共同研究・競争的資金等の研究 - 篠永 東吾
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最適加工液流れ制御によるワイヤ放電加工の高性能化に関する研究
研究課題/領域番号:24K00779 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
岡田 晃, 岡本 康寛, 篠永 東吾
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
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EBポリッシングによる金属AM造形物の高能率表面仕上げ
研究課題/領域番号:24K07268 2024年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
篠永 東吾, 岡本 康寛
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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大面積電子ビーム照射法による革新的エッジ処理技術の開発
研究課題/領域番号:22684224 2022年09月 - 2023年09月
国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 官民による若手研究者発掘支援事業(第4回)・マッチングサポートフェーズ マッチングサポートフェーズ
篠永東吾
担当区分:研究代表者
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近赤外レーザ斜め照射と楕円青色レーザの重畳によるCu/Alの高信頼・高品位溶接
研究課題/領域番号:21H01227 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡本 康寛, 岡田 晃, 篠永 東吾
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材料の流動性を考慮したEBポリッシングメカニズムの解明による高能率表面仕上げ
研究課題/領域番号:21K03807 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
篠永 東吾, 岡本 康寛
担当区分:研究代表者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
令和3年度の研究計画に挙げていた,大面積電子ビーム照射時における「凸部への電子集中現象の解明」に取り組んだ.はじめに,大面積電子ビーム照射装置を再現した電磁場解析モデルを構築した.実際の大面積電子ビーム照射装置と同様に,モデル内にカソード,アノードおよびソレノイドコイルを設置した.本解析モデルにより,電子ビーム照射中における工作物近傍の磁場を算出した結果,平坦形状と比較して凸部先端において磁束密度が増大する傾向が得られた.電子は磁力線に沿ってらせん運動しながら進む性質がある.すなわち,凸部先端への電子ビーム集中現象を解析的に明らかにすることができた.
次に,令和4年度の研究計画に挙げていた,電子ビームチャンバ内の真空雰囲気,金属材料の熱物性値や粘性などを考慮した熱流体解析モデルの構築を試みた.構築したモデルの解析精度を評価するため,工作物の形状を平坦形状とし,平坦形状の表面へ電子ビームの熱流束を与えた.その結果,実験で得られた電子ビーム照射1shot照射時の再凝固層厚さと,解析において得られた溶融層厚さがほぼ一致した.構築したモデルを用いて,表面に微細凹凸形状を付与した工作物に対して電子ビームを1shot照射した際の熱流体解析を行ったところ,微細凹凸形状表面の溶融,溶融金属の凸部から凹部への流動・再凝固層する過程が見られた.また,電子ビーム1shot照射後の微細凹凸形状変化が,解析と実験でほぼ一致することを明らかにした.さらに,EBポリッシング時において溶融金属が流動する駆動力は,表面張力の影響が大きいことが分かった. -
ハイブリッド粉末混入放電加工による高性能金型仕上げ面の創成
研究課題/領域番号:20H02050 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡田 晃, 岡本 康寛, 北田 良二, 篠永 東吾
担当区分:研究分担者
配分額:18200000円 ( 直接経費:14000000円 、 間接経費:4200000円 )
放電加工によって金型加工面へ表面粗さの小さいクロム炭化物含有表面層を形成する,高機能金型仕上げ面の創成を目的としている. 2020年度にクロム粉末混入放電加工による硬質クロム表面層形成について検討し,電気条件や加工液へのクロム粉末混入濃度が表面層組成や層厚さに及ぼす影響を明らかにした.また,電極材質の加工面への含有現象を利用したクロム含有層形成も可能であることが判明した.
これらの成果を基に,2021年度は,まず,炭化クロム含有層の表面粗さ低減のため,クロム粉末混入加工液に炭素粉末を混入して加工を行うハイブリッド粉末混入放電仕上げ加工を検討した.各粉末混入濃度や,放電加工条件の最適化検討を行ったが,粗さの低減にあまり効果がなかった.そこで,従来表面粗さ低減のために実用されているシリコン粉末混入放電加工を活用し,シリコン粉末とクロム粉末によるハイブリッド粉末混入放電加工を試みた.その結果,適切なシリコン粉末混入濃度の条件下では,加工面のクロム含有率をほとんど低減させることなく,表面粗さ約1.5μmRzまでの低減が可能となった.さらに,電気条件の最適化検討によって,極小の電流値で加工面でのクロム含有率を向上させ,かつ表面粗さを約1.0μmRzに低減できることが明らかとなった.この際クロム成分は表面全体に均一に分布し,良質なクロム炭化物含有層を形成できることが明らかとなった.
さらに,2020年度検討において電極材質の加工表面への含有が判明したため,クロム電極を用いたクロム炭化物含有層形成の後に,超硬合金電極を用いた仕上げ加工を行い,2層表面構造の創成について基礎的検討を進めた.電極消耗の大きい条件を用いることで電極のタングステン成分が加工面への含有可能かの基礎検討を行った.その結果,放電エネルギーの小さい条件の下でタングステン成分を加工面に薄く含有できることが判明した. -
磁場制御電子ビーム誘導による三次元金型表面の高能率EBポリッシング
研究課題/領域番号:18K13673 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
篠永 東吾
担当区分:研究代表者
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
磁場制御電子ビーム誘導による三次元形状金型の表面平滑化を目的とし,EBポリッシングによる高アスペクト比穴底面の表面平滑化を試みた.磁場制御の基礎的検討として磁石を工作物下部に設置し,電磁場解析によって電子ビーム照射時の工作物近傍における磁力線分布を算出した.電子は磁力線に対してらせん運動しながら進む性質があるため,解析で得られた磁力線分布から電子ビームを穴底面に誘導できる可能性を見出した.高アスペクト比穴底面試料に対して磁場制御下で電子ビームを照射した結果,穴底面中心部から端部まで電子ビームを誘導することができ,穴底面全面を均一に平滑化できることを明らかにした.
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フレキシブル透明導電膜の低視認性高品位レーザ加工
研究課題/領域番号:18K03873 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
岡本 康寛, 篠永 東吾
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
情報化社会において重要なインターフェースのフレキシブル化に貢献できる銀ナノワイヤ透明導電膜に対する近赤外パルスレーザによる高品位除去加工を目指して,試料の光学特性の評価,レーザ照射系のセットアップを実施した後,基礎的な加工特性を評価した.
照射されたレーザ光のうち反射および透過することなく材料に吸収されるレーザ光が加工プロセスに主に寄与する.そこで積分球を備えた分光光度計を用いて,銀ナノワイヤ導電膜,PET,ハードコート層,銀ナノワイヤを保持しているアクリル系樹脂のみの透過率,および反射率を計測することにより吸収率を算出したところ,波長1umでは光吸収率は数パーセント程度であった.
次に,レーザ光スポット内における均一的な材料除去を目指してレーザ光強度分布の均一化を行った.ナノ秒パルスレーザにおいては,出力されたレーザ光を50um角コアの光ファイバへ入射させて集光することで,矩形で均一な強度分布を得た.一方,ピコ秒とフェムト秒パルスレーザではマスクを用いた結像光学系を用いることで,矩形で均一な強度分布のレーザ光を得た.
そして,作製した光学系を用いてパルス痕が重ならない条件において,200fs,1ps,10ps,10ns,100ns,500ns程度のパルス幅による銀ナノワイヤの基礎的な加工特性を評価した.測定電圧DC25Vで抵抗値が20MΩ以上となるような絶縁特性が得られる照射条件においては,パルス幅が短い方が熱的な影響は少なくなるものの,オーバーコート層に存在する直径100nm程度の銀ナノワイヤが除去された後の除去痕が顕在化し,視覚的に認識されやすくなった.この視認性を評価するために,色差(未加工部と加工部の差)を色差計により,透過光の拡散性を示すヘーズ(Haze)をヘーズメータによって評価したところ,視覚的な傾向を数値として評価できる可能性が示唆された. -
研究課題/領域番号:16H04248 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡田 晃, 岡本 康寛, 篠永 東吾
担当区分:研究分担者
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
大面積パルス電子ビーム照射により金型の高能率表面仕上げの高性能化を目的とし,まず,電磁場解析および熱伝導解析による凸部形状変化現象を解明した.そして,その現象を利用した微細バリ取りを検討し,放電加工やレーザ加工によって生じる熱加工ばりを効率的に除去できることを明らかにした.また,磁場制御による電子ビーム軌跡変化についても検討を行い,それを利用して穴底面の平滑化に取り組んだ.その結果,適切に磁場を制御することで穴底面の平滑化にも成功した.さらに,工作物の磁性や熱物性値が表面平滑化へ及ぼす影響についても検討を加えた.
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フェムト秒レーザを用いた表面構造制御による次世代生体材料の創製
研究課題/領域番号:15K18245 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
篠永 東吾, 塚本 雅裕
担当区分:研究代表者
配分額:2080000円 ( 直接経費:1600000円 、 間接経費:480000円 )
次世代生体材料の創成のため、フェムト秒レーザを用いた周期的微細構造形成によるチタン材料上の細胞伸展制御を試みた。はじめに、チタン材料上に形成する周期的微細構造の周期をレーザ波長により変化させることが可能であることを明らかにした。次に、周期的微細構造を形成したチタン材料に対してヒト骨芽細胞を用いて細胞試験を行った結果、細胞伸展制御に有効な周期が存在することを明らかにした。
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高度生体材料創製のためのフェムト秒レーザー照射による表面構造制御に関する研究
研究課題/領域番号:13J00842 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
篠永 東吾
担当区分:研究代表者
配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )
昨年度で酸化チタン(TiO2)膜への周期的微細構造形成が可能であることや、骨芽細胞が周期的微構造の溝に沿って伸展する結果が得られた。今年度は形状変化だけではなく、材料特性の変化にも着目した。TiO2は真空雰囲気下で電気炉加熱を行うと酸素欠陥が生じることが知られている。レーザー照射により周期的微細構造を形成した酸化チタンに対して真空雰囲気下で電気炉を用いた全体加熱を行ったところ、周期的微細構造の形状は維持されていた。骨芽細胞を用いて培養試験を行った結果、細胞が溝に沿って伸展する結果が示唆された。
また、更なる高度生体材料の創製を目指し、細胞伸展に最適な周期について検討した。周期はレーザーの波長の変化によって制御を試みた。さらに、周期的微細構造形成メカニズムについても検討した。申請者らのグループでは、TiO2膜に対してフェムト秒レーザーを照射すると、多光子プロセス等による電子励起が生じる可能性を示唆している。すなわち、レーザー照射によりTiO2膜の表層への高密度電子励起層の形成が予測され、高密度電子励起層及び膜との界面へ表面プラズモン・ポラリトン(SPP)が形成される可能性が考えられる。SPPの波長が周期に起因すると考える本モデルをSPPモデルと呼ぶとする。波長775 nmの第二高調波である388 nmをTiO2膜上に照射すると周期的微細構造が形成され、TiO2膜上における周期はレーザー波長の30%程度であることが明らかになった。得られた周期の実測値は、SPPモデルによって計算される周期の範囲内であった。すなわち、TiO2膜への周期的微細構造形成は、SPPモデルによって形成される可能性が示唆された。以上のTiO2膜に対する周期的微細構造形成メカニズムに関する成果は、英文の論文(査読有り)において成果をまとめている。国内外の会議においても多数の成果を報告している。