共同研究・競争的資金等の研究 - 藤原 健史
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カンボジア王国トンレサップ湖における住民参画型プラスチック汚染対策事業(草の根協力支援型)
2022年03月 - 2024年03月
独立行政法人国際協力機構 中国センター 草の根技術協力事業 海外技術協力
藤原 健史, ハボル
担当区分:研究代表者
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木質バイオマス灰を利用した再生土の安全性及び利用可能性評価
2021年08月 - 2022年02月
昭和化学工業株式会社 受託研究 実験研究
小松 満, 藤原健史, 金 秉洙
担当区分:研究分担者
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災害廃棄物暫定仮置場の積極的活用とその管理方法に関する研究
2018年12月 - 2020年12月
JST A-STEP機能検証フェーズ 災害廃棄物研究
藤原健史, 西山 哲, 吉川 慶
担当区分:研究代表者
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アジア地域の低炭素社会シナリオの開発
2010年04月 - 2016年03月
JICA/JST SATREPS(地球規模課題対応国際科学技術協力プログラム) マレーシア・イスカンダール地域の低炭素社会計画
藤原健史
担当区分:研究分担者
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東アジア圏の経済発展に伴う廃棄物発生量の予測と適正な資源化・処理・処分技術の選択
研究課題/領域番号:17360258 2005年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
藤原 健史, 松岡 譲, 河瀬 玲奈
配分額:15480000円 ( 直接経費:14100000円 、 間接経費:1380000円 )
アジアの国々の都市廃棄物と産業廃棄物は経済成長や都市化とともに急速に増加し深刻な問題となっている。それらの国々では将来の廃棄物の発生量を推計して廃棄物管理の戦略を練ることは重要であるが、廃棄物発生量が正確に計測されていなかったり、国によっては廃棄物の情報がオープンにされていない。本研究では、廃棄物の統計情報が不十分でも家計消費と工業統計に基づいて発生量を推計できる2つのモデルを提案した。最初の推計モデルは、消費行動に基づき家庭の消費財に支払う支出から廃棄物組成ごとの発生量(あるいは排出量)を推計する方法である。対象国は台湾、中国、韓国、日本であり、モデルの検証を通して有用性を示した。さらに、将来の社会経済を推計することできる計量経済モデルを、この廃棄物量推計モデルに結合させることによって、将来の廃棄物量を推定することができる。台湾を対象に、将来シナリオとして国家環境計画で示された社会経済変数の予測値を採用して廃棄物量の短期予測を行い、減量化のための政策や処理施設の計画などについて議論した。もう1つの推計モデルは物質、特にリサイクル可能な物質の流れに注目して、物質収支に基づいて廃棄物量を推計する方法である。国内での生産部門・家計部門と市場のそれぞれについて対象物質の収支関係を記述し、利用できる数少ない廃棄物データと産業統計データを与えて、未知数である廃棄物の発生量とリサイクル量を推計する。モデルではアジア諸国だけでなくアメリカやヨーロッパなどの国グループも含めており、世界の物質フローや廃棄物発生量が明らかになった。計算結果をもとに、国ごと、部門ごと、廃棄物組成ごとの発生量とリサイクル量について考察を行った。
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アジアのメガシティにおける大気汚染暴露地図の将来予測と健康リスク評価に関する研究
研究課題/領域番号:17360256 2005年 - 2007年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
北田 敏廣, 松岡 譲, 藤原 健史, 倉田 学児
配分額:15520000円 ( 直接経費:14500000円 、 間接経費:1020000円 )
日本のメガシティでは、大気汚染物質の排出量に対する規制が進み工業セクターからの寄与は大変に減った。しかしながら、民生用エネルギー需要の伸び、さらに単体規制の急激な進展にもかかわらず、乗用車数の増加等によって沿道や都市内過密部の大気汚は浮遊粒子状物質、二酸化窒素を中心に今も深刻である。一方、中国等のメガシティにおいては、都市の急激な巨大化に伴う交通インフラ整備の遅れ等により、より深刻な問題を抱えている。また、中国北部の都市に対しては年間のある時期に黄砂という自然の大気汚染ソースがバックグラウンドとして存在する。このような異なる条件のメガシティに対して、人為排出源の制御シナリオに基づく大気汚染の将来予測とそれによる健康リスク評価、さらに、健康リスクと排出源制御に関する相対的な経済評価を提示できるシステムモデルの研究が必要であると考えられる。上記システムの開発を最終のゴールとして、本報告では以下の点の研究を行った。(1)著者らが開発したエアロゾル粒子の成分組成を解像できる全球の輸送/反応/沈着モデルを用いて、中国、日本を含む東アジア・東南アジアの都市におけるSPM濃度および組成を2001年3月の1ヶ月にわたり推定し観測値との比較を行った。さらに、黄砂粒子の影響を強く受けるエリア、バイオマス火災による浮遊粒子の影響を強く受けるエリア等を推定した。また、日本と中国諸都市のSPM濃度の圧倒的な違いを再現できた。ついで、東南アジアのメガシティの例としてジャカルタについてSOx,NOx,03等の大気汚染濃度分布の実態を気象モデルと大気汚染輸送/反応/沈着モデルで明らかにした。さらに、名古屋を例にして過去9年間のデータを用いて、主としてSPM濃度が死亡率に与える影響を統計的に求めた。(2)排出源モデルを開発するとともに、それらの結果とMM5/CMAQモデルを結合し硫黄酸化物と窒素酸化物の沈着量について東アジアを中心にソース・リセプターの関係を解析した。(3)同じく、MM5/CMAQからなるモデルを構築し、東アジアを対象にして、日本のオゾン濃度に対する中国等大陸諸国からの長距離輸送の影響を解析した。
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環境戦略策定システムの構築に関するフィージビリティスターディ
研究課題/領域番号:16656161 2004年 - 2005年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 萌芽研究 萌芽研究
松岡 譲, 藤原 健史
配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )
地球温暖化や廃棄物などの問題に対処するには、技術、制度、政策及びそれらの人間的側面に関する知識と知恵を総動員する必要がある。この際、次の二点が重要となる。第一はそれぞれの領域に関する実際的なファクトと先見的な見通しである。第二はそれらをどのようにアクセント付け、組み合わせれば、問題解決に接近できるかである。後者に関する作業を予見的かつ効率的に行うシステムを構築することである。具体的には、現在及び近未来のわが国及び中国、インド等の民生、産業における技術情報、制度・マネジメント情報を網羅的に体系化し、それらのフィージブルな組み合わせが、どの程度の環境負荷削減と環境効率をもたらすかを具像的かつインターラクティブに行うツールを構築することが重要である。わが国における小規模の市あるいは町を対象とし、本システムの適用可能性を検討した。そのため、対象地域に関連する新エネルギー・物質循環技術、関連制度および関連マネジメントに関する情報、地理、社会情報、社会・経済に関する将来シナリオ、などについての情報を強化した。また、対象地域の政策担当者及び住民らによる適用性改善に関する助言を得た。中国あるいはインドにおける特定地域を対象とし、本システムの適用可能性を検討した。そのため、対象地域に関連するエネルギー・物質循環技術(近代的及び伝統的)、関連制度および関連マネジメントに関する情報、地理、社会情報、社会・経済に関する将来シナリオ、などについての情報を強化した。
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環境社会に向けた環境システム研究の組織化とそれに基づく共同研究の提案
研究課題/領域番号:16636015 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松岡 譲, 盛岡 通, 井村 秀文, 花木 啓祐, 原沢 英夫, 藤原 健史
配分額:3500000円 ( 直接経費:3500000円 )
本企画調査では、我が国及び近隣諸国においてこれまで行われた関連研究の系譜を踏まえ、国際的研究動向および今後数十年の環境社会ビジョンと上記目標の係わりを体系化し、どのような研究課題と優先付けが目標達成に対して効果的であるかを、中長期的かつ戦略的に、具体的な観点から考究・検討した。さらに、それらを踏まえた短期的及び中・長期的な具体的課題の戦略デザインを行い、関連学会を足場にした研究グループの組織化とキックオフを行った。
本調査によって整理・解析され、明らかとなった内容は、公開シンポジウムにて広く普及された他、書籍としても出版することを予定している。具体的内容としては、次の4点が挙げられる。
1)わが国及び諸外国における関連した政策・研究の現状と課題の整理:わが国及び諸外国の関連政策・研究の現状、研究内容、将来展望について、整理・解析するとともに、その含意について取りまとめた。その際、研究分担者以外にも関連分野の政策担当者、主要研究者、関連諸学会、関連研究・教育機関にも協力を仰いだ。
2)国際的な環境システム研究の系譜と課題整理:IHDP(地球環境変化の人間・社会的側面に関する国際研究計画)等に代表される環境社会に向けての国際研究計画の系譜と展望、わが国の関連研究との係わりについて整理・解析を行った。
3)科学技術政策が及ぼす影響の課題整理:科学技術基本計画等に代表される科学技術政策が、どのような環境社会を想定し、その実現に向けどのような効果と影響を及ぼしているかを整理・解析した。
4)アジア諸国における環境社会のあり方とそれに向けての研究の体系化に関する課題整理:中国、インド、韓国などの近隣諸国における関連政策・研究の現状と将来展望、環境社会の目標設定を整理し、その体系化の可能性について取りまとめた。 -
環境資本のサービスを考慮した環境・経済モデルの開発
研究課題/領域番号:15360287 2003年 - 2006年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松岡 譲, 藤原 健史, 河瀬 玲奈, 山敷 庸亮
配分額:14500000円 ( 直接経費:14500000円 )
本研究は、1)地球環境と植生の相互作用の把握、および2)全世界の人間活動に伴う炭素、窒素、リンの循環変化に関する基礎的研究を行った。
第一のテーマについては、植生層を2つに、土壌層を6つに分割することでPFT間の日光と土壌水分の競合を詳細に表現している動的植生モデルIBISを用いて、潜在的植生変化の動向を再現し、その出力を他のDGVMsの出力や衛星観測データから推測される植生分布と比較検討した。その結果、低緯度、中緯度地方においては比較的良好な一致が見られた一方で、高緯度地方では他よりも植物量が少なく計算された。これは観測データと比べても少ないと考えられる。また、草本植物は木本植物に対して土壌水分の獲得に有利であり、そのため日光よりも土壌水分量にその生存率が依存しているといえる。
本研究において草本植物のLAIが非常に小さく出力されたことは、土壌水分量の扱いが不適に行われた可能性があることを示唆している。第二のテーマでは、人間活動内、人間活動と自然環境間における炭素、窒素、リンのフローを記述する全世界炭素・窒素・リン物質勘定表を開発した。その勘定体系に従い、1971年から2002年における全世界を対象として、炭素、窒素、リンのフローを推計した。そのフローの推計には、物質収支調整計算やRAS法などの手法を用いた。それにより、様々な統計値、観測値と最も整合性を持つ値を推計することが可能となった。その結果の一例として、以下の3点が明らかとなった。
(i)2002年における人間活動が環境から採取してくる炭素量、窒素量、リン量は、1971年比でそれぞれ1.6倍、1.8倍、1.8倍の13、558TgC、212TgN、35.7TgPであった。今後人口増加や経済発展と共にこれらの量も増加すると考えられる。
(ii)廃棄物の発生量について見ると、炭素量では、農業廃棄物、窒素量、リン量では人糞、家畜糞尿割合が大きかった。廃棄物の利用を考えた場合、炭素量の多い農業廃棄物はエネルギー資源として、窒素量の多い家畜糞尿・人糞は肥料資源として利用することが有効であると考えられる。(iii)農地における窒素のフローについて見ると、韓国、オランダ、中国、ベルギーなどの地域で投入量が産出量を大きく超過していた。これらの地域の農地周辺の水域では窒素汚染が懸念される。投入源の内訳について見ると、各国によってその内訳は異なり、それぞれの地域に応じた対策が必要であることが示された。 -
家庭の消費・廃棄行動のモデル化と廃棄物管理システムの形成に関する研究
研究課題/領域番号:14350287 2002年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
藤原 健史, 松岡 譲, 河瀬 玲奈, 山敷 庸亮
配分額:12900000円 ( 直接経費:12900000円 )
本研究では、家庭の消費行動並びに廃棄行動に着目した廃棄物発生量予測から、全国の家庭ごみに対する最適な処理・資源化システムの探索、そして、現実規模の廃棄物管理システムに対するシナリオ評までを、一貫してモデリングとシミュレーションをベースとした研究を行った。以下に成果をまとめる。
1)ベッカーの便益理論に基づいた財・サービス選好モデルと、家庭での物質・エネルギー収支モデルを作成することで、消費支出金額や時間の使い方から家庭ごみの種類別発生量を推計した。また、経済成長率、人口、世帯人口、世帯数について将来シナリオを作成し、将来の環境負荷発生量を求めた結果、世帯による家計の消費支出の伸びの違いや、わが国の家庭ごみ排出量が2023年をピークにして減少することが明らかとなった。
2)発生後の家庭ごみをいかに効率よく処理するかを考えて、コストを最小とする廃棄物管理システムの探索を行った。そして、ごみ発生量の将来予測値と全国の各廃棄物処理施設の建て替え時期を調べて、将来に最適な建て替えが進むと仮定したときの廃棄物管理システムの将来動向をコホート分析で明らかにした。結果として、キルン型ガス化溶融処理と高速堆肥化を組み合わせたシステムが選択された。
3)特定自治体の現行の廃棄物管理システムをベースとして、家庭からの厨芥ごみの処理・資源化システムについて検討した。現在の廃棄物フローを忠実にモデル化し、さらにメタン発酵施設や家庭における電動生ごみ処理機と家庭用コンポストをモデルに組み込んだ。GISを用いた収集距離の計算機能を組み込み、家庭ごみの収集から最終処分までの全てのフローについて、8つの処理・資源化シナリオに対し、二酸化炭素排出量、エネルギー消費量、トータルコストなど7つの評価指標値を求めた。その結果、資源分別の効果、メタン発酵プロセスの効果などが示された。 -
環境配慮型社会へ向けた温暖化対策効果評価モデルの開発
研究課題/領域番号:12555154 2000年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松岡 譲, 藤原 健史, 島田 洋子
配分額:10600000円 ( 直接経費:10600000円 )
地球温暖化の抑制、環境配慮型社会への転換は、今日の環境問題において、最も重要な課題である。脱温暖化社会、環境配慮型社会への転換を実現するためには、環境技術開発や種々の施策施策の効果評価を可能とするプラットホーム(モデル)の構築が急務である。本研究では社会経済システムにおけるエネルギー、物質消費からの二酸化炭素排出に焦点をあてモデル開発を行うことを目的として、1)ボトムアップ・エンドユーズ型モデル(化石燃料消費からの温室効果ガス排出を詳細なエネルギー機器レベルで積み上げる)、2)トップダウン型の逐時型一般均衡経済モデル(エネルギー関連部門、数十の生産・サービス部門、政府及び家計部門から構成)を組み合わせたモデルを構築し、今世紀の世界及びアジア地域の温室効果ガス排出とその抑制効果の推計を行った。モデル開発にあたっては、1)家計、産業及び政府部門の環境配慮に対する選好変化のメカニズム、2)家計への財投入とそれをインプットとする家計内サービス生産メカニズム、3)環境保全型キーテクノロジーのR&Dを含めた経済的・技術的記述、に労力を注いだ。
さらに、これらのモデルを使用し、大気二酸化炭素濃度を550ppmに安定化する施策、早期に厳しい排出抑制を行なう施策、比較的終期に抑制を強化する施策を行なうときの、各国排出量、エネルギー状況、経済影響を試算した。また、アジア地域、今世紀前半(2032年まで)を対象にボトムアップモデルを中心とした適用を行い、2032年にて対策の強弱によって、対1998年比で1.7〜4.9倍の排出量変化があることを示した。 -
ごみ焼却炉の非定常燃焼過程における未燃焼ガスの生成に関する研究
研究課題/領域番号:11450197 1999年 - 2001年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
藤原 健史, 高岡 昌輝, 武田 信生
配分額:11400000円 ( 直接経費:11400000円 )
ごみ焼却炉におけるダイオキシン類やPCB類の濃度は、燃焼時に生成する未燃焼ガスの濃度に依存する。未燃焼ガスはごみの燃え始めの非定常状態において高濃度で生成すると考えられ、立ち上げ・立ち下げが繰り返されるバッチ燃焼炉では未燃ガスの濃度変化が顕著であると考えられる。本研究では、固形ごみ燃焼未燃焼ガスの生成を電気炉実験およびバッチ燃焼炉を用いた実験により計測し、一酸化炭素濃度や炭化水素濃度の動的な挙動をモデル化するとともに、計算機シミュレーションを通して焼却炉内部の温度・濃度の時間変化を求める研究を行った。以下に要点を整理する。
(1)熱重量分析によるごみの熱分解・燃焼特性の表現 熱重量分析計を用いて家庭ごみの組成ごとに熱重量分析を行い、それぞれの反応速度定数を求め、それらの加成性を実験により確認したうえで、代表ごみの熱分解・燃焼特性を表した。
(2)ごみの熱分解における一酸化炭素および炭化水素の生成モデル同定 ある程度の大きさの固形廃棄物を、雰囲気温度・含水率・見かけ密度を変えて電気炉で熱分解・燃焼させ、一酸化炭素の生成挙動を水分蒸発、分解燃焼、および一酸化炭素の一時的上昇を表す4次遅れ伝達関数で表した。
(3)バッチ燃焼炉による燃焼実験 さらに、現実大の紙とプラスチック(PE, PS, PVC)をバッチ燃焼炉で燃やし、排ガス中各種成分濃度を連続測定した。同時にダイオキシン前駆体であるクロロフェノール(CP)をオンライン測定し、PVCと他のプラスチックを同時に燃焼するとCP濃度が低下する傾向を見つけた。
(4)ごみ燃焼と燃焼ガスのハイブリッドシミュレーション ごみ燃焼モデルと熱流体モデルによるハイブリッドシミュレーションにより、燃焼炉内における非定常時のみ燃焼ガスの流速、濃度、温度の3次元分布を求めた。また、二次燃焼室の形状を変えることによる未燃ガスの濃度変化についても考察した。 -
認知科学的手法によるプロセストレンドからの状態監視
研究課題/領域番号:07780329 1995年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 奨励研究(A) 奨励研究(A)
藤原 健史
配分額:900000円 ( 直接経費:900000円 )
生産プラントでオペレータがプロセス変数の時系列パターンからプラント運動状態を認知する過程について分析し、局所的特徴や全体的傾向を時系列パターンから抽出する手法を開発した。
まず、80ton/h焚きのボイラプラント訓練システムを用いて、被験者に異常検出の定型操作をしてもらい、被験者が時系列データをどのように観察し、異常をどのように見分けるかについて調べた。その結果、異常発生時の急激な変化、変化の大きさ、長期的な変動などを被験者は監視していることが分かった。オペレータはディスプレイ画面に映し出された時系列データを、直線的傾向(一定値、一定上昇など)の列として記号化し、それを解釈してデータの挙動を認識しているものと考えられる。
そこで、局所的な特徴と長期的な変動を折れ線関数による近似で表す新しい特徴抽出方法を提案した。まず、時系列データを連続関数として近似し、その変曲点で区切られた区間を基本要素とする。基本要素と変曲点間を結んだ直線の差の標準偏差及び差の累積値を求め、それを基本要素の特徴量とする。特徴量が設定したしきい値を超えない範囲で基本要素を合併し、それを繰り返すことによって時系列データの局所的変化(スパイク変化など)と全体の傾向(トレンド)を折れ線関数として同時に抽出する。
提案した方法とウェイブレッド変換を用いた特徴抽出法を比較した。前者が時間領域における時系列データの近似であるのに対し、後者は時間-周波数領域での特徴抽出法である。実データを用いて特徴抽出を行ったところ、データ量の圧縮という観点からは同等の結果を得た。本方法はウェイブレッド変換による方法に比べるとアルゴリズムが簡単で計算も容易である。
応用として、プロセス変数のトレンド間の関数関係をニューラルネットワークに学習させ、オンラインで異常検出を行なう方法についても検討した。 -
プラントオペレータの教育訓練用シミュレータに関する研究
研究課題/領域番号:06455015 1994年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 一般研究(B) 一般研究(B)
西谷 紘一, 藤原 健史
配分額:3700000円 ( 直接経費:3700000円 )
プラントを安全にしかも効率よく運用するためには、プラント全体をよく理解したオペレータを育成する必要がある。このためシミュレータを使った教育訓練が効果的と考えられることから、教育訓練に役立つシミュレータを開発する基本技術について、本研究ではいろいろな観点から考察を行なった。まずプラントオペレータにとって、フィードバック制御とシーケンス制御から構成されているプラントの運転制御システムを理解することが必須の条件となる。特にシーケンス制御によって自動化されたシステムの動作を理解することがコンピュータとオペレータの役割分担を知る上で重要である。しかしシーケンス制御システムのプログラムは実装機器によって表現が異なり一般的な解析手法はない。本研究ではいろいろな表現形式で与えられるシーケンス制御機構を統一的に離散系状態方程式を用いて現わし、状態遷移図を作ってシーケンスプログラムの理解および検証を行なう方法を提案した。また発火するルールの順序が指定されている場合の解析手法として、新しくルール遷移図を定義してシーケンスプログラムを検証する方法を提案した。次に連続系として取り扱われる制御対象、離散系として取り扱われるシーケンス制御システムやオペレータの動作が、相互に密接に影響を与える動的なプラントオペレーションそのものをシミュレーションするため、離散系と連続系が混在するシステムのシミュレーション方式について考察した。そして離散系を処理するサブプログラムと連続系を処理するサブプログラムから構成されるシミュレーション方式が明快で実用的であることを示した。さらにプラントオペレーションにおけるオペレータ支援について考察を行い、制御対象、運転制御システム(コンピュータ)、ヒューマンオペレータ間のインタフェースに関する問題点を明らかにした。