共同研究・競争的資金等の研究 - 野間 和広
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ICI耐性におけるCAF標的治療の腫瘍免疫リモデリング効果の検証
研究課題/領域番号:24K02520 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
野間 和広, 橋本 将志, 大原 利章, 菊地 覚次, 賀島 肇, 冨樫 庸介
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腹膜播種に対するp53搭載腫瘍融解ウイルスの腹腔内微小環境リモデリング効果の検証
研究課題/領域番号:24K11912 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
菊地 覚次, 野間 和広, 佐藤 伸
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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メタバースを活用した食道がん術後患者支援システムの構築
研究課題/領域番号:23K27887 2023年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
森 恵子, 野間 和広, 前田 直見, 田邊 俊介, 本家 淳子, 山下 範之, 藤井 宏子, 北別府 孝輔, 片山 はるみ, 末田 朋美
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メタバースを活用した食道がん術後患者支援システムの構築
研究課題/領域番号:23H03197 2023年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
森 恵子, 野間 和広, 前田 直見, 田邊 俊介, 本家 淳子, 山下 範之, 藤井 宏子, 片山 はるみ, 末田 朋美, 北別府 孝輔
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膵がん微小環境を標的としたホウ素中性子捕捉療法の開発
研究課題/領域番号:22K08803 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
寺石 文則, 野間 和広, 道上 宏之
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CAFsとPD1/PD-L1系との関連に対する探索的研究
研究課題/領域番号:21K08754 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
田邊 俊介, 野間 和広, 前田 直見, 白川 靖博
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
我々は、以前よりがん微小環境の中心的役割を担うCancer-associated fibroblasts (CAFs)の機能解析や治療法開発を行ってきた。CAFsは様々なサイトカインやケモカインを介して腫瘍の免疫抑制状態へ誘導することが知られている。そのなかでも、免疫チェックポイント分子として知られるProgrammed cell death 1 (PD-1)やProgrammed death ligand 1 (PD-L1)とCAFsとの関連について検討することを目的とした研究である。
岡山大学病院消化器外科にて根治切除された食道癌および食道接合部癌の切除標本を用いて、PD-L1の免疫染色を行った。腫瘍組織中の癌細胞とCAFsにおけるPD-L1発現を区別して評価することができた。食道癌において、癌細胞あるいはCAFsにおいてそれぞれPD-L1発現は予後不良因子であった。
また、ヒト由初代培養線維芽細胞、ヒト由来線維芽細胞株、マウス由来線維芽細胞株、ヒト由来癌細胞株、マウス癌細胞株を使用して、それぞれの相互作用をin vitroで評価した。それによって癌細胞と線維芽細胞は互いに干渉し、PD-L1発現を増強させていることが示された。マウス腫瘍モデルを用いて、In vivoでも癌細胞と繊維芽細胞が共存することでよりaggressiveな腫瘍となり、細胞傷害性T細胞が減少し、制御性T細胞が減少するいわゆるcold tumorとなっていた。それだけではなく、PD-L1発現が豊富な腫瘍を形成することが示された。
このように癌細胞とCAFsは互いに干渉し合いPD-L1発現を増強させることで腫瘍内を免疫抑制状態へ誘導していると考えられる。今後は癌細胞と線維芽細胞の相互関係を促進させる因子(サイトカインやケモカイン)についても追及する予定である。 -
がん微小環境に対するPhotoimmunotherapyの前臨床研究
研究課題/領域番号:20K09009 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
野間 和広, 白川 靖博
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は、CAFsを標的としたPhotoimmunotherapy(以下PIT-CAFs)を確立することが目的である。また臨床実装にむけて、CAFsを標的としたPITを検証するために既に実績のあるCAFsを標的とする抗体(抗FAP抗体)のSibrotuzumabを用いたPITの効果を検証する。また対象となるCAFsや、既に確立している癌細胞に対するPITはHER2タンパクを標的とした抗体であるHerceptinやEGFRを標的としたCetuximabを用いたPIT-cancerを用いる。
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当該年度においては、Sibrotuzumabを用いたCAFsを標的としたPITの確立、また癌に対するPITを同時に行う癌とCAFsの共培養系でのin vitroのDual-PITの効果の検証。そして既に初年度に着手している食道癌患者より得られた組織を用いたPatient derived xenograft(PDX)を用いたin vivo実験を行うこととした。
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結果、Sibrotuzumabを用いたPITはin vitroにおいてFEF3やその他の線維芽細胞株を用いた実験において効果が確認された。さらにPatient derived細胞株(癌組織から単離)においてもその効果を認めた。in vivoでは癌細胞株とFEF3線維芽細胞との共培養腫瘍モデルおよびPDXモデルにおいて癌およびCAFsに対するDual-PIT治療は著明な抗腫瘍効果を示した。 -
がん微小環境を標的とした新規癌治療の開発
2020年01月 - 2021年12月
第一三共株式会社 創薬共同研究公募プログラム TaNeDS (タネデス) 基礎研究
野間和広, 赤井正明
担当区分:研究代表者
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治療抵抗性癌における癌微小環境負のスパイラル機構の解明
研究課題/領域番号:19K09173 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
白川 靖博, 野間 和広
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
・食道癌患者の切除標本を用いて化学療法および放射線化学療法後のCancer associated fibroblasts:CAFs発現を臨床病理学的に解析する。
・正常線維芽細胞に機械的ストレスを加えて分化させると、myofibroblastと呼ばれる活性化形態となり、その振る舞いはCAFsに酷似していることが知られている。in vitroのおいて正常食道線維芽細胞に食道癌に対する標準治療である化学療法や放射線治療といったストレスを加えることにより,myofibroblastへの分化の有無を調べる。
・どのように癌細胞に貢献するのかを検討するため、in vivoではCAFs化した線維芽細胞(myofibroblast)あるいは正常線維芽細胞の上清刺激した癌細胞、さらに癌細胞単独での腫瘍増殖や転移の検討をin vitroおよびin vivoにて行う。
・治療誘導性のCAFs(myofibroblast)に対して当科で確立したPIT-CAFsが有効に機能するかin vitro、 in vivoにて検証する。 -
転移におけるcluster形成『循環がん微小環境』の解明と標的治療としての可能性
研究課題/領域番号:16K10500 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
白川 靖博, 野間 和広, 賀島 肇
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
食道癌切除標本において間質の癌関連線維芽細胞(Cancer associated fibroblasts: CAFs)はリンパ節転移の数と有意な相関を示し、リンパ節転移の独立した危険因子であった。活性化されたCAFsによって刺激された癌細胞は細胞間癒着を失い、遊走能および浸潤能を獲得することが示された。また同所マウスモデルを用いた実験ではCAF刺激により、食道癌細胞はより多くの転移を形成した。特にリンパ節転移は全ての症例で認められており、その頻度が有意に高いことがわかった。また、リンパ節転移数を調べると、臨床検体の解析結果と同様に、CAF群では対照群よりもその数が多かった。
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癌関連線維芽細胞(CAFs)の免疫抑制機構の解明と標的治療としての可能性
研究課題/領域番号:16K10499 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
野間 和広, 加藤 卓也
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
癌関連線維芽細胞は,癌微小環境において中心的な役割を担うとされる.我々は,食道癌の切除標本を用いて腫瘍内浸潤リンパ球が独立した予後因子となることを確認した.またCAFsは腫瘍内のそれらのTILsと強い相関を持ち,CAFsが腫瘍内リンパ球を制御していることを示唆した.In vitroでは,CAFsは高濃度のIL-6を放出することが示され,in vivoにおいてはCAFsがTILsを制御し腫瘍増殖を促していることが解った.即ち腫瘍内でCD8が減少しFoxP3リンパ球が増殖していた.さらに抗IL-6中和抗体を用いた阻害実験においてその腫瘍増殖は抑制されることが示された.
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治療抵抗性消化器癌に対する癌関連線維芽細胞を標的とした新規治療法の開発
研究課題/領域番号:26861077 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
野間 和広, 勝部 亮一, 白川 靖博, 大原 利章, 藤原 俊義, 田澤 大
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
食道癌による線維芽細胞のCAF化と,CAFによる癌細胞の悪性化について検証した.線維芽細胞は癌細胞との相互作用でCAF化し,CAFの刺激により癌細胞は悪性度を増強した.またCAFにより刺激され癌細胞は化学療法や放射線治療に対する治療抵抗性を獲得していた.動物実験においては癌細胞をCAFと共接種した群において5-FUの抗腫瘍効果の減弱を認め,in vitroと同様に治療抵抗性を示した.以上のことよりCAFを制御することが,癌の増殖や治療抵抗性の獲得を抑制し得ることが予測された.続いて,我々はCAFを標的とするPhotoimmunotherapy治療法を開発し選択的に殺傷することに成功した.
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転移メカニズムにおける循環血液中がん微小環境の解明と新規癌治療法の開発
研究課題/領域番号:25462020 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
白川 靖博, 藤原 俊義, 野間 和広, 賀島 肇
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
FACS解析より,食道癌患者検体においてcontrol群の健常人検体と比べ有意に循環血液中癌関連線維芽細胞(cCAF)数の増加を確認した.
ELIZA解析より,in vitroにて活性化線維芽細胞である癌欄連線維芽細胞(CAF)の上清においてFAPの過剰発現を確認した.
食道癌切除症例におけるCAFsの特異マーカーであるFAPの臨床病理学的な検討を行い,予後やリンパ節転移,また遠隔転移に影響があるのかを検討した.結果としては、N因子,脈管侵襲と相関を認めた.さらにFAP陽性線維芽細胞も予後に有意に関与していた. -
がん微小環境における癌関連線維芽細胞を標的とした新たな癌治療法の開発
研究課題/領域番号:24791423 2012年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
野間 和広
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
癌の増殖や転移において線維芽細胞が大きく関与しているとされる。癌細胞に影響され線維芽細胞は癌関連線維芽細胞(CAF細胞)すなわち活性化線維芽細胞となり癌の進展に大きく作用する。我々は癌の治療においてそのCAF細胞を標的とした新たな治療戦略を開発した。CAF細胞マーカーのFAPという特異的蛋白を標的抗原とし、蛍光色素抱合の抗FAP抗体を開発した。近赤外線光を当てることにより蛍光色素が振動し細胞膜を破壊し細胞死に至らしめる。CAF細胞は実際に食道癌と共培養において癌の増殖促進していたが、その近赤外線光を用いて線維芽細胞を標的とした光線免疫療法を加えることで癌の増殖を抑制することに成功した。
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食道癌における細胞間接着因子カドヘリンの本質的な役割と新規抗癌剤としての可能性
研究課題/領域番号:21870026 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
野間 和広
配分額:2548000円 ( 直接経費:1960000円 、 間接経費:588000円 )
本研究においては、食道癌細胞(Barrett食道癌、扁平上皮癌)の転移・接着・浸潤に強く関与するcadherin familyの発現パターンを解析し、N-cadherinのTumor micrenvirnmentに対する関係性を解明する。またN-cadherinの働きを阻害することにより全く新しいアプローチとしての分子標的治療法の開発を目指す。まず、Barrett食道癌および扁平上皮癌の切除標本におけるcadherin発現パターンをE-cadおよびN-cadの免疫染色にて確認した。3/10例の症例においてN-cadの発現を認め、粘膜下層への浸潤のある症例においては特に腫瘍先端部での発現傾向を認めた。しかしE-cadの発現の減?は認めなかった。食道癌細胞株においては、TE4、10の2種の癌細胞にN-cadの発現を認めた。Collagen IおよびTGFにて刺激すると発現の増加は認められたが、元々発現のない細胞株においては発現をとらえることができなかった。しかしながら、刺激された細胞は形態的に変化を認めEMTを誘導されている可能性があると考えられた。また我々は、血清鉄の減?がEMTを阻害するという過去の報告を踏まえ、in vivoにて経口血清鉄を制御しまたin vitroでは鉄キレート剤を用い、食道癌において抗腫瘍効果を確認した。その際にN-cadの減?を認め癌細胞の遊走能、浸潤能の低下を確認した。食道癌においてN-cadが腫瘍増殖および癌の浸潤における重要な分子である可能性を示唆した。現在siRNAを用いてN-cadを制御した細胞を用いることによる再現実験を行っている段階である。今後としては、N-cad阻害剤を用いて新規集学的治療法の検討を行う予定である。