研究者詳細 - 安藤　瑞生

MISC - 安藤　瑞生

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Oral Cancer Surgeries in Medicine and Dentistry Departments in Japan: Insights from National Health Insurance Claims and Specific Health Checkups Open Data 査読

Shohei Fujimoto, Kensuke Uraguchi, Takashi Yorifuji, Mizuo Ando

Nippon Jibiinkoka Tokeibugeka Gakkai Kaiho(Tokyo) 127 ( 5 ) 658 - 663 2024年5月

咽喉頭浮腫を合併したムンプス感染症の1例査読

内藤智之, 牧原靖一郎, 津村宗近, 松本淳也, 假谷伸, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 94 ( 11 ) 979 - 982 2022年10月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

＜文献概要＞はじめに流行性耳下腺炎はムンプスウイルスによる感染症であり,耳下腺の腫脹・疼痛や発熱を主症状とする。主に小児期に好発するが,成人発症も少なからず存在する。しばしば感音難聴や髄膜炎,睾丸炎などの合併症を生じるが,咽喉頭浮腫は比較的稀である。過去にも報告例があり1〜20),特に顎下部の腫脹を伴う場合では注意が必要とされている。今回,ムンプスウイルス感染に伴う喉頭浮腫と呼吸困難をきたした症例を経験したので,若干の文献的考察を含め報告する。

【ここが変わった! 頭頸部癌診療ガイドライン2022】原発不明癌

安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 94 ( 11 ) 948 - 951 2022年10月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

＜文献概要＞POINT ▼本分類は,頸部リンパ節から扁平上皮癌(上咽頭癌を含む)が確認されるが,原発巣が不明なものに適用する。▼HPV/p16陽性あるいはEBV陽性であった場合,中咽頭T0や上咽頭T0ではなく,あくまで原発不明T0と分類される。▼診断には,各種検査と細胞診,組織診を活用した綿密なwork-upが必要である。▼原発不明癌の治療に関する前向き比較試験はまだ存在しない。

45年前に留置したシリコンプレートによる眼窩内巨大嚢胞例査読

橘智靖, 春名威範, 最所裕司, 小松原靖聡, 黒田一範, 假谷彰文, 直井勇人, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 94 ( 11 ) 983 - 986 2022年10月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

＜文献概要＞はじめに眼窩外傷に対する手術の際,眼窩壁の補強のためにシリコンプレートが用いられることがある。異物留置後の創部感染の報告はこれまでにも散見されるが,シリコンプレートによる嚢胞形成の報告は比較的稀である。今回われわれは,45年前に留置したシリコンプレートが原因と考えられた眼窩巨大嚢胞に対して,経鼻内視鏡的に開窓およびプレートの摘出を行い良好な経過が得られた症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する。

双極I型障害の重度うつ状態,ステージIVの下咽頭癌,挿管困難が併存し,多科連携により修正型電気けいれん療法を実施し治療を進められた1例患者の権利擁護と総合病院精神科の役割査読

佐々木宏太, 榊原英輔, 越膳航平, 大路友惇, 切原賢治, 近藤伸介, 笠原諭, 高橋渉, 安藤瑞生, 笠井清登

精神神経学雑誌 124 ( 7 ) 439 - 446 2022年7月

記述言語：日本語出版者・発行元：(公社)日本精神神経学会

30歳代発症の双極I型障害の70歳代男性.躁状態で医療保護入院となったがその後間もなく重症抑うつエピソードに転じた.入院中にステージIVの下咽頭進行癌が見つかり早急に治療開始が必要であったが,本人は思考制止により病気の理解ができず治療の同意も得られない状態であった.そこで家族の同意を得て5回の修正型電気けいれん療法(mECT)を施行し,抑うつ症状が改善した後に本人の同意を得て,下咽頭癌に対する放射線治療を施行した.患者には,下咽頭癌とは別に副咽頭間隙に多形腺腫があり,急変時の挿管が困難であったため,mECTの施行時は,耳鼻咽喉科と連携し,緊急の気管切開が可能となるように準備を行った.本症例は,抑うつ状態のため癌治療を進められないときに,mECTを用いて早期に抑うつ状態の改善を図ることが有用な場合が存在し,重度の精神疾患と身体疾患が併存する場合において,総合病院精神科の果たす役割が大きいことを示している.(著者抄録)

甲状腺悪性リンパ腫に対して輪状軟骨開窓術を施行した1例査読

松本淳也, 牧原靖一郎, 内藤智之, 土井彰, 小桜謙一, 假谷伸, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科臨床 115 ( 7 ) 619 - 624 2022年7月

記述言語：日本語出版者・発行元：耳鼻咽喉科臨床学会

症例は77歳男性で、2週間前頃から喉頭違和感を自覚しており、当科初診日深夜に呼吸困難が出現したため当院に救急搬送された。精査によりたこつぼ型心筋症と狭心症が明らかとなり、さらにCTで気管狭窄を伴う甲状腺腫瘍が認められた。急速に増大する甲状腺腫瘍であったため、未分化癌や悪性リンパ腫を疑い穿刺吸引細胞診を施行したが、検体不良との結果で診断を得られなかった。早期の確定診断に加え、気道管理の面から経皮的な気道確保への移行が必要と判断し、入院4日目に輪状軟骨開窓術と開放生検を同時に行う方針とした。術後2週目にび漫性大細胞性リンパ腫の確定診断に至り、たこつぼ型心筋症と狭心症は呼吸・循環管理により改善していたため、血液内科に転科のうえ術後21日目から化学療法が開始され、6コース完遂後に腫瘍は完全奏効となった。

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甲状腺悪性リンパ腫に対して輪状軟骨開窓術を施行した1例査読

松本淳也, 牧原靖一郎, 内藤智之, 土井彰, 小桜謙一, 假谷伸, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科臨床 115 ( 7 ) 619 - 624 2022年7月

初回治療として手術を選択したp16陽性中咽頭癌の予後因子に関する臨床的検討査読

韓成奎, 齊藤祐毅, 坂井利彦, 福岡修, 安藤瑞生, 山岨達也

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 125 ( 6 ) 986 - 992 2022年6月

記述言語：日本語出版者・発行元：(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

p16陽性中咽頭癌の初回手術治療例において,予後に影響を与える因子を明らかにすることを目的に検討を行った.東京大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科で2004〜2019年に初回治療に根治手術を行ったp16陽性中咽頭癌55例を対象とし,後向きに検討した.検討項目は新旧病期分類,切除断端,転移リンパ節の個数,節外浸潤および術後照射の有無とし,単変量解析による比較を行った.年齢は46〜82歳(中央値67歳),性別は男性/女性=47/8例.旧分類ではStage I/II/III/IV=3/10/13/29例,新Stage分類はI/II/III=47/6/2例であった.経口法/外切開を40/15例,うち断端陽性が15例(経口法11例/外切開4例)であった.55例の内,5個以上のリンパ節転移が6例,節外浸潤ありを7例に認めた.単変量解析ではpN0が予後良好因子であり,術後に放射線治療を追加した症例で予後良好な傾向にあったが有意差は得られなかった.全症例の5年粗生存率,5年無再発生存率はそれぞれ86.2%,75.2%であり,5年粗生存率,5年無再発生存に影響したのは第8版によるStage分類,病理学的リンパ節の個数(pN分類)であった.単一施設の後ろ向き研究であるが,初回手術治療例で病理学的リンパ節の個数がp16陽性中咽頭癌の予後を正しく定義し,pNによる予後層別化の可能性を示唆した.(著者抄録)

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【結果の読み方がよくわかる! 耳鼻咽喉科検査ガイド】頭頸部腫瘍の検査遺伝子パネル

秋定直樹, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 94 ( 5 ) 245 - 250 2022年4月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

＜文献概要＞POINT ◆標準治療が終了(もしくは終了見込み)した固形がん患者が対象となる.◆出検に先立ち,患者の生命予後や薬剤投与の見込みを評価することが必要である.◆得られた結果に対応する治療は日進月歩であり,知識が固定化できないことを認識する.

COVID-19症例に対する気管切開術施行時におけるシングルユース軟性鼻咽喉鏡の使用経験査読

秋定直樹, 假谷伸, 牧野琢丸, 大道亮太郎, 梶原壮平, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 94 ( 4 ) 391 - 395 2022年4月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

78歳男性。発熱、呼吸苦を主訴に、近医のPCR検査にてCOVID-19陽性と診断された。診断後は4日間の自宅療法ののち、診断5日後に前医の入院加療を開始したが、動脈血酸素飽和度が徐々に増悪し、診断7日後に当院搬送となった。当院でHFNC管理を継続し、レムデシベル、トシリズマブ、バリシチニブによる加療を開始したが、酸素状態は改善せず、診断29日後に肺炎、呼吸不全の改善目的でシングルユース軟性鼻咽喉鏡(Ambu内視鏡)を用いて気管切開術を施行した。術後は引き続き人工呼吸器管理、加療を継続中である。単回使用製品であるAmbu内視鏡はスタッフの感染防御に有用であった。

縦隔内進展した甲状腺腫瘍を契機に診断されたCowden症候群の症例査読

野田実里, 木村宣彦, 藤野泰志, 安藤瑞生

日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会会報 125 ( 3 ) 291 - 295 2022年3月

記述言語：日本語出版者・発行元：(一社)日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会

Cowden症候群は種々の臓器に過誤腫性病変を生じるまれな遺伝性疾患で,悪性腫瘍を高率に合併する.今回われわれは縦隔内に進展する甲状腺腫瘍を契機にCowden症候群と診断した症例を経験したが,耳鼻咽喉科からの報告例が少なかったためここに報告する.症例は46歳女性.縦隔内甲状腺腫瘍にて紹介初診となった.特徴的皮膚所見と脂肪腫,消化管ポリポーシスの合併からCowden症候群を疑い,甲状腺全摘術を施行した.病理学的に甲状腺癌が明らかとなり,家族歴も併せて診断した.本症例のように甲状腺病変を有する症例は多く,悪性腫瘍早期発見のため包括的に診断し,診断後は長期間経過観察すべきである.(著者抄録)

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新型コロナウイルス感染症流行下における岡山大学病院の鼻科手術への対応と実施状況についての検討査読

檜垣貴哉, 村井綾, 清水藍子, 假谷伸, 安藤瑞生

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌 2 ( 1 ) 13 - 18 2022年3月

記述言語：日本語出版者・発行元：日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会

COVID-19の流行下における当院での鼻科手術実施にあたっての対策と現状について報告した。2020年4月から5月にかけて緊急症例や悪性腫瘍関連の症例以外は新規手術の予約の停止、予定の手術の延期等を行った。2020年6月以降は術前にPCR検査を施行することが可能となり、経鼻手術は術前に原則としてPCR施行の上で再開した。手術再開後、2020年8月から11月にかけて経鼻手術はほぼ例年同様の手術症例数となったが、流行の第3波の影響を受け2020年12月から2021年2月にかけて大きく手術数が減少した。手術を含めたすべての診療に関連して、新型コロナウイルスの感染リスクに関する問題が生じた場合は院内の感染制御部と連携し、助言を受けることが可能な体制となっている。

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シスプラチン抵抗性を除く再発転移頭頸部癌に対するEXTREMEレジメンにおけるシスプラチン投与量の検討査読

安藤喬明, 齊藤祐毅, 坂井利彦, 福岡修, 明石健, 吉田昌史, 安藤瑞生, 山岨達也

頭頸部外科 31 ( 3 ) 223 - 228 2022年2月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

【はじめに】シスプラチン感受性再発・遠隔転移頭頸部癌に対してEXTREMEレジメンは有意な生存期間の延長をもたらす。【方法】2015年〜2019年の間に当院で同レジメンを施行したシスプラチン抵抗性を除いた再発・転移頭頸部癌28症例について後方視的に予後因子解析を行った。【結果】1年全生存期間(OS)は60%,1年無増悪生存期間(PFS)は16%であった。原病診断からのシスプラチン総蓄積量が300mg/m2を超えた症例の1年OSは79%で,300mg/m2未満の症例に比して有意に良好であった。【考察】シスプラチンが十分投与できた症例が結果的に長期生存につながっていた。(著者抄録)

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外耳道癌治療中に発症した胆道感染症例査読

秋定直樹, 牧野琢丸, 森本光作, 佐藤明日香, 駿河有莉, 梶原壮平, 浦口健介, 大道亮太郎, 安藤瑞生

頭頸部外科 31 ( 3 ) 301 - 305 2022年2月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

胆道感染症は,胆石や胆泥により胆汁が鬱滞することで十二指腸乳頭より上行性に細菌感染が生じ発症する。長期間の絶食や経口摂取量不足が続くと胆汁がよどみ,胆石や胆泥発生の好条件となる。また,オピオイド鎮痛薬によるオッジ括約筋機能不全に陥る場合もあり,化学放射線療法中の腹部症状には注意を要する。今回われわれは外耳道癌に対するセツキシマブ併用放射線療法中に発症した胆道感染症を経験した。胆道感染症は診断と治療が遅れれば,開腹手術を要することがある。化学放射線療法を行う機会のある耳鼻咽喉科医は留意すべき治療中合併症のひとつであろう。(著者抄録)

TACMI法とEndoscopic Denker's Approachの併用により摘出しえた鼻腔血管腫の1例査読

松本淳也, 牧原靖一郎, 大村和弘, 内藤智之, 土井彰, 假谷伸, 安藤瑞生

頭頸部外科 31 ( 3 ) 293 - 299 2022年2月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

巨大な鼻腔血管腫の手術では良好な視野の確保が困難となることが多く,また術中に大量出血をきたすことがあるため,術式の選択が重要とされる。本症例は,78歳女性,左鼻腔を充満する血管腫症例である。術前塞栓術を試みたが施行できなかったため,手術の最初に栄養血管である蝶口蓋動脈の処理が必要であった。TACMI法とEndoscopic Denker's Approachを併用することで,蝶口蓋動脈凝固切断後の腫瘍の一塊切除が,内視鏡下に可能となった。これらの術式の併用は,巨大な鼻腔腫瘍,特に蝶口蓋動脈の処理も必要な場面において有用であると考えられた。(著者抄録)

【分子標的薬と耳鼻咽喉科】がん遺伝子パネル検査

安藤瑞生

JOHNS 37 ( 12 ) 1523 - 1526 2021年12月

小児、思春期・若年がん患者に対する妊孕性温存療法現状と改善の取り組み査読

秋定直樹, 牧野琢丸, 門田伸也, 菅谷明子, 片岡祐子, 中塚幹也, 安藤瑞生

耳鼻咽喉科臨床 114 ( 12 ) 957 - 962 2021年12月

記述言語：日本語出版者・発行元：耳鼻咽喉科臨床学会

当科で化学療法を施行した小児、思春期・若年(CAYA)世代がん患者20例を対象に、妊孕性温存に関する説明の実態調査を行った。その結果、妊孕性低下・消失について説明していた患者は2例のみであり、それぞれ17歳と23歳の未婚若年女性であった。一方、その他の女性5例(30歳台)や男性(13〜38歳)には説明が行われていなかった。また、妊孕性温存ガイドラインが出版された2017年の前後で妊孕性低下・消失について説明を実施した割合には著しい変化はみられず、妊孕性に対する配慮は担当医レベル、診療科レベルでも改善できる余地が十分にあると考えられた。

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創部感染の制御が可能であった人工内耳植え込み術後の小児の1例査読

清水藍子, 菅谷明子, 片岡祐子, 檜垣貴哉, 假谷伸, 安藤瑞生

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会誌 1 ( 3 ) 177 - 180 2021年12月

記述言語：日本語出版者・発行元：日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会

1日2回の生理食塩水洗浄と抗菌薬の保存的加療により、人工内耳植え込み術後の局所感染を制御できた小児の1例(1歳11ヵ月男児)について報告した。本症例で術後創部感染の保存的加療が可能であった要因として、「起炎菌がMRSAなどではなく、MSSAであったこと」「鼓膜所見や起炎菌から、中耳からの感染ではなく、皮膚からの感染であったため」「当院では、人工内耳植え込み術の際、minimum invasive surgeryを行っていること」が考えられた。

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Endoscopic tri-port approach法にて一塊切除した若年性血管線維腫例査読

牧原靖一郎, 大村和弘, 宮本翔太郎, 内藤智之, 浦口健介, 津村宗近, 假谷伸, 岡野光博, 安藤瑞生

日本鼻科学会会誌 60 ( 4 ) 546 - 552 2021年12月

記述言語：日本語出版者・発行元：(一社)日本鼻科学会

若年性血管線維腫は思春期男性に好発する易出血性の血管性腫瘍で,局所浸潤性が高く,鼻腔内から翼口蓋窩を中心に周囲組織を破壊進展する。手術療法は,様々な外切開が適応とされることが多かったが,近年では手術器具,技術,ナビゲーションシステムなどの進歩により経鼻内視鏡下に摘出される報告が増えている。Endoscopic tri-port approach法とは,Omuraらの提唱したTransseptal access with crossing multiple incisions(TACMI法),Direct approach to the anterior and lateral part of the maxillary sinus with an endoscope(DALMA法)と,Weberらの提唱した鼻涙管切断を伴う下鼻甲介処置を組み合わせることで,両外鼻孔からの経鼻中隔,経鼻腔,経上顎洞前壁の3つのポートを使用して,0度の内視鏡で翼口蓋窩や眼窩などへアプローチする方法である。今回我々は17歳の男性で,鼻腔,上咽頭から翼口蓋窩に一部進展の認める若年性血管線維腫,Radkowski分類Stage IIA期に対して,術前日に選択的血管塞栓術を施行した後に,Endoscopic tri-port approach法にて一塊切除した。Endoscopic tri-port approach法は顔面の外切開や歯齦部切開を施行することなく,可能な限り鼻中隔や下鼻甲介を温存しながら,広い術野で病変部への到達が可能であり,翼口蓋窩進展を認める若年性血管線維腫に対して有用なアプローチ法と考えられた。(著者抄録)

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口腔癌における重複癌のリスク因子に関する検討

水本結, 齊藤祐毅, 坂井利彦, 福岡修, 安藤瑞生, 山岨達也

頭頸部外科 31 ( 2 ) 141 - 146 2021年10月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

【背景】頭頸部癌患者には重複癌が生じやすく頭頸部領域と上部消化管の重点的検索が必要であるが,口腔癌に限った重複癌部位と年齢等のリスク因子に関する報告は少ない。【方法】当院で加療した口腔癌患者155人を対象とした後ろ向き観察研究。【結果】同時性重複癌11例,異時性重複癌39例,同時性かつ異時性重複癌3例を認めた。重複癌のリスク因子は,同時性ではPack-year 25以上,異時性では67歳以上とPack-year 37以上であった。若年または非喫煙者の上部消化管に生じた異時性重複癌は3例と少なかった。【結語】60歳未満または非喫煙者においては,上部消化管内視鏡による食道癌,胃癌の指摘率は少なかった。(著者抄録)

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シスプラチン併用化学放射線療法における胃瘻栄養の必要性と治療効果に関する検討

川嶋麻里, 齊藤祐毅, 坂井利彦, 福岡修, 明石健, 吉田昌史, 安藤瑞生, 山岨達也

頭頸部外科 31 ( 2 ) 163 - 170 2021年10月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

2013年4月から2017年12月に当科でシスプラチン(CDDP)併用根治的化学放射線療法を施行した頭頸部癌症例計49例において,胃瘻栄養の必要性と治療効果について後方視的に検討した。経管栄養を使用した症例は計30例であった。喉頭癌では咽頭癌と比較して経管栄養使用率が低く,また経管栄養使用の有無と治療成績およびCDDP積算量との間に有意な相関は認められなかった。頸部リンパ節転移がなく予防的頸部照射のみの症例においても経管栄養使用率は低かった。治療前体重が64kg未満の症例で経管栄養使用例が多く,治療前体重64kg未満の症例において経管栄養の使用が治療中の体重低下を予防する傾向が見られた。(著者抄録)

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頭頸部扁平上皮癌のgenomics

安藤瑞生

岡山医学会雑誌 133 ( 2 ) 99 - 103 2021年8月

頭頸部扁平上皮癌のgenomics

安藤瑞生

岡山医学会雑誌 133 ( 2 ) 99 - 103 2021年8月

記述言語：日本語出版者・発行元：岡山医学会

頭頸部扁平上皮癌の発癌メカニズム解明と標的治療を目指したゲノム解析は着実に進んでいるものの、画期的な発見がなされているとは言い難い。本稿では、ヒトパピローマウイルス(HPV)関連中咽頭癌を含む頭頸部扁平上皮癌のゲノム解析研究やがんゲノム医療の現状について、以下の項目で概説した。1)網羅的ゲノム解析の黎明期、2)HPV関連中咽頭癌と子宮頸癌、3)HPV関連中咽頭癌のエピゲノム、4)がんゲノム医療時代の頭頸部扁平上皮癌。2020年に発表されたESMO(European Society for Medical Oncology)ではESCAT(ESMO Scale for Clinical Actionability of Molecular Targets)に従った遺伝子異常と対応薬剤のエビデンス分類を発表しており、頭頸部扁平上皮癌のマーカーとして、HRAS活性型変異、Microsatellite instability-high(MSI-H)、TMB≧10/Mb(TMB-high)、NTRK融合遺伝子が挙げられている。

その他リンク： https://search-tp.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2021&ichushi_jid=J00175&link_issn=&doc_id=20210812220001&doc_link_id=10.4044%2Fjoma.133.99&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.4044%2Fjoma.133.99&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif

Head and Neck Tumor 頭頸部腫瘍診断・治療に向けた新技術の展開頭頸部がんクリニカルシーケンスの現状と課題

安藤瑞生

癌と化学療法 48 ( 7 ) 903 - 906 2021年7月

頭頸部がん専門医制度が定める指定研修施設における治療の現況

力武諒子, 安藤瑞生, 吉田昌史, 吉本世一, 山岨達也, 東尚弘

頭頸部外科 31 ( 1 ) 45 - 50 2021年6月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

日本頭頸部外科学会では2009年より頭頸部がん専門医制度を定めている。今回,院内がん登録を用いて指定/非指定研修施設での頭頸部癌治療の現状を比較検討した。2012-2015年の頭頸部癌94,006症例(705施設)を検討したところ,63.6%が指定研修施設にて治療されており,より標準治療に沿った治療が行われていることが示唆された。部位や地域による差も明らかとなった。また,2009-2013年症例の予後を検討した結果,指定研修施設の全生存率が有意に高かった。治療難易度が高い症例,治療選択の多様性がある症例が指定研修施設に集まっていることが示唆され,専門医制度の目的に沿った現状が構築されつつあると考える。(著者抄録)

【カラー術中写真でよくわかる達人による頭頸部がん拡大切除】顎顔面・頭蓋底手術舌半側切除術

安藤瑞生

耳鼻咽喉科・頭頸部外科 92 ( 13 ) 1063 - 1067 2020年12月

記述言語：日本語出版者・発行元：(株)医学書院

＜文献概要＞POINT ▼舌癌の深部浸潤の見極めと筋層切離には熟練を要する。切離中によく触診し,確実な深部安全域を確保する。▼pull-through法の意義は口腔底と舌根方向の良好な視野を得ることであり,pullだけでなくrotateを意識する。▼口腔底のリンパ節群は頸部郭清術で取り残す可能性があるため,注意を要する。

唾液腺導管癌における脂質関連蛋白発現の臨床病理学的意義査読

平井秀明, 多田雄一郎, 中黒匡人, 川北大介, 佐藤由紀子, 志村智隆, 塚原清彰, 加納里志, 小澤宏之, 大上研二, 佐藤雄一郎, 伏見千宙, 清水顕, 高瀬総一郎, 岡田拓朗, 佐藤宏樹, 今西順久, 大塚邦憲, 渡部佳弘, 酒井昭博, 戎本浩史, 富樫孝文, 植木雄志, 太田久幸, 三枝奈津季, 高橋秀聡, 安藤瑞生, 浦野誠, 花澤豊行, 長尾俊孝

日本唾液腺学会誌 60 24 - 25 2019年11月

第一鰓裂性瘻孔の1例

木下舞, 江上直也, 安藤瑞生, 近藤健二, 山岨達也

頭頸部外科 29 ( 1 ) 93 - 98 2019年6月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

今回、われわれは第一鰓裂性瘻孔症例を経験したので報告する。症例は7歳女児で、主訴は右顎下部の発赤・腫脹である。下顎角前上方に発赤を伴う皮膚瘻孔を認め、MRIでは瘻管は外耳道軟骨部から耳下腺内浅葉浅層を下方に進展し、下顎部で皮膚瘻孔に連続していた。耳下腺手術に準じて瘻管摘出術を施行した。瘻管は下顎角部から軟骨部外耳道に存在し、顔面神経外側を走行し、外耳道で盲端となっていた。術後顔面神経麻痺などの合併症は認めなかった。病理組織学的には重層扁平上皮とともに毛髪を含む皮膚付属器を認めた。第一鰓裂性瘻孔の治療では瘻管および瘻孔と顔面神経との位置関係が多岐にわたることを認識しておく必要がある。(著者抄録)

その他リンク： https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2019&ichushi_jid=J04210&link_issn=&doc_id=20190716490017&doc_link_id=10.5106%2Fjjshns.29.93&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.5106%2Fjjshns.29.93&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif

【甲状腺・副甲状腺-知りたいこと・知っておかねばならないこと】濾胞癌の追加治療について、補完全摘とアブレーションの適応

福岡修, 安藤瑞生

JOHNS 35 ( 6 ) 713 - 715 2019年6月

外耳道癌と耳かき頻度の相関性の検討

石浦良平, 飯田拓也, 柿木章伸, 安藤瑞生, 吉田昌史, 齊藤祐毅, 山岨達也, 光嶋勲

頭頸部癌 43 ( 1 ) 76 - 78 2017年4月

記述言語：日本語出版者・発行元：(一社)日本頭頸部癌学会

外耳道癌は稀かつ予後不良な疾患である。その危険因子として過剰な耳かきが臨床上推測されているが、統計学的に検討した報告は少ない。今回、我々は当科で加療を行った外耳道癌患者14例を対象とし年齢、性別、耳かき頻度、耳かきに使用する道具の材質、罹患側、病理組織について検討した。また、本研究に同意を得た健常人69名を対象とし、年齢、性別、耳かき頻度、耳かきに使用する道具の材質について調査し患者群と比較検討した。その結果、50歳未満の若年群における患者群と健常人群間において、有意に耳かき頻度、および硬質素材を用いる率が高かった。今回の結果から、過剰な刺激の耳かきが外耳道癌発生を誘発する可能性が示唆された。(著者抄録)

その他リンク： https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2017&ichushi_jid=J04195&link_issn=&doc_id=20170511480014&doc_link_id=10.5981%2Fjjhnc.43.76&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.5981%2Fjjhnc.43.76&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif

【頭頸部癌学-診断と治療の最新研究動向-】頭頸部癌の疫学頭頸部癌の危険因子ウイルス、その他の危険因子

安藤瑞生

日本臨床 75 ( 増刊2 頭頸部癌学 ) 66 - 69 2017年2月

喉頭温存手術が可能であった輪状軟骨原発軟骨肉腫の1例

山村晃司, 小村豪, 齊藤祐毅, 吉田昌史, 安藤瑞生, 二藤隆春, 朝蔭孝宏, 山岨達也

頭頸部外科 26 ( 3 ) 383 - 387 2017年2月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

喉頭原発の全悪性腫瘍の中で軟骨肉腫は比較的稀であるが、扁平上皮癌、腺癌についで多く、過去にも症例報告が散見される。その治療法は外科的切除であり、有効な化学療法や放射線療法は確立されていない。今回われわれは輪状軟骨原発軟骨肉腫に対し喉頭を温存して切除し得た1例を経験したため報告する。症例は77歳男性、CTで輪状軟骨左側に28mm大の腫瘤性病変が指摘され当科受診した。外切開による腫瘍生検にてGrade Iの軟骨肉腫と診断し、後日喉頭側方からのアプローチで喉頭を温存しての腫瘍摘出術を施行した。術後経過は良好で音声・嚥下機能は温存された。術後1年経過現在、外来にて経過観察中である。(著者抄録)

その他リンク： https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2017&ichushi_jid=J04210&link_issn=&doc_id=20170310470019&doc_link_id=10.5106%2Fjjshns.26.383&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.5106%2Fjjshns.26.383&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif

【中咽頭癌-HPVの視点からみた大きな変化】治療 HPV陽性T3/4N(+)の治療方針は?

安藤瑞生

JOHNS 32 ( 3 ) 351 - 354 2016年3月

喉頭癌の生命予後における重複癌、併存症、飲酒喫煙量の関与

齊藤祐毅, 小村豪, 安藤瑞生, 吉田昌史, 朝蔭孝宏, 山岨達也

頭頸部外科 25 ( 3 ) 357 - 363 2016年2月

記述言語：日本語出版者・発行元：(NPO)日本頭頸部外科学会

2001年1月から2012年12月までの12年間に一次根治治療を行った喉頭癌240例を検討した。年齢は37〜89歳(中央値69歳)、男性/女性は219例/21例、T1/T2/T3/T4=88/81/49/22であった。T1-2症例169例には喉頭摘出術/喉頭温存手術/放射線(化学)療法をそれぞれ7/5/157例に行い、T3-4症例71例には喉頭摘出術/喉頭温存手術/放射線(化学)療法をそれぞれ55/3/13例に行った。原病死を39例、他因死を36例に認め、他因死のうち肺癌が14例(39%)であった。粗生存率/疾患特異的生存率は69.5%、79.8%であった。疾患特異的生存に対して併存症、N分類、T分類、高齢、重度飲酒者が、粗生存に対して併存症、T分類、N分類と重度喫煙者が有意な予後不良因子であった。(著者抄録)

その他リンク： https://search.jamas.or.jp/index.php?module=Default&action=Link&pub_year=2016&ichushi_jid=J04210&link_issn=&doc_id=20160315370017&doc_link_id=10.5106%2Fjjshns.25.357&url=https%3A%2F%2Fdoi.org%2F10.5106%2Fjjshns.25.357&type=J-STAGE&icon=https%3A%2F%2Fjk04.jamas.or.jp%2Ficon%2F00007_3.gif

【耳鼻咽喉科診療におけるリスクマネージメント-患者トラブルを防ぐために】セカンドオピニオンのリスクマネージメント

安藤瑞生

JOHNS 31 ( 10 ) 1451 - 1453 2015年10月

【よくわかる遺伝子】遺伝子検査次世代シーケンサーによる遺伝子検査

安藤瑞生

JOHNS 30 ( 6 ) 691 - 694 2014年6月

当科における上咽頭癌放射線化学療法(IMRT+TPF)施行例に関する短期報告

蝦原康宏, 井垣浩, 安藤瑞生, 吉田昌史, 朝蔭孝宏

頭頸部癌 37 ( 2 ) 208 - 208 2011年5月

当院における中咽頭前壁癌に対する治療成績の検討

吉田昌史, 安藤瑞生, 蝦原康宏, 朝蔭孝宏, 山岨達也, 井垣浩

頭頸部癌 37 ( 2 ) 209 - 209 2011年5月

下咽頭・頸部食道癌の種々の切除様式に対する再建の治療戦略

飯田拓也, 三原誠, 成島三長, 荒木淳, 大島梓, 平井林太郎, 光嶋勲, 朝蔭孝宏, 蝦原康宏, 吉田昌史, 安藤瑞生, 瀬戸泰之

頭頸部癌 37 ( 1 ) 121 - 125 2011年4月

記述言語：日本語出版者・発行元：(一社)日本頭頸部癌学会

下咽頭・頸部食道癌は上部消化管の悪性腫瘍を合併することが多く、通常の咽頭喉頭頸部食道全摘では対応できず、全食道を合併切除する必要がある症例も存在する。一方で、根治性を損なわない範囲内で可及的に機能温存を図る手術の広がりに伴い、下咽頭部分切除が施行される症例も増えてきている。今回、われわれはこうした種々の下咽頭癌・頸部食道癌切除法に対応した再建法について検討した。対象は下咽頭・頸部食道癌の切除・再建術のうち、TPLEに加え食道全切除も必要であった拡大切除5例と、下咽頭部切などの縮小切除5例である。再建方法は拡大手術では、延長胃管、遊離空腸+胃管等で、縮小手術では遊離空腸パッチ、遊離前腕皮弁であった。各種の再建方法にはそれぞれ長所、短所があるが、再建法を決める際には耳鼻科や食道外科と切除・郭清範囲、温存される血管、侵襲の程度などについて事前に十分に打ち合わせ、総合的に検討する必要があると考えられた。(著者抄録)

DOI： 10.5981/jjhnc.37.121

その他リンク： http://search.jamas.or.jp/link/ui/2011212858

【ここまで変わった頸部郭清術】特殊領域の頸部リンパ節郭清適応と手技舌骨傍領域リンパ節

安藤瑞生

JOHNS 27 ( 2 ) 209 - 214 2011年2月

舌癌における「舌骨傍領域 (para-hyoid area)」の制御を目指して査読

安藤瑞生, 浅井昌大, 吉田昌史, 蝦原康宏, 中尾一成, 朝蔭孝宏, 山岨達也

頭頸部癌 = Head and neck cancer 36 ( 3 ) 303 - 308 2010年

記述言語：英語出版者・発行元：Japan Society for Head and Neck Cancer

われわれは，舌癌において制御困難な再発をきたし得る部位として「舌骨傍領域」に注目している。同領域は舌癌における原発巣と頸部の継ぎ目に位置し，口腔からのアプローチは困難で，かつ通常の頸部郭清術の郭清範囲外である。病巣は舌下神経の深部で舌動脈を巻き込むように出現し，やがて副咽頭間隙に広く進展して根治困難となりうる。このような再発は，舌動脈に沿って出現する小リンパ節への転移によるものであろうと考えている。臨床的に明らかな再発病巣として発見される時点では既に周囲へ浸潤していることが多く，治癒切除を施行するためには遊離皮弁が必要となる場合がある。病巣は可能な限り早期に発見されるべきだが，舌骨傍領域の画像診断には限界があるため，頸部郭清術を施行する際には必ず同領域の組織を摘出するようにしている。治療後の機能温存が強く求められる部位であるので，合併症のより少ない治療を選択すべきである。

DOI： 10.5981/jjhnc.36.303

Clinical inspection of metastasis to the mesenteric lymph nodes in patients with hypopharyngeal cancer after pharyngolaryngectomy with free jejunal graft-136 cases

Sayaka Suzuki, Masato Mochiki, Kazunari Nakao, Takashi Sakamoto, Mizuo Ando, Masashi Sugasawa

Journal of Otolaryngology of Japan 109 ( 1 ) 19 - 23 2006年

記述言語：日本語掲載種別：書評論文，書評，文献紹介等出版者・発行元：Oto-Rhino-Laryngological Society of Japan Inc.

Single-stage reconstruction of the pharyngoesophagus with a free jejunal graft is considered standard surgical treatment for hypopharyngeal cancer. We reviewed postoperative cervical CTs in 72 of 136 consecutive patients (1982-2002) undergoing this therapy in our department. Of these, 29 (40%) showed mesenteric lymph node swelling (&gt
10mm) in grafts. Most swelling is considered reactive, but 1 patient showed pathological metastasis in fine-needle aspiration cytology (FNA). When metastasis is clinically suspected in imaging study and other examinations, FNA should be done carefully with guided ultrasound echo-imaging, to avoid damaging vascular grafts and necrosis of the jejunal graft.

DOI： 10.3950/jibiinkoka.109.19

下咽頭癌における予後因子の検討

持木将人, 菅澤正, 中尾一成, 弓削忠, 坂本幸士, 安藤瑞生

頭頚部腫瘍 29 ( 1 ) 14 - 22 2003年3月

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