共同研究・競争的資金等の研究 - 岩﨑 志保
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農牧接触地帯における動物利用と社会動態
2024年06月 - 2025年03月
岡山大学文明動態学研究所 2024年度共同研究
岩﨑志保・今村佳子・菊地大樹
担当区分:研究代表者
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瀬戸内海沿岸地域における荘園の景観復元と生活構造にかんする考古学的研究
研究課題/領域番号:24K04350 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
岩崎 志保, 山口 雄治, 徳永 誓子
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
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漢代画像石墓の画題配置と地域性
2024年04月 - 2025年03月
国立歴史民俗博物館 令和6年度共同利用型共同研究
岩﨑志保, 上野祥史
担当区分:研究代表者
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ICT技術による文化資源の社会化と活用に関する実践的研究
2023年04月 - 2024年03月
岡山大学文明動態学研究所 共同研究
山口雄治, 津村宏臣, 笹倉万里子, 大澤晋
担当区分:研究代表者
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漢代画像石の画題と配置
2022年06月 - 2023年01月
メトロポリタン東洋美術研究センター 研究助成
担当区分:研究代表者
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ICT技術による文化資源の社会化と活用に関する実践的研究
2022年04月 - 2023年03月
岡山大学文明動態学研究所 共同研究
山口雄治 津村宏臣 笹倉万里子
担当区分:研究代表者
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中部瀬戸内地域における縄文時代の環境変動と人間活動に関する考古学的研究
研究課題/領域番号:18K01063 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山本 悦世, 鈴木 茂之, 山口 雄治, 岩崎 志保
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
中部瀬戸内地域における縄文時代の環境変動と遺跡動態との関係を、ボーリング調査と発掘調査などの遺跡情報から総合的に検証した。ボーリング調査は津島岡大遺跡が立地する旭川下流域(岡山市)で実施し、同遺跡の発掘データとともに両者の関係についてモデル化を図った。研究対象域では環境情報に注目した遺跡データベースを作成した。以上の分析データから相対的海水準変動を想定して海岸線復元を行った。遺跡動態の分析からは、遺跡数や分布そして生業関連資料の推移が、中期後半~後期初頭と晩期前葉前後の環境変化と強く関連するデータを得た。貝塚遺跡では炭素年代測定を実施し貝塚形成期を絞り込むことで生業活動の実態を考察した。
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岡山県南部地域における縄文~弥生時代の古地形復元と遺跡動態に関する考古学的研究
研究課題/領域番号:15K02980 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山本 悦世, 山口 雄治, 岩崎 志保, 鈴木 茂之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
岡山県南部地域に位置する岡山平野でボーリング調査を実施し古地形復元を試みた。同調査では主に年代測定や珪藻分析などを実施し、縄文時代早期~弥生時代前期における相対的な海水準変動の様相を復元するデータを得た。それを基に、同地域における発掘調査成果や遺跡分布状況の検討を踏まえて、縄文時代早期~弥生時代前期における各時期の海岸線復元図を作成し、環境変動の影響を可視化することができた。
その結果、縄文中期の小海退と同後期における再海進が、本地域の遺跡動態に大きな影響を与えた可能性が浮かび上がり、従来の定説に一石を投じる仮説を立てるに至った。 -
弥生時代〜中世の景観復元と社会における生業の位置づけに関する基礎的研究
研究課題/領域番号:17520519 2005年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山本 悦世, 岩崎 志保
配分額:2950000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:150000円 )
本研究は、平野部を南流する旭川両岸に地形的まとまりをもつ岡山平野において、弥生時代から中世という歴史の流れの中で、各時代の生業(農耕)と社会との関わり方を浮き彫りにするための基礎的研究である。
考古資料と自然科学的分析に地図史料を加え、各時期において生業空間と集落域が、どのような地形の中で推移していくのかを念頭において景観復元を行い、それぞれの時代の特性を探ることを目指した。
弥生時代では、起伏に富んだ地形に小規模な居住域がわずかに形成される前期から、河道の埋没と沖積化が進行するなかで集落数を増加させる中・後期へと推移し、その変化のなかで、耕作地の拡大と灌漑施設の整備によって生じた農法の変化が生産力の向上を生み出し、居住域の増加を支えていくことを、遺跡をとりまく景観あるいは自然科学的分析などから確認した。復元された景観は、地域間で空間構造に違いをもつ可能性を示す。居住域と墓域そして水田域が、平野部を対象に配される旭川西岸北部域と、個々の微高地に対して居住域・墓域そして周囲に水田域が配される傾向を示す同東岸域である。その違いが生み出される背景に、地形的制約が関わりを持つことは確かである。こうして生じた景観の相違が、農耕の経営母体などの社会的構造に影響をもたらす可能性も考えられる。この点は、弥生時代後期から古墳時代へと、地域間の格差を生み出す背景を考える上で注目される。
古代後半〜中世には、条里制に伴う土地区画によって、近世・近代につながる景観が形成されていることを考古資料および地図史料から求めた。この大規模な耕地の改変は、乾田化あるいは集約的農法の存在を示す自然科学的分析成果とも合致する。同時期の景観は、地形の制約を強く受ける弥生時代などとは異なり、社会的な管理制度が優先されていることを示しており、古代後半にはそれが一般化していることを確認することができた。 -
東周時代墓葬の比較考古学的研究
研究課題/領域番号:15720182 2003年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
岩崎 志保
配分額:1200000円 ( 直接経費:1200000円 )
1.東周墓葬のデータベース作成は1949年〜2003年度報告分について文献目録の作成を終え、各墓葬の内容についても、規模・副葬品等の要素の抽出を終了した。
2.東周墓のうち、データがまとまっている地域として楚地域および、晋国地域を核として、楚・呉地域と、三晋地域の大きく二つの地域に分けて、時期毎に墓葬の変遷をまとめた。
まず楚・呉地域に関しては東周代においては周縁にあたる地域であるものの、楚国は一時期、かなりの範囲まで版図を拡大しており、周辺の中小国を吸収しつつ、強大化していった状況を、墓の分布や構造的な変化の点からも読み取ることができた。また楚・呉の滅亡と、その後の地域間関係において、青銅器の動きに特徴的な点が看取された。時代としては次に秦が台頭していく過程にあたるが、墓の分布・変遷の点からも、秦の影響の有無の点からやはり秦の大国化の過程を見いだすことができた。
三晋地域においては晋国領域内を中心に墓葬構造の分析を進めたが、三晋地域も含めてみても、構造的には南方の楚・呉ほどの特徴を見いだすことは難しかった。そのため、墓の分布と副葬品の内容に関して、編年大系も含めて、より詳しく検討する必要が出てきた。三晋地域における東周墓の分析については、資料の蓄積を進めることができ、当初の目的であるデータベースの作成はできた。しかし特に青銅器の詳細な分析については、これまでの学史を整理して、いくつかの墓群ごとのまとまりでの編年作業を行うにとどまっている。この点については、今後も資料の充実を図るとともに、対象地域をひろげていく検討していくこととしたい。 -
縄文時代から弥生時代における景観比較と植物遺体の標本化
研究課題/領域番号:14510427 2002年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山本 悦世, 横田 美香, 岩崎 志保, 沖 陽子
配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )
1.岡山平野でおこなった縄文時代から弥生時代における景観比較では、地形復元と遺構分布の状況から、縄文時代後期と弥生時代前期との間に大きな違いを確認した。さらに、弥生時代では前期末〜中期初頭、そして中期後半〜後期初頭に画期をとらえることができた。
この3段階の画期にはそれぞれに質的な差が指摘される。縄文時代から弥生時代前期の間には、集落居住域の変化や、生業関連遺構が貯蔵穴から水田へと転換するという社会構造に関わる展開が確認された。
弥生時代では、前期末〜中期初頭には、地形面での変化が主に指摘される。一方、中期初頭〜後期初頭では遺構面での展開が特徴である。特に、中期を境として、灌漑用の用水路が広範囲に検出される点は重要である。耕作域の飛躍的な拡大や、前期の土壌とは質的に変化した耕作土の存在は、農業形態の画期として評価される。このように、弥生時代の変化には、自然環境と関連した開発の進行と、農業形態の飛躍に、弥生時代的社会への脱皮を窺うことができた。
2.プラントオパールの分析からは、弥生時代前期水田における生産性が極めて低いことが浮き彫りとなり、その後に進む農法の変化を裏付けることとなった。花粉分析では、弥生時代中期に植生変化を認める結果を得ることができた。こうした分析資料は、中期を境に進展する耕地開発や遺跡の拡大という動向の傍証となろう。
3.遺跡出土種子の標本化では、岡山県から山陰・四国地域の資料を集成し、標本と資料集成を掲載した印刷物を刊行した。出土種子から様々な情報を得る上で、有効な手引きをなろう。ただし、まだ十分とは言い難く、今後も資料の充実を図っていきたい。
4.岡山県と山陰・四国地域において、農具に関連する石器・木器の資料を集成した。 -
縄文時代の景観復元と生業に関する実証的研究
研究課題/領域番号:12610414 2000年 - 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山本 悦世, 岩崎 志保, 横田 美香
配分額:3200000円 ( 直接経費:3200000円 )
1.縄文時代後期の景観復元:ボーリングデータからは縄文時代の地形の基礎的部分を復元した。後期初頭段階には、沖積化による微高地形成が広く進むことを予想していたが、モデル地域とした津島岡大遺跡の発掘資料の分析から、その範囲は予想外に広いものではなかった。丘陵裾部の限定的な範囲に比較的安定した居住域を確認したが、周辺に広がる大半の沖積部は微高地部と河道などの低地部が複雑に入り組む起伏に富んだ地形と考えた。自然環境に関しては、植物遺体の分析から多様な植生を復元した。遺構の分布状況を重ね合わせて景観を復元すると次のようになる。居住域は丘陵裾部周辺を中心に森や野原を切り開いて形成され、周囲の低湿地に貯蔵穴が作られる。それを取り巻く地域の狭小な微高地上は、加熱処理などを行う作業場として利用される。
2.生業の特性:種子の集成と分析からは「人里雑草」が多い点と利用可能な種類が多い点から、自然に対する積極的働きかけを確認することができた。また、植物食における多様な植物利用も再確認された。石器の集成と分析では、遺跡や時期ごとに組成が異なる傾向を顕著に認めるとともに、栽培関連石器(特に石包丁的な機能を予想される石器など)が、後期には各遺跡において一定の割合を占めることを明らかにした。以上の結果から、集落ごとに環境に即した形態を強くもつ縄文時代の生業を浮き彫りとし、多様性に富んだ植物食の存在を復元した。稲作に関しても、様々な成果から中期末から後期の段階には、一部の地域において生業の一部を構成した可能性は高い。それ以前に関しては、今後検討を重ねる必要があろう。
3.今後の研究:プラントオパール実験ではその移動を確認したが、移動範囲の確認を課題として実験を継続的する。また、縄文時代後期の社会的特性を考える上で弥生時代との比較が課題であり、移行形態にも注目したい。