共同研究・競争的資金等の研究 - 福田 文夫
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果実選別の経験と勘を可視化する装置の開発と普及
研究課題/領域番号:23017543 2024年06月 - 2028年03月
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 戦略的スマート農業技術等の開発・改良 受託研究
押田正義, 籠橋駿介, 鈴木哲也, 有田慎, 中村美結, 福田文夫, 櫻井直樹, 江端一成, 深澤友香, 清水ちはる
担当区分:研究分担者 資金種別:競争的資金
配分額:2605000円 ( 直接経費:2004000円 、 間接経費:601000円 )
音響振動法を用いたモモの果肉障害の判別手法お呼び混入抑制法の開発
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ドローンによる薬剤散布に伴う付着量確認試験
2023年09月 - 2024年02月
共同研究
福田文夫, 圓見忠広
担当区分:研究代表者 資金種別:産学連携による資金
( 直接経費:329000円 、 間接経費:99000円 )
生産者のドローン防除への不安を払拭することを目的として、岡山県の特産であり、斜面でも栽培されるモモにおいて、散布方法を最適化するとともに、付着量を確認する実証試験を行い、付着量を定量する。
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ダイバーシティ農業による地域イノベーション共創拠点
研究課題/領域番号:22718447 2022年09月 - 2024年03月
JST 共創の場形成支援プログラム 地域共創分野「育成型」 研究開発課題1
福田文夫
担当区分:研究分担者
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モモのPan-genomeの構築とその利用による主要形質の制御遺伝子の特定
研究課題/領域番号:22H00368 2022年04月 - 2027年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
中野 龍平, 牛島 幸一郎, 山本 幹博, 福田 文夫, 西村 和紗, 高田 大輔, 鵜木 悠治郎, 森本 拓也, 小田 賢司
配分額:41860000円 ( 直接経費:32200000円 、 間接経費:9660000円 )
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肉質・成熟期が異なるモモの樹上における果実成熟様相の比較とその制御機構の解明
研究課題/領域番号:22K05614 2022年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
河井 崇, 福田 文夫
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
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音響振動測定によるモモ果実の内部障害及び成熟様相の樹上非破壊評価法の確立
研究課題/領域番号:19K06018 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
福田 文夫, 河井 崇
担当区分:研究代表者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
モモにおいて音響測定による非破壊判別を簡便に行えるようにするため、モモの核割れ果の判別する試験において、2点型の分析機器「聴診器」と一点型音響装置との間で、共鳴周波数などの音響データの整合性の把握を行った。果実発育中の継続的な変化を確認したところ、おおむね同様の結果となり、1点型試験機でも核割れ発生を判別でき、また果実袋上など直接果実にセンサーを接触させられない栽培状態でも共鳴周波数の取得が可能であることが明らかになった。導入したモバイル型音響装置についても調整を行い、核割れや樹上での成熟状態を把握できるように、プログラムを開発メーカーと調整し、2020年度に果実生産への利用可能性の検討ができるようにした。
また、一点型音響測定装置を用いて、モモ’白鳳’において、70果実の果実発育中に樹上で共鳴周波数の低下を調査していき、水浸状果肉障害の発生を非破壊把握する方法を検討した。果肉断面の半分程度に水浸症状を呈する水浸指数2以上の商品価値が低下する果実については、正常果と比べて、第2共鳴周波数が著しく低下することから、この閾値を550Hzに設定することで、収穫果において商品性の低い果実の混入を抑制できることが明らかになった。さらに、樹上調査において、7月初めの段階で、ほぼ同じ着果位置でも、共鳴周波数の低い果実が存在し、そのような果実の多くが収穫時に水浸症状をとなっていることが確認された。この方法を利用することで、水浸果となっていく変化が生じ始める時期や着生させている枝の状況などとの関連を検討できることが明らかとなった。これらをまとめて、令和2年度園芸学会春季大会で発表した。 -
極晩生モモ‘玄桃’の果実成熟特性およびその制御機構の解明
研究課題/領域番号:19K06033 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
河井 崇, 福田 文夫, 中野 龍平, 牛島 幸一郎
担当区分:研究分担者
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究では,岡山県内の民間育成品種‘玄桃’において見出された極晩生の果実成熟特性に着目し,交雑後代を用いた遺伝学的解析,糖組成・植物ホルモン分析などの生理学的解析,次世代シークエンサーを用いた網羅的解析を組み合わせることで,果実の成熟時期に関わる新規遺伝子の同定を目指す.本年度は‘玄桃’後代を用いて果実成熟に関わる諸形質の評価を行い,本研究の基礎となる形質データおよびその遺伝様式・年次変動を確認した.また,モモの熟期への関与が示唆されているNAC遺伝子の遺伝子型と熟期との関連を調査した.
‘清水白桃’ב玄桃’F1後代,‘玄桃’自殖後代および親品種を供試し,満開日から収穫日までの日数を成熟日数として算出した.F1後代および自殖後代の果実肥大様相と成熟日数が親品種の形質の間で分離し,親品種と同程度の成熟日数を示す個体は見られなかった.F1後代は自殖後代より熟期が早く,また,F1後代内でも成熟日数が短い個体群と長い個体群に1:1分離した.前年度までに予備的に形質評価していた個体において,F1後代内における成熟日数の分離は今年度の結果と一致していた.第4連鎖群のNAC遺伝子について,親品種間で確認された多型の遺伝子型を後代の各個体で調査したところ,既報の9bpのindelがF1後代内における熟期の早晩と共分離した.以上より,‘冬桃がたり’の成熟遅延に関わる因子は顕性ではなくF1では分離しないこと,‘清水白桃’は熟期の制御に関わる効果の大きい主要因子をヘテロでもつことが示唆された.また,NAC遺伝子の9bpのindelが‘清水白桃’がヘテロでもつ主要因子,あるいはその因子と連鎖する多型である可能性が考えられた. -
モモ民間育成の晩生希少品種を遺伝資源として活用した棚持ち性と果肉障害回避性の解析
研究課題/領域番号:18H02200 2018年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
中野 龍平, 牛島 幸一郎, 福田 文夫, 高田 大輔, 河井 崇
担当区分:研究分担者
配分額:17030000円 ( 直接経費:13100000円 、 間接経費:3930000円 )
本年度は、研究グループが注目している棚持ち性の優れる品種、障害発生の異なる枝変わり系統に関して、以下のような成果が得られた。
1)収穫時期や栽培地域を問わず、‘桃水’では自己触媒的エチレン生合成能が欠損していること、外生エチレンに応答して果実が軟化することが明らかとなり、‘桃水’は硬肉モモに属することが示された。Tatsukiら(2018)による、エチレン生成能の欠損とIAAの生合成関連遺伝子へのトランスポゾンの挿入変異との関連についての報告を参考に、親である‘川中島白桃’および‘桃水’の挿入変異を解析したところ、‘川中島白桃’はヘテロで‘桃水’はホモにて変異を持つことが明らかとなった。さらに、関連する数品種の全ゲノム配列を予備的に調査したところ挿入変異をヘテロで持つ‘ゆうそら’が片親である可能性が示唆された。‘桃水’は外生エチレン処理時の肉質が優れており、韓国系の品種を用いず、日本にて育成された品種同士の交配による高品質かつ棚持ち性の良い品種育成が実証された。
2)‘大寿蜜桃’ は収穫時期、栽培地域によらず、自己触媒的エチレン生成能を持つにも関わらず、エチレンによって軟化せず、3週間以上の棚持ち性をした。一方、‘冬美白’ではエチレン生成とともに、果肉軟化が進行し、通常のモモと同様のエチレン応答性を示した。
3)‘紅博桃’およびその亜主枝単位の枝変わりについて調査したところ、枝変わりでは生長第2期(肥大停止期)から3期(最終肥大期)への転換が遅れており、熟期が3週間ほど遅れことや収穫後に蜜症障害が多発することが明らかとなった。
4)上記の1)-3)の品種や系統に関して、予備的な全ゲノムシークエンス解析を実施し、‘桃水’と‘川中島白桃’の親子関係や、‘紅博桃’樹内の熟期が異なる枝の枝変わり関係を確認するとともに、詳細な解析に向けた方向性を確認した。 -
果物の東アジア、東南アジア輸出を促進するための輸出国ニーズに適合した生産技術開発及び輸出ネットワークの共有による鮮度保持・低コスト流通・輸出技術の実証研究
2016年04月 - 2019年03月
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 革新的技術開発・緊急展開事業 革新的技術開発・緊急展開事業(うち地域戦略プロジェクト)
中野龍平, 森永邦久, 福田文夫, 田中義行, 久保康隆, 牛島幸一郎, 花岡千草, 井上幸次, 藤井雄一郎, 荒木有朋, 樋野友之, 首藤浩一, 小椋健二, 鯨幸和, 中谷章, 岡室美絵子, 中一晃, 衛藤夏葉, 井沼崇, 増田吉彦, 和中学, 熊本昌平, 有田慎, 木村学, 濱島敦博, 櫻井直樹, 兼田朋子, 中島光廣, 林加奈, 高山典雄, 本多梨紗, 早川隆宏, 西山駿, 高枝正成, 手塚誉裕, 加藤治, 望月孝一, 中村宣貴, 北澤裕明, 安永円理子, 高田大輔, 志水基修, 小野嘉則, 田中章雄, 所のぞみ, 佐々木彰三, 森勇輔, 高取伸一, 谷川朋子
担当区分:研究分担者
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植物自らが必要な水分量を判断し自己かん水制御ができる電気的水分センシング法の開発
研究課題/領域番号:15K14835 2015年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究
森永 邦久, 福田 文夫, 横井 秀輔
配分額:3900000円 ( 直接経費:3000000円 、 間接経費:900000円 )
植物の状態や生育時期あるいは環境に応じて,適正にかん水を行う管理システムの構築のために,植物の異なる水分状態(水分量)を電気的に計測(静電容量から変換した電気周期値として計測)し,そのデータの記録ならびに電気シグナルとして利用できる計測装置のプロトタイプの開発を行った.
本装置を用いて異なる水分状態における植物の葉における蒸散速度と周期値には密接な関連がみられることから,本装置による周期の計測により葉中の水分状態を把握できると考えられる.また,水分ストレス時の特定の値の周期(あるいは周期値の幅など)を指標として,かん水管理に利用できる. -
東アジア中元節・中秋節をターゲットにした日本産高級モモの輸出流通システムの構築
2014年04月 - 2016年03月
農林水産省 産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立 攻めの農林水産業の実現に向けた革新的技術緊急展開事業(うち産学の英知を結集した革新的な技術体系の確立)
中野龍平, 森永邦久, 福田文夫, 志水基修, 松田吉家, 長谷川圭則, 岡村憲一
担当区分:研究分担者
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農林業に係る気候変動の影響評価
2013年04月 - 2018年03月
農林水産省 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト 平成25年度 気候変動に対応した循環型食料生産等の確立のためのプロジェクト
宮田明, 長谷川利拡, 桑形恒男, 西森基貴, 石郷岡康史, 麓多門, 吉本真由美, 中川博視, 吉田ひろえ, 中園江, 中野聡史, 酒井英光, 福岡峰彦, 常田岳志, 松井勤, 熊谷悦史, 白岩立彦, 田中朋之, 本間香貴, 杉浦俊彦, 阪本大輔, 伊東明子, 宮本善秋, 神尾真司, 小松宏光, 船橋徹郎, 小川秀和, 福田勉, 橋本克樹, 高橋哲也, 菊池佑弥, 白井由紀, 新川猛, 村元靖典, 森永邦久, 福田文夫, 岡田邦彦, 中野明正, 吉田祐子, 山崎敬亮, 田代勇樹, 塩川正則, 星野英正, 北林聡, 中村憲太郎, 北浦健生, 太田和宏, 高田敦之, 菅野勉, 佐々木寛幸, 加藤直樹, 井上聡, 廣田知良, 三枝俊哉, 酒井治, 林拓, 牧野司, 玉井幸治, 澤野真治, 野口正二, 細田育広, 浅野志穂, 阿部俊夫, 竹内由香里, 久保田多余子, 壁谷直記, 延廣竜彦, 金子智紀
担当区分:研究分担者
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西日本のモモ生産安定のための果肉障害対策技術の開発
2013年04月 - 2016年03月
農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業 実用技術開発ステージ
森永邦久, 福田文夫, 牛島幸一郎, 草場新之助, 山根崇嘉, 羽山裕子, 藤井雄一郎, 大浦明子, 樋野友之, 和中学, 堀田宗幹, 弘岡拓人, 寺村学, 尾頃敦郎, 小松英雄
担当区分:研究分担者
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種子の発育とGA供給からみたモモ果実の開花日および発育日数と品質の関係
2010年04月 - 2013年03月
文部科学省 科学研究費補助金 若手研究(B)
福田文夫
担当区分:研究代表者
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モモ果肉における障害発生の要因と機構の解明及び防止策の確立
2010年04月 - 2012年03月
文部科学省 科学研究費補助金 基盤研究(B)
久保田尚浩, 福田文夫
担当区分:研究分担者
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紫外光照射によるブドウ果実のアントシアニン生成促進とその機構解析
研究課題/領域番号:12460016 2000年 - 2002年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
久保田 尚浩, 福田 文夫, 久保 康隆, 片岡 郁雄
配分額:14200000円 ( 直接経費:14200000円 )
グローコールマン果皮のアントシアニン蓄積に及ぼす光強度の影響(UV-A域0〜1.1W・m^<-2>、可視域1〜100μmol・m^<-2>・s^<-1>)を散乱光下でみたところ、光強度の低下に伴ってアントシアニン含量が低下した。白色光照射では、100μmol・m^<-2>・s^<-1>までは照射強度の上昇に伴ってアントシアニン含量が増加した。紫外光照射下では約1W・m^<-2>まではアントシアニンが急増したが、それ以上では逆に低下した。LED光源を用いて可視域におけるアントシアニン生成の反応スペクトルを調査したところ、青色光に対する反応性が高く、緑色〜黄色域では小さかった。
赤色系、黒色系各4品種の計8品種のブドウについて、成熟開始期にUV-A照射およびABA処理を行い、アントシアニン生成に及ぼす影響をみた。コールマン、ピオーネ、安芸クイーンのアントシアニン含量はUV-A照射よりもABA処理で多く、一方ヒロハンブルグではUV-A照射で多かったが、ルビーオクヤマでは両者に差がなかった。アントシアニン含量が多いほどPAL活性が高かった。
ピオーネとマスカット・オブ・アレキサンドリアのPAL活性と遺伝子発現は果実発育に伴って急減し、ベレゾーン期にはほとんど検出されなかった。アントシアニンを蓄積しないマスカット・オブ・アレキサンドリアでは成熟期にはPAL活性と遺伝子発現は検出限界レベルで推移したが、ピオーネとグローコールマンではアントシニン蓄積に伴ってPAL活性が増加し、これに平行して後者では3種、前者では2種のPAL遺伝子の発現増加がみられた。ABA処理はピオーネとグローコールマンのアントシアニン蓄積、PAL活性および遺伝子発現を顕著に促進した。 -
モモ果実における渋味の発生要因及び渋味物質生成機構の解明
研究課題/領域番号:08456021 1996年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
久保田 尚浩, 福田 文夫
配分額:2600000円 ( 直接経費:2600000円 )
モモ果実における渋味の発生要因を明らかにするため、13園の‘白桃'成熟果実についてフェノール含量を比較した。フェノール含量は、同一園での樹体間や果実間よりも果樹園間で大きく異なり、最も多い園では最も少ない園の約3倍であった。しかし、果実のフェノール含量と生産地、樹齢、果実重、糖含量などとの間には関係がみられなかった。果実のフェノール含量と土壌pHとの間には関係がなかったが、土壌ECはフェノール含量の多い園で僅かに高い傾向であった。
‘白桃'果実のフェノール含量が園によって異なる背景を検討した。フェノール含量は、各園とも果実発育第2期にピークに達し、その後は成熟期に向けて減少したが、成熟時のフェノール含量が多い園ほど第2期の含量も多かった。果実のフェノール含量と新梢生長からみた樹勢の強弱および土壌水分含量との間に関係がなかった。フェノール生合成のキー酵素とされているPAL(フェニルアラニンアンモニアリアーゼ)の活性は、果実発育第1期に高く、しかもフェノール含量が多い園ほど高かった。しかし、フェノール代謝に関与するとされているN、Mn、CuおよびBの果実中の含量とPAL活性との間には明確な関係がみられなかった。
12品種の成熟果実についてフェノール含量を比較したところ、箕島白桃とゴールデンピーチで最も多く、大久保、白桃などがこれに次ぎ、川中島白桃やネクタリンで少なかった。フェノールの分子量は、果実発育第1期に大きく、第2期に低下し、第3期に再び大きくなる傾向であったが、ネクタリンでは成熟期でも小さいままであった。HPLC解析の結果、いずれの品種でも6つ以上のフェノール性物質が検出され、そのうち同定できたカテキンとクロロゲン酸は、ほとんどの品種で硬核期まではクロロゲン酸よりもカテキンが多かったが、成熟期にはクロロゲン酸が多かった。 -
ブドウの施設栽培における人工光源の開発と利用
研究課題/領域番号:08556005 1996年 - 1998年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
久保田 尚浩, 小野 俊朗, 小原 章男, 福田 文夫, 片岡 郁夫
配分額:12600000円 ( 直接経費:12600000円 )
(1)ブドウ栽培用ランプの開発:発光ダイオードを使って、450と660nmにピークを持つランプおよび両波長を半分ずつ持つランプを試作した。(2)ブドウの生長と花房分化に対する光の作用性:ピオーネを供試し、上記のランプおよび730nmにピークを持つランプで長日処理(16時間日長)した。660nmでは新梢生長が最も優れ、花房原基数も他区の約2倍であった。ブドウ3品種を供試し、自然日長の異なる3時期(12月、2月、3月)からシリカ電球、育成用ランプおよび赤色光ランプで長日処理した。長日処理効果は、新梢生長ではピオーネで最も大きく、次いでデラウエア、マスカット・オブ・アレキサンドリアの順であり、また花房分化ではピオーネで大きかった。長日処理効果は、自然日長が短い時期ほど大きく、一方ランプによる差は小さかった。(3)ブドウ栽培における電照技術の開発:ピオーネの二期作において、二作目の新梢や果粒の生長を促すには14時間以上の日長が必要なこと、日長時間が長いほど処理効果が大きいこと、暗期中断処理は16時間日長よりも長日処理の効果が大きいことが明らかとなった。(4)紫外光によるブドウ果粒の着色促進技術の開発:UV-A照射はブドウ果皮のアントシアニン蓄積を促すが、その程度は品種によって異なること、成熟期後半だけの照射でもアントシアニン蓄積が促されること、その効果はPAL活性を介したものであること、品種によってはアントシアニン組成に違いが生じることなどが明らかとなった。(5)ブドウ果皮のアントシアニン合成におけるPALおよびmyb遺伝子の関与:幼果期の高いPAL活性は果実生長、成熟開始期の小さなPAL活性は着色に関係していると思われた。RT-PCR法によって3種類のPAL遺伝子断片と6種類のmyb遺伝子断片を得た。このうち、アントシアニン合成に関わる遺伝子は主としてmyb11.PAL5およびPAL14であると推察された。