共同研究・競争的資金等の研究 - 坂本 惇司
-
材料損傷による振動モード変化を応用した非破壊検査・長寿命化手法の開発
研究課題/領域番号:24K07235 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
坂本 惇司
-
多結晶チタン合金の超微小不均一変形の3D計測に基づく変形の局所化および破壊の予測
研究課題/領域番号:21H01214 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
多田 直哉, 上森 武, 坂本 惇司
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
研究の初年度に当たる本年度では,3D測定レーザー顕微鏡を導入し,試験片表面における微小な変形を測定する準備をするとともに,純チタン試験片の引張に関して,既存の走査型電子顕微鏡およびデジタルホログラフィック顕微鏡も併用して試験片表面の観察を行った.本研究では,試験片に小さな引張負荷を段階的にかけながら結晶方位や応力分布を測定する薄膜試験片を用いた試験と,段階的に引張荷重をかけながら,各引張荷重を除荷した後に残留応力を測定する試験の2種類の試験を実施した.いずれも結晶粒にすべり線が発生するまで試験を実施し,微視的変形レベルにおいて弾性変形と塑性変形の関係について検討した.まず,前者の試験では,引張負荷によって生じる各結晶粒のすべりは,試験片が完全な弾性変形段階にあると見なせる小さな負荷において測定される各結晶粒の応力分布および想定されるすべり系に関するせん断応力成分と,そのすべり系の臨界分解せん断応力を用いることによりかなり高い確率で予想できることが明らかとなった.また,後者の試験からは,除荷後の各結晶粒の残留応力分布から計算できる活動すべり系のせん断応力の勾配が,発生したすべり線の方向に近い傾向にあることが明らかになった.再現性と理由については,今後,検討する予定である.
結晶塑性有限要素法に関しては,多結晶体モデルを作成するプログラムを導入し,少結晶粒モデルに関しては解析が可能であるとの感触を得た.結晶粒数や要素分割に関する検討にはさらに時間を要すると考えられる. -
ネッキング型破壊の抑制とコーキシング効果の応用による微小金属材料の耐疲労特性向上方法の開発
2021年04月 - 2022年03月
公益財団法人JKA 2021年度機械振興補助事業 個別研究
坂本 惇司
-
振動疲労き裂進展時の力学場の解明とピーニングによる振動疲労強度向上技術の構築
研究課題/領域番号:20K14610 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
坂本 惇司
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究では,①振動疲労き裂進展時のき裂先端近傍の力学場の状態とそれがき裂進展とともにどう変化するのかを明らかにすること,および,②ピーニングによる振動時の疲労強度向上技術を構築することを目的とする.それぞれの目的に対して,本年度に推進した主な実施内容を以下に示す.
<BR>
①試験片切欠き部の表面と裏面にひずみゲージを貼付し,試験片の表面と裏面のひずみを測定することで,振動試験時のマクロな力学状態を検討した.その結果,曲げ振動試験においては,純粋な曲げに加えて遠心力による引張が加わるが,今回の試験片においては,遠心力による引張ひずみは,曲げで付与される最大引張ひずみに比べて無視できる程度であることが分かった.また,昨年度に確認された疲労損傷とともに振動モード(曲げ振幅)が変化する現象について,高速度カメラを用いた観察,ひずみゲージによる破断部近傍のひずみの測定,プラスチックレプリカ法を用いたき裂進展挙動の観察を行うことで検討した.その結果,疲労損傷とともに試験片がわずかに伸びることおよび疲労き裂が進展することにより,固有振動数が変化することが考えられた.
<BR>
②振動疲労強度を向上させるピーニング手法として,本年度はニードルピーニングを検討した.その結果,振動疲労寿命をわずかに増加させる可能性はあるものの,顕著な変化は確認できなかった.その原因として,圧縮残留応力の付与や硬さの向上等の疲労寿命を向上させる影響と,表面粗さの増加等の疲労寿命を低下させる影響が同程度であるためだと考えられる.そのため,次年度は,微粒子ピーニングを用いてピーニングの影響について検討する予定である. -
繰返し硬さ試験による疲労寿命の簡易評価法の確立とその微小材料の疲労寿命の向上探索への応用
2019年04月 - 2020年03月
公益財団法人村田学術振興財団 研究助成
坂本 惇司
-
多結晶金属材料の弾性表面高度分布変化に基づく塑性不均一変形の拡大と破壊の予測
研究課題/領域番号:18H01337 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
多田 直哉, 上森 武, 坂本 惇司
配分額:17940000円 ( 直接経費:13800000円 、 間接経費:4140000円 )
本研究の初年度にあたる平成30年度は,通常の大きさの結晶粒で構成される純チタンの平板試験片を用いて繰返し引張試験を実施し,荷重の増減とともに変化する結晶粒中心部の高度を測定した.測定には現有のデジタルホログラフィック顕微鏡(DHM)を用い,そのステージ上に小型の引張試験機を設置して試験を実施した.また,試験片測定領域内の結晶粒形状ならびに方位は,走査型電子顕微鏡およびそれに付随するEBSD装置を用いて測定した.得られた結果より,除荷を伴う繰返し引張においても,各結晶粒の弾性変形状態における高度変化と塑性変形状態における高度変化が強い相関を持つことを明らかにするとともに,その強い相関性を有するいくつかの原因について検討した.また,互いに影響を及ぼし合う結晶粒の変形について詳細に検討するため,すべり線の方向分布についても検討した.その結果,表面結晶粒のすべりは,近いすべり方向を示す複数の結晶粒が互いに影響を及ぼし合いながら進行することが明らかとなった.
次に,結晶塑性有限要素解析に関しては,まず,二次元の多結晶体モデルを作成し,それに引張負荷を加えた場合について解析を行った.その結果,内部に存在する結晶粒の変形は,表面に存在する結晶粒の変形に大きな影響を与えること,巨視的変位が小さいときの結晶粒表面の高度分布と変位が大きいときの高度分布は相関性を有すること,等を明らかにした.二次元解析ではあるが,本解析結果は,実験より得られた各結晶粒の弾性高度変化と後続の塑性高度変化の相関が妥当であることを裏付けている. -
振動疲労強度におけるショットピーニングによる表面塑性加工の効果の検討
2017年10月 - 2019年03月
公益財団法人天田財団 奨励研究助成B(萌芽的研究)
坂本 惇司
-
六軸ランダム振動を受ける材料の疲労損傷メカニズムの解明と評価試験法の構築
研究課題/領域番号:17K14556 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B)
坂本 惇司
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では、多軸ランダム振動を受ける機械、構造物を安全かつ有効に使用することを目指し、多軸ランダム振動を受ける材料の疲労損傷メカニズム解明および評価試験法の構築を目的としている。
初年度は、アルミニウム合金A5056を供試材としたボタンヘッド型試験片を用いて10 Grmsから70 Grmsまでの異なる重力加速度の多軸ランダム振動試験を実施した。その結果、多軸ランダム振動を受ける材料であっても一軸方向の負荷によって疲労破壊が起こる可能性や修正マイナー則を用いた疲労寿命の評価の可能性を示した。
本年度は、初年度と同様の供試材であるアルミニウム合金A5056において、異なる形状のY字型試験片を用いて10 Grmsから70 Grmsまでの異なる重力加速度の多軸ランダム振動試験を実施した。振動試験中には、破壊起点と予想される部分の力学場を測定するため、3軸ひずみゲージを用いて測定した。その結果、主応力の大きさ、方向、負荷周波数を明らかにした。具体的には、多軸ランダム振動を受ける材料であっても一つの振動モードが支配的であり、主応力の方向および負荷周波数はほぼ一定であり、主応力の大きさは分布をもつことが分かった。また、主応力の方向と負荷周波数は重力加速度によらずほぼ一定であり、主応力の大きさは重力加速度によって増加した。これは、初年度の実験結果と同様の傾向であり、上記の結果は、材料の形状にあまり依存しない可能性が示唆された。さらに、この結果を基に、疲労寿命の評価方法について考察した。