共同研究・競争的資金等の研究 - 松岡 弘之
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複数の視点が交錯する〈病者の社会史〉の構築:九州療養所「患者身分帳」の分析
研究課題/領域番号:24K00040 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
廣川 和花, 松岡 弘之, 野上 玲子
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長島愛生園気象観測所を中心としたハンセン病療養所入所者による自然科学的営為の研究
研究課題/領域番号:23K00258 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
磯部 洋明, 松岡 弘之, 玉澤 春史
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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旧日本陸軍第十七師団駐屯地の基礎的研究
研究課題/領域番号:23K00916 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
野崎 貴博, 松岡 弘之, パク ミンジョン, 山口 雄治
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「隔離される客体」から「療養する主体」へ―ハンセン病者の生存をめぐる模索と実践
研究課題/領域番号:23H00878 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
中村 文哉, 廣川 和花, 山田 富秋, 松岡 弘之, 蘭 由岐子, 桑畑 洋一郎, 田中 キャサリン, 坂田 勝彦, 宮下 祥子
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戦後ハンセン病療養所における入所者運動の成立―長島愛生園を事例に―
研究課題/領域番号:22K13199 2022年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究
松岡 弘之
担当区分:研究代表者
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究は、わが国初の国立ハンセン病療養所として1930年に設置された長島愛生園(岡山県瀬戸内市)を対象として、戦争によっていったん休止された自治会活動と入所者運動が戦後再建されるなかで、田中文雄(1912-1979年、本名は鈴木重雄)と森田竹次(1910-1977年)という対照的な政治的主張を掲げた入所者らに関して、これまで未整理であった一次資料を分析し、医療と生活をめぐる戦後の当事者運動を検討することを目的としている。今年度は実施内容において中心的な位置を占める資料調査について、後述するような新型コロナウィルス感染症をめぐる状況により一部変更点はあったものの、長島愛生園および所属研究機関(岡山県岡山市)において調査を進めた。その主たる成果は以下の2点である。
①長島愛生園における戦後の入所者運動の再建過程を考察するうえでは1930年代後半の成立過程における諸課題の把握が必要であることから、その概要を把握することを目的とした論文を公表した。あわせて、これに関連して隣接する邑久光明園において運動の担い手となった人物の概要を考察した論考を発表した。また、当時療養所に勤務した医師の活動についての研究発表を行った。
②資料調査の過程で療養所で保管されている入所者の記録の保存と活用が特に重要な課題となることから、療養所職員を対象とする研究会での講演を行う機会を得て、問題の所在について報告するとともにその内容を活字化して発表した。 -
長島愛生園の歴史資料・文化資源の継承にむけた基盤構築
2021年07月 - 2022年03月
岡山大学文明動態学研究所 文明動態学研究所共同研究
松岡弘之, 伊藤駿, 木下浩, 才士真司, 田中キャサリン, パクミンジョン
担当区分:研究代表者
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20世紀日本の医療・社会・記録-医療アーカイブズから立ち上がる近代的患者像の探求
研究課題/領域番号:21H04343 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
鈴木 晃仁, 永島 剛, 廣川 和花, 中村 江里, 光平 有希, 高林 陽展, 松岡 弘之, 橋本 明, 久保田 明子, 野上 玲子, 逢見 憲一, 後藤 基行, 福田 眞人, 宝月 理恵
担当区分:研究分担者
配分額:41730000円 ( 直接経費:32100000円 、 間接経費:9630000円 )
医療アーカイブグループが推進する小峰研究所資料調査では、医療記録および組織資料の内容特定を進めている。医療記録の大部分を占める症例誌に関しては約8割程度の人名特定を達成した。組織資料の調査からは、会計帳簿や出金伝票が部分的に残存することが分かり、1ヶ月の経理状況の把握につながるなど、組織運営の実態把握に向けて大きく前進した。
感染症・公衆衛生グループでは、「疾病と歴史」について上海の4大学から招待を受けての講演、「パンデミック時の日本および西欧における検疫をめぐる政府対応および社会の反応の比較史」等についての考察、「大正から昭和初期に於ける乳児死亡と感染症」や「スペインかぜ流行とわが国の衛生行政」等について分析と検討を進めた。
ハンセン病グループでは、国立療養所菊池恵楓園所蔵「患者身分帳」に関する共同研究を同園倫理審査委員会の許可を得て実施してきた。分担して主に1920年代の「患者身分帳」の読解と分析を進めた。共通フォーマットに匿名化したデータを入力して情報を共有し、1907年法下でのハンセン病療養所の入所者に関して、共同して多角的な分析を加えた。
精神疾患グループでは沖縄県公文書館および沖縄県立図書館が所蔵する戦後沖縄の精神衛生行政・公衆衛生看護に関する資料、京都癲狂院、東京府巣鴨病院、京都帝国大学ならびに東北帝国大学精神病学教室で行われていた音楽療法実践に関する資料、下総精神医療センターが所蔵する戦時下の国府台陸軍病院に関する資料を収集した。また、医療アーカイブズの保存と利用に関する議論を行った。
国際拠点形成グループでは、国外出張が難しいため日本国内の施設における患者の情報を記録するメカニズムを調査した。王子脳病院の病床日誌や、九州帝国大学、東京帝国大学の記録の違い、日本の国内の言語上の異なりを調査し、日本語、ドイツ語、英語などが用いられるパターンを調べた。 -
アーカイブ構築に基づく優生保護法史研究
研究課題/領域番号:21H04344 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
松原 洋子, 末田 邦子, 坂井 めぐみ, 松田 亮三, 美馬 達哉, 中村 江里, 松岡 弘之, 橋本 明, 由井 秀樹, 久保田 明子, 後藤 基行
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戦後民主主義とハンセン病療養所―長島愛生園を事例に―
研究課題/領域番号:20K22023 2020年09月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
松岡 弘之
配分額:2860000円 ( 直接経費:2200000円 、 間接経費:660000円 )
1930年にわが国初の国立ハンセン病療養所として設置された長島愛生園入所者自治会(岡山県瀬戸内市)が所蔵する記録の調査を実施し、おおむね1930年代から2010年代にかけての4,364点の文書の存在を確認した。これに加えて、長島愛生園が所蔵する療養所運営に関する記録や入所者・職員の手記などを収集・分析することで、1940年代から50年代という戦中・戦後のハンセン病療養所におけるさまざまな当事者運動の歴史的展開過程とその意義について考察した。
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ハンセン病者の「生」と戦後日本社会―戦前・戦中との連続と断絶を視野に入れて
研究課題/領域番号:20H01589 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
蘭 由岐子, 廣川 和花, 山田 富秋, 西尾 雄志, 桑畑 洋一郎, 田中 キャサリン, 坂田 勝彦, 中村 文哉, 松岡 弘之
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20世紀日本の長期療養型疾患の歴史―ハンセン病・精神疾患・結核の比較統合的検討
研究課題/領域番号:17H00830 2017年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
鈴木 晃仁, 廣川 和花, 中村 江里, 光平 有希, 市川 智生, 高林 陽展, 橋本 明, 久保田 明子, 愼 蒼健, 佐藤 雅浩, 野上 玲子, 後藤 基行, 福田 眞人, 山下 麻衣, 松岡 弘之
配分額:40560000円 ( 直接経費:31200000円 、 間接経費:9360000円 )
2019年度は前年度に引き続き、A精神医療グループ、Bハンセン病グループ、C結核とその他の疾病に関するグループに分かれて研究を実施した。
A精神医療グループは各分担研究者により、①1952~1972年の琉球政府・沖縄県による精神病者監護・措置入院等に関する公文書の収集と分析、②明治末~大正期の精神疾患や精神病院に関する日本の新聞報道スクラップブック資料の分析、③国府台陸軍病院病床日誌の分析、④戦時精神医療の当事者・家族・医療関係者への聞き取り調査、⑤戦前の日本における音楽療法実践の史料調査・分析、⑥精神医療史に関する国際的な研究動向の精査を行った。また、(1)九州大学精神科所蔵の歴史的診療録の保存措置と一部デジタル化、(2)肥前精神医療センター及び下総精神医療センター所蔵の歴史的診療録・運営記録の保存状況調査、(3)(財)小峰研究所所有の資料群(王子脳病院等)の概要調査をグループ全体の研究活動として行った。その結果、多数の論考や学会発表などの成果を得た。
Bハンセン病グループでは、昨年度に引き続き、国立療養所菊池恵楓園(九州(癩)療養所)の1910~1919年の退所者・死亡者約240名に関する同園所蔵資料を、同園における研究倫理審査委員会の許可の下に分担して分析した。入所者個々の背景やライフヒストリーと、入所から退所・死亡に至るまでの園内での処遇を対比しつつ明らかにした。今後さらに順次時期をさかのぼり分析を進めていく。C結核とその他の疾病に関するグループは、[1]日本に置ける府県別に見た時の結核による死亡の分布、[2]いくつかの府県に関してさらに細かい市町村別の結核の罹患の分布、[3]台湾と朝鮮に関する結核に関する死亡と罹患のデータ、[4]精神病院への長期入院にともなって結核となり死亡していく過程の観察という四つの作業を行った。 -
研究課題/領域番号:23330163 2011年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
蘭 由岐子, 山田 富秋, 中村 文哉, 坂田 勝彦, 廣川 和花, 石居 人也, 井上 清美, 荒井 裕樹, 田中 キャサリン, 佐藤 健太, 松岡 弘之, 高野 弘之, 西尾 雄志, 小林 真美
配分額:12350000円 ( 直接経費:9500000円 、 間接経費:2850000円 )
社会学、歴史学、文学、公衆衛生看護学の多領域の研究者が相互につながり、議論を共有した。中心的な作業として、史資料基盤構築のために療養所自治会所蔵の文書のアーカイブズ化を行った。同時に、オーラル資料の収集・分析を行い、従来の一面的なハンセン病問題の語りに収斂されない病者や医療者の経験をあきらかにした。また、日本のハンセン病問題をグローバルなつながりの中で考察するために、国際研究会の開催、国際学会での報告をおこなった。よって、本研究はハンセン病問題の歴史的・社会的現実をオルタナティブな形で照射し、排除とつながりをめぐる新たな知の検討/創造という方向性を切り拓いてきた。