共同研究・競争的資金等の研究 - 松﨑 秀信
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放射線性う蝕から歯を守る~頭頸部がんサバイバーのQOL向上のための基礎研究~
研究課題/領域番号:23K07156 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
松崎 久美子, 吉山 昌宏, 島田 康史, 青山 英樹, 松崎 秀信, 吉尾 浩太郎
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
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既承認器具の課題を克服した子宮頸がん組織内照射テンプレートの新規開発
研究課題/領域番号:22K09573 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
吉尾 浩太郎, 松崎 秀信, 中村 圭一郎
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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口唇・口腔癌への高線量率密封小線源による治療応用:治癒率向上を目指す新たな展開
研究課題/領域番号:22K07720 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
青山 英樹, 松崎 秀信, 吉尾 浩太郎, 松下 利
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
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放射線性う蝕予防の新規アプローチ~歯面塗布型放射線防護剤の開発~
研究課題/領域番号:21K07596 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松崎 秀信, 松崎 久美子, 青山 英樹, 吉尾 浩太郎
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
放射線性う蝕の予防に関する研究である。放射線性う蝕の発生誘因の一つに、放射線照射による歯の硬組織の損傷がある。これは唾液や歯に接する軟組織に含まれる水分、歯の硬組織中に含まれる有機質や水分との相互作用によって発生するラジカルによって生じると考えられている。
そのため本研究では、放射線の照射によって発生するラジカルを抑制する物質である放射線防護物質を照射系に添加することによりラジカルを抑制することで歯の硬組織損傷を軽減させることを目的とした。
抜去歯を用いた試料体への照射実験に先立ち、過去に放射線照射による歯の硬組織の損傷に関する報告に関して再度渉猟し、実験に適切な照射スケジュールについて、放射線腫瘍医、放射線物理士と共に検討を行い、10Gy×7回(7日間)のスケジュールで照射実験を行うこととした。
う蝕のないヒト抜去歯に対して0~70Gyの段階的照射後、脱灰処理を行うことで人工う蝕を作製し、物性評価および脱灰程度の観察を行う予定である。検証には、色素浸透試験や軟エックス線、走査電子顕微鏡、偏光顕微鏡による観察を行う。現在までに、非照射群に関して、エナメル象牙境とセメント象牙境の検証を行った。また、放射線防護物質のひとつとして、亜鉛含有ガラス塗布材を人工う蝕予防材として応用した。その結果、色素浸透試験において、人工う蝕ではセメントエナメル境で色素浸透が確認された一方で、亜鉛含有ガラス塗布材では色素浸透を認めなかった。また、走査電子顕微鏡では人工う蝕群でエナメル象牙境にクラックが生じていた一方で、亜鉛含有ガラス塗布材ではエナメル象牙境の結合破壊を認めなかった。
放射線防護物質は、アスコルビン酸、システアミン、アミフォスチン、オルトバナジン酸ナトリウムを候補として考えている。 -
放射線う蝕の治療法の確立に向けたセルフエッチング接着システムの基礎的研究
研究課題/領域番号:19K10149 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松崎 久美子, 吉山 昌宏, 島田 康史, 松崎 秀信
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
頭頸部癌に対する放射線治療の晩期障害のひとつに、放射線う蝕が挙げられる。フッ化物塗布によるう蝕予防効果には限界があり、放射線う蝕は一度発症すると急速かつ多発的に進行する。そのため、応急的にう蝕進行抑制剤を塗布し、日を改めて接着システムを使用したコンポジットレジン修復を行うことが多い。しかし、う蝕進行抑制剤は、被着面である象牙質表面のコラーゲンを凝固させるため、接着システムのプライマーが充分に浸透しない可能性がある。その上、接着システムの研究は、通常、口腔内が湿潤であることを前提として検証される。しかし、われわれが行った疫学調査で、頭頸部癌放射線治療後の唾液は、正常値の約1/3の量で泡状、粘性であった。そこで、口腔内環境に適応した基礎研究が必要と考えた。
本研究の計画では、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証、②異なる保管環境における接着試料体の接着性の検討、③研究Ⅱの接着性の向上に関する研究、の大きく3つの骨子で成り立っている。
2019~2020年にかけて、①う蝕進行抑制剤塗布後の象牙質における脱灰抑制効果の検証を行う計画を立てていた。現在までに、亜鉛含有/非含有象牙質知覚過敏抑制剤による象牙質の脱灰抑制効果を、波長走査型光干渉断層計(SS-OCT)を用いて検証した。その結果、亜鉛含有の材料は、象牙質表面よりやや深い位置で脱灰抑制効果を発揮し、亜鉛非含有の材料は、象牙質表面で脱灰抑制効果を発揮する可能性が示された。また、市販の象牙質知覚過敏抑制剤に、4段階に濃度を変えた塩化ストロンチウムを配合したものを試作し、象牙質の脱灰抑制効果を検討している。 -
3Dプリンターを用いた放射線治療用デバイス作製システムの開発に関する検討
研究課題/領域番号:16K11502 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
松崎 秀信, 勝井 邦彰, 松崎 久美子, 青山 英樹
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
頭頸部癌に対する強度変調放射線治療における、オーダーメイドマウスピース型デバイスの有用性について検討を行った。また、3Dプリンターで作製するマウスピース型デバイスの試作を行った。結果として、オーダーメイドタイプは、強度変調放射線治療時の位置誤差の低減に有用であった。また、光学印象採得のデータを使用して3Dプリンターで作製したデバイスの適合は、オーダーメイドタイプと比べ遜色がなかった。一方で、臨床で使用するためには、光学スキャナやソフトウェア、3Dプリンターの導入コストの問題、データソースとしてCT画像を使用する場合の金属アーチファクト低減処理について検討が必要である。
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口腔癌における dynamic CE-MRI を用いたリンパ節転移の潜在性の評価
研究課題/領域番号:21592572 2009年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
此内 浩信, 浅海 淳一, 柳 文修, 久富 美紀, 松崎 秀信
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
近年癌組織において腫瘍内血管の増生とともにリンパ管が増生していることが明らかになってきた。癌の転移様式はリンパ管性といわれている。そこで、dynamic CE-MRIは腫瘍内の血流を反映した画像診断が行えるため、同検査法を用いて癌腫内のリンパ管の増生について評価できないか調査を行い、ひいては局所リンパ節転移の潜在性が評価できないか調査を行った。dynamic CE-MRI と病理標本上の腫瘍内血管数とは正の相関が示された。また、病理標本上の腫瘍内血管数とリンパ管数との間にも正の相関が認められたが、dynamic CE-MRI と、病理標本上のリンパ管数との間には相関関係が認められなかった。しかし、リンパ節転移群と非転移群の原発巣の dynamic CE- MRI の間には有意差が認められ、原発巣の dynamic CE- MRI をもちいたリンパ節転移の潜在性が評価可能であることが示唆された
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研究課題/領域番号:20791516 2008年 - 2009年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
松崎 秀信
配分額:3380000円 ( 直接経費:2600000円 、 間接経費:780000円 )
初年度はエピジェネティックスの解析及び定量手法の確立を目指した。口腔癌細胞株を7株、対象は抗癌剤感受性に関連するMGMT遺伝子(O6-methylguanine DNA methyltransferase)である。メチル化の定量的検討にはbisulfite DNAのPCR後にTAクローニングし、シーケンシグした。結果、細胞株間でのメチル化の多寡を半定量的に解析出来た。さらに、ChIP アッセイによる定量法も検討した。次年度は、抗癌剤FR901228の標的の特定を目指した。FR901228投与前後の各細胞株での血管新生関連遺伝子発現変化検討として、リアルタイムRT-PCRでの網羅的解析を行った。その結果、FR901228投与後において、matrix metallo proteinase (MMP)ならびにTissue inhibitor of metallo proteinase (TIMP)発現が低下する細胞株を数株認めた。さらに、HUVEC(血管内皮細胞)への影響を検討により、血管新生能が低下した。
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研究課題/領域番号:19592170 2007年 - 2009年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
浅海 淳一, 此内 浩信, 柳 文修, 久冨 美紀, 松崎 秀信
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では、病理組織学的に扁平上皮癌の予後因子と考えられる腫瘍増殖能や血管新生を免疫組織学的に評価した値とMRIで癌組織の血行動態を評価したダイナミックMRIから導き出したパラメーターとの間に正の相関関係があることを見出した。このことからダイナミックMRIを評価することによって、口腔扁平上皮癌の増殖能や血管新生を評価でき、ひいては非侵襲的に口腔扁平上皮癌にり患した人の予後を予測できる可能性があることを示した。
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口腔内悪性腫瘍株における14-3-3sigma発現制御状況とその機構に関する研究
研究課題/領域番号:14771134 2002年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
松崎 秀信
配分額:3900000円 ( 直接経費:3900000円 )
前年度までに,口腔癌の放射線感受性における14-3-3σの役割を検討し,検討した口腔癌細胞株6株はすべて,放射線によるDNA障害後,G_2M期に停止するが,14-3-3σの低発現株では,同高発現株に比較してそのG_2M期の停止からより早く回復することを明らかにした。しかしながら,14-3-3σ発現と放射線感受性との関連性を示すことはできなかった。
今年度は,14-3-3σ遺伝子に生じるメチル化を検索し,転写制御への関与につて検討を行った。
14-3-3σ低発現株は,メチル化を多く持つとの予想に反し,低発現株3株のうち2株のみに数か所のメチル化を認めたのみであった。
一方,14-3-3σ高発現株ではメチル化を全く認めなかった。このことは14-3-3σの転写抑制において,メチル化はあまり関与していない可能性を示唆していた。
また,p53に変異のある14-3-3σ高発現株では放射線照射によって14-3-3σの誘導が認められたが,14-3-3σ低発現株ではp53に変異のない細胞株においてでさえ14-3-3σ誘導は少なかった。
このことは,口腔癌においてはp53のステータスにかかわらず,14-3-3σが放射線照射によっての誘導されることを示していた。
今回の研究により14-3-3σ発現はCpGのメチル化やp53の状態によっても影響されるもののその発現は複合的であり,さらなる研究が必要と考えられた。
今回の,研究はまとめて英文誌に投稿中である。 -
顎口腔領域病変のダイナミックMRIによる質的診断能に関する研究
研究課題/領域番号:14370603 2002年 - 2003年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
岸 幹二, 柳 文修, 此内 浩信, 浅海 淳一, 松崎 秀信, 久富 美紀
配分額:12500000円 ( 直接経費:12500000円 )
本研究は,ダイナミックMRIが,造影効果を経時的に観察することによって,腫瘍の血流動態を知ることが出来ることから,各種病変に特有の経時的造影パターンを分類することで,病変とくに腫瘍病変の良性・悪性の鑑別能を評価し,ダイナミックMRIの質的診断能について検討することであった。さらに種々の病変の性格の描出能について明らかにすることで,発現様相が不明な顎口腔領域特有の疾患についても検討を加えた。また,各種病変の経時的造影パターンの把握に加えて,ダイナミックMRI画像と同一平面の病理学的標本との比較により増殖細胞核抗原との相互の相関性を分析し,ダイナミックMRIによる非侵襲的な口腔癌の増殖能と予後判定の可能性を示した。
顎口腔病変におけるダイナミックMRIを分析し,CI curveやパラメーターが病変特有のパターンを持ち顎口腔領域の鑑別に有用である結果を以下のように得ている。
1.口腔扁平上皮癌におけるダイナミックMRIと各種免疫染色因子との関連を検討し,ダイナミックMRIが増殖細胞核抗原と相関していることから,腫瘍の増殖能を反映し予後因子としての役割の可能性を示した。
2.単純性骨嚢胞の造影パターンが特異的であり,他の病変と鑑別できることを示した。
3.多形性腺腫造影パターンを示し,他病変との比較を行うことで鑑別できる可能性を示した。
4.舌下腺腫瘍において悪性の唾液腺腫瘍は,正常舌下腺よりも早期に造影されることを示した。また,舌下腺腫瘍の境界がダイナミックMRIの早期像により他のシークエンスに比較してより明瞭に示されることを示した。
5.扁平上皮癌と悪性リンパ腫が造影パターンにより鑑別できる可能性を示した。
6.他の画像診断では鑑別が困難な場合もある含歯性嚢胞と腺様歯原性腫瘍が造影パターンにより鑑別できることを示した。