共同研究・競争的資金等の研究 - 佐々木 崇了
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脳梗塞後リハビリテーションによる大脳基底核経路ネットワーク改変メカニズムの解明
研究課題/領域番号:20H04058 2020年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岡部 直彦, 宮本 修, 佐々木 崇了, 矢作 綾野, 西松 伸一郎, 丸山 恵美, 氷見 直之, 氏原 嘉洋
配分額:17810000円 ( 直接経費:13700000円 、 間接経費:4110000円 )
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がん免疫治療における免疫細胞追跡のためのイメージング技術基盤の確立
研究課題/領域番号:20K08109 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐々木 崇了
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究では、がん免疫治療において、その治療効果に主要な役割を担う免疫細胞を直接放射標識することで、免疫細胞そのものを治療効果判定のイメージングプローブ
として開発を行い、がん免疫および細胞治療の細胞追跡評価のプラットフォーム技術の確立を目指す。
本年度は免疫細胞プローブとして放射標識したCD8Tcellを作成し、PETイメージングを行った。
昨年度確立した免疫治療効果判定のための動物モデルである腫瘍移植マウスを用いたPD-1、PD-L1、CTLA-4抗体による治療モデルに、放射標識したCD8Tcellを投与し腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の程度をPETイメージングおよび病理組織学的検査をもとに評価した。
治療効果と相関したPETシグナルを得ることができ、免疫治療の効果をTILの浸潤の可視化として定量することに成功した。 -
脳酸素代謝画像を用いた代謝性脳障害のメカニズム解明に向けて
研究課題/領域番号:20K08136 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
佐々木 智章, 浅沼 幹人, 佐々木 崇了
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
コロナ渦のためPETのキャリブレーションおよび動物実験などがなかなか始められなかったが、ファントムを用いた実験はすぐに始められた。
代謝性脳疾患の一つであるWernicke脳症において脈絡叢のエネルギー産生供給不足から脳脊髄液の組成の違いが起こるということを想定して、MRIにおいて髄液の組成(Na、glucoseあるいはアルブミン濃度)や体温が変化した場合、その違いが見かけの拡散係数(ADC値)の変化からdetectできるかの基礎研究から行った。
常温(20℃)にてNa(基準濃度は1%)は基準濃度から半分希釈や2倍濃度でもほとんどADC値に変化がなかった(0.99-1.03倍)が、40℃でADC値は0.91-0.94倍と変動幅が増大した。常温アルブミン(基準5%)では0.93-1.06倍に変化したが、40℃(変性あり参考程度)では0.81-1.06倍に変化した。常温glucose(基準濃度5%)は2倍濃度でADC値は0.91倍に変化し、40℃で0.93倍に変化した。いずれもそれぞれの基準濃度で、各試料を20℃から40℃に変化させた時のADC値は2.0-2.5倍程上昇し、特にglucoseとアルブミンで変動幅が大きくなる傾向が見られた。分子径の大きい物質の濃度変化による変動がADC値に影響を及ぼしやすい可能性が示唆された。Wernicke脳症が脈絡叢障害による髄液のglucoseやアルブミン濃度異常が病態の一因であるとすれば髄液のADC値変化から診断補助に活用できる可能性がある。
また、MRIにおいて脳酸素代謝画像はT2減衰を反映したシークエンスを使用するが、その検証のため金属釘による基礎研究も別に行った。さらにいくつかの先天性代謝性疾患の詳細な画像解析も行い、エネルギー代謝に関係する代謝経路の理解をより深めた。 -
Zr-89標識イメージング技術に基づく次世代抗体医薬の創生プラットフォームの形成
研究課題/領域番号:19KK0215 2019年10月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B)) 国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
佐々木 崇了, 樋口 隆弘, 渡部 昌実
配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )
本研究はドイツーヴュルツブルグ大学におけるニ重特異性を有する次世代の人工抗体作成技術を導入し、本国研究組織におけるイメージング技術と融合することで、複数のがん抗原を同時に標的とした革新的な放射標識低分子抗体プローブを作成し、2種のがん抗原の重複を可視化することで、がん特異性を飛躍的に向上させたイメージング基盤技術の創出を目的とする。2019年度はニ重特異性抗体による高特異性・強調イメージング技術の検討として、高特異性・強調メージングプローブの開発のために、モデルとして多発性骨髄腫における表面抗原CD19およびCD20に対する人工抗体のPETプローブ化の準備及び検討を行った。トレーサー化のための分子設計をドイツにて行い、分子量の設定、重合体形成のためのリンカー構造の変更、低分子抗体の等電点などの最適化の検討を始めた。また日本ではプローブ化の検討として人工抗体の安定性と親和性の検討を開始した。
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細胞膜・血液脳関門通過型Aβオリゴマーマイクロ抗体による新規PET画像診断の創出
研究課題/領域番号:19H03566 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松原 悦朗, 佐々木 崇了, 藪内 健一, 松浦 栄次
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
Aβオリゴマーはシナプス毒性を持ち、アルツハイマー病の発症分子基盤と考えられている。申請者の発明抗体をヒト化した抗体を使用したAβオリゴマーを標的とした純国産疾患修飾薬を用いて、欧州5か国と本邦において前駆期から中等度のアルツハイマー型認知症を対象とした第I相臨床試験が施行され無事終了した。申請者らの先行研究で世界に先駆けてこうした標的分子治療抗体をプローブ化することで脳内Aβオリゴマーをリアルタイムで可視化する新規画像バイオマーカーの創出を試みてきたが、その最大の障壁はフルボディー抗体低い血液脳関門透過性であった。
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本研究ではこの弱点を克服するために開発した細胞膜透過型・血液脳関門通過型のマイクロ抗体をプローブ化して細胞内外に局在する脳内AβオリゴマーのPET画像での可視化を目指している。本年度はこのマイクロ抗体の脳移行性における対照群として、同一の特異性を有するフルボディー抗体6H4をPETプローブ化し、アルツハイマー病モデルマウス(App(NL-F/NL-F)およびApp(NL-G-F/NL-G-F)マウス)における脳への集積を再評価した。12か月齢以上のマウスにおける脳への抗体集積は、抗Aβオリゴマー抗体6H4を投与した対照マウスおよびコントロール抗体を投与した同一月齢のアルツハイマー病モデルマウスと比べ有意に高く、Aβオリゴマーへの特異性をインビボで示すことができた。フルボディー抗体の脳移行性は投与した放射標識プローブ全体の0.05~0.1%とこれまでの報告と同等であった。 -
腫瘍部位におけるホウ素濃度の計測を可能とするBNCT用薬剤の創出
研究課題/領域番号:19K05735 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
加来田 博貴, 濱野 毅, 小川原 亮, 佐々木 崇了, 井川 和代
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)は、10Bと中性子の衝突に依存するため、がん組織中のホウ素濃度が重要なファクターとなる。しかし、がん組織中のホウ素濃度が測定可能な薬剤はない。本研究は、当該課題を解決するBNCT用薬剤の創出を目指した。X線CTにおけるヨウ素濃度定量性に着目し、ジヨードベンゼンとホウ素クラスターであるBSHを有する化合物を設計した。中でもフルオロエチル基を有するBS-DIP-OEF (3c)が、800 ppm以上のヨウ素濃度であればX線CTで定量性を認めること、また3c処置の細胞に中性子線照射したところ、細胞内ホウ素濃度とホウ素中性子捕捉反応(BNCR)の高い相関性が認められた。
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脳機能イメージングによる能動的低代謝の原理解明
研究課題/領域番号:18K06347 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
砂川 玄志郎, 佐々木 崇了
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究では絶食によって生じるマウスの休眠をMRI内で誘導し、マウス休眠における脳の局所的活動ダイナミクスを観察することが目的である。マウスの頭部を固定したまま、体を保定した状態で24時間拘束し、この間に休眠を誘導する必要がある。2019年度は昨年度に引き続き予定していた3つの目標のうち、目標1「休眠を誘導しながら機能的MRIを測定する」と目標2「MRI装置内で全身の代謝を測定する」を中心に実験を進めた。目標3「低代謝に至る脳活動ダイナミクスを明らかにする」は目標1と目標2が達成され次第、すすめていく予定である。目標1に関してはMRIのマウス用コイルに入りうる頭部固定装置をデザインしようとしたが、マウスを24時間固定し続けるためには大きさが足りなかったため、ラット用のMRIコイルに装着できるマウス頭部工程装置を開発し、マウスを固定した状態で24時間生存できることを確認した。同固定装置にマウスを保定した状態で休眠誘導を試みているが現在は成功していない。また、MRIを測定しながら代謝を評価するために非侵襲に検出された呼吸波形を機械学習を用いて代謝を推定するアルゴリズムを開発するための呼吸波形を取得する予定であったが、リソースの問題で2019年度内に成し遂げられなかった。計画2はラット用のMRIコイルでマウスの頭部の機能的MRIを撮影している。休眠が誘導されたマウスの基礎代謝は著しく低下するため、代謝が低下した状態を鋭敏に検出する必要があるが、麻酔をかけたマウスと死後マウスの差を描出できることを確認した。
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標的医療用Aβオリゴマー抗体をPETプローブ化した新規画像バイオマーカーの創出
研究課題/領域番号:16H05228 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
松原 悦朗, 松浦 栄次, 佐々木 崇了, 藪内 健一, 三浦 由真子
配分額:17940000円 ( 直接経費:13800000円 、 間接経費:4140000円 )
89Zr標識Aβオリゴマー(AβO)特異的抗体によるPET診断に向けて、キレート剤(DFO)標識による抗原性低下のない非標識抗体と同様の特異性を担保した放射標識抗体プローブ作成に成功した。残念ながらこの抗体プローブをもちいたインビボPETイメージングにより非侵襲的に検出することはできなかったが、摘出脳における放射能量定量とオートラジオグラフィーによる分布評価で、アルツハイマー病モデルマウスにおいて脳への移行性を確認した。以上の結果から、Aβオリゴマーに対する放射標識抗体をもちいることで、脳内移行性やS/N比の改善などによる非侵襲的な生体イメージングによる検出の可能性を示すことができた。
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動脈硬化性疾患の早期診断を可能にする分子イメージング・リピドーム解析技術の構築
研究課題/領域番号:26253036 2014年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
松浦 栄次, 保田 晋助, 佐々木 崇了, 小林 和子, 竹中 文章, 小関 英一, 藤分 秀司, 小渕 浩嗣
配分額:41860000円 ( 直接経費:32200000円 、 間接経費:9660000円 )
B2-glycoprotein Iは、止血・血栓、血管新生を制御する多機能血漿タンパク質である。本タンパク質は、plasminによる限定分解を受けることで、特定のリン脂質、酸化脂質、タンパク質との結合能を制御し自らの生理活性を調節する。本研究では、plasminによる限定分解部位を新規に特定すると共に、plasmin抵抗性のドメインI、Vの組換えタンパク質を作製した。また、本タンパク質のPETによる血管新生部位への局在や生理機能を解析すると共に、アフィニティーカラムとLC-MS/MSの組み合わせにより動脈硬化関連の酸化脂質を網羅的に解析できるメタボロミックス技術の構築を試みた。
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新規核種(89Zr)標識ヒト化低分子抗体によるがんのPET画像診断法の開発
研究課題/領域番号:25670273 2013年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
松浦 栄次, 竹中 文章, 佐々木 崇了, 小林 和子, 喜多 祥一
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
種々のがんの高感度検出が可能で、かつ低被爆の「抗体PETプローブ」の開発を目的として、がん抗原mesothelin(MSLN)に対する低分子化抗体scFvを作製した。scFv抗体のMSLNに対する解離定数は約10-50nMで、これをキレート剤DFOにより修飾し、ジルコニウム(Zr)-89で標識した。89Zr標識抗MSLN-scFv抗体をNCI-H226中皮腫細胞移植担がんマウスに尾静脈より投与し、その生体内分布をPETイメージングおよび解剖後の臓器放射能測定により調べた。その結果、PETでは投与48時間後に最もコントラストが高く腫瘍が描出され、本PETプローブのがん検出への有用性が示された。