共同研究・競争的資金等の研究 - 松村 圭一郎
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ポスト・ヒューマン時代の〈人間経済〉:アジア、アフリカ、オセアニアからの再構築
研究課題/領域番号:24H00128 2024年04月 - 2029年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
佐久間 寛, 中山 智香子, 寺内 大左, 山本 真鳥, 酒井 隆史, 河野 正治, 松村 圭一郎, 小川 さやか, 佐川 徹, 深田 淳太郎, 箕曲 在弘, 生駒 美樹
配分額:47190000円 ( 直接経費:36300000円 、 間接経費:10890000円 )
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ヨーロッパのケア労働者としてのエチオピア人移民女性のライフコースに関する共同研究
研究課題/領域番号:20KK0264 2022年 - 2024年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(A))
松村 圭一郎
配分額:7410000円 ( 直接経費:5700000円 、 間接経費:1710000円 )
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エチオピア人出稼ぎ・難民女性の生活実践にみる「人間の経済」に関する人類学的研究
研究課題/領域番号:19K01199 2019年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松村 圭一郎
担当区分:研究代表者
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究は、エチオピアから中東やヨーロッパへの出稼ぎ民/難民の実証研究をとおして、グローバルな人の移動が急速に拡大し、市場の論理による経済システムが世界を覆うなかで、いかに「人間の経済」の領域が存立しうるのかという問いを考察する。
初年度である2019年度は、移民・難民に関する人類学などの研究文献の収集と整理を中心に研究を実施した。さらに「人間の経済」を考察するための準備作業として、富を分配するという平等主義的な概念を人類進化の射程からとらえなおす論考を刊行した。こうした問題意識を共有する経済人類学や政治人類学の専門家と、執筆した論考をもとに議論を行い、今後の研究の課題を把握した。
なお、3月にエチオピア農村での現地調査を予定していたものの、新型コロナウイルスの影響で海外渡航が制限されるなかで、エチオピアでの現地調査は断念した。そのため、渡航費のために用意していた経費は翌年度に繰越し、状況が改善したときに現地調査に着手する予定である。 -
負債の動態をめぐる比較民族誌的研究:アジア・アフリカ・オセアニア農村社会を中心に
研究課題/領域番号:19H01388 2019年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
佐久間 寛, 中山 智香子, 酒井 隆史, 河野 正治, 松村 圭一郎, 深田 淳太郎, 箕曲 在弘, 生駒 美樹
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
6月30日に第1回研究会を開催し、研究代表者である佐久間からの趣旨説明と、研究分担者および研究協力者の所信表明により問題関心の共有を図った。その後研究代表者および研究分担者は、おのおののフィールドで実地調査を実施した。また、あらたに本研究にくわわった若手研究者2名の実地調査を資金的にサポートした。これらの成果をふまえ年度末に研究会を実施する予定であったが、防疫上の観点から延期とした。
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世界システムとオイコノミア:大戦間期の貨幣論の生態的・人類学的考察
研究課題/領域番号:18H00619 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
中山 智香子, 藤原 辰史, 林 公則, 桑田 学, 松村 圭一郎
担当区分:研究分担者
配分額:9100000円 ( 直接経費:7000000円 、 間接経費:2100000円 )
2018年度は初年度のため、まず夏前(6月30日)に第一回の研究会兼研究打ち合わせの会合を開き、各メンバーの問題関心と今後の研究計画を確認した。また代表者中山と分担者桑田は社会思想史学会会員であり、2018年度の大会でテーマ的問題関心を共有する藤原辰史氏(非会員)を招聘してセッション報告「ネイチャーズエコノミー再考:ダーウィニズムからナチズムの時代に」を行うことを計画し、夏前に2度の研究打ち合わせ、小研究会を行った。同学会大会は10月末(27日、28日)に行われ、他の分担者二名もこれに参加して、セッション参加者とともに活発な議論を行った。さらに同日、これを受けての藤原氏も交えて研究打ち合わせを行った。またこの結果、2019年度より藤原氏に研究分担者に加わっていただくことになった。
なお同学会大会では、資本主義と人種、階級、国民の概念の関係を論じたドキュメンタリーDVD上映のセッションが行われたが、これは本研究の枠内でドキュメンタリー製作者に許可をとり日本語字幕を付した成果を、テーマに近い研究者諸氏に論じてもらったものである。
また地域通貨と暗号通貨に関して戦間期のドイツ、オーストリアの状況を調査するうちに、現行の地域通貨キームガウアーを精査する必要が明らかになり、また戦間期に普及した地域通貨ヴェルグルの実施地域に研究所が存在することがわかったため、2019年2月末から3月初めにかけて、ドイツ、オーストリアへの共同出張を行った。分担者林はキームガウアー創始者のC.ゲレリ氏にインタヴューを行い、またメンバーでヴェルグルの研究所を訪問し、視察とインタヴューを行った。さらに林、中山でM.エンデの思想との関連を調査し、分担者桑田はイギリスの貨幣論と社会的信用、ラスキン、ギルド社会主義の関係を調査するため、イギリスへも出張の足をのばした。 -
援助と投資の経済人類学:エチオピアの食料資源の市場化/脱市場化に関する実証分析
研究課題/領域番号:26300035 2014年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
松村 圭一郎, 曽我 亨, 藤本 武, 田川 玄, 佐川 徹
配分額:16250000円 ( 直接経費:12500000円 、 間接経費:3750000円 )
エチオピアでは、食料不足のために大量の食料援助を受け入れる一方、アグリビジネス企業による農地取得が進み、食肉などの食料輸出も増大してきた。本研究は、このような急速に変化しつつある食料資源に焦点をあて、その資源をめぐって開発援助や市場経済、国際/国内政治が相互に連関している構図を実証的な現地調査で明らかにすることを目的として実施した。一連の研究成果の分析からは、エチオピア政府や国際的な開発援助と経済的な投資が顕著に連動している地域がある一方で、海外からの積極的な援助や投資がない地域で自発的な市場活動が生じている状況があきらかになり、市場経済と政治・援助体制との関係について興味深い知見が得られた。
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現代エチオピア国家の形成と農村社会における女性の役割に関する実証的研究
研究課題/領域番号:26300036 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
石原 美奈子, 児玉 由佳, 吉田 早悠里, 眞城 百華, 松村 圭一郎, 松波 康男, 大坪 玲子
担当区分:研究分担者
配分額:10010000円 ( 直接経費:7700000円 、 間接経費:2310000円 )
本研究は、現代エチオピアの農村女性が果たしてきた政治・社会・宗教的役割を、現地調査を通して明らかにすることを目的とする。エチオピアは、多民族・多宗教の国家であるが、家父長制的であるという共通点をもっている。女性の権利やジェンダー問題は、世帯や共同体内だけでなく、国家レベルでも重要な課題とみなされてこなかった。現EPRDF政権下でもたらされた政治変化のもとで、ジェンダー問題に注目が集まるようになり、女性は社会参加の機会が拡大したとされる。だが、現地調査を通して、本研究は依然多くの問題が残されていることを明らかにした。成果は『現代エチオピアの女たち』(2017年、明石書店)として刊行された。
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NGO活動の作りだす流動的社会空間についての人類学的研究-エチオピアを事例として
研究課題/領域番号:25300049 2013年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宮脇 幸生, 児玉 由佳, 増田 研, 藤本 武, 吉田 早悠里, 眞城 百華, 松村 圭一郎, 佐藤 美穂, 田川 玄, 佐川 徹
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
本研究では、エチオピアにおけるNGOの活動と国家による統制の現状を、1990年以降の開発途上国における世界的なNGOブームと、2000年以降におけるその退潮の政治経済的文脈の中でとらえたうえで、エチオピアにおけるNGOを統制する法律の施行の影響を分析した。さらにティグライ州・アムハラ州・オロミア州・南部諸 民族州、そしてウガンダの難民キャンプにおいてNGOとCBO(地域社会組織)の活動に関する事例研究を行い、エチオピアのNGO・CBOと政府・草の根社会との関係について分析を行った。
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環境インフラストラクチャー:自然、テクノロジー、環境変動に関する民族誌的研究
研究課題/領域番号:24251017 2012年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
森田 敦郎, 木村 周平, 中川 理, 大村 敬一, 松村 圭一郎, 石井 美保
担当区分:研究分担者
配分額:33410000円 ( 直接経費:25700000円 、 間接経費:7710000円 )
本プロジェクトは、地球環境の持続的な管理に向けての試みに焦点を当てて、インフラストラクチャーと自然環境の複雑な関係を解き明かすことを目的としている。本研究が取り上げる事例は、インド、カンボジア、日本(東北地方)などの多様な地域におよぶ。これらの事例を通して、本プロジェクトは、物理的なインフラストラクチャー(堤防、コンビナートなど)と情報インフラストラクチャー(データベース、シミュレーションモデルなど)が、いかに現地の自然環境および社会関係と相互作用するのかを明らかにした。その成果は英文論文集、国際ジャーナルの3つの特集号およびおよび多数の個別論文、学会発表として発表された。
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民族連邦制国家エチオピアにおける宗教の共同体のもつ公共性に関する人類学的研究
研究課題/領域番号:23401047 2011年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
石原 美奈子, 宮脇 幸生, 田川 玄, 藤本 武, 増田 研, 松村 圭一郎, 佐川 徹, 吉田 早悠里, 松波 康男
担当区分:研究分担者
配分額:14170000円 ( 直接経費:10900000円 、 間接経費:3270000円 )
本研究は、民族連邦制国家エチオピアにおいて、広義の宗教(設立宗教のみならず呪術など民間信仰含む)がさまざまな次元でいかに人々の私的・公的領域で役割を演じ、現政権が分割統治しようとしている民族の境界をこえて人々のネットワーク作りの契機となっているかについて、とくにエチオピア南部の諸社会での文化人類学的調査を通じて明らかにするものであった。同国の主要二大宗教(キリスト教とイスラーム)は、グローバル化の影響で新たな流派が導入され、新たな宗教共同体を形成するだけでなくその内外で対立をも生んでいる。土着の民間信仰や精霊崇拝も宗教・民族の境界を越えて拡大している。
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開発援助の経済人類学的研究:エチオピアとザンビアの食糧援助プロジェクトの事例から
2010年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 若手研究(B)
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
アフリカ諸国では、近年、世銀や国連などのイニシアティブのもとで、食糧危機に対応する大規模な開発援助のプロジェクトが進められている。本研究は、エチオピアとザンビアという政治・経済的文脈の異なる2カ国を対象として、政府や国連機関による食糧援助政策を経済人類学的な視点から解明することを目的とする。現代アフリカで進行するグローバルな開発政策の実証研究にもとづいて、開発援助に関する人類学理論の構築を目指す。
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エチオピアにおける食糧安全保障政策と農村社会の再編成
2009年08月 - 2010年03月
京都大学教育研究振興財団助成事業・長期派遣
担当区分:研究代表者 資金種別:競争的資金
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開発と国家支配-連邦制国家エチオピアにおける開発エージェントと国家権力の相克
研究課題/領域番号:20401046 2008年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宮脇 幸生, 石原 美奈子, 佐川 徹, 田川 玄, 藤本 武, 眞城 百華, 増田 研, 松田 凡, 松村 圭一郎
配分額:16510000円 ( 直接経費:12700000円 、 間接経費:3810000円 )
本研究によって明らかになったことは、エチオピアでは(1)開発の主体が政府から、政府だけでなく、国内外の企業家、国際機関およびそれと連携したNGOと、複数化しているということ、(2)一部でNGOと政府の間に密接な政治的関係が観察されたこと、(3)開発プロジェクトが実践された地域では、一部の地域住民の開発への参画と包摂、地域や世代による地域集団の分裂と対立、そして民族集団間の紛争に至るまで、それぞれの地域の社会的条件に応じて多様な形で地域社会の再編が進行しているということである。
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研究課題/領域番号:19107007 2007年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S) 基盤研究(S)
山極 壽一, 中川 尚史, 木村 大治, 中務 真人, 中村 美知夫, 松村 圭一郎, 橋本 千絵, 荻原 直道, 藤田 志歩, 市川 光雄
担当区分:研究分担者
配分額:96200000円 ( 直接経費:74000000円 、 間接経費:22200000円 )
現代の人類社会が抱える資源をめぐる葛藤の進化史的背景とその解決法を、霊長類学、生態人類学、先史人類学の分野から分析し、ヒト科類人猿はオナガザル科霊長類との競合を通じて雑食性とゆっくりした生活史を進化させ、メスの繁殖を左右する食環境とオス間の競合の影響を弱めるために、類人にはない資源の所有と分配の方法を発達させたことを明らかにした。その進化史と文化の違いを考慮した解決法を提案した。
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ポスト社会主義・エチオピアの土地政策と土地利用実践の再編過程に関する実証研究
研究課題/領域番号:18720241 2006年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
松村 圭一郎
担当区分:研究代表者
配分額:3210000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:210000円 )
エチオピアの土地政策をめぐる文書資料からは、土地の私有化を求める議論がなされてきた一方で、その弊害を主張する議論も多く、コミュニティの管理を基本とした土地政策を進める穏健的な政策が支持されてきたことがわかった。また、アーカイブ調査からは、90年代後半から実施されている土地測量・土地登記といった土地政策が、50年代、60年代に進められてきた土地政策の延長線上にあることがわかった。90年代以降の土地利用実践に関する調査からは、低湿地部分に残されていた未利用地のほとんどが分割され、未利用の土地がほぼ消失したことがわかった。また、未利用地の消滅と人口増加という状況が、アラブ諸国への出稼ぎ増加につながっている可能性もみえてきた。3年間の研究をとおして、土地不足や人口増加、コーヒー栽培の不安定化などを背景に農村部から海外への出稼ぎが急増するなどグローバルな変化が起きている状況が明らかになった。
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資源開発をめぐる民族と国家の動態:エチオピア西部でのコーヒー栽培の拡大過程から
研究課題/領域番号:02J01899 2002年 - 2004年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
松村 圭一郎
担当区分:研究代表者
配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )
本研究の目的は、エチオピア西部のコーヒー栽培地帯をおもな調査地として、農業資源開発の浸透にともなう民族と国家との動態的関係を明らかにすることである。
最終年度である平成16年度は、これまでの現地調査によって収集したデータと研究発表を通して分析を深めてきた成果をもとに、コーヒー栽培が浸透していく過程で生態環境や民族関係・経済活動にどのような変化が起きてきたのかを他のアフリカ社会の事例や人類学的な先行研究との比較分析のなかで検討を進めた。とくに、資源の所有と分配という視点からアフリカにおける農耕民研究や狩猟採集民研究、人類学における土地所有に関する研究をふまえて、商品作物栽培という農業資源開発の進展がどのような社会変容をもたらしたのか考察を行った。
その結果、エチオピアのコーヒー栽培農村では、現金の流入を背景として、土地から生み出された富に「分配される富」と「独占される富」というふたつの経済領域が生じているという分析を提示した。しかも同じ作物であっても、その種類や文脈に応じて異なる社会的意味を担っており、市場経済に取り込まれながらも、なお富の分配が「商品生産」との相対的な位置を占めていることを見出した。また、コーヒー栽培の拡大とともに多様な民族集団が移り住むようになり、農村が複合的な他民族社会に変化してきたことで、呪術の興隆やそれにともなう富の分配の活性化という現象が明らかになった。
これらの研究成果は、今後、グローバリゼーションの進行にともなう社会変容や民族間関係の変化を考察するうえでも、今後ますます重要となるものであり、さらなる研究の進展が求められる。