共同研究・競争的資金等の研究 - 石浦 浩之
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最先端ゲノム解析技術を用いた神経筋変性疾患の病態解明・治療法開発研究
研究課題/領域番号:23H02823 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
石浦 浩之, 角元 利行
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
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非翻訳領域の伸長リピート配列の網羅的な発見に基づく神経変性疾患発症機構の解明
研究課題/領域番号:22H02823 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
辻 省次, 池内 健, 田中 真生, 石浦 浩之
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
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非翻訳領域の伸長リピート配列の網羅的な発見に基づく神経変性疾患発症機構の解明
研究課題/領域番号:23K24085 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
辻 省次, 池内 健, 田中 真生, 石浦 浩之, 三井 純
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
本研究では、封入体形成が病理学的特徴である神経変性疾患に着目して、非翻訳領域の伸長リピート配列を探索し、神経変性疾患の発症機構を解明することを目的とする。この考え方は、非翻訳領域のリピート伸長配列は、Repeat Associated Non-AUG translation (RAN translation) を引き起こし、異常なアミノ酸配列を有するタンパクへの翻訳が行われ、その結果、封入体を形成するという仮説に基づいている。リピート伸長配列の検出は、short read sequencerでは困難であることから、long read sequencer による全ゲノムシーケンス解析を実施し、3-6塩基の繰り返し配列に焦点を当てて、伸長リピート配列を検出する独自に開発したプログラムを用いて、伸長リピート配列をゲノム全域から検出し、神経変性疾患の発症に関連する伸長リピート配列の発見を進めた。解析対象として、発症年齢の早いextreme phenotype を示すアルツハイマー病、家族歴を有する家族性アルツハイマー病症例を中心に7例を選択して、long read sequencer (Pacific Bioscience s 社のSequel II) を用いて、ロングリードシーケンス解析を実施した。long read sequencerは、error readを生じやすく精度が十分でないことから、circular consensus sequencing (CCS) というアルゴリズムにより、得られた全ゲノム配列データを用いた。その結果,これまでに報告のない、伸長リピート配列がさらに縦列に重複している例を見出した。本研究で開発したプログラムを用いて、伸長リピート配列の解析を進め、その疾患発症における意義の検討を進める。
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ロングリードシーケンサーを活用した非コードリピート伸長病の病態解明研究
研究課題/領域番号:20H03588 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
石浦 浩之
配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )
ミオクローヌスてんかん患者でリピート伸長変異を有さない症例については全ゲノム配列解析を行い、通常のbasecallingに加えて、ExpansionHunterDenovoも使用してリピート配列のプロファイリングも行っている。これらの解析により、全ゲノム配列解析の有用性を含め、検討中である。
ロングリード全ゲノム配列解析データについても現在データ解析中であるが、非常に高精度に塩基配列解析が出来ていることが判明している。特に、circular consensus sequencingにより実際高い精度を出せることがわかっている。
伸長リピートを効率良く増幅することが可能になったため、ロングリードシーケンサーによる全長解読を行うために現在検体を準備している。また、PCR以外の方法を用いたリピート配列のクローニングも可能となり、この技術を用いて、機能解析に使用出来るコンストラクト作成を進めている。 -
炎症性筋疾患における免疫チェックポイント分子とマクロファージの役割に関する検討
研究課題/領域番号:19K07956 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
清水 潤, 久保田 暁, 石浦 浩之
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
2019年度は.免系チェックポイント機構の異常にともなう筋炎亜型を抽出しその臨床病理像を解析した.また,多発筋炎・封入体筋炎とあわせ免疫チェックポイント分子に対する免疫染色を継続しておこない比較解析し2020年度も継続中である.約900例の筋炎臨床病理バンクから,新たに免疫チェックポイント阻害薬による免疫関連有害事象(irAE)としての筋炎症例3例を追加,さらに,免系チェックポイント機構の異常にともなう筋炎として,重症筋無力症合併筋炎(MG合併筋炎)10例,慢性移植片対宿主病(GvHD)に伴う筋炎9例,血液腫瘍細胞の筋組織浸潤による炎症像を呈する疾患4例を確認し検討した.MG合併筋炎は10名中7例で筋炎発症と長期間離れた時期に胸腺腫を合併し,6例でMG発症と筋炎発症の時間経過が解離していた.全例がPD-1陽性細胞の局所浸潤を伴う多発筋炎型の病理を示した.慢性GvHDに伴う筋炎9例では,4例(44%)で壊死・再生線維が筋束内局所に集簇し,4例中3例は急性発症例であった.CD8陽性細胞は4例(44%)で非壊死筋線維への包囲像または侵入像を認め多発筋炎型,3例でCD8+リンパ球およびprogrammed death-1 (PD-1)+リンパ球の非壊死筋線維包囲,2例でprogrammed death-ligand 1 (PD-L1)陽性単核球の筋内鞘浸潤像を認めた.また67%で非壊死筋線維上にPD-L1の発現を認めた.4例の血液腫瘍細胞の筋組織浸潤例では,全例で非壊死筋線維膜上にMHC class-1,-2抗原の染色性亢進,CD8陽性細胞とCD68陽性細胞の非壊死筋線維への包囲像を認め多発筋炎型であった.また,4症例とも非壊死筋繊維にCD11c陽性細胞の包囲像,3例で浸潤像があり,M1マクロファージの病態への関与が考えられた.
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低頻度バリアントに重点をおくアルツハイマー病の発症に関与する遺伝子の探索法開発
研究課題/領域番号:19H03425 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
辻 省次, 池内 健, 田中 真生, 石浦 浩之
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本研究では,孤発性神経疾患の発症に関わる疾患感受性遺伝子を解明するために,これまでのゲノムワイド関連解析では検出が難しかった疾患発症に対する影響度の高い遺伝子を探索するための,rare variant association studyとしての新たな解析方法の開発を実現する.その応用として,アルツハイマー病を対象とし,exome解析が完了している孤発性アルツハイマー病患者446例,認知機能正常な高齢健常者446例のゲノムデータを用いて,minor allele frequencyやその他の条件を検討することにより仮説空間を適切に減じ,孤発性アルツハイマー病に有意に関連すると判定される遺伝子を見出した.validationについては,孤発性アルツハイマー病患者400例,認知機能正常な高齢健常者400例を用いて検討を進めている.網羅的なゲノムシーケンスが望まれることから,exome解析によるvalidation studyを検討しているが,候補遺伝子については,pseudogene が存在することから,exome解析で,pseudogene由来の配列情報をいかに区別できるかという点が課題となった.また,この候補遺伝子は,GC率の高い領域が多く含まれるため,exome解析において,いかにcoverageを高めるかが課題となった.そこで,2019年度においては,これらの2つの課題についての検討を行い,課題を克服できるexome解析の諸条件を確立した.2020年度は,これらの課題を克服できる最適化された条件によりvalidation data set のexome解析を実施し,見出したリスク遺伝子のvalidation studyを実施する予定である.
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細胞内RNA turnoverに着目した非コード領域リピート伸長病の病態解明
研究課題/領域番号:18K19506 2018年06月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽) 挑戦的研究(萌芽)
石浦 浩之
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかん1型(BAFME1)は、振戦様ミオクローヌスとてんかんを主徴とする常染色体優性遺伝疾患で、SAMD12のイントロン4においてTTTTAリピートの伸長並びに、TTTCAリピート伸長配列の挿入が同定された。
本研究では、RNAに注目して本疾患の検討を行い、患者剖検脳でUUUCAリピートからなるRNA fociが存在すること、患者リンパ芽球様細胞ではRNA fociは存在しないこと、abortive transcriptionを認めることを見いだした。またリピート配列をクローニングし培養細胞に強制発現させた。今後さらにRNAに注目した病態機序の解明が望まれる。 -
研究課題/領域番号:17H05085 2017年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(A) 若手研究(A)
石浦 浩之
配分額:25090000円 ( 直接経費:19300000円 、 間接経費:5790000円 )
良性成人型家族性ミオクローヌスてんかんの原因が、SAMD12、TNRC6A、RAPGEF2という3遺伝子のイントロンに存在するTTTCA並びにTTTTAリピート伸長変異であることを発見した。複数のロングリードシーケンサーを用いて、リピート伸長変異の全長解読を行った。リピート伸長に着目した解析の有用性を明らかとし、本手法を応用し、神経核内封入体病、白質脳症を伴う眼咽頭型ミオパチー、眼咽頭遠位型ミオパチーにおいて、NOTCH2NLC, LOC642361/NUTM2B-AS1, LRP12にCGGリピート伸長変異を見いだした。
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筋炎の病型・病理像ごとの筋組織を用いた網羅的発現プロファイルによる筋炎の病態解明
研究課題/領域番号:15K09347 2015年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
清水 潤, 後藤 順, 石浦 浩之
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
301例の筋炎生検症例を用いて筋炎特異抗体と特徴的な病理変化との関係を明らかにした上で、筋束周辺部萎縮を有した症例:抗Jo-1抗体(n=4)、抗Tif1γ抗体(n=5)、抗Mi2抗体(n=5)の生検筋でmRNA発現プロファイル解析をおこなったところ3群はそれぞれ固有のグループを形成した。さらに、明らかな炎症・組織破壊像のない筋組織症例:抗Jo-1抗体(n=4),抗MDA5抗体(n=4)、抗Tif1γ抗体(n=4)を用いてmRNA発現プロファイル解析をおこなったところ3群はそれぞれ固有のグループを形成した。形態変化の現れる初期より筋自己抗体ごとに特徴的なmRNAが動いていることを明らかにした。
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超ロングリードを用いた包括的全ゲノム配列解析の確立と神経疾患解明への応用
研究課題/領域番号:15K20941 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
石浦 浩之
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
神経疾患の原因としては、一塩基多型や小さな挿入・欠失変異のみならず、構造変異やリピート伸長変異といった変異が原因となることがある。現在中心的に行われているshort readのシーケンスでは、構造変異などの変異を十分には検出することができず、またエクソーム解析では非翻訳領域やイントロンの変異を検出することができない。本研究では、短鎖シーケンサーによる全ゲノム配列解析に加えて、長鎖シーケンサーによる全ゲノム配列解析を施行した。短鎖シーケンサーでは解析しきれない変異が長鎖シーケンサーで検出できた例もあり、本方法は今後神経疾患の原因究明のために有用であると考える。
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次世代シーケンサーを用いた封入体筋炎筋発現プロファイルによる炎症と変性の病態解明
研究課題/領域番号:26461265 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
後藤 順, 石浦 浩之, 池永 知誓子, 清水 潤
配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )
網羅的発現プロファイリングにより封入体筋炎の病態解明を目標とした。計79検体(対照11例、PM11例、IBM47例、非PM非IBM CD8-MHC-1 complex陽性10例)の解析を行った。RIN>5以上の71例について解析した。クラスター分析で、病理学的分類と発現プロファイルによるクラスターとの対応・相関が示唆された。発現量変化について、IBMではPMや対照と比較し、細胞接着因子や炎症に関わる経路や、オートファジー・リソソーム系、スプライソソームに関わる遺伝子の発現量が増加していた。一方IBMでは酸化的リン酸化やクエン酸回路、電子伝達系などに関わる遺伝子の発現量が低下していた。
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常染色体劣性遺伝性痙性対麻痺の原因遺伝子の同定に基づく病態解明研究
研究課題/領域番号:24890044 2012年08月 - 2014年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
石浦 浩之
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
常染色体劣性遺伝と考えられる遺伝性痙性対麻痺症例16例についてエクソーム解析を行った。SPG11に加え、SPG15など稀な病型を見出した。網膜色素変性症を伴う遺伝性痙性対麻痺3症例からは共通する遺伝子にそれぞれホモ接合性の変異を認め、さらに症例を増やして病原性について検討する必要があると考えられた。
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遺伝性痙性対麻痺と紀伊筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン認知症複合の遺伝子解析研究
研究課題/領域番号:10J05639 2010年 - 2011年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
石浦 浩之
配分額:1400000円 ( 直接経費:1400000円 )
遺伝性痙性対麻痺:に関しては、SPG12に関する国際共同研究に参画し、遺伝子同定に寄与することができた(Montenegro G,Ishiura H,et al,J Clin Invest 2012)。また、リソース収集を進め、引き続き遺伝性痙性対麻痺の分子病態の解明を進める予定である。
紀伊筋萎縮性側索硬化症・パーキンソン認知症複合(ALS/PDC)に関しては、紀伊半島の最南端のALS3症例においてC90RF72内の6塩基反復配列の伸長を認め、9番染色体に連鎖する筋萎縮性側索硬化症であることが判明した。本地域における9番染色体に連鎖する筋萎縮性側索硬化症の頻度は、本邦の他の地域(Majounie E,Ishiura H et al. 2012)に比較して有意に頻度が高いことを見出し、紀伊半島におけるALSの高罹病率を部分的に説明できると考えられた(Ishiura H,et al.Archives of Neurology in press)。その他、紀伊半島最南端地域においてはOPTNのヘテロ接合性新規アミノ酸置換を持つALS症例も見出したが、他のALS症例においては観察されず、病原性については検討の余地が残った(Naruse H,Ishiura H,et al.Amyotroph Lateral Scler in press)。パーキンソン認知症複合(PDC)に関しては、本研究では遺伝子同定には至らず、今後の研究が必要であると考えられた。