共同研究・競争的資金等の研究 - 前田 恵
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ヒノキ科花粉症に対する次世代アレルゲン免疫療法の開発
研究課題/領域番号:JP24ek0410129 2024年07月 - 2027年03月
国立研究開発法人 日本医療研究開発機構 【重点領域】アレルゲン免疫療法の開発または改善に資する研究
岡野 光博, 前田 恵ら
担当区分:研究分担者
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新規食品素材「アクアファバ」に含まれる遊離型オリゴ糖・ペプチドの構造と機能解析
研究課題/領域番号:21K02101 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
木村 万里子, 前田 恵, 山下 弘高, 吉田 和利, 藤田 裕之
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
①豆煮汁からの遊離型オリゴ糖の精製および化学構造解析:6種の豆類(大豆,ひよこまめ, 手亡, 小豆, えんどう, レンズまめ)から,一般的な餡の製造工程に準じて2時間加熱して煮汁を調製し,それらの凍結乾燥物を得た。次に,各凍結乾燥物から,50%エタノール分画,陽イオン交換によりオリゴ糖画分を調製し,順相HPLC-RI及びLC-ESI-MSでラフィノース族オリゴ糖の定量分析を行った。その結果,ひよこまめ煮汁はラフィノースの,大豆,ひよこまめ,小豆およびえんどうの煮汁はスタキオースの良い供給源として利用できる可能性が認められた。小豆と手亡の煮汁中にN-グリカン(M8,M3FX)の存在も認められたものの,今回定量には至らなかった。
②豆煮汁由来オリゴ糖の機能性解析:豆煮汁オリゴ糖画分のプレバイオティック効果は,4種のビフィズス菌において有意に認められたものの(p<0.01),N-グリカンの増殖活性は認められなかった。
③ 豆煮汁からのACE阻害ペプチドの精製および化学構造・機能解析:6種の豆煮汁から,上述①と同じ手法でペプチド画分を調製し,さらにODSカラムと逆相HPLCに供してACE阻害活性ペプチドを単離した。活性ペプチドの構造解析は,MS/MS分析,プロテインシークエンサーにより行った。ACE阻害活性測定は,合成基質から遊離する馬尿酸をHPLCで定量する手法により行った。
④ 各種「アクアファバ」の泡の物性および嗜好性:3種(ひよこ豆、小豆、手亡)の豆煮汁を一定条件下で泡立て光学顕微鏡観察を行ったところ,豆の種類により泡沫の状態(安定性や泡直径など)が異なることが認められた。 -
機能性糖鎖ポリマーの合成と花粉アレルゲン特異的Th2免疫応答の抑制活性解析
研究課題/領域番号:18K05559 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 恵
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
植物抗原性糖鎖の骨格構造であるMan3Fuc1Xyl1GlcNAc2(M3FX)はスギ花粉症患者のTh2免疫応答を有意に抑制することが明らかになっているが,その抑制メカニズムは未だ解明されていない。また,スギやヒノキ花粉アレルゲンに特徴的に発現しているM3FXの非還元末端がルイスa抗原で修飾された糖鎖のTh2免疫応答における活性については明らかにされていない。そこで昨年度は,オオカナダモの糖タンパク質からルイスa抗原含有糖鎖を多量精製し,多価に結合させた糖鎖ポリマーを作成し,ヒト単球細胞株THP-1細胞から誘導した樹状細胞様細胞株について抗原提示やmaturationへの糖鎖ポリマーによる影響を解析してきた。しかしながら,オオカナダモはエンドトキシン混入の可能性があり,これまではルイスa抗原含有糖鎖の多量調製源としてオオカナダモを用いていたが,免疫活性解析に適さない恐れがあった。そこで本研究では貯蔵タンパク質を多く含み,ヒトが食用としているイモ類に着目し,4種類のイモを用いて貯蔵タンパク質の糖鎖構造解析を行った。まず,サトイモ(親芋および子芋),サツマイモ,ナガイモの貯蔵タンパク質から,ペプシン消化,陽イオン交換,ゲルろ過により糖ペプチドを調製した。ヒドラジン分解,ピリジルアミノ化(PA化),RP-/SF-HPLCによりPA糖鎖を精製した後,エンドおよびエキソグリコシダーゼを用いた逐次酵素消化法,MS, MS/MSにより糖鎖構造解析を行った。その結果,全てのイモ類貯蔵タンパク質糖鎖の主要構造は植物抗原性糖鎖であった。また,サトイモ貯蔵タンパク質にはルイスa抗原含有糖鎖がオオカナダモ由来糖タンパク質と同程度(約0.4 nmol/g)結合していた。
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抗花粉症薬剤の開発を目指した機能性糖鎖ポリマーの作製と細胞性免疫活性解析
研究課題/領域番号:15K07841 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 恵, 木村 吉伸, 岡野 光博
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
植物複合型糖鎖によるスギ花粉アレルゲンCry j1特異的Th2免疫応答の抑制機構を解明するため,3種類の糖鎖ポリマー(植物複合型,ハイマンノース型,動物複合型)を合成し,樹状細胞の分化抑制を解析した。新規ヒノキ花粉アレルゲンCha o3の糖鎖構造解析を行い,その構造的特徴は日本スギ花粉アレルゲンCry j1及びマウンテンシダーアレルゲンJun a1と非常に高い相同性を有することを明らかにした。
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抗花粉症薬剤の開発を目指した機能性糖鎖ポリマーの作製と細胞性免疫活性解析(国際共同研究強化)
研究課題/領域番号:15KK0282 2015年 - 2017年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)
前田 恵
配分額:14040000円 ( 直接経費:10800000円 、 間接経費:3240000円 )
植物細胞に遍在する遊離N-グリカン(FNGs)は,糖タンパク質や糖ペプチドからペプチド:N-グリカナーゼ(PNGase)やエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(ENGase)により生成され植物の分化・生長や果実熟成を促進するホルモン様活性を有すると推定されている。また近年,植物細胞には様々な機能未知のレクチンが発現しており,それらのいくつかは環境ストレス(塩,乾燥,気温,微生物感染など)により発現誘導することが報告されている。そこで本研究では,(1)糖鎖遊離酵素欠損A.thalianaのストレス(塩や病原体)感受性の解析と(2)糖鎖ポリマーによるレクチンのスクリーニングを試みた。
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植物抗原性糖鎖ポリマーによる自然免疫を介したTh2分化抑制の解析
研究課題/領域番号:24580494 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
前田 恵, 木村 吉伸, 大槻 剛巳
配分額:5460000円 ( 直接経費:4200000円 、 間接経費:1260000円 )
スギ花粉アレルゲンによるTh2応答を抑制する植物糖タンパク質の植物抗原性糖鎖は,花粉症治療薬としての利用が期待されており,本研究では免疫活性を高めた糖鎖ポリマー作製を目的として,植物抗原性糖鎖を銀杏種子より多量精製する親水性クロマト法を確立した。次いでルイスa抗原を含有している植物抗原性糖鎖を水草から見出した。更には植物抗原性糖鎖を多価に結合した糖鎖ポリマーを作製し,樹状細胞の分化抑制を解析した。
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研究課題/領域番号:23500944 2011年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
木村 万里子, 長澤 治子, 前田 恵
配分額:5200000円 ( 直接経費:4000000円 、 間接経費:1200000円 )
本研究は、雑豆(大豆と落花生を除く豆類)の機能性食材としての価値を検討することを目的としている。まず、小豆と手亡(白いんげん豆)から均一性の高い多量の糖ペプチド・オリゴ糖を調製する方法を確立した。次に、調製したオリゴ糖をγ-ポリグルタミン酸にカップリングさせたネオ糖ペプチドを作り、それらの抗原提示細胞の活性化、T細胞分化・生育、サイトカイン産生に及ぼす影響を調べたところ、ヒト単球を活性化することが認められた。さらに、小豆や手亡に含まれる遊離型オリゴ糖の糖組成分析を行うとともに、プレバイオティクス活性を調べた。以上の結果から、小豆や手亡には高い機能性を有するオリゴ糖が存在することが示唆された。
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T細胞CXCR3発現の悪性中皮腫早期診断・予防マーカーとしての有用性
研究課題/領域番号:22700933 2010年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
前田 恵
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
アスベスト起因性胸膜プラークおよび悪性中皮腫症例の末梢CD4+ T細胞はケモカインレセプターCXCR3発現が健常人に比べて有意に低下しており, IFN-γ発現は悪性中皮腫症例のみで有意に低下していることを見出した.実験的にヒトCD4+ T細胞へのアスベスト慢性曝露はCXCR3とIFN-γ発現誘導を阻害する一方で, IL-17発現を高めることを示し,免疫担当細胞へのアスベスト曝露は抗腫瘍免疫機能の減弱に加えて,腫瘍の増殖促進に関与する可能性を示唆した.
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研究課題/領域番号:21659161 2009年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
大槻 剛巳, 西村 泰光, 武井 直子, 松崎 秀紀, 李 順姫, 前田 恵
配分額:3270000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:270000円 )
マイナス荷電粒子優位の室内空気室を構築して,健常人ボランティアにより2.5時間滞在,ならびに夜間のみ2週間滞在型試験を行ってきた結果,短期間のインターロイキン2の軽微な,しかし有意な上昇と,中期間(2週間)でのナチュラルキラー細胞の活性増強を観察していたので,今回,実験的にそのシステムの構築と,検証を行った結果,マイナス荷電粒子の優位の程度は,オーダーは異なっていたが,実験的にこの環境がヘルパーT細胞の活性化とナチュラルキラー細胞の活性化を誘導することが判明した。
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研究課題/領域番号:20390178 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大槻 剛巳, 西村 泰光, 前田 恵, 熊谷 直子, 村上 周子
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
2005年のクボタショック以来アスベスト曝露による悪性腫瘍の発生が問題となっているが,アスベスト曝露の免疫影響が腫瘍発生の素地を形成する可能性を考え検討してきた。その結果,実験系での免疫担当細胞(細胞株や健常人からの新鮮採取細胞)へのアスベスト曝露によって腫瘍免疫の減衰を示唆する所見が得られてきた。今後はその動態を改善することによって予防的分子標的を同定するなどに応用したい。
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環境中物質の免疫影響スクリーニングシステム構築
研究課題/領域番号:19659153 2007年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究 萌芽研究
大槻 剛巳, 西村 泰光, 前田 恵, 村上 周子, 熊谷 直子
配分額:3300000円 ( 直接経費:3300000円 )
本研究「環境中物質の免疫影響スクリーニングシステム構築」では,以下を考案した。環境中物質の免疫影響のスクリーニングシステムとしては,最終的には,インフォームドコンセントを得,倫理委員会の承認を受けた上で,曝露を受けた可能性のある症例等の末梢血を一定量採取し,可能性のある物質のin vitro曝露系の構築が必要である。この場合,アレルギーや感作という側面では,Th1/2バランスのシフトが重要になるであろう。また,自己寛容の破綻という側面では,我々が検討してきたFas分子発現機構や機能に関する解析システムの簡易化も必要であろうし,CD4+25+FoxP3+制御性T細胞の機能解析も重要であろう。加えて,腫瘍発生という観点からも,その免疫毒性〜免疫系への影響を検証するのは,分子予防標的な探索にも必要であろうと考えられる。特に,腫瘍発生についても,腫瘍を認識するNK細胞,cytotoxic T細胞,そしてそれを制御するCD4+25+FoxP3+制御性T細胞の機能解析は重要であろうと考えられる。これらの中で,現在は,珪酸曝露における制御性T細胞とFas分子の関連,そしてそこから生じる自己寛容の異常について,そしてアスベスト曝露による制御性T,NK,NKT,CD8+T細胞などの変化を捉え,変化に関与する分子の同定を行ってきた。これらの検討にて,シリカによる自己寛容の破綻にはFAS分子を介した制御性T細胞の活性化とその早期細胞死に加えて反応性T細胞の活性化による制御性T細胞分画への混入が重要と考えられ,またこれらの病態を反映する因子として可溶性IL-2受容体は重要であること,反対に可溶性CD40ligandはそれほど重要ではないことなどが判明してきた。またアスベストではIL-10やTGFβが重要であろうと判明してきた。
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研究課題/領域番号:19790411 2007年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費補助金 若手研究(B)
前田 恵
資金種別:競争的資金
HTLV-1不死化T細胞株MT-2にアスベスト繊維の一種であるクリソタイルを低濃度長期曝露しクリソタイル耐性を獲得した細胞株を樹立することにより,アスベスト繊維曝露はCD4陽性T細胞のIFN-γ産生を抑制する一方で,IL-10,TGF-β1産生を促進することを示唆した。耐性株ではTh1型のT細胞に発現しており細胞遊走に関わるケモカインレセプターCXCR3の発現低下も生じており,アスベスト曝露による抗腫瘍免疫の減衰を推察できた。
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石綿曝露者における発癌予防に関わる免疫学的分子標的の解析
研究課題/領域番号:18390186 2006年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
大槻 剛巳, 西村 泰光, 前田 恵, 村上 周子
配分額:16830000円 ( 直接経費:14700000円 、 間接経費:2130000円 )
本研究「石綿曝露者における発癌予防に関わる免疫学的分子標的の解析」では,アスベストの免疫担当細胞への影響を観察することから始まり,そこで得られた所見を,アスベスト曝露者における曝露指標あるいは,悪性中皮腫発生などに伴う,担癌指標として活用できないかどうか,加えて,それら免疫担当細胞の変化が,腫瘍発生に関連するとして,その免疫学的変化を生じなくすることが,発癌予防につながらないかどうかを検討することを目的とした。その結果,1)アスベスト曝露が制御性T細胞機能を充進させる結果,腫瘍免疫の減衰を齎す可能性があること。2)ケモカイン受容体のひとつであるCXCR3の膜発現低下が,細胞株モデルのアスベスト低濃度長期曝露モデル,あるいは,freshly isolated peripheral T cell derived from health donorsを用いたin vitro実験系でも確認され,これはアスベスト曝露による胸膜プラークを示す症例,さらに強く悪性中皮腫症例で,同様の減少が認められること。3)TGFβやIL-10は,アスベスト長期曝露T細胞株でも,また,悪性中皮腫症例でも高値を示し,担癌指標となる可能性と,上記の制御性T細胞機能にも関連することが示唆されること。4)TGFβはまた,それのみでも,細胞増殖系のシグナルを制御抑制し,そのことが制御性T細胞などの機能充進につながる可能性があること。5)アスベスト長期曝露T細胞株モデルでは,NFkBの発現が低下しており,これもまた増殖能よりも分化能ひいては機能充進へと関連する可能性があること,等が判明した。今後は,アスベスト曝露者の早期診断指標かつ分子予防標的として制御性T細胞関連の分子の役割について,研究を進めていく予定である。
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植物糖タンパク質糖鎖の構造・機能解析 および植物エンドグリコシダーゼの機能特性に関する研究
2003年 - 2006年
資金種別:競争的資金