共同研究・競争的資金等の研究 - 片岡 卓也
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骨欠損部での速やかな骨再生の実現に向けた有機/無機複合ナノ粒子の創製
研究課題/領域番号:0351029-A 2023年04月 - 2024年03月
池谷科学技術振興財団研究助成
担当区分:研究代表者
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骨芽細胞の迅速な活性化を実現する有機/無機複合粒子の開発
2023年
公益財団法人 岡山工学振興会
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迅速な骨再生を実現するキトサン/アパタイトナノ複合体の創製
研究課題/領域番号:22K14502 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
片岡 卓也
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迅速な骨再生を誘起するキトサン/アパタイト複合ナノ粒子の合成と表面構造の制御
2022年04月 - 2023年12月
山陽放送学術文化・スポーツ振興財団研究助成
担当区分:研究代表者
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早期骨再生を促進するキトサン含有ハイドロキシアパタイトナノ粒子の創製とその表面特性の制御
2021年12月 - 2023年03月
公益財団法人大倉和親記念財団研究助成
片岡 卓也
担当区分:研究代表者
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超早期がん診断・治療を実現する葉緑素分子含有アパタイトナノ結晶の創製
研究課題/領域番号:18J20271 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
片岡 卓也
配分額:2200000円 ( 直接経費:2200000円 )
特定細胞を安全に可視化するナノ材料開発において,生体親和性に加えて発光強度と水分散性の向上が課題である.我々のグループでは,昨年度,内部・無機相と表面・有機相との相互作用によって発光過程を制御できると考え,Eu (III) イオンを含有した水酸アパタイト (HA) とクエン酸分子の複合粒子を合成し,クエン酸の複合化に伴う粒子の無機/有機界面相互作用による発光特性と水分散性への影響について研究した.有機相として使用したクエン酸はがん細胞のみを選択的に増殖抑制し,正常細胞には影響がない.蛍光プローブとして,HAに含有させたEu (III) イオンがクエン酸存在下においてどのような物性を示すかを観測した.本年度は,実際にEu (III) イオン含有HAとクエン酸分子の複合粒子のがん細胞に対する標識能及び増殖抑制能について研究した.
本複合粒子を細胞培養時に添加し,がん細胞への影響を評価した結果,複合粒子は細胞と反応して,細胞からの赤色発光を示しながら細胞の増殖を抑制し,細胞標識と細胞増殖抑制の二機能を示した.更に葉酸によって複合粒子の表面を修飾すると,細胞への取り込み効率が高まり細胞増殖をさらに抑制できることが判明した.複合したクエン酸分子は,腫瘍化したがん細胞の成長抑制にも大きく寄与する可能性が示唆された.特に,60時間の培養によって腫瘍化したがん細胞と効果的に複合粒子は反応し,複合粒子添加後1時間で細胞形状に沿った細胞標識を達成でき,細胞増殖抑制と迅速な標識が同時に達成された.
現在,マイクロリアクターによる核形成と粒成長過程を分離した新規合成技術によって均一粒子形状をもったHA単相の合成に成功した.さらに,一重項励起酸素生成可能な色素 (メチレンブルーなど) の複合技術も確立している.次年度において,「細胞の診断と治療の両立」を達成できる見込みである.