共同研究・競争的資金等の研究 - 道上 宏之
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皮膚血管肉腫に対するホウ素中性子捕捉療法(BNCT)複合免疫療法の開発
研究課題/領域番号:23K07765 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
山崎 修, 道上 宏之
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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がんを標的としたホウ素中性子捕捉療法のための新規DDSおよびイメージング法の開発
2023年04月 - 2024年03月
岡山県 令和5年度特別電源所在県科学技術振興事業 ものづくり産業の高度化・新産業の創出につながる基盤技術研究
大槻高史, 道上宏之, 丸山正人, 上田真史, 武安伸幸
担当区分:研究分担者
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プレシジョンBNCTへ向けた糖結合型ホウ素薬剤とイメージング検査薬の開発
研究課題/領域番号:A050 2023年04月 - 2024年03月
国立研究開発法人日本医療研究開発機構 橋渡し研究プログラムシーズA
明日卓, 佐々木崇了
担当区分:研究代表者
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慢性外傷性脳症モデル確立と経動脈的幹細胞移植:タウ蛋白と遺伝子発現の変化に迫る
研究課題/領域番号:22K09207 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
安原 隆雄, 内藤 宏道, 道上 宏之, 菱川 朋人, 田尻 直輝, 佐々木 達也, 佐々田 晋
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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膵がん微小環境を標的としたホウ素中性子捕捉療法の開発
研究課題/領域番号:22K08803 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
寺石 文則, 野間 和広, 道上 宏之
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
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脳梗塞に対する細胞移植の治療効果を最大化する、電気刺激・リハビリ併用プロトコール
研究課題/領域番号:22K09285 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
伊達 勲, 道上 宏之, 藤井 謙太郎, 安原 隆雄, 平松 匡文, 菱川 朋人, 春間 純, 田尻 直輝, 佐々木 達也, 佐々田 晋, 石田 穣治
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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予後不良18F-FDG-PET高値膵癌を標的としたホウ素中性子捕捉療法
研究課題/領域番号:22K07639 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
金平 典之, 道上 宏之
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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多剤併用のホウ素薬剤によるBNCTへ向けて
研究課題/領域番号:21K09176 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
道上 宏之
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
BNCT(ホウ素中性子捕捉療法)は、標的となる悪性腫瘍細胞へホウ素薬剤を導入させ、同部位に中性子を照射し、ホウ素と中性子の核反応により腫瘍細胞を殺傷する細胞レベルのがん治療法である。そのため、治療成功の鍵は、腫瘍細胞選択的にホウ素薬剤を取り込ませる点に大きく依存する。現在のBNCT使用のホウ素薬剤は、アミノ酸(Phe)にホウ素(10B)を付けたBPA(Borono PhenylAlanine)1剤である。癌高発現のアミノ酸輸送体(LAT-1)を介して腫瘍細胞内部へ導入されるが、その取り込みは腫瘍組織内で不均一であり、取り込みのない腫瘍細胞よりの再発が問題である。
今回我々は、悪性神経膠腫予後不良疾患にて高発現のグルコース輸送体(GLUT)に着目し、GLUTを介しての腫瘍特異的な取り込み能を有する新たなホウ素薬剤の(糖ホウ素製剤)開発に成功した。同時に腫瘍組織の遺伝子解析にて、ホウ素薬剤の標的遺伝子を新たに探索・決定した。悪性脳腫瘍と並んで予後不良である膵癌にてGLUT高発現であることを発見して、本薬剤の投与を行い評価を行ってきた。今後、複数のホウ素薬剤(糖-ホウ素薬剤+BPA併用)を用いた新規プレシジョンBNCTへの前臨床研究を本シーズにて行う。
悪性脳腫瘍の細胞株を数種類用意するのと同時に、CCLE(Cancer Cell Line Encyclopedia)と呼ばれる細胞株に関するデータベースを用いた遺伝子解析を行った。がんにおいては、アミノ酸対処が亢進していることが有名であるが、糖の代謝が亢進していることも知られている。糖は、グルコース輸送体と呼ばれる細胞膜にある関門より通過して細胞内に導入され、利用される。今回、がんに高発現しているGLUT1,GLUT3が、悪性脳腫瘍細胞株にて高発現していること、さらに膵がん細胞においても同様な高発現があることが解析の結果判明した。 -
BNCT併用メラノーマ複合免疫療法へ向けた前臨床探索研究と新規ホウ素薬剤開発
研究課題/領域番号:20K08652 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
山崎 修, 道上 宏之
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は①BNCTによる免疫誘導因子の探索を行い、メラノーマ複合免疫療法へ向けた前臨床データ収集に努める。特に、BNCT施行後のメラノーマ細胞より放出・分泌される免疫増強因子に関しての実験・効果の検証を世界に先駆けて行い、免疫チェックポイント阻害薬投与中のメラノーマ患者において免疫増強因子の再評価を行う。さらに、②メラノーマBNCTに合わせた新規ホウ素薬剤を作製し、新規ホウ素薬剤単独または従来ホウ素薬剤との併用により、メラノーマBNCTの治療効率を高めることに挑戦することを目的にしている。現在までに以下の実績を得た。
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①新たなホウ素製剤の開発
BNCT の成否は、いかにしてホウ素薬剤を効率的かつ確実にがん細胞へ取り込ませるかという点が担っている。ペプチドにより構成されるナノ粒子と、従来のホウ素薬剤(BSH)を混合するだけで、容易に作成可能な世界初のホウ素薬剤を開発した。この薬剤は、BSHには無いがん組織への高い集積性と、がん細胞内部まで到達できる新しい機能を有しており、またBSH と比較して数十倍高い細胞内取り込みになることを確認した。今後ヒトメラノーマ細胞株を用いた取込実験を行い、同時にBPAとの併用取り込み作用を行う予定である。
②『進行期メラノーマ患者における予後調査・解析』を観察研究の開始
本研究は進行期メラノーマに対する分子標的治療のプラニング・適正治療を行うためのバイオマーカー)を得ることを目指したものであり, その成果はメラノーマの個別化治療の発展に大きく寄与することが期待される。また、岡山大学メラノーマセンターにおける、BNCT治療などの新たな治療戦略構築にむけての重要な資料となる。 -
難治性消化器がんを標的としたホウ素中性子捕捉療法の開発と効果予測マーカーの探索
研究課題/領域番号:19K09122 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
寺石 文則, 藤原 俊義, 道上 宏之, 重安 邦俊
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究は、難治性消化器がんを標的とした新規ホウ素薬剤を用いたBNCT(ホウ素中性子捕捉療法)の開発・実用化を目指す。今年度はin vitroおよびin vivo実験を中心に行い、原子炉施設での中性子照射実験を開始した。
in vitroでは、免疫染色法やELISA法を用いて数種類の消化器がん細胞株を腫瘍マーカーの発現により群別化した。次にウェスタンブロット法および公開データを用いて、各がん細胞におけるアミノ酸輸送体および新規の腫瘍特異的輸送体の発現を評価した。これらの結果を基に、ヒト消化器がん細胞株へ従来のホウ素薬剤(BPA)および新規ホウ素薬剤を取り込ませ、細胞種および条件設定よる取り込みの評価を行なった。
またin vivoでは、異所性(皮下)および同所性モデルマウスを作成し、がん細胞株の移植の可否を確認した。モデルマウスに新規ホウ素薬剤を実際に投与し、腫瘍内への取込を確認した。
今年度は、ホウ素取込がん細胞株を作成し、原子炉施設にて中性子照射を行なった。照射後に細胞増殖アッセイおよびコロニーフォーメーションアッセイを行い、殺細胞効果を確認した。
また、バックアッププロジェクトとして、当院で手術を行った膵がん臨床サンプルを用いて膵癌遺伝子検索での標的遺伝子探索を行なっている。予後に着目し群別化したマイクロアレイ16例の解析、さらに腫瘍マーカーに着目し群別化したRNA-seq20例の解析を実施しており、新規ホウ素薬剤取込のための標的分子を同定中である。 -
研究課題/領域番号:18K07324 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
市川 康明, 道上 宏之
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
次世代のがん治療であるホウ素中性子捕捉療法(Boron Neutron Capture Therapy, BNCT)は、ホウ素を取込ませたがん細胞に中性子線を照射し、ホウ素と中性子の核反応により細胞を破壊する。BNCTの中性子源としては1950年代から利用されてきた原子炉に代わり、中性子発生装置の一部が企業治験段階に進み、今後のBNCTの成功の可否はホウ素薬剤に大きく依存する。BNCTにより発生した数マイクロメートル飛程の2次粒子は、腫瘍細胞へ細胞障害を誘導する際に、ホウ素薬剤が細胞のどの位置(細胞外膜、細胞質、核膜、ミトコンドリア、核内など)に局在するかによりその効果が異なると、これまで報告してきた。現在治験中薬剤BPA(ホウ素フェニルアラニン)はアミノ酸フェニルアラニンに1個のホウ素が結合したホウ素アミノ酸誘導体である。腫瘍細胞は、正常細胞と比較して一般的にアミノ酸代謝が亢進しており、様々なアミノ酸取り込みが高いとされている。同様にフェニルアラニンの誘導体であるBPAも腫瘍に特異的に取り込まれ、さらに正常細胞と比較して腫瘍細胞にフェニルアラニンの取り込みを行うアミノ酸トランスポーターLAT1が強発現していることより、BPAは腫瘍特異的なホウ素分子標的薬とも言える。アミノ酸を標的としたホウ素薬剤は非常に素晴らしい取り込み能を示している一方で、腫瘍細胞の中には、一部取り込み能の低いものも存在し、BNCT後の再発の原因となっている。我々は、これまで細胞内導入困難とされてきたホウ素12個からなる正20面体構造を有するホウ素立体分子BSH(Na2B12H11SH)をアミノ酸・ペプチド修飾することにより細胞内導入することに成功した。本薬剤を用いて、中性子照射により生じる殺細胞効果を細胞内のホウ素薬剤の細胞内小器官の局在の見地より評価し、今後のホウ素薬剤開発への発展へ繋げる。
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ドラッグリポジショニングを用いた非VEGF経路に対する新規抗血管新生薬開発
研究課題/領域番号:18K08944 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
道上 宏之
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
現在の悪性脳腫瘍治療では外科手術、放射線療法、化学療法を用いた集学的治療である。最も悪性度の高い膠芽腫では治療技術の発達向上にもかかわらず、平均生存期間約1年数か月、5年生存率数%と極めて予後不良である。また、悪性腫瘍への抗血管新生療法の概念は古く1970年代より提唱されており、抗ヒトVEGFモノクローナル抗体のベバシズマブ(アバスチン; 中外製薬)が、国内外において切除不能進行・再発大腸癌に対する標準治療と認可された後、卵巣癌、非小細胞肺癌、子宮頸癌等に対しても承認されている。悪性脳腫瘍(膠芽腫)に対する抗血管新生薬を用いた代表的な北米臨床試験AVAglio studyにて、標準治療に抗血管新生薬アバスチン(ベバシズマブ)追加群に生存期間延長は認めなかった。そこで我々は、膠芽腫の抗血管新生療法抵抗性の原因の一つが、がん血管新生阻害薬の多くの作用点がVEGFR/VEGF-R経路にあることに着目した。言うまでも無く、VEGF経路は腫瘍血管新生において最も中心的役割果たす代表的な経路である。そこで我々は、「悪性脳腫瘍において、VEGFは腫瘍血管形成において重要な経路であるが、VEGF経路が阻害されても非VEGF経路により腫瘍血管形成が代償される機構が存在し、腫瘍血管は維持され、そのためアバスチン単独では抗血管新生治療による予後延長が得られない」との、仮説を立て実験を行った。抗血管新生薬を用いた抗血管新生療法は、理論として問題なく、抑制する経路が腫瘍により異なるのではないかと考えられた。本プロジェクトにより、VEGF非依存的な血管新生の経路を同定し、ドラッグリポジショニングに基づく阻害薬発見を行う予定である。
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再発悪性グリオーマ予後不良群に対するBNCTとベバシズマブ併用臨床試験
研究課題/領域番号:17K10877 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
宮武 伸一, 近藤 夏子, 川端 信司, 道上 宏之, 古瀬 元雅
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
再発悪性グリオーマの予後は不良であり、標準治療は存在しない。ことに予後不良再発群(J Clin Oncol 25:2601-2606, 2007,以下JCO RPA 3+7群)は、再発後に何らかの補助治療を施行してもその治療以降の生存期間中央値が4.4ヶ月と極めて不良である。この予後不良再発悪性グリオーマに対象を絞って、その予後を改善するために、二つの治療、すなわちホウ素中性子捕捉療法およびベバシズマブ投与のコンビネーションによる臨床試験を行い、その治療効果を明らかにし、ひいては将来の加速器中性子源を用いた再発悪性グリオーマに対する標準治療への布石にすることが本研究の目的である。
平成29,30年度とも以下のプロトコールに従い、再発悪性グリオーマ(MG)予後不良群(JCO,RPA 3+7群+Bev使用後再発群)に対して、原子炉BNCTを施行し、その2-4週後より、Bev10mg/kg, biweekly の投与をRANOの診断基準での悪化まで継続し、全生存(OS)を主要評価項目として、single arm, 第二相臨床試験を行う。以上の研究計画を実施予定としており、プロトコールの確立を医療イノベーション推進センター(旧称臨床研究情報センター)とともに行い、CRFも作成し、電子入力システムを構築した。平成29年8月に京都大学原子炉(KUR)が再開後、UMIN上にも本臨床試験を公開し、患者entry を開始したが、その直後からKURが施設上の不具合が発生し臨床試験を2ヶ月間休止せざるを得なかった。現在までに4例の症例のentry を行い、follow-up中である。 -
中枢神経系疾患における神経新生とうつ症状:細胞移植、電気刺激、リハビリによる治療
研究課題/領域番号:17H04303 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
伊達 勲, 黒住 和彦, 道上 宏之, 藤井 謙太郎, 安原 隆雄, 亀田 雅博, 菱川 朋人, 田尻 直輝, 市川 智継
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
平成30年度も順調に研究が進んだと言える。特筆すべきは、カプセル化細胞移植による、うつ病モデルラットに対する治療効果を示すことができたことである。(Kin K, et al. Mol Pshychiatry 2018) カプセル化骨髄幹細胞移植により、うつ病モデルラット脳内の神経新生が増幅され、うつ病様行動も改善を示した。そのメカニズムの一つとして、カプセル化細胞移植によって、脳内の神経栄養因子や成長因子濃度が上昇し、シグナルが活性化されたことも明らかにすることができた。また、リチウムとセロトニン再取り込み阻害剤の併用療法による治療効果メカニズムについても検討を進めた。(投稿中)パーキンソン病モデルラットに対する電気刺激研究においても、脊髄硬膜外刺激、迷走神経刺激両社によって明らかな治療効果が行動学的、組織学的に示されており、現在論文執筆中であり、次年度には掲載が見込まれる。特に、小型・持続電気刺激が可能であり、刺激調整も可能な電気刺激システムを用いており、極めて臨床での電気刺激に近似した実験系を確立したことは意義深い。一方で、脳梗塞モデルラットにおけるうつ様行動の解析は、厳しい状況にあると言える。うつ病モデルとして用いているWistar Kyoto ratは虚血耐性があり、均一な脳梗塞を作製することが難しく、そのために、うつ病様行動にも相当なばらつきが出てしまうことが明確になった。Wistar Kyoto ratにおける両側頚動脈閉塞による低灌流モデルでは明確なうつ様行動に与える影響が得られなかった。現在、Wistar ratを用いた脳梗塞モデルを用いて、うつ病様行動の解析を現在行っており、神経新生との関与を検討している。
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ドラッグ・リポジショニングによる悪性グリオーマの抗浸潤分子標的薬の開発
研究課題/領域番号:16K10756 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
阿部 匡史, 道上 宏之, 竹居 孝二, 山田 浩司
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
悪性グリオーマの治療において、腫瘍細胞の強い浸潤能が外科手術における有効な病巣の切除の妨げとなる。この浸潤能を抑制する目的で、グリオーマ細胞に対して抗浸潤作用を持つダイナミン阻害剤(抗うつ剤:フルボキサミン)をドラッグ・リポジショニングにより同定した。また、フルボキサミンをリード分子としてダイナミン阻害剤のスクリーニングを進めた。さらに、グリオーマ細胞の浸潤にはダイナミン-コルタクチン複合体によるアクチン線維束形成が重要であること、この束化の調節にはサイクリン依存性キナーゼによるコルタクチンのリン酸化が関与することを明らかにした。
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ペプチドジッパー法により細胞内運搬したタンパク質や機能性ペプチドの効果的機能改善
研究課題/領域番号:16K05856 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
北松 瑞生, 道上 宏之, 博多 義之
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
申請者は、細胞内に薬剤となるタンパク質や機能性ペプチドを安全にかつ効率的に運搬することによって、病気を治療することを目的にしている。今回申請者は、Nanogタンパク質とヘテロ二量体化ロイシンジッパーペプチド(LzK)を連結させた。また、細胞内運搬ペプチドとLzKの対となるペプチド(LzE)を連結させた。これらのペプチドを混ぜるとNanogタンパク質が細胞質内、さらには核膜内に運搬されて、Nanogの持つ機能をうまく発現させることができた。
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脳梗塞におけるうつ症状と神経新生
研究課題/領域番号:16K10722 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
安原 隆雄, 市川 智継, 黒住 和彦, 道上 宏之, 亀田 雅博, 上利 崇, 菱川 朋人, 佐々木 達也, 藤井 謙太郎
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
うつ病・うつ状態は、現代のストレス社会において大きな問題であり、メカニズムの解明や新しい治療法が望まれる。私たちはうつ病モデルラットを用いた研究で、次のことを明らかにした。1.うつ病様行動を示すWistar Kyoto ratでは、海馬における神経新生が減弱していた。2.うつ病様行動を示すWistar Kyoto ratに対して、側脳室内にカプセル化骨髄幹細胞移植を行うと、うつ病様行動の改善や神経新生の増強が認められた。3.上記2の治療効果のメカニズムは、様々な神経栄養因子や成長因子がカプセル化細胞から分泌されることによると考えられた。
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脳腫瘍幹細胞標的型ホウ素ペプチドを用いた新しいホウ素中性子捕捉療法
研究課題/領域番号:15K10333 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
道上 宏之, 北松 瑞生
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
我々は、先行研究にて細胞膜透過機能を有するペプチド CPPを複数個のBSHと結合させたmulti-BSH-CPPを作成した。本プロジェクトにて、臨床応用へ向けて、さらに臨床応用へ向けたホウ素製剤へ向けて発展を行った。
a) 最小CPPを結合させたホウ素化合物BSH-3Rの開発に成功した。合成上非常に簡便であり、臨床応用な化合物である。 b)BSH-3Rは腫瘍内部への取り込み能を有しており、さらに時間経過により、核へと導入が確認された。c)本薬剤の動物における薬物動態評価を行うために、金属キレーター及び放射線各種64Cuを用いた、BSH-3R-DOTA-64CuのPET用プローブを作成した。 -
がん幹細胞を標的とした中性子捕捉剤と分子イメージング技術の開発
研究課題/領域番号:15H04906 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松井 秀樹, 道上 宏之, 宮武 伸一, 松下 博昭, 北松 瑞生
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
自己会合性ペプチドを薬剤送達方法として利用し、これにホウ素剤を添加して送達する技術を創生した。この手法により培養した悪性神経膠芽腫ならびに培養乳がん細胞に対しホウ素剤を導入できる事を示した。本法はがん幹細胞への特異性がより高いことを示した。In vivo脳腫瘍モデルマウスを作成し、このモデルマウスに対して、ホウ素導入薬剤を尾静脈から注射すると、ホウ素が腫瘍内に導入され蓄積する事を示した。ホウ素剤に陽イオンキレータを結合させ、これを介して64Cu同位体を結合させ、これが分子イメージング試薬として機能する事を示した。
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中枢神経系疾患に対する細胞移植の臨床応用の扉を開く:カプセル化と電気刺激を用いて
研究課題/領域番号:26293323 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
伊達 勲, 黒住 和彦, 道上 宏之, 近藤 聡彦, 安原 隆雄, 亀田 雅博, 上利 崇, 菱川 朋人
配分額:15860000円 ( 直接経費:12200000円 、 間接経費:3660000円 )
パーキンソン病モデル動物に対する脊髄刺激治療の治療効果を明らかにした。脳梗塞モデル動物に対する経頚動脈的骨髄幹細胞移植治療において、発症から24時間後の移植が高い治療効果を示すことを明らかにした。脳梗塞モデル動物に対する細胞移植と電気刺激治療を組み合わせた研究では、移植細胞の脳梗塞への遊走は電気刺激により増強され、行動学的・組織学的に治療効果も明らかにされた。
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ヘテロ二量体化ロイシンジッパー法によるタンパク質の細胞内運搬技術の開発
研究課題/領域番号:25410181 2013年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
北松 瑞生, 道上 宏之
配分額:5330000円 ( 直接経費:4100000円 、 間接経費:1230000円 )
申請者は、病気の治療を目的として、細胞内に機能性タンパク質や機能性ペプチドを運搬する方法の開発を目指している。今回申請者は、オートファジー誘導ペプチド(Beclin 1)とヘテロ二量体化ロイシンジッパーペプチド(LzK)を連結させた。また、細胞内運搬ペプチドとLzKの対となるペプチド(LzE)を連結させた。これらのペプチドは混ぜると、Beclin 1が細胞内に運搬され、オートファジーを誘導できた。
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腫瘍選択性を有するテーラーメイド型の中性子捕捉剤の開発
研究課題/領域番号:24390293 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松井 秀樹, 道上 宏之, 小野 公二, 宮武 伸一
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、難治性がんの治療法として期待されている。本研究では、BNCT実用化に向け切望されている、様々ながんに対する特異的で高導入効率をもつホウ素製剤の開発を目指す。従来のホウ素製剤とは異なる、導入率を高めるために開発中の多量体ホウ素化合物に腫瘍標的ペプチドを結合させた全く新しいタイプのホウ素試薬を作製する。作製したホウ素試薬を用い腫瘍モデル動物で照射を行い効果を検証する。予想される成果が得られれば、「テーラーメイド型の粒子線治療」の実現に向け大きな一歩となる。
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ペプチドDDSを用いた新規ホウ素製剤による悪性脳腫瘍治療研究
研究課題/領域番号:24791502 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
道上 宏之
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、悪性腫瘍細胞に対してホウ素を取りこませ、中性子照射により、腫瘍殺傷効果を得る治療法である。本研究は「ホウ素製剤を悪性脳腫瘍細胞内部に、そして、腫瘍選択的にペプチドを用いて運搬し、中性子照射により腫瘍を効率よく殺傷する」ことを主目的とする。本研究の成果はペプチドベクターを用いた薬剤運搬のための革新的方法となる。
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腫瘍選択的高LET高RBE粒子線治療による治療抵抗性グリオーマ幹細胞制圧の試み
研究課題/領域番号:23390355 2011年04月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
宮武 伸一, 川端 信司, 道上 宏之, 黒岩 敏彦, 梶本 宜永, 切畑 光統, 増永 慎一郎, 小野 公二, 中村 英夫
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
神経膠芽腫(GBM)株A172とこの細胞株より誘導しGSCで、CD133等のマーカーの変化確認しGSCのstemnessを確認した。この2種類の細胞株にほう素化合物非存在下で等物理線量のX線と中性子線を照射し、colony forming assay, gamma H2A assayでの細胞のダメージを評価した。本系における細胞障害の担い手は窒素中性子捕捉反応により生じる、高LET粒子線である陽子線であり、同一物理線量ではX線より細胞障害活性が高く、DNA double strand brake の効率も高いことを示した。すなわち、高LET粒子線はGSCのX線抵抗性を克服することを証明した。
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蛋白質セラピー法による脳腫瘍治療技術の開発と機能実証
研究課題/領域番号:20249009 2008年 - 2010年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
松井 秀樹, 道上 宏之
配分額:50050000円 ( 直接経費:38500000円 、 間接経費:11550000円 )
悪性脳腫瘍に対する新しい治療法"中性子捕捉療法(BNCT)"で用いるホウ素製剤を開発した。我々が開発したタンパク質セラピー法を利用しがん細胞内へ薬剤を導入するタイプと、ドラックデリバリー(DDS)技術を利用し薬剤を封入したナノカプセルをがん細胞へ選択的に導入するタイプ、の2種類である。両製剤ともに、培養脳腫瘍細胞および、脳腫瘍モデル動物を用いた実験で、がん細胞に選択的に導入された。今後の新たながん治療薬として期待される。