共同研究・競争的資金等の研究 - 平山 隆志
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持続的農業を実現する作物生体ナノデバイス開発
研究課題/領域番号:21K19117 2021年07月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
平山 隆志, 林靖彦, 持田恵一
配分額:6500000円 ( 直接経費:5000000円 、 間接経費:1500000円 )
申請者らは、これまでに、植物を含む生物の経時的な成長状態や生理状態データを用いた非線形の形質予測モデルを構築することにより、環境要因や遺伝要因データから生体の動態を予測することが可能であることを実証した。一方で、予測に必要なデータの取得は、現段階ではコスト、時間、労力の点で効率が低く、より簡便に生体の生理状態に関するデータを取得する技術の開発が、基礎生物学のみならずその社会実装を実現する医学、農学においても不可欠である。本研究は、センサー開発においてコスト、操作、そして倫理的な点においてもハードルが低い植物を用いて、現在注目を集めているカーボンナノチューブ(CNT/SWNT)を利用して生理状態を把握する生体センサーを開発することを目指している。2021年度は、まずその観測システムの構築をおこなった。CNT/SWNTを用いて植物体内の活性酸素の変動を観測した報告を参考に、観測システム構築を行なった。これまでに、ほぼ同様のCNT/SWNTを利用した報告例が2報あるが、互いに異なるデータもあり、その検証や改良点の抽出も含めた検証実験との位置付けである。その結果、いずれの報告とも多々で相違が見受けられたものの、タバコ葉において傷害で誘導された活性酸素を観測することに、独自に構築したシステムを利用して成功した。また、CNT/SWNTをDNAで分散させる場合の条件検討も試みた。さらに、新たな物質のセンサー開発のために、生体分子のアプタマーとして報告があるDNAの情報を探索し、それらを合成しセンサー開発を進めた。この他、異なる薄幕を用いた基盤を利用したセンサーの開発についても検討を始めた。
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新規鉄欠乏応答調節短鎖ペプチドFEP1を起点とした植物鉄恒常性制御機構の解明
研究課題/領域番号:21H02509 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
平山 隆志, 馬建鋒
配分額:17420000円 ( 直接経費:13400000円 、 間接経費:4020000円 )
シロイヌナズナ短鎖ペプチドFEP1がどのように鉄欠乏応答の制御および鉄ホメオスタシスに関わっているかを明らかにするため、独自に作成したfep1欠損株やFEP1誘導発現形質転換株を利用して網羅的遺伝子発現解析を行った。詳細なデータ解析から、FEP1は維管束組織おける鉄欠乏応答で重要な役割を持つという知見を得た。また、FEP1類似遺伝子の植物界における保存性を調査し、維管束系を持つシダ植物にはFEP1類似遺伝子があるが、コケ植物には見当たらず、維管束組織との関わりが示唆された。シダ植物のFEP1様遺伝子はシロイヌナズナのものと同様鉄欠乏により誘導されるが、FEP1の活性に不可欠となるC末端の構造が異なっており機能については不明な点が多いが、ナス科植物にも同様の遺伝子が見つかっており、今後解析が必要である。さらに、FEP1周辺の機能因子の同定を目的に、FEP1を含む鉄欠乏応答遺伝子が恒常的に発現しているミトコンドリアpoly(A)制御関連変異株ahg2-1を背景にして、恒常的鉄欠乏応答形質の抑制変異を2系統獲得しているが、その一つの変異の同定に成功しRNA代謝関連の遺伝子が関与していることを明らかにした。一方、出芽酵母を用いた鉄欠乏応答制御の再構成を試み、植物で見られる応答がほぼ再現された。植物細胞を用いた実験で邪魔となる様々な二次的な影響を排除できる再構成系を用いて、今後構成因子に人為的な変化を導入し、その影響を調査することで精密な制御系の描出が可能と考えている。
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植物短鎖機能性ペプチド遺伝子の探索・解析基盤の開発
研究課題/領域番号:19K22434 2019年06月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
平山 隆志, 持田 恵一
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
イネ科のモデル植物ミナトカモジグサを対象に、光環境応答処理を行った植物から、網羅的な転写物解析、ribo-RNAseq解析を行うことで、実際に翻訳がなされている短鎖ペプチド遺伝子を同定した。少なくとも百遺伝子は、新規の短鎖ペプチド遺伝子であった。また、non-coding RNA遺伝子の配列セットを定義するために、21の組織から抽出したRNAをプールし、Cap-trapping法で得た完全長cDNAライブラリの配列データを解析し約1万の非冗長なlncRNAs候補配列を同定した。タンパク質コード遺伝子とlncRNA候補配列の一部を教師データとして、判別モデルの作成を試みている。
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アブシジン酸による種子休眠を制御する分子機構の解明
研究課題/領域番号:19H02925 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
西村 宜之, 平山 隆志, 山崎 俊正
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
アブシジン酸(ABA)応答が関わる種子休眠で重要な働きをするDOG1に注目し、DOG1の生理学的役割やその制御機構の解明を目指した。シロイヌナズナDOG1に相互作用する因子やDOG1の機能を抑制する因子の同定とその機能解析を行った。また、DOG1の生化学的解析も行い、DOG1が機能するために重要な新たな機能性アミノ酸残基の同定にも成功した。
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データ科学に基づく作物設計基盤技術の構築
2016年10月 - 2022年03月
科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業
平山隆志, 持田恵一, 辻寛之, 梅崎太造
担当区分:研究代表者
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農地環境のメタ戦略:土壌・気象・作物の組み合わせ最適解による農地循環力の強化
研究課題/領域番号:15KT0038 2015年07月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
持田 恵一, 平山 隆志, 最相 大輔, 高萩 航太郎, 櫻井 哲也, 松浦 恭和
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
本研究では、周年の農地環境情報を集積・統合することに取り組み、農業形質の生産性を予測するモデルを構築し、農地の生産力と持続力を最大化する農業データ科学の基礎を確立する。オオムギの葉のトランスクリプトームや植物ホルモンの変動を調査し、野生オオムギ系統と在来品種についてライフコースにおける生理状態の変動の多様性を明らかにた。また、オオムギ集団の多型を網羅的に調査した。さらに、栽培記録からの出穂形質データと気象データを用いて、出穂日を予測する統計モデルあるいは機械学習モデルを作成した。
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植物ホルモンアブシシン酸のリン酸化シグナルと選択的スプライシング制御機構の解明
研究課題/領域番号:15H04383 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
梅澤 泰史, 平山 隆志, 坂田 洋一
配分額:18200000円 ( 直接経費:14000000円 、 間接経費:4200000円 )
アブシシン酸(ABA)は、植物のストレス応答を司る重要な植物ホルモンである。ABAシグナル伝達経路では、タンパク質のリン酸化が重要であり、申請者らはABAに応じてリン酸化される複数のmRNAの選択的スプライシングに関わる因子を発見した。そこで、選択的スプライシングを網羅的に解析するため、ABA処理を施したシロイヌナズナ野生型およびSnRK2欠損変異体から抽出したRNAを用いてシーケンス解析を行ったところ、170種以上のスプライスバリアントを発見した。現在、得られたバリアントの確認を進めるとともに、シロイヌナズナ種子由来のRNAについても同様の解析を進めている。
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高等植物の種子特異的なアブシジン酸シグナル伝達ネットワークの包括的解明
研究課題/領域番号:24370023 2012年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
平山 隆志, 梅澤 泰史, 松浦 恭和
配分額:18850000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:4350000円 )
種子における植物ホルモンアブシジン酸(ABA)に応答した応答タンパク質リン酸化ネットワークの解明を、分子遺伝学的手法と網羅的解析手法により目指した。シロイヌナズナの種子特異的ABA関連PP2CであるAHG1とAHG3の相互作用因子の同定とその機能解明を行った。また、プロテアソーム構成因子RPT5の変異株の解析から、その基質選択性での重要性を明らかにした。さらに、シロイヌナズナとオオムギの種子におけるABA依存的タンパク質リン酸化動態解析に成功した。
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植物のミトコンドリアmRNA制御機構の解明
研究課題/領域番号:23112715 2011年04月 - 2013年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
平山 隆志
配分額:9360000円 ( 直接経費:7200000円 、 間接経費:2160000円 )
高等植物シロイヌナズナのミトコンドリアのmRNA安定制御に関わると考えられるpolyA特異的RNA分解酵素AHG2/PARNとpolyA付加酵素AGS1の機能解明を進めている。平成24年度は、主にahg2-1変異株のミトコンドリアの性状について解析を行った。そのひとつに、タンパク質の変動を調査した。核ゲノムコードのミトコンドリア局在タンパク質とミトコンドリアゲノムコードのタンパク質についてwestern blottingを行い、蓄積量を調査した。その結果、変異株ではミトコンドリアゲノムコードのタンパク質の増加が認められた。また、Blue-Native-PAGEを用いてミトコンドリア複合体のタンパク質量を調査した。その結果、変異株では、複合体の量が変動していることが確認された。このことから、mRNAの蓄積がタンパク質の増加を引き起こし、それがタンパク質複合体の量比を混乱することにより、呼吸に必要な複合体形成が阻害もしは不安定化を引き起こしていると推察される。また、ミトコンドリアDNA量、RNA量をqPCRを用いて、解析し、変異株では核あたりのミトコンドリア量が増加ていること、更にミトコンドリアDNAあたりのmRNA量が増加していることを明らかにした。また、予備実験としてAHG2, AGS1それぞれと相互作用するタンパク質の同定を試みた。それぞれのGFP結合タンパク質を発現する形質転換体からミトコンドリアを抽出し、供沈殿するタンパク質を質量分析装置を用いて、解析した。この懐石には理化学研究所の支援研究を利用させていただいた。その結果、それぞれ、ミトコンドリアで機能するRNA制御因子との相互作用が認められた。これらのデータを出すとともに、当該年度は論文の執筆を行った。現在、投稿した論文はrevise中で、まもなく投稿する予定である。
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高等植物のRNA制御と環境応答機構に関する分子生物学的解析
研究課題/領域番号:21112521 2009年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 新学術領域研究(研究領域提案型) 新学術領域研究(研究領域提案型)
平山 隆志
配分額:9100000円 ( 直接経費:7000000円 、 間接経費:2100000円 )
昨年度までに、polyA特異的RNA分解酵素のAHG2の機能解析と、ahg2-1変異株の抑制変異遺伝子として分離されたpolyA付加酵素をコードするAGSI遺伝子の同定を進めてきた。本年度は、これら因子の標的分子の探索を中心に研究を進めた。ahg2-1変異を対象とした網羅的代謝物解析から、ミトコンドリア内転写物の蓄積が認められた。ミトコンドリア機能異常変異atphb3との比較解析から、ahg2-1変異はミトコンドリアに何らかの異常を持つことが示唆されたので、ミトコンドリア転写物いくつかのpolyA状態をPAT法により調査した。その結果、調べた転写物のほとんどでpolyA付加が認められた。一方野生株、ags1,atphb3ではpolyA付加は認められなかった。さらにinverse PCR法でnad7転写物のpolyA鎖長の状態を詳細に調べたところ、野生株ではpolyA付加が認められなかったが、ahg2-1では6~17bのpolyAを持つ転写物が確認された。また、ミトコンドリア転写物のいくつかについてNorthern法により蓄積量を調査したところ、調べたほとんどの転写物のahg2-1での蓄積が認められた。以上の結果から、AHG2およびAGS1の標的はミトコンドリア転写物と考えられる。これまで植物はもちろん他の真確生物に於いてもミトコンドリアmRNAのpolyA付加および除去に関わる因子双方が同定されている例はほとんどなく、その制御が不明であったため、この研究成果は意義が大きいと考える。
しかしながら、これまでのところ、AHG2とAGS1はともにミトコンドリア局在を示す実験結果はない。これらのN末には、ミトコンドリア移行配列様構造が存在するので、これらを除いた改変遺伝子がahg2-1変異を相補できるかを検討し、ミトコンドリア局在と機能の関連を調査している。 -
新規変異株を用いたアブシジン酸応答ネットワークの分子遺伝学的研究
研究課題/領域番号:20570050 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
平山 隆志, 梅澤 泰史
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
高等植物の非生物的環境ストレス応答の制御に深く関与する植物ホルモン・アブシジン酸(以下ABA)の応答ネットワークの解明を目的に、シロイヌナズナより独自に分離したABA高感受性変異株を用いた分子遺伝学及び分子生物学的解析を行った。その結果、ABAの受容から遺伝子発現に至るまでの情報伝達経路の解明、ミトコンドリア機能とホルモン応答との関連を明らかにし、ABA応答理解の新たな研究展開を導いた。
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Molecular genetics of abscisic acid signaling pathway
2008年 - 2010年
Grant-in-Aid for Scientific Research
資金種別:競争的資金
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高等植物のエタノール耐性に関わるGEK1遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:15570045 2003年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
平山 隆志
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
1.変異株を用いた解析
gek1変異の代謝への影響を、^<13>C,^<15>Nでラベルした植物を用いての多次元NMR測定により試みた。その結果、gek1変異株ではエタノール存在下で、野生株に比ベアミノ酸などの代謝が活性化していることが明らかとなった。また、マイクロアレー解析を行い、gek1変異株の生理的状態を発現遺伝子から推測することを試み、ストレス誘導性遺伝子の早い発現を確認された。
2.gek1抑制変異株の探索
gek1抑制変異を合計34ライン取得した。パレンタルグループの異なる複数の変異株を解析したが、現在までに、調べたものについてはすべてadh変異であった。今後、更に解析を進める。
3.GEK1と相互作用するタンパク質の探索
GEK1と相互作用するタンパク質を、酵母を用いたtwo-hybridシステムを用いて探索した。その結果、2つZn-finger蛋白(#20,#24)とNFU2と呼ばれる葉緑体に鉄硫黄クラスター形成に関与する因子(#76)を得ることに成功した。これらの遺伝子産物の細胞内局在や破壊株の表現型から、まだGEK1との関連については明らかではないが、これらの解析からGEK1の機能が推察できる可能性がある。
4.組換えGEK1蛋白質の解析
大腸菌で発現させたGEK1組換蛋白質または構造的に安定と考えられる好高熱菌P.horikosiiのGEK1類似遺伝子の組換蛋白質を用いて生化学的活性の同定を試みた。様々な条件でアセトアルデヒドの分解活性を調べたが見いだせなかったため、これらの蛋白質にこのような活性はないと考えられる。活性を同定する目的で、これらの蛋白質を^<13>C,^<15>Nラベル化植物の抽出物に混合し、NMR測定により代謝物のシグナル変化の検出を試みが、成功しなかった。 -
結合阻害剤を用いたABA受容体の基質選択異常突然変異体の分離と解析
研究課題/領域番号:12640642 2000年 - 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
平山 隆志
配分額:4100000円 ( 直接経費:4100000円 )
アブシジン酸(以後ABA)受容体の遺伝子を同定する目的で、ABA結合阻害剤を用いてシロイヌナズナよりABA認識の特異性が変化した突然変異体のスクリーニングを試みた。ABA結合阻害剤としては、ブラシカでその活性が確認されているPBI-51(以後ARIと呼ぶ)の報告があり、これを使用することとした。このARIを用いて二通りの突然変異体選抜を試みた。一つは、ARIをABA結合阻害剤として認識するような突然変異体の探索である。突然変異を誘導したM2世代種子約50万の種子を対象にARI存在下でABA非感受性を示す変異体を選抜した。その結果、幾つかの候補が得られたが、後の選抜でこれらはARI非依存的な突然変異と判明した。もう一つはARIをABAと認識するような変異体の選抜である。約50万の種子を対象にARI存在下で発芽できない変異体を経て8ライン選抜した。これらは全てABA高感受性を示すが、今までABA高感受性変異として報告のあるera1やein2とは異なる突然変異であることが判明し、新奇のABA関連突然変異であると考えられる。さらに、目的とする突然変異体の選抜効率を上げるために、aba2変異株を用いて同様な選抜も試みた。現在までに、数十の突然変異体候補を得た。これらの突然変異体の原因遺伝子が同定されれば、受容体を含めABA情報伝達系路の理解に大きく貢献できると考えられる。
また、これらの突然変異体の選抜過程で、エタノールに高感受性を示す突然変異geko1を分離した。突然変異の原因遺伝子をマッピングにより同定したところ、GEK1遺伝子は新奇の遺伝子で植物と古細菌にのみ保存されていることが判明した。植物が持つ特有の機能を担っている遺伝子ではないかと考えられるが、今までに植物と古細菌でのみ見いだされた遺伝子の例はなく興味深い。 -
Genetic and molecular analysis on an ethylene signaling pathway in Arabidopsis
1996年09月 - 1998年08月
日本医療研究開発機構 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム Biology
Joseph R. Ecker
担当区分:研究代表者
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酵母の高浸透圧耐性突然変異株の分離と浸透圧ストレス応答性遺伝子の発現について
研究課題/領域番号:05740458 1993年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
平山 隆志
配分額:1000000円 ( 直接経費:1000000円 )
1、酵母の高浸透圧応答性遺伝子の単離及び解析
出芽酵母よりディファレンシャルスクリーニング法を用いて高浸透圧応答性遺伝子のcDNAクローン7つ(HOR1-HOR7)を単離した。これらのクローン構造解析を行い、HOR1,HOR3,HOR4,HOR5,HOR6がそれぞれglycerol-3-phosphate dehidrogenase,glucokinase,hexose,transporter,HSP12,P-type A TPaseをコードしていることが明らかにした。HOR2,HOR7は、今まで報告されていない遺伝子であった。さらにHOR2遺伝子と構造の類似してはいるが恒常的に発現している遺伝子、RHR2が酵母にはあることがわかった。このことから、HOR2及びRHR2の産物は酵母の生育にとって重要な働きを担っていると考えられたが、これらの遺伝子の破壊株は特徴的な表現型を示さなかった。
様々な変異株のおけるこれらの7つのHOR遺伝子の発現様式を調べることで、情報伝達系路についてある程度示唆を得た。まず、高浸透圧応答には、いくつかの情報伝達経路があると予想された。また、いくつかの遺伝子はcAMPによっても制御されている可能性も示唆された。
2、高浸透圧応答に関与する情報伝達突然変異体の単離
単離した高浸透圧応答性遺伝子HOR2の発現調節領域を大腸菌由来のLacZ遺伝子に結合しレポーター遺伝子を構築した。このレポータ遺伝子は高浸透圧に応答した。このレポーター遺伝子を導入した酵母菌を用いて高浸透圧応答に異常の見られる突然変異株の分離を試みている。 -
植物の細胞周期を制御するCDC2遺伝子ファミリーの研究
研究課題/領域番号:03780230 1991年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
平山 隆志
配分額:700000円 ( 直接経費:700000円 )