共同研究・競争的資金等の研究 - 門田 有希
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マルチオミクス解析による接木を介した開花誘導メカニズムの解明と新規育種法の開発
研究課題/領域番号:24K21873 2024年06月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的研究(萌芽)
門田 有希, 元木 航, 田中 勝
配分額:6370000円 ( 直接経費:4900000円 、 間接経費:1470000円 )
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サツマイモネコブセンチュウに対するレース横断的抵抗性機構の解明と育種基盤の構築
研究課題/領域番号:23H02186 2023年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
門田 有希, 大谷 基泰, 田淵宏郎
配分額:18460000円 ( 直接経費:14200000円 、 間接経費:4260000円 )
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NGSを用いた,新規モデル植物Setariaの量的形質候補遺伝子同定と遺伝資源多様性評価
研究課題/領域番号:23K05279 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
福永 健二, 門田 有希, 大迫 敬義, 阿部 陽
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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高次倍数体作物種の農業形質に関するゲノム・遺伝学的解析
2023年01月 - 2024年03月
公益財団法人 G-7奨学財団 研究開発助成
門田有希
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品種識別技術の開発
2020年07月 - 2025年03月
農林水産省 農林水産研究推進事業委託プロジェクト研究
磯部祥子, 白澤健太, 平川英樹, 門田有希, 島田武彦, 澤村豊, 谷口 郁也, 田中勝, ハク エムダドウル, 住友克彦, 高畠令王奈, 橘田和美, 岡本充智, 山本紗綺, 三好沙季, 峯岸恭孝, 土肥伸岳, 庄司和幸, 高崎 一人, 森中理慧馨
担当区分:研究分担者
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倍数性作物サツマイモにおいて遺伝子機能解析を加速するゲノム編集技術の開発
研究課題/領域番号:20K05984 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
門田 有希, 大谷 基泰, 刑部 祐里子
担当区分:研究代表者
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本研究では、代表的な倍数性作物種であるサツマイモを対象に、遺伝子機能解析を加速させるためゲノム編集技術を開発する。最近、研究担当者らは、遺伝解析が極めて困難とされてきたサツマイモ(2n = 6x = 90)を対象にNGSを利用したゲノムワイドな遺伝解析を行い、さまざまな農業形質(線虫・ゾウムシ抵抗性、収量性や塊根の皮色等)にかかわるゲノム領域を同定した。さらに、トランスクリプトーム解析や全ゲノムリシーケンスのデータなども組み合わせることにより、線虫抵抗性ならびに塊根皮色を制御する候補遺伝子をそれぞれ1つに絞り込むことに成功した。しかしながら、これら候補遺伝子の機能解明には至っておらず、原因遺伝子であると証明されてはいない。遺伝子機能を詳細に調べるためには、その遺伝子を改変した植物体を作出する必要がある。
ゲノム編集はターゲット遺伝子をピンポイントで改変可能な技術であり、今後作物の効率的な品種改良には欠かせない技術となりうると考えられる。一方ゲノム編集の効率は植物細胞への遺伝子導入や植物体の再生効率に大きく影響を受ける。さらに植物は、倍数性や繁殖様式などの遺伝的特徴も異なる。よって、それぞれの植物種に適したツールの開発ならびに手法の確立が不可欠である。特にサツマイモについては形質転換の難易度が高く、6倍体で栄養繁殖性を示すため交雑育種や戻し交雑等である特定の遺伝子だけを取り除く、あるいは導入することが極めて難しい。そこで本研究では世界で7番目に生産量の多い重要作物であるサツマイモを対象にゲノム編集技術を開発し、遺伝子機能解析ならびに遺伝子改変した品種の効率的な育成に取り組む。 -
サツマイモネコブセンチュウ抵抗性品種育成に向けた遺伝子機能解析
2020年04月 - 2021年03月
公益財団法人ウエスコ学術振興財団 研究活動費
門田 有希
担当区分:研究代表者
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品種判別マーカー開発のためのレトロトランスポゾン挿入多型情報の収集と情報解析
2019年11月 - 2020年02月
国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構 サツマイモ品種判別のための品種のDNA配列解析及び判別技術適用のための予備的試験に関する研究
門田有希
担当区分:研究代表者
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倍数性作物種における対立遺伝子の構造予測システムの開発
2019年10月 - 2020年03月
公益財団法人両備檉園財団 生物学研究奨励賞
門田 有希
担当区分:研究代表者
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根圏生態系の季節変動から紐解く二毛作体系の生物学的な持続性
研究課題/領域番号:19KT0011 2019年07月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
谷 明生, 山本 敏央, 山地 直樹, 山下 純, 門田 有希, 中川 智行, 最相 大輔, 持田 恵一
担当区分:研究分担者
配分額:18590000円 ( 直接経費:14300000円 、 間接経費:4290000円 )
植物の生育は植物の遺伝背景や環境要因等の相互作用の結果として捉えることができる。根圏微生物叢は植物の生育に多大な影響を与えており、逆に、植物の遺伝的背景や環境要因にも規定され、相互作用すると考えられる。本研究の目的は、圃場環境において微生物叢を含むあらゆるパラメータをデータ化し、それらの要因間のネットワークを可視化し,農業生態系としての季節変動動態を理解することである。
研究所実験圃場の慣行区と無施肥区において、アルミニウムに対する感受性の異なるイネとオオムギの品種対を対象に、隔週で各条件3植物個体ずつ(イネは6個体)サンプリングした。環境要因として、フィールドサーバーを用いて日照、降雨、温度、湿度、風向、風速を測定した。土壌環境データとして根圏土壌を採取し、ICP-MSによる水抽出可能な元素の組成を測定し、土壌センサを用いて土壌pHを測定した。さらに土壌の根圏微生物DNAを精製し、16S rRNA遺伝子アンプリコンシーケンスを行った。
施肥の有無によりイオン等の動態は変化し、pHは慣行区で低く、カリウム、リンは慣行区で高濃度であるが早い時期に消費された。慣行区の硫黄、無施肥区のマグネシウム、マンガン、銅が落水により増加した。同じく落水によると考えられるヒ素の増加、カドミウムの低下が無施肥区で見られた。
微生物叢は、イネではMassilia属、Pseudomonadaceae、Oxalobacteraceaeがstar1で多い傾向が見られた。オオムギでは根圏土壌と根のサンプルで相違が見られ、根のサンプルにのみJanthinobacterium, Methylibium属細菌が多く存在することが分かった。これらはオオムギ根のエンドファイトであると考えられ、そのオオムギに対する共生機構や成長への影響に興味が持たれる。 -
メロン交雑集団を用いた棚持ち性関連遺伝子座の特定
研究課題/領域番号:19H02948 2019年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
牛島 幸一郎, 門田 有希, 中野 龍平, 池田 和生
担当区分:研究分担者
配分額:17160000円 ( 直接経費:13200000円 、 間接経費:3960000円 )
メロンは一般に急激な呼吸量の増加とともにエチレンの生成と果実軟化を示すクライマクテリック型果実であるが,実際にはエチレンを感受しないノンクライマクテリック型果実や,エチレン合成量が少ない,軟化速度が遅いなど,様々な成熟様相を示す品種が存在する.メロン品種のハネデュとB2は共に棚持ち性の良い品種であるが,前者はエチレン生合成,後者は果肉軟化に変異が生じている.R3年度はB2の棚持ち性に関する研究を中心に解析を行った.
B2についてはR2年度に軟化遅延形質がF5世代で分離した.これにより1遺伝子座支配である可能性が示唆されているが,本来の予定であればF6世代で分離する予定であり,想定外の結果であった.この結果がただしいか否かを再度検証するとともにGWAS解析を行うことにした.R2年度と同じF5集団に加えてあらたにF6集団を栽培し,果肉の形質を調査した.F5に関しては前年と同様に軟化遅延形質が1:1で,F6では3:1で分離した.これらの結果から,やはり軟化遅延形質は1遺伝子座支配であると考えられた.そこで,GRAS-di解析を実施しSNPをコールして,GWAS解析を行った.その結果,高い相関を示すSNPは検出されなかった.僅かに相関が観察される遺伝子座もあったが,遺伝子型の分離比が歪んでおり信頼性が低いと考えられ,遺伝子座の特定には至らなかった.
ハネデュのエチレン合成不全については,R2年度までに典型的なクライマクテリック型果実のシャランテとのF2集団でGWAS解析やRNA-seq解析などから制御因子の特定を試みて,8番染色体に相関は見られたが候補遺伝子の特定には至っていない.他の形質と比べると相関が高くないため再度集団を作り解析を試みることにした.R3年度はF1の栽培及びF2世代の種子の回収を行い,次年度の解析のための材料を得た. -
イネjuvenile-adult相転換期を制御するQTLの同定および育種的活用
研究課題/領域番号:19H02929 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
吉川 貴徳, 門田 有希, 小出 陽平, 寺石 政義, 奥本 裕
担当区分:研究分担者
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本研究は、イネjaponica品種とindica品種間において栄養成長期間のjuvenile-adult相転換期の分化に関与する遺伝的要因を同定し、生育相転換が農業形質に及ぼす効果の解明を試みた。主たる成果は、1)qJA1、qJA2の原因遺伝子を同定し、トランスクリプトームにおいて関連する経路を見出した。2)qJA1、qJA2のjaponicaアリルが高緯度地域での栽培に適する可能性を見出した。3)生育環境が相転換に及ぼす影響を明らかにした。4)生育ステージの進行に伴っていもち病に対する防御応答機構が変化することを見出した。
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赤潮原因藻ヘテロシグマの系統地理学的マーカーの確立を目指した研究
2019年04月 - 2020年03月
岡山大学 資源植物科学研究所 平成31年度共同研究課題
植木尚子, 門田有希
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サツマイモネコブセンチュウ抵抗性に関する実用的な選抜DNAマーカーの開発
2019年04月 - 2020年03月
公益財団法人 八雲環境科学振興財団 環境研究助成
門田有希, 田淵宏朗
担当区分:研究代表者
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研究課題/領域番号:16KT0147 2016年07月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
門田 有希, 横田 健治, 田淵 宏朗
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
本研究では16Sメタゲノム解析を行い、サツマイモの重要病害である立枯病や有害線虫の発生が土壌微生物構成に及ぼす影響を経時的かつ網羅的に調査した。土壌試料からDNAを抽出し、16S rRNA遺伝子のV1-V2、V3-V4領域を増幅するよう設計したPCRプライマーを用い、MiSeqシーケンス用ライブラリを作製した。QIIMEソフトウェアを用い、微生物構成や多様性解析等行った結果、異なる処理区の微生物構成に違いが検出された一方、処理区内の微生物構成は類似していることが示された。また、発病土壌では非発病土壌よりも微生物の多様性が減少していた。
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非モデル作物種の完全長cDNA配列の決定とストレス応答性遺伝子の網羅的な発現解析
研究課題/領域番号:16K07557 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
門田 有希, 田淵 宏朗, 牛島 幸一郎
担当区分:研究代表者
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
サツマイモは高次倍数性(2n=6x=90)や自家不和合成等の特徴をもつため遺伝様式が複雑であり、全ゲノム配列情報や遺伝子アノテーション情報は未だに整備されていない。そこで本研究では、Iso-seqやRNA-seq等のNGS解析を行い、サツマイモの転写産物に関する参照配列を構築するとともに線虫抵抗性に関わる遺伝子の同定を試みた。Iso-seqで得られた54000個のアイソフォーム配列と近年公開されたサツマイモ転写産物データを統合することで100,419配列から成る参照配列を構築した。また、線虫抵抗性・感受性品種を対象にRNA-seqを行い、線虫抵抗性に関わる候補遺伝子を同定した。
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研究課題/領域番号:16K18652 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
藤田 景子, 福永 健二, 門田 有希, 高田 翔太
担当区分:連携研究者
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
国内で栽培されている四倍体欧米雑種ブドウ‘ピオーネ’(黒色果皮)とその枝変わり(突然変異)‘赤いピオーネ(あかり)’(赤色果皮)を遺伝子レベルで比較することで、色が変化した原因を明らかにし、果皮色に関する遺伝子の単離を目的とした。両品種をSSRマーカーで識別を試みたができなかった。また、果皮色決定に関わるMYB様転写因子遺伝子の塩基配列とMYBハプロタイプを比較したが違いはなかった。一方、レトロトランスポゾンの外向きプライマーを用いたIRAP解析では違いがあった。両品種におけるVINE1やGret1のレトロトランスポゾンの挿入位置の解析データから、両品種間で数か所違いがあることが分かった。
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バチルス属菌由来の環状リポペプチドによるシロイヌナズナの病害抵抗性制御機構の解明
研究課題/領域番号:16K07628 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
横田 健治, 門田 有希
担当区分:研究分担者
配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )
バチルス属細菌が分泌生産する環状リポペプチド(cLP)について、病害抵抗性誘導に依存した病害抑制効果及びその機構を明らかにした。Iturin A及びsurfactinは、レタス及びキャベツに対し、病害抵抗性誘導に依存した顕著な病害抑制効果が認められた。しかし、薬害が認められない過剰処理濃度では病害抑制効果が消失した。そして、効果が消失する処理濃度はcLP分子種と宿主植物の組合せにより相違した。シロイヌナズナ及びその変異株を使用し、過剰処理濃度で消失するcLPの病害抑制効果の制御機構について解析したところ、既知の主要な2種類の病害抵抗性誘導の制御系以外の新規の制御機構の存在を強く示唆した。
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果実発育・成熟関連遺伝子の完全長cDNA配列と選択的スプライシングの網羅的解析
研究課題/領域番号:16K14854 2016年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
牛島 幸一郎, 門田 有希, 赤木 剛士
担当区分:研究分担者
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
第3世代の次世代シークエンサーの普及により,ゲノム解読だけではなく転写産物の解読に利用されている.本研究ではメロン果実のIso-seq解析を行い,完全長cDNA配列と選択的スプライシングについて解析を行った.3つの異なる方法で完全長cDNA配列ライブラリーを構築し,PacBioとNanoporeを用いて配列解読を行った.得られたIsoformをメロンゲノムにマッピングして比較した結果,PacBioの解読では 約6,500遺伝子座,Nanoporeの解読では12,000の遺伝子座からの転写産物が得られた.そのうち,509遺伝子座が新規の遺伝子座であった.
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平成27年度若手研究者スタートアップ研究支援事業
2015年09月 - 2017年09月
岡山大学
門田有希
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耐乾性育種に向けた、コムギ異種染色体添加系統におけるトランスポゾンMITEの遺伝解析
2015年 - 2016年
平成27年度鳥取大学乾燥地研究センター共同研究 若手奨励研究
門田有希, Benjamin Ewa Ubi, Yasir Serag Alnor Mohammed
担当区分:研究代表者
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STHクロマトPASを利用した、加工食品における農作物の品種判定検査
2015年 - 2016年
公益財団法人三島海雲記念財団 平成27年度(第53回)学術研究奨励金
門田 有希
担当区分:研究代表者
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高次倍数性作物種の遺伝解析に有用な、新規活性型レトロトランスポゾンの探索
研究課題/領域番号:26660007 2014年04月 - 2016年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
門田 有希
担当区分:研究代表者
配分額:2210000円 ( 直接経費:1700000円 、 間接経費:510000円 )
本研究の目的は、高次倍数性作物種の遺伝解析に有用な新規レトロトランスポゾンファミリーを同定することであった。以前開発した手法をアレンジすることで、サツマイモのような非モデル作物種にも適用可能な新たな手法を開発した。本手法を用いた解析の結果、14種類の品種間挿入多型を示す候補レトロトランスポゾンファミリーを同定した。またそれらの品種間挿入多型を実験的にも証明した。あるファミリーについては全長配列の決定、あるいは挿入部位の詳細なシーケンス解析まで達成しており、当初の目的以上の成果を得た。
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次世代シーケンスを用いた活動型レトロトランスポゾンの挿入多型解析によるサツマイモ高密度連鎖地図の作成と立枯病およびネコブセンチュウ抵抗性マーカーの開発
2013年04月 - 2017年03月
ゲノム情報を活用した農産物の次世代生産基盤技術の開発プロジェクト(大豆および畑作物の有用遺伝子の同定とDNAマーカーの開発)
担当区分:研究分担者
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シイタケ(Lentinula edodes)活性型レトロトランスポゾンを利用したHigh-throughput な品種判別マーカーの開発
2013年04月 - 2014年03月
研究奨励金公益財団法人ホクト生物科学振興財団助成金
門田 有希
担当区分:研究代表者
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現場での検査導入を実現する農作物品種DNA 判定法の開発に関する研究
2012年04月 - 2015年03月
農林水産業・食品産業科学技術推進事業(実用技術開発ステージ)
担当区分:研究分担者
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テニュアトラック普及・定着事業
2012年04月 - 2014年03月
科学技術人材育成費補助金
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イネトランスポゾンmPingおよびPingの転移制御機構の解明
研究課題/領域番号:09J02906 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
門田 有希
担当区分:研究代表者
配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )
<具体的な研究内容>
イネは2004年に日本晴の全ゲノム塩基配列が解読され、遺伝子の同定および機能解析が盛んに進められている。近年は、次世代シークエンサーを用いた比較ゲノム解析により、コシヒカリおよび雄町と日本晴との間において、それぞれ約67,000箇所、約130,000箇所の一塩基多型(SNP)が同定された。しかし、短いリードをReference genomeにマッピングし、小さな変異を同定する手法では、欠失、挿入、逆位等、大きな構造変異を同定することはできない。そこで本研究では、銀坊主のゲノム配列を高い精度で解読、新規コンティグを用いた比較ゲノム解析により、多様なゲノム構造変異についても明らかにした。
イネ品種銀坊主を用いて、二種類のライブラリー(500bpのPair endlibrary、3kbのMate pair library)を作成、Hiseq2000によりシークエンス解析を行った。得られた配列を、日本晴ゲノム配列にマッピングした後、123,299か所のSNP、43,480箇所の短い欠失および挿入を同定した。さらに、複数のソフトウェアを組み合わせ、数100bpから数100kb以上に及ぶ大きな構造変異を1500箇所以上同定した。その後、銀坊主の新規コンティグを作成し、マッピング解析により得られた構造変異の妥当性を検証した。確認された構造変異の70%は、転移因子配列の切り出しもしくは挿入によるものであり、転移因子を介して生じたと思われる逆位も複数存在した。
<意義および重要性>
今回の研究結果から、イネ近縁品種間において大規模なゲノム構造変異が多数存在していること、並びに、このような構造変異に転移因子が密接に関与することを明らかにした。これは、自殖性作物であり遺伝的均一性の高いイネにおいて、転移因子を介したダイナミックなゲノム進化が短期間に進行することを示す重要な成果である。