Research Projects -
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空間トランスクリプトーム解析による小児脳腫瘍の悪性化予測マーカーの確立
2023 - 2024
公益財団法人 鈴木謙三記念医科学応用研究財団
大谷理浩
Authorship:Principal investigator
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神経膠腫の構造的脆弱性とメチオニン代謝に着目した 新規免疫療法の開発
2022.12
公益財団法人SGH財団 第34回SGHがん研究助成
大谷理浩
Authorship:Principal investigator
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エピゲノムおよびゲノム解析を用いた視床下部腫瘍の病態解明
2022.08
大藤内分泌医学賞
大谷理浩
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時空間的単細胞解析を駆使した膠芽腫に対する新規治療法の開発
2022.07 - 2023.06
一般財団フォーデイズ自立支援協会
大谷理浩
Authorship:Principal investigator
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神経膠腫のpassenger deletionに伴う構造的脆弱性を標的とした治療
Grant number:22K16687 2022.04 - 2025.03
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究 若手研究
大谷 理浩
Grant amount:\4680000 ( Direct expense: \3600000 、 Indirect expense:\1080000 )
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時空間単細胞解析によるTumor ecosystemを標的とした脳腫瘍に対する免疫チェックポイント阻害薬の効果増強
2022.01
公益財団法人安田記念医学財団 令和3年度(2021年度)若手癌研究助成
大谷理浩
Authorship:Principal investigator
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腸脳相関による骨髄系細胞のリプログラミングに着目した膠芽腫に対する新規治療標的の解明
2022
公益財団法人 ヤクルト・バイオサイエンス研究財団 一般研究 助成金
大谷理浩
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膠芽腫に対する遺伝子治療臨床検体を用いた網羅的空間発現解析による抗腫瘍免疫獲得機序の解明
2022
公益財団法人がん研究振興財団 令和3年度(第54回)がん研究助成金
大谷理浩
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単細胞解析による免疫抑制骨髄系細胞分化機序の解明と、新規腫瘍溶解ウイルスの開発
Grant number:21K20803 2021.08 - 2023.03
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
大谷 理浩
Grant amount:\3120000 ( Direct expense: \2400000 、 Indirect expense:\720000 )
本研究の目的は、膠芽腫に対する腫瘍溶解ヘルペスウイルス療法(oncolytic herpes simplex virus, oHSV)によって活性化するNOTCH経路が抗腫瘍免疫に与える影響の解明である。まずNOTCH経路が膠芽腫微小環境に与える影響を評価するため、The Cancer Genome Atlas (TCGA)に登録された膠芽腫416症例についてNOTCH経路の活性化を調べ、NOTCH高発現群および低発現群に分類した。更に、CIBERSORT解析を用いてそれぞれの群における免疫細胞の頻度を調べたところ、NOTCH高発現群において特に免疫抑制型マクロファージであるM2型マクロファージが増加していた。同様に、GSEA解析でもM2マクロファージやMDSC等の免疫抑制型骨髄系細胞が増加していた。
次に、担腫瘍マウスモデルを用いてin vivoにおける免疫細胞の評価を行った。担腫瘍マウスモデルに対してoHSVを投与したところNOTCH経路の活性化を認め、免疫細胞浸潤が確認された。一方でoHSVとNOTCH阻害薬を併用した群では、M2型マクロファージやMDSCの集簇が減少した。以上より、NOTCH経路は膠芽腫における免疫抑制型骨髄系細胞の集簇に関与していることが示唆された。
我々は主に腫瘍細胞におけるNOTCH経路の活性化に着目してたが、腫瘍微小環境における免疫細胞等でもNOTCH経路は活性化しうると考えられた。NOTCH経路は細胞のプログラミングに関与する経路であるため、今後はこのプログラミング機構について解析を行う予定である。 -
Analysis of immune microenvironment-related germline variants in gliomas
Grant number:21K09100 2021.04 - 2024.03
Japan Society for the Promotion of Science Grants-in-Aid for Scientific Research Grant-in-Aid for Scientific Research (C) Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
杉生 憲志, 黒住 和彦, 畝田 篤仁, 藤井 謙太郎, 石田 穣治, 大谷 理浩
Grant amount:\4160000 ( Direct expense: \3200000 、 Indirect expense:\960000 )
グリオーマは予後不良な脳腫瘍であり, その中で最も悪性度の高いグリオブラストーマの5年生存率はわずか10%である. 近年, 腫瘍細胞でのみ生じるsomatic(体細胞)遺伝子変異の解析が進んでいるが, 患者が生まれながらに持ち, 体内のすべての細胞で生じるgermline(生殖細胞系列)バリアントについては未だ不明な点が多い. 本邦で開発され, ノーベル賞にも輝いた免疫チェックポイント阻害剤をはじめとする様々な免疫療法が実臨床に応用されているが, グリオーマに対しては有効性を示せていない. 免疫療法の有効性を決定する要素の一つとして, 腫瘍の免疫微小環境が注目されているが, 体内の全細胞に存在するgermlineバリアントは, 腫瘍細胞のみならず免疫微小環境にも強い影響を与える可能性がある. しかし, germlineバリアントと, グリオーマの予後や免疫微小環境との関連に着目して解析を行ったという報告はこれまでにほとんどない. 本研究では, TCGAのグリオーマ患者約のゲノム配列データを用いて, PIK3R1 Met326Ile germline変異がグリオーマの発生率, 予後, さらには免疫微小環境に与える影響について解析を行う. PIK3R1 M326Ileのホモ変異型 (PIK3R1 M326Ile Homo MT)は, 予後が悪い傾向はあるが, 3群解析で有意差はつかず(Homo MT vs WT + Hetero MTで比較すると有意差あり), BLACK OR AFRICAN AMERICANで有意に多いことがわかった. また, 人種ごとに解析した場合も, PIK3R1 M326IleのHomo MTは, 予後が悪い傾向はあることがわかった. 人種ごとに健常人とGBMで比較すると, PIK3R1 M326Ile変異は, 疾患発症リスクには関与しないということがわかった. ホモ変異型 (PIK3R1 M326Ile Homo MT)では, MTAPやIFNの変異が多く, PIK3R1 M326Ile変異が免疫微小環境に影響を与える可能性が示唆された.
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悪性神経膠腫に対する新規遺伝子療法の効果予測因子の解明
2021 - 2022
公益財団法人ウエスコ学術振興財団
大谷 理浩
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膠芽腫に対する遺伝子療法により誘導される抗腫瘍免疫の検討
2021 - 2022
公益財団法人川崎医学・医療福祉学振興会
大谷 理浩
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単細胞解析を用いた骨髄系細胞リプログラミングによる脳腫瘍に対する効果的な免疫療法の開発
2021 - 2022
公益財団法人 寺岡記念育英会
大谷 理浩
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A phase I/IIa clinical trial of Ad-SGE-REIC for malignant brain tumor
Grant number:20lm0203095h0002 2019.04 - 2021.03
Japan Agency for Medical Research and Development 橋渡し研究戦略的推進プログラムシーズC
Date Isao, Kurozumi Kazuhiko, Fujii Kentaro, Ishida Joji, Otani Yoshihiro
Grant type:Competitive
Grant amount:\22094000
Reduced Expression in Immortalized Cells/Dickkopf-3(REIC/Dkk-3)は岡山大学で発見され,様々ながんで発現が低下している“がん抑制遺伝子”であり,前立腺がん,悪性胸膜中皮腫においてERストレスを介してアポトーシスを誘導すると報告されている.また,前立腺がんにおいてはREIC/Dkk-3による免疫反応を介した抗腫瘍効果の報告もある.悪性神経膠腫細胞に関しては,REIC/Dkk-3がWnt/Dkk-3シグナル伝達経路を阻害し,caspaseを活性化することで細胞増殖を抑制することが報告されている.本研究開発の課題は,“再発悪性神経膠腫を対象とした遺伝子治療製品「Ad-SGE-REIC」の第I/IIa相試験”であり,令和2年度の目標は,症例登録を終了し,すべての症例の評価を終えることとする.