Research Projects -
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Precise determination of phase relations of hydrous peridotite up to lower mantle conditions and clarification of water distribution in the mantle
Grant number：24K00735 2024.04 - 2028.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
石井 貴之, 芳野 極, 大谷 栄治, 山崎 大輔
Grant amount：\18590000 （ Direct expense: \14300000 、 Indirect expense：\4290000 ）
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最下部マントル物質の粘性率の決定
Grant number：22H00180 2022.04 - 2027.03
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
山崎 大輔, 辻野 典秀, 芳野 極, 坂本 直哉
Grant amount：\43420000 （ Direct expense: \33400000 、 Indirect expense：\10020000 ）
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Experimental study on deep mantle by Kawai-type multianvil press
Grant number：21H04996 2021.07 - 2026.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
芳野 極, 桑原 秀治, 増野 いづみ, 山崎 大輔, 石井 貴之, 辻野 典秀
Grant amount：\193570000 （ Direct expense: \148900000 、 Indirect expense：\44670000 ）
大容量川井型マルチアンビル装置（KMA）の最近の技術革新により、今まで困難であった圧力、温度での高圧実験を展開できるようになったことを背景に、KMAの特性を最大限に活かすことでマントルの未解決の諸問題に様々な角度から取り組む研究課題である。マントルの強親鉄元素の高濃度異常の原因として提唱されているレイトベニア仮説論争の検証、下部マントルに存在するとされる始原的リザーバーの起源を解明するために、超高圧下における分配実験、変形実験、熱電測定といった新しい視点の実験から制約する。これらの結果を整合的に説明できる統合的なマントル進化モデルを創出することが本研究の目的となる。
本年度は、本研究の多角的アプローチのうち以下の３つの研究において成果を得ることができた。１）レイトベニア仮説を検証するために高圧下での溶融鉄とケイ酸塩メルト間の強親鉄元素の分配実験を圧力25GPaで行い、回収試料の分析を東京大学平田研究室のレーザーアブレーションICP-MSで行った。先行研究における川井型マルチアンビル装置での最高圧力実験である18GPaの圧力の結果と異なり、強親鉄元素はケイ酸塩メルトにより分配される結果が得られた。２）始原的リザーバーの存在がBEAMSモデルで説明できるかを検証するための試験的に低歪量の高圧変形実験を行った。ブリッジマナイトとポストスピネルを直列に接した一軸圧縮実験を行ったところ、両者に違いは見られなかった。また、ブリッジマナイト単相の構成則を決定し、ブリッジマナイトがマントル主要鉱物で最も硬いことを明らかにした。３）下部マントルと核の間の熱交換を制約するため、パルス加熱法による熱伝導度測定でブリッジマナイトの熱伝導度の組成依存性を決定したところ、今までの研究に比較して、AlやFeといった主要な不純物は大きく熱伝導度を下げることが確認された。 -
Fe isotope fractionation by Seebeck effect at the core-mantle boundary
Grant number：21K18657 2021.07 - 2023.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Challenging Research (Exploratory)
芳野 極
Grant amount：\6370000 （ Direct expense: \4900000 、 Indirect expense：\1470000 ）
鉄は太陽系の非揮発性元素の中でも最も豊富な元素の１つで、惑星の形成と分化過程において重要な役割を果たしている。地球のマントルの鉄同位体(δ57Fe)は、コンドライトと同等のδ57Feを持つ火星、小惑星ベスタに対して約0.1‰高いが、高温高圧でのケイ酸塩メルトの実験はコアとマントルの分離時にこのような分別が起きる可能性を否定している。本研究では、CMB上部に位置するマントル最下部は地球内部最大の熱境界層であることから、大きな温度差による熱電（ゼーベック）効果により、CMBで酸化還元反応が起こり、マントル物質の鉄同位体分別が引き起こされたという仮説を検証する研究である。本年度は大容量マルチアンビルプレスを用いた高圧実験を行った。ケイ酸塩試料の片側を鉄合金としてその反対側に白金の電極を配置して、温度差によって生じる熱起電力を模して直流電場を与えた。実験はまず複雑な高圧セルを試すために地球より鉄同位体比が高い月を対象として５GPa程度の圧力で電位差や温度を変数として実験を行なった。オリビン中には白金の酸素雰囲気センサーを入れることで、電位差をかけた試料を横切る酸素雰囲気のプロファイルを検出した。予想通り、試料の電極付近では酸化還元反応が生じており、陽極では酸化的、陰極では還元的となり、試料を横切って連続的な酸化還元プロファイルを持つことがわかった。オリビンのゼーベック係数の測定は２系統独立加熱法を用いて試料の両端の温度差を制御しながら実施した。鉄を含むオリビンのゼーベック係数は低温では電子ホールのホッピングによって正の値を示すが、1100℃以上では金属サイトの空孔の移動が主体となり負の値を示した。このことは、ゼーベック効果によってCMBで起こる反応は還元反応ということになる。本試料を用いて次年度は鉄同位体分析を行う。
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A study of electrical conductivity of molten rock
Grant number：20K04129 2020.04 - 2023.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C) Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
藤田 清士, 佐久間 博, 芳野 極, 市來 雅啓
Grant amount：\3900000 （ Direct expense: \3000000 、 Indirect expense：\900000 ）
本研究では、室内実験により、任意の温度圧力条件下で含水鉱物・含水岩石を溶融させることにより、その物理条件下における状態を電気伝導度変化として捉えることを試みる。室内実験の結果を、理論計算から推算された電気伝導度と比較を行い、MT法のような電磁気観測から得られた電気伝導度構造解析結果などと直接対比することにより、データの相互検証が可能になる。火山体下やプレート発生領域の溶融温度近傍を電気伝導度の視点から捉えることが本研究の特徴である。
2021年度は、玄武岩質岩石を高温高圧下で、電気伝導度測定する事に注力した。実験では、溶融状態を想定して電気伝導度測定を行った。試料は、玄武岩の主要組成を合成をした物と富士山麓から採取した玄武岩のシュミラントを使用した。実験結果からは試料の温度依存性と圧力依存性を確認することができた。
理論的な電気伝導度推算のために、ニューラルネットワーク解析を利用した。本年度は既存のプログラムを他の言語に移植し、推算の精度を向上させた。その結果、酸化鉄や酸化チタンなどの物質が岩石全体の電気伝導度に与える影響を定量的に評価できる成果を得た。
本研究では、導電性鉱物の挙動解明やネットワークの連結など電気伝導メカニズムを精査する。研究では、実験値と理論計算を相互に検証する計画であるため、従来の“手探り”の実験から大幅に進化した研究を行うことができる。2021年度から2022年度にかけては、様々な電気伝導度測定実験をおこない、計算機シミュレーションから電気伝導度の推算を推進する。 -
「核－マントルの相互作用と共進化」の推進と支援
Grant number：20H05611 2020.04 - 2021.03
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
土屋 卓久, 芳野 極, 鈴木 昭夫, 入舩 徹男, 鈴木 勝彦, M Satish‐Kumar, 田中 聡, 田中 宏幸, 鍵 裕之
Grant amount：\3900000 （ Direct expense: \3000000 、 Indirect expense：\900000 ）
計画研究ごとの総括、複数計画研究の共同研究から得られた成果とりまとめ、全体の考察を通して、領域の研究成果を取りまとめた。具体的には、マントル深部及び核の熱特性、始原物質の貯蔵機構、熱源元素総量などを軸として個々の成果について集約し、領域全体としての活動を総括し成果取りまとめを実行した。前年度までと同様に地球惑星科学連合(JpGU)年次大会において国際セッションを主催し、本領域で得られた核－マントルの相互作用と共進化に関する研究成果を世界の研究者と共有するとともに、本領域の活動により得られた新たな知見を集約した書籍や論文特集号の編集及び執筆を行った。それらを通し、最終的には「核－マントルの相互作用と共進化」について領域として新たなモデルを提案し、新たな学理として統合的地球深部科学の確立を試みた。成果取りまとめを計画的に進めるために、5月、8月、10月に集中的に総括班メンバーによるメール会議を行った。その他、社会・国民に向けた研究成果情報の発信も精力的に実施した。具体的には、一般に向けて研究教育成果を分かりやすくまとめた成果報告書を編集するとともに、ホームページ及びSNSを活用して成果の周知及び情報発信を行った。これらに加え、成果取りまとめの一環として、本領域の活動により得られた新たな知見を集約した英文書籍の編集及び執筆を行った（英文書籍については米国地球物理学連合からの出版を現在進めている）。これらを通じ、本研究プロジェクトの成果を一般のレベルから専門家のレベルまで国内外を問わず幅広い対象に向けて発信した。これら領域の活動について事後評価を受け、「A」の評価を得た。一方、本年度に実施を予定していた研究成果発表会については、新型コロナウイルス感染症の蔓延により延期せざるを得ない状況となった。
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X線非弾性散乱法による下部マントル条件での含鉄ブリッジマナイトの結晶弾性定数測定
Grant number：19H02004 2019.04 - 2023.03
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
福井 宏之, 米田 明, 芳野 極, 鎌田 誠司, 中塚 晃彦
Grant amount：\17160000 （ Direct expense: \13200000 、 Indirect expense：\3960000 ）
鉄やアルミニウムに富む中央海嶺玄武岩組成の出発物質からブリッジマナイト単結晶を高圧下で合成し、その評価を電子プローブμアナライザ、単結晶X線回折、放射光メスバウア分光により実施した。この結果、海洋地殻起源のブリッジマナイトでは、電荷カップル置換により結晶中のMg,SiがFe,Alに置き換わっていることを明らかにした。この内容は論文に纏められ、2021年11月に研究分担者が主著者としてScientific Reports誌に掲載された。研究代表者も本論文の著者に含まれている。この評価された単結晶と同時に合成された単結晶を集束イオンビームにより切り出し、ダイヤモンドアンビルセルに封入した。これについてのX線非弾性散乱実験は現在進行中である。
これとは別に、bcc構造を持つタンタル単結晶に対し、54万気圧までの条件でX線非弾性散乱測定を実施した。fcc構造を持つ金属単結晶に比べて、bcc構造は非静水圧下でも単結晶の結晶性が悪化しにくいため、54万気圧でも良好な測定が可能であった。この結果に基づき、タンタルを用いた絶対圧力スケールを構築した。このスケールは、近年報告されたルビースケール（Ruby2020）とも測定圧力までの範囲で調和的であった。本研究では測定していないが、タンタルは100万気圧付近でコーン異常による軟化が報告されているが、約80万気圧まで先行研究による状態方程式と矛盾はなかった。またこの内容はすでに論文に纏めて現在投稿中である。 -
Constraints of hydrogen positions in nominally anhydrous mantle minerals and implication for their rheological properties
Grant number：18H01314 2018.04 - 2022.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
TSUJINO Noriyoshi
Grant amount：\17290000 （ Direct expense: \13300000 、 Indirect expense：\3990000 ）
Water can incorporate into nominally anhydrous mantle minerals and is considered to affect rheological properties of mantle minerals. However, mechanism, by which water affects rehology, was unknown. In this study, in-situ IR measurements were performed to identify hydrogen positions in mantle minerals in order to understand the mechanisms of effect of water. In addition, rheological measurements of mantle minerals were performed under dry conditions, which is the basis for understanding the effects of water on rheology.
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Investigation on viscosity anomaly at ~1000 km depth and constraints on the chemistry in the lower mantle
Grant number：17H01173 2017.04 - 2021.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
Yamazaki Daisuke
Grant amount：\44590000 （ Direct expense: \34300000 、 Indirect expense：\10290000 ）
Geophysical observation revealed that the viscosity increases by an order of magnitude at a depth of ~ 1000 km in the earth’s lower mantle. At a same depth of ~1000 km, the stagnation of the subducted slabs are observed in several subduction zones. To constrain the mechanism of the viscosity jump, the viscosity properties of the constituent minerals of the lower mantle were investigated by using an improved and newly installed high-pressure deformation apparatus for a mineral physics approach. As a result, it is likely that the contribution of ferropericrace, which is the secondary phase of lower mantle assembly, for the viscosity change is low, and the viscosity of bridgmanite itself is the key factor.
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Effect of small amount of water on physical properties of mantle materials with implications for softening of asthenosphere
Grant number：17H01155 2017.04 - 2021.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A) Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
Yoshino Takashi
Grant amount：\45500000 （ Direct expense: \35000000 、 Indirect expense：\10500000 ）
Accurate detection of trace amounts of water in the mantle is the key to understanding mantle evolution and dynamics, as the presence of trace amounts of water in the mantle significantly reduces the viscosity and solidus temperature of rocks. In this study, the effects of trace amounts of water incorporated into olivine, which is the main mineral of the upper mantle, on the physical characteristics of the upper mantle were determined as functions of the elastic constant, attenuation factor (Q value), and electrical conductivity as a function of water content. It was found that the lack of frequency dependence attenuation observed under the old oceanic floor at the lithosphere-asthenosphere boundary can be explained by the presence of a trace amount of water of about 200 ppm by weight only in the asthenosphere.
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Support for the international activities of Core-Mantle Interaction and Coevolution
Grant number：15K21712 2015.11 - 2020.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
Tsuchiya Taku
Grant amount：\74750000 （ Direct expense: \57500000 、 Indirect expense：\17250000 ）
This study supported international activities of an large-scale interdisciplinary research project "Core-Mantle Interaction and Coevolution". This project focused on the physical and chemical interactions between Earth's core and mantle, where scientists from mineral physics, geochemistry, solid geophysics, and particle physics have collaborated together. In total 460 international collaborations were conducted in this project, and this study supported in total 95 international coauthored papers, which were published in several high-impact journals including Nature Geoscience, Nature Communications, and Nature Chemistry. This study also strongly promoted a construction of an international collaboration platform and training of young researchers by organizing international symposiums and schools. The research outcomes were disseminated to the public actively through outreach activities including web sites, press releases, activity reports, public lectures, and SNS.
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Dynamic behaviour of core and mantle materials
Grant number：15H05827 2015.06 - 2020.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area) Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
Yoshino Takashi
Grant amount：\152360000 （ Direct expense: \117200000 、 Indirect expense：\35160000 ）
From the viewpoint of heat and mass transport processes, we have promoted research on physical property measurement of deep earth materials. From the thermal conductivity measurement, only the temperature inhomogeneity inside the mantle due to mantle convection is the cause of regional difference of heat flow in CMB. Nuclear mantle interactions can produce negative anomalies in the W isotope ratio of oceanic island basalts. From the high-pressure deformation experiment, the lower mantle is about an order of magnitude stronger than the mantle transition layer. The deformation of the subducted slab is mainly due to the diffusion creep due to the phase transition and subsequent grain refinement, except for the marginal part of the retained slab where the selective orientation due to dislocation creep has developed. The anisotropy observed in the D "layer is formed by the selective orientation due to particle rotation, and the viscosity of the plume is higher than that of the slab.
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Support of Core-Mantle Interaction and Co-evolution
Grant number：15H05826 2015.06 - 2020.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area) Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
TSUCHIYA Taku
Grant amount：\67470000 （ Direct expense: \51900000 、 Indirect expense：\15570000 ）
This study controlled an interdisciplinary research project on the physical and chemical interactions between Earth's core and mantle, where scientists from mineral physics, geochemistry, solid geophysics, and particle physics have collaborated together. Many remarkable outputs including elucidations of the average lower mantle composition, the energy transport from the core to the mantle, the amount of heat source in the mantle, and a discovery of a new dense hydrous mineral stable down to the core-mantle boundary pressure, and a location estimation of primordial chemical reservoirs have been obtained and published in high-impact international journals including Nature. In this project, international symposiums and schools were organized to promote international collaborations and to train young researchers powerfully. The research outcomes were also disseminated to the public actively through outreach including web sites, press releases, activity reports, public lectures, and SNS.
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Crystal elasticity of mantle mineral towards understanding seismic anistropy
Grant number：15H02128 2015.04 - 2020.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A) Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
Yoneda Akira
Grant amount：\42640000 （ Direct expense: \32800000 、 Indirect expense：\9840000 ）
On inelastic X-ray scattering experiment (IXS), we published the measurement results of Au and Pt in international papers. These were constituted only using the bulk modulus obtained by IXS and the X ray lattice constant data measured at the same time; thus they are recognized as the primary pressure scale. After that, we succeeded in measuring the single crystal elasticity of NaCl up to 20 GPa and Ta up to ~33 GPa.
On the other hand, on the GHz sound velocity method, it took long time to acquire the signal from the DAC sample. However by introducing ammonia coating, metal coupler, devising new DAC support, and developing S-wave buffer rod, the simultaneous P-wave and S-wave of the iron sample was finally obtained at 2 GPa. -
A study of electirical properties and natural remanent magnetization of rhyolite
Grant number：15K05342 2015.04 - 2018.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C) Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
FUJI-TA Kiyoshi
Grant amount：\4290000 （ Direct expense: \3300000 、 Indirect expense：\990000 ）
Natural volcanic rock contains various minerals and its conduction mechanism is complex. To comprehend the relationship between chemical components and electrical conductivity, we measured electrical conductivity of synthesized rhyolitic glass under high P-T conditions. Observed electrical conductivity change corresponds to glass transition (Tg) zone. As glass transition temperature is crucial to understand the upwelling mechanism of volcanic rock, we carefully observed the electrical conductivity changes of rhyolitic glass. We also observed the natural remanent magnetization direction of a thick rhyolite lava and investigated whether the rhyolite has the ability to record the expected remanent magnetization direction. Rhyolite lava showing significant deviation from the expected direction of the Earth's geomagnetic field was observed in part, while rhyolite lava samples mostly show similarity in the direction with the expected one.
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Effect of light element on rheology of hcp-iron: Structure and dynamics of the inner core
Grant number：26287136 2014.04 - 2017.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
Yamazaki Daisuke
Grant amount：\17030000 （ Direct expense: \13100000 、 Indirect expense：\3930000 ）
We determined the grain growth and diffusion rates of hcp iron and estimated the dominant deformation mechanism and viscosity of the inner core based on the experimental results. As a result, chemical heterogeneity is essential to interpret the observed heterogeneity between the eastern and western sides of the inner core in seismic attenuation. Moreover, we experimentally showed the small effect of Si on viscosity of hcp iron, indicating that light element(s) rather than Si may significantly affect the viscosity of the inner core.
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Revealing the process of melt generation and hidden reservoir formation in the Hadean Earth
Grant number：26400514 2014.04 - 2017.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C) Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
KOGISO Tetsu, KONDO Nozomi, YOSHINO Takashi, MATSUKAGE Kyoko
Grant amount：\4680000 （ Direct expense: \3600000 、 Indirect expense：\1080000 ）
The present Earth has a higher 142Nd/144Nd ratio than most chondrites. Thus, if the Earth is assumed to have formed from chondrite, a complement low-142Nd/144Nd reservoir (hidden reservoir) is needed. We estimated the age and conditions to form the hidden reservoir based on Sm-Nd partitioning and melting phase relations. Our estimate indicates that the hidden reservoir should have formed within ~30 Myr from the Earth formation and at 7 GPa, 1750°C. We then performed high pressure melting experiments on primitive peridotite to determine the major element composition of a melt that can be the hidden reservoir at this condition, and calculated its density. The results indicate that the melt is iron- and titanium-rich komatiite. The estimated density of the melt is lower than that of the primitive peridotite, suggesting that the melt would have ascended in the mantle to form crust in the Hadean and have been ejected from the Earth by the giant impact.
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Grant number：24244087 2012.04 - 2016.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A) Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
Yoshino Takashi, YONEDA Akira, NISHIHARA Yu, YAMAZAKI Daisuke
Grant amount：\46020000 （ Direct expense: \35400000 、 Indirect expense：\10620000 ）
To determine the amount and distribution of water in the mantle, we have tried to determine Q value characterizing the seismic attenuation and the electric conductivity as a function of the water content. The development and installation of the short-period oscillation hydraulic system was carried out to determine the Q value of the water-bearing materials under high temperature and high pressure by in situ X-ray radiography observation. In order to determine electrical conductivity of olivine, wadsleyite and ringwoodite as a function of water, H-D inter-diffusion experiments were conducted using the synthesized single crystal pair. These results enable us to estimate the electrical conductivity at relatively high temperatures. Based on the comparison with the geophysical data, the average amount of water in mantle transition zone is found to be 0.1 wt.%, and there is a wide lateral variation. Hydrous olivine cannot account for the high conductivity anomaly in the asthesnosphere.
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A study of electirical properties of rock associated with dehydrationn and melt
Grant number：24540512 2012.04 - 2015.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C) Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
FUJITA Kiyoshi, YOSHINO Takashi, WADA Yutaka, ICHIKI Masahiro
Grant amount：\4550000 （ Direct expense: \3500000 、 Indirect expense：\1050000 ）
The purpose of our study is to provide an explanation for experimental results on electrical conductivity variations for rhyolite melt. To detect melt processes using electrical conductivity, we carried out conductivity measurements on synthesized rhyolite. We also developed a cell-type lattice model to clarify the inter-connected conductivity mechanism of rock melt. We quantified electrical conduction networks in rock and evaluated electrical conductivity models of melt.
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Hydrogen in earth and planetary materials observed by high-pressure diamond anvil cell NMR
Grant number：23340161 2011.04 - 2015.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
OKUCHI Takuo, YOSHINO Takashi, SASAKI Shigeo, YAMASHITA Shigeru
Grant amount：\18200000 （ Direct expense: \14000000 、 Indirect expense：\4200000 ）
Chemcial bonding state and microscopic dynamics of hydrogen in minerals, ices and gas hydrates at high pressure are important problems in earth and planetary material sciences. Diamond anvil cell nuclear magnetic resonance spectroscopy is an unique probe to determine microscopic structure and dynamics of hydrogenous materials confined at high pressures. Here we successfully applied this technique to observe hydrogen's dynamics in hydrogen hydrate and in fluid hydogen in situ at high pressures to 5 GPa. In addition to this achievement, we have also determined hydrogen diffusion coefficients in brucite at high pressure and temperature conditions. We also newly developed a technique to observe neutron diffraction of methane hydrate at a few gigapascals of pressures.
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Experimental determination of carbon isotope fractionation in theFe-C system under HPHT conditions.
Grant number：23654186 2011 - 2012
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research Grant-in-Aid for Challenging Exploratory Research
エム サティッシュ-クマール, YOSHINO Takashi
Grant amount：\3640000 （ Direct expense: \2800000 、 Indirect expense：\840000 ）
Equilibrium carbon isotope fractionation between graphite/diamond and iron carbide melt at 5 and 10 GPa and in the temperature range between 1200 and 2000 oC was determined. The results suggest that iron carbide melt will preferentially accumulate12^C rather than 13^C. We proposed that the temperature-dependent fractionation of carbon isotopes between iron carbide melt and graphite/diamond might have created a “12^C-enriched core” with a significant difference in the distribution of carbon isotopes between the carbon in the metallic core and bulk silicate Earth during the accretion and differentiation of early Earth.
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Grant number：22224008 2010.04 - 2015.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (S) Grant-in-Aid for Scientific Research (S)
YONEDA Akira, ITO Eiji, YAMAZAKI Daisuke, YOSHINO Takashi, TOMIOKA Naotaka, TSUJINO Noriyoshi, OSAKO Masahiro
Grant amount：\201760000 （ Direct expense: \155200000 、 Indirect expense：\46560000 ）
The HGP at ISEI reproduced core mantle boundary (CMB) condition in the SD-KMA for experiments. The SD-KMA is superior to DACs for quantitative studies because of its much larger (~1,000 ×) cell volume. Some studies, such as grain growth, diffusion, and phase relationships, can only be conducted reliably and with reproducibility in the SD-KMA. Another imporatant contribution is to measure thermal conductivity of pyroxenes under high temperature and high pressures.The other aspect of this project is the study of the elasticity of MgSiO3 perovskite and Post-perovskite.
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Observational and experimental study on water contentin the Earth's mantle
Grant number：22340124 2010 - 2012
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
TOH Hiroaki, HAMANO Yozo, YOSHINO Takashi
Grant amount：\11310000 （ Direct expense: \8700000 、 Indirect expense：\2610000 ）
Water in the Earth’s mantle as a trace element significantly modifies physical properties of our mantle as well as its convection mode. In this study, we focused on the mantle transition zone, which has been revealed to have high potential for water storage, and aimed at delineating its water content by both seafloor electromagnetic (EM) observation and high-pressure/temperature experiments. The laboratory experiments showed that a small amount of water (<0.1 wt%) cannot have a significant impact on electrical conductivity of the mantle minerals in the transition zone, while the seafloor EM observation revealed a relatively dry (up to a few permil) transition zone beneath the Northwest Pacific Basin.
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Electromagnetic Imaging of Geofluid
Grant number：21109003 2009.07 - 2014.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area) Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
OGAWA Yasuo, FUJITA Kiyoshi, KANDA Wataru, MATSUSHIMA Masaki, YOSHINO Takashi, TOH Hiroaki, UYESHIMA Makoto, ICHIKI Masahiro, KOYAMA Takao
Grant amount：\168220000 （ Direct expense: \129400000 、 Indirect expense：\38820000 ）
From the detailed magnetotelluric observations around the Naruko volcano in the central NE Japan arc, we analyzed three-dimensional resistivity structure of the crust and the upper mantle. We found sub-vertical conductors beneath active volcanoes, Naruko and Onikobe, which imply existence of saline fluid reservoir. In the upper mantle, we imaged a conductor on top of the down-going plate. The conductor extends towards the Moho under the backbone ranges. We also found that it also has a branch toward west beneath volcanoes along the Japan Sea. From the experimental resistivity measurements of a fluid bearing rocks under lower crustal conditions, we found that those crustal conductors, found by magnetotelluric measurements, need high salinity fluids.
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Rheology of post-perovskite and the lowermost lower mantle inferred from high pressure experiments
Grant number：21340128 2009 - 2011
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
YAMAZAKI Daisuke, ITO Eiji, YOSHINO Takashi, KATSURA Tomoo
Grant amount：\18590000 （ Direct expense: \14300000 、 Indirect expense：\4290000 ）
Post-perovskite is considered to be the dominant phase in the lowermost lower mantle(D "layer). Therefore, we investigated rheology of post-perovskite associated with the phase transformation from perovskite to post-perovskite by means of high pressure experiments to understand the dynamics of the earth's interior. Grain size is a key parameter which controls the mechanism of deformation and viscosity of constituting materials. Based on present experimental results, significant grain size reduction occurs during phase transformation and hence viscosity reduction is expected in the Dlayer.
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巨大単結晶と大容量超高圧発生技術に基くマントル深部のレオロジー
Grant number：20224010 2008 - 2012
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
桂 智男, 米田 明, 山崎 大輔, 芳野 極, 安東 淳一, 伊藤 英司, 富岡 尚敬
Grant amount：\198900000 （ Direct expense: \153000000 、 Indirect expense：\45900000 ）
1. 本年度、設備備品として、精密イオンポリッシングシステム(PIPS691)・PIPSコールドステージ・GATAN636試料冷却2軸傾斜ホルダ・試料ホルダ予備排気装置・GATANデジタルマイクログラフソフトウェァを購入し、セットアップを行った。
2. 単結晶フォルステライトの珪素自己拡散係数を圧力3～13GPa、温度1600Kと1800Kで測定じた。単結晶試料の化学組成は、電子線マイクロープローブで調べた限り不純物は検出されない純粋なMg2Si04である。拡散の方向は[100]および[001]である。超高圧高温拡散実験は川井型マルチアンビル装置で行い、拡散プロファイル測定は二次イオン質量分析計で行った。得られた拡散係数は、1600Kでは10^<-20>～10^<-21>m^2s^<-1>、1800Kでは10^<-19>m^2s^<-1>であった。これにより、活性化エネルギーは430kJ/mol、活性化体積は1.3x10^<-6>m^3/molと見積もった。
今回得られた拡散係数は1気圧下での測定結果より2桁以上拡散係数が大きい。これは圧力効果では説明できない。他の研究結果と合わせて総合的に検討すると、拡散実験中に圧力媒体から進入してきた水がフォルステライト結晶中に欠陥を作るためと考えられる。無水条件下で拡散実験をするための特別な技術の開発が必要であることがわかった。
3. 単結晶試料によるMgSi03ペロフスカイトの珪素自己拡散実験を行った。拡散実験は、圧力23GPa、温度1870Kと2070Kで行った。単結晶試料によって得られた珪麦自已拡散係数は、他結晶試料によって得られた珪素自己拡散係数と誤差の範囲で一致する。また、有意な結晶方位依存性は見られない事が分かった。
4. MgSi03ペロフスカイトの変形実験用の単結晶試料を合成し、4軸回折計・EDS付SEMによって結晶性・化学組成・包有物の有無な調べた。単結晶試料は結晶軸方向に垂直な面で研磨した。現在、変形実験用長高圧セルの開発を行っている。 -
Grant number：20340120 2008 - 2010
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
YOSHINO Takashi, YAMAZAKI Daisuke, YONEDA Akira, KATSURA Tomoo, ITOU Eiji
Grant amount：\18720000 （ Direct expense: \14400000 、 Indirect expense：\4320000 ）
In order to determine physical properties of partially molten peridotite, we renewed operation system of a DIA-type mutianvil press with deformation finction. We compared electrical conductivities of the partial molten peridotites under hydrostatic and shear stress conditions. Preliminary result suggested that the conductivity parallel to shear direction is one order of magnitude higher than that normal to the shear direction. This result is consistent with the conductivity anisotropy observed at top of the asthenosphere and suggests a presence of partial molten zone at that depth.
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Grant number：19204044 2007 - 2010
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (A) Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
YONEDA Akira, KATSURA Tomoo, YAMAZAKI Daisuke, YOSHINO Takayoshi, ITOU Eiji, ANTON Shatskiy
Grant amount：\48620000 （ Direct expense: \37400000 、 Indirect expense：\11220000 ）
Single crystal stishovite was grown in the high pressure apparatus. Its quality was checked by X ray, FTIR, and EPMA techniques. Crystal orientation was determined by precession camera. It was shaped to a rectangle with 200-500 micron meters. By detecting 20 peaks in high frequency resonance ultrasound spectroscopy, crystal elastic constants were determined. Porosity effect was systematically analyzed by using the buffer layer model in FEM analysis. The result was formulated as an elegant function of Poisson ratio, asperity, and porosity.
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Two-phase rheology of earth's lower mantle
Grant number：18340173 2006 - 2008
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (B) Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
YAMAZAKI Daisuke, KATURA Tomoo, YOSHINO Takashi, ITO Eiji, OFUJI Hiroaki
Grant amount：\15800000 （ Direct expense: \14600000 、 Indirect expense：\1200000 ）
地球の下部マントルは主要に珪酸塩鉱物とフェロペリクレースで構成されていることから、単相ではなく2相系としてのレオロジー特性が重要であるとの認識に基づき、2相系の下部マントル岩石を実験室内で再現するために高温高圧実験を行った。実験試料の微細構造観察により、比較的低温である沈み込んでいくスラブの粘性率はフェロペリクレースのそれに制約されていること、マントル最下部で観測されている地震波速度の異方性はフェロペリクレースに起因していることを明らかにした
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地球マントル物質の電気伝導度〜水の影響について
Grant number：18740280 2006 - 2007
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
芳野 極
Grant amount：\3200000 （ Direct expense: \3200000 ）
本度は、上部マントルの主要構成紘物であるカンラン石、ウオズリアイト、リングウッダイトの電気伝導度への水の影響に関する研究を引き続き行った。水入りかんらん石の電気伝導度への水の寄与に関しては、前年度のうちにNature誌に公表されたが、同じ号に掲載された他のグループの同種の論文の結果と大きく異なっていることが分かった。この2つの結果の大きな違いが生じる原因として、測定温度領域の違いと我々の用いたサンプルが単結晶であるのに対し、彼らの使用したサンプルが多結晶体であることが挙げられる。彼らの測定した温度領域は1000Kを超えるような高温領域であるため、かんらん石の電気伝導度メカニズムは高温で鉄の効果による小さなポーラロン伝導が卓越してくるので、単純に水の効果によるプロトン伝導だけを示さない。そのために、低温の測定を行うことが伝導メカニズムをより分けるために必要である。そこで本年度は水入りかんらん石の電気伝導度への影響を彼らと同じく多結晶体を用いて行った。我々は、多様な水の量を含むかんらん石を合成し、その電気伝導度を含水サンプルに関しては脱水がほとんど起こらない低温(<1000K)で無水に近いサンプルは高温までの幅広い温度領域で測定した。その結果、2つのメカニズムを分離することに成功し、求めたプロトン伝導の活性化エネルギーは、単結晶から得られたものに非常に良く合うことが確かめられた。一方で、前年度行ったウオズリアイト、リングウッダイトの電気伝導度への水の影響に関する論文を投稿した。その過程で査読者はインピーダンススペクトル解析の必要性を言及した。我々の通常の電気伝導度測定は、低周波数(0.1〜0.01Hz)の交流回路であることから、サンプルと電極の反応、プロトンの分極などの効果が現れる可能性を否定できない。そこで、新たにインピーダンススペクトル解析を幅広い周波数帯(1Mhz〜0.01Hz)で実施した。この解析結果から、低周波数測定から得られた電気伝導度とインピーダンススペクトル解析から得られた電気伝導度はほぼ一致することが確認された。この結果を踏まえて、論文を改訂し、2008年1月号のNature誌に公表された。
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電気伝導度測定による珪酸塩鉱物中の連結度の解明
Grant number：03J02518 2003 - 2005
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
芳野 極
Grant amount：\3300000 （ Direct expense: \3300000 ）
本年度は、アメリカ合衆国ニューヨーク州トロイにあるレンセラー工科大学のワトソン教授の下で、主にピストンシリンダー高圧発生装置を用いた実験を行い、固液混合系における液相の分布形態の幾何学を回収試料の電子顕微鏡写真を用いて行った。液相の連結度は電気伝導度に非常に敏感であり、その微細構造の詳細を知ることは地球深部物質の液相の移動(浸透率)、弾性特性、レオロジーなどの物性を明らかにするのに非常に有効な手段である。
本年度前半は様々な二面角、ファセットの度合いを示す液相と固相からなる系を液相の体積分率を変えることにより、固相の表面が液相にどれだけ濡らされるのか(ウエットネス)を詳細な画像解析により調査した。ウエットネスは固相の全境界(固相? 固相境界および固液境界)面積に占める固液境界の比で表される。ウエットネスは概して液相の体積分率の増加につれて増加するが、二面角の小さな系ほど増加の度合いが大きいことが分かった。特に、ファセットの度合いの小さい系に関しては、理論から予測される値に近い結果を与えた。しかしながら、ファセットの度合いが大きくなるにつれ、ウエットネスは理論曲線からはずれて低い値を持つことが示唆され、これは結晶の表面エネルギーの異方性が大きくなると粒子のクラスター化、液相が不均質にプール状に集まるためであると推測される。また、液相の体積分率とウエットネスを対数でプロットすると傾き1/2で近似できることが分かった。このことは、液相の固相内における分布は、粒子の稜部を結ぶ線状のネットワークを形成していることを示す。この結果に基づき固液2相系における弾性モデルを構築した。
本年度後半はオリビン-水系の二面角の測定を1200度Cで1? 13GPaまでの範囲で行った。4GPa以上の実験はエール大学の唐戸教授のもと行った。二面角は圧力の上昇にともない急激に減少することが測定の結果から明らかになり、おそらく10GPa付近では二面角は0度に近くなることが示された。このことは少量の水の存在が上部マントル深部で物性に対し、多大な影響を与えることを示唆する。