセッション情報を収集することとした。本課題では本システムからのメール送信機能に主眼を置いているため、一旦メール受信機能については最低限の機能のみ実装することとして構築を進めた。開発環境と検証環境の違いによる技術的な制限により構築に時間を要したため、本年度中には実際にメールの送受信と情報収集を実施するには至らなかった。 -
個体差を考慮した細胞数理モデルの構築・解析手法の開発
研究課題/領域番号:20K12064 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
嶋吉 隆夫, 竹田 有加里
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
細胞を構成するタンパク質などに対する生理学実験データには個体差によるばらつきが生じる。分子レベルの生物物理学的現象についての生理学実験データから同定した要素モデルを集約して構築した包括的細胞モデルでは,従来,実験データに含まれる個体差によるばらつきを考慮せずにパラメータ値を点推定しており,細胞レベルのマクロな振る舞いにおける個体差による差異は再現できなかった。
前年度には,細胞を構成する機能タンパクであるイオンチャネルの一種類に対する生理学実験結果である,チャネル開閉間隔のヒストグラムデータを対象として,単一のヒストグラムに対して,ベイズ推論の手法であるMCMC法により,データのパラメータ値分布を推定した。一方,イオンチャネルゲーティングの時間的状態変化を表現する複数状態マルコフ状態遷移モデルについて,そのモデルパラメータを求めるには複数のヒストグラムを用いる必要がある。
そこで令和3年度は,まず,あるモデルパラメータが与えられたときにヒストグラムのデータパラメータを算出する方法を導出した。なお,この算出では,線形代数計算が必要である。次いで,Python言語の確率計算ライブラリであるPyroを用いて,その実装を試みた。しかし実装を進めるうちに,Pyroでの計算には,実装上および計算性能上の大きな問題があることが分かり,Pyroを用いた実装は断念した。その後,C++言語によるMCMC法の実装であるStanを用いて実装する方法を検討している。
MCMC法によるパラメータ推定の実現に遅れが生じているが,分担者の竹田は,並行して,本課題で最終的に必要となる実験データの取得のための生理学実験を実施した。 -
心筋細胞におけるミトコンドリア機能の細胞内不均一性とその生理的役割の解明
研究課題/領域番号:18K06869 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
竹内 綾子, 嶋吉 隆夫
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
マウスから単離した心室筋細胞を用いて、ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体NCLXと筋小胞体CaポンプSERCA、筋小胞体RyR受容体、細胞膜Na-Kポンプとの蛍光二重免疫染色をそれぞれ行った。超解像顕微鏡システム(ニコンN-STORM;デモ機を利用した)により取得した画像を用いて、NCLXとこれらの分子との共局在解析を行った。その結果、Manders’ coefficientsは、SERCA>RyR>Na-Kポンプの順となり、NCLXとSERCAが最も近い位置に局在することが示唆された。
細胞内構造リモデリング時におけるミトコンドリア機能、ならびに心室筋細胞機能の変化を評価するために、T管破壊の条件を確立した。細胞膜感受性蛍光色素di-8-ANEPPSを負荷した心室筋細胞を1.5 M ホルムアミドで処理すると、sarcolemma由来のシグナルは保持したままT管由来のシグナルがほぼ完全に消失した。すなわち、著しいT管破壊が誘発されることが確認できた。また、蛍光色素TMREを用いてミトコンドリア膜電位を評価したところ、T管破壊によりミトコンドリア膜電位は著しく脱分極していた。一方、control細胞、T管破壊細胞いずれにおいても、細胞内の位置によるTMRE蛍光強度の不均一性は検出されなかった。
既に構築した心室筋細胞数理モデルに、NCLX、SERCA、RyR分子の局在を考慮できるよう新たなコンパートメントを導入し、動作確認を行った。 -
ミトコンドリア-筋小胞体連関による心臓リズム・エネルギー代謝制御機構の解明
研究課題/領域番号:15H04674 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松岡 達, 竹内 綾子, 疋田 正喜, 嶋吉 隆夫, 飯野 哲, 堀口 和秀, 深澤 有吾
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
ゲノム編集技術を用いてNCLXノックアウトマウス作成に成功した。一部のホモNCLXノックアウトマウスは低体重、心臓異常、腎臓異常等の表現型が認められた。マウス心臓のランゲンドルフ灌流において、NCLX阻害剤(CGP-37157)は心拍数を減少させる傾向があった。CGP-37157は、マウス単離心室筋細胞の30%及び50%活動電位持続時間を延長し、Ca2+トランジエントを増加した。NCLX抑制により筋小胞体Ca2+含量が増加したためと考えられた。心臓ミトコンドリアの新しい包括的数理モデルを開発し論文発表した。また、ミトコンドリア-小胞体連関を考慮した新しい洞房結節細胞数理モデルを開発した。
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研究課題/領域番号:26540028 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
嶋吉 隆夫, 天野 晃
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
反復処理により問題を解く数値解法を対象にした形式言語を用いた数値解法の形式記述から,数値計算のソースコードを自動生成する枠組みを開発した.形式言語では,数値解法を手続きではなく数学的に漸化式として定義し,プログラミング言語に依存しない表現として数式を用いて宣言的に記述する.この宣言的記述で定義される数式とそこに含まれる数学変数の依存関係を解析することで,記述した数値解法の計算手続きが,半順序関係として抽象的な形式で得られる.この抽象的計算手続きから,具体的なプログラミング言語によるプログラムコードを出力可能である.
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研究課題/領域番号:22136004 2010年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
天野 晃, 國枝 義敏, 嶋吉 隆夫
担当区分:連携研究者 資金種別:競争的資金
配分額:62660000円 ( 直接経費:48200000円 、 間接経費:14460000円 )
本研究では、形式的に記述された細胞の機能モデルを元に、多数の細胞で構成される臓器モデルの記述を行い、さらに、複数の細胞で構成される臓器モデルについて、細胞ごとに時間スケールや空間スケールが異なる複雑な計算スキームを記述した計算方法記述ファイルを用いて大規模並列計算機でシミュレーションを行うシミュレーションプログラムを自動生成するシステムを実現した。
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研究課題/領域番号:21700481 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
嶋吉 隆夫
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
医療・創薬応用が期待されている細胞の生理的機能動態に関するモデルの開発を促進することは非常に重要である。本研究では、まず、細胞の生理学モデルにおいて参照される語彙集合を定義するための細胞生理学オントロジを設計、構築し、形式的に記述された細胞モデルに対して意味情報を付加する方法を提案した。さらに、モデルに付加された意味情報を活用して新たなモデルの構築を知的に支援する手法を開発した。