共同研究・競争的資金等の研究 - 小比賀 美香子
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健康と豊かな人生を創るためにビジュアルアート教育
2023年04月 - 2024年03月
福武教育文化振興財団 2023年度特別助成(先進的事業助成)
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医師が患者を生 きるということ ~予後不良の 悪性腫瘍の患者 (医 師)に ついての家族 (医 師)の 対話的自己エスノグラフィー~
2022年04月 - 2023年03月
公益財団法人岡山医学振興会 第21回 公募助成(教育)
担当区分:研究代表者
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健康と豊かな人生を創るためにビジュアルアート教育
2022年04月 - 2023年03月
福武教育文化振興財団 2022年度特別助成(先進的事業助成)
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医学における「ビジュアルアート教育」に関する調査研究
研究課題/領域番号:21K10327 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
小比賀 美香子, 木股 敬裕, 松本 洋
配分額:4160000円 ( 直接経費:3200000円 、 間接経費:960000円 )
本研究では、「ビジュアルアート教育」を受けた医学生に対するアンケートおよびフォーカス・グループの結果をもとに、「ビジュアルアート教育」の教育効果について、経時的に量的および質的研究手法にて詳細に明らかにする。
臨床実習でビジュアルアート教育を受けた医学生50名を対象に質問紙調査を行った。質問紙は、多次元共感性尺度、価値志向性尺度の「審美」に加えて、特性形容詞尺度を抜粋して作成した、架空の患者に対する印象評価、医療者への芸術教育の有用性を問う項目等で構成した。ビジュアルアート教育の前後に配布し、結果を分析した。ビジュアルアート教育を行うことで、自己を架空の人物に投影させる認知傾向を表す「想像性」が17.50±4.54から18.14±4.66(t(49)=2.05,p<.05)へ、相手の立場からその他者を理解しようとする認知傾向を示す「視点取得」が19.34±2.37から20.30±1.82(t(49)=3.08,p<.01)へ、「審美」が40.46±8.36から43.78±7.96(t(49)=4.80,p<.001)へ上昇した。架空の患者の印象評価課題では、「個人的親しみやすさ」が、6.50±1.83から5.84±2.02(t(49)=3.13,p<.005)へと低下した。医療者に対する芸術教育の有用性評価が高まった(p<.005)。ビジュアルアート教育前後の「審美」の変化分は「想像性」と相関(r=.3.81,p<.01)する一方、「視点取得」とは相関しなかった(n.s.)。ビジュアルアート教育を行うことによって、「視点取得」を中心に医学生の共感性が高まった。また、「視点取得」と「審美」の変化が無相関であったことから、単に芸術に触れればよいというわけではなく、教育成果を得るには、どのように学習プロセスを設計するのかが重要であると考えられた。 -
医学生・臨床研修医の「物語能力」教育プログラム開発のための調査研究
研究課題/領域番号:18K10002 2018年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
小比賀 美香子, 片岡 仁美, 三好 智子
配分額:4030000円 ( 直接経費:3100000円 、 間接経費:930000円 )
1991年、Guyattらにより、「科学的根拠に基づく医療 (Evidence Based Medicine: EBM)」が提唱されて以来、EBMは世界の医療の主流をなしている。1998年にGreenhalghらが、「物語と対話に基づく医療 (Narrative Based Medicine: NBM)」を提唱し、EBMとNBMは「患者中心の医療」を実践するための「車の両輪」に例えられるが、EBMの普及に比べ、NBMの臨床における実践手法、教育手法は十分に認識されておらず、研究報告も少ない。また近年、医師のプロフェッショナリズムが注目され、これまでの知識・技術偏重の医学教育への反省から、態度教育の重要性が論じられるようになった。その中で、我々は、医師がもつべき基本的能力として「物語能力(narrative competence)」に着目した。本研究の目的は、優れた「物語能力」をもつ医師を育成する教育プログラム開発のために、医学生、臨床研修医の「物語能力」に影響を及ぼす要因を、量的および質的研究にて明らかにすることである。
総合内科での選択臨床実習(基本実習を終えた5-6年生2-4名、4週間)において、「ナラティブトレーニング合同実習」「パラレルチャート」を実施した。2019年度は7回実施した(計28名の医学生が参加)。実習終了後にはアンケートを施行した。ナラティブ・メディスンにおける主要概念は3つある。「注目」は物語能力の根幹で、目の前の対象に真摯に注意を向け、「表現」では認識したものを表現し、「参入」では表現されたものを共有し、関係を構築する。パラレルチャートを経時的に解析すると、医学生は患者との関係、また自己省察を通じて、心動かされており、注目、表現を経て参入できている学生もいた。 -
再発性尿路感染症に対する乳酸菌膣坐剤の有効性に関する基礎・臨床的エビデンスの構築
研究課題/領域番号:17K10017 2017年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
石井 亜矢乃, 和田 耕一郎, 狩山 玲子, 小比賀 美香子
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
1.2019年度は、乳酸菌タブレットの直腸・膣内細菌叢に及ぼす効果に関する臨床試験で、次世代シーケンサーにより得られたデータ(47例)を使用して、タブレット服用後の細菌叢解析を行った。服用後の解析結果を属レベルで上位から3種類ずつ示すと、直腸ではBacteroidaceae属、Veillonellaceae属、Prevotellaceae属、膣ではPrevotellaceae属、Veillonellaceae属、Tissierellaceae属の順で、服用前後での上位3種類は同じであった。Lactobacillaceae属の存在は直腸では17.0%(8/47)、膣では29.8%(14/47)で服用前より増加していた。
2.一方、2019年度に新たに反復性膀胱炎患者(1例)に乳酸菌膣坐剤を投与したが、同意撤回され中断した。2019年度に1年間の投与を終了した3例では、投与前の尿路感染症発症頻度は平均8.3回であったが、投与中は平均3.7回と減少していた。再発性膀胱炎患者に対する乳酸菌膣坐剤の有効性評価のために、膣内細菌叢サンプル(8例)の全ゲノム配列を次世代シーケンサーにより決定、解析した結果、膣培養検査では乳酸菌が検出されなかった症例で乳酸菌の定着を確認した。
3.in vitro実験系(コロニーバイオフィルム法)を用いて、緑膿菌尿路バイオフィルム感染症に対する乳酸菌と抗菌薬の併用効果について検討を継続した。緑膿菌は乳酸菌により増殖が抑制され、4種の抗菌薬との併用でバイオフィルムの形成抑制効果の増強が示唆された。また、MRSAと大腸菌でも同様に検討した。MRSAは乳酸菌により増殖が抑制され、4種の抗菌薬との併用でバイオフィルムの形成抑制効果の増強が示唆された。大腸菌は乳酸菌により増殖が抑制されなかったが、2種の抗菌薬との併用でバイオフィルムの形成抑制効果の増強が示唆された。 -
研究課題/領域番号:16K08871 2016年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
片岡 仁美, 小比賀 美香子, 三好 智子, 勅使川原 早苗, 岩瀬 敏秀, 川畑 智子, 時信 亜希子, 渡邉 真由
配分額:3640000円 ( 直接経費:2800000円 、 間接経費:840000円 )
育児や介護等の理由でフルタイム勤務が難しい医師を対象として柔軟な働き方を可能とする岡山大学病院のキャリア支援制度を利用した女性医師と上司・同僚に対する各種分析を行った。
利用者(女性医師)の生涯学習についての分析では学ぶ意欲は高いものの家庭責任と学ぶ機会の確保の両立に関して自己評価の低さが認められた。上司・同僚に対するキャリア支援制度に対する導入10年後の意識調査では、同制度導入3年後のデータと比較して「同制度は利用者のみならず職場にとって有用である」、とする評価するスコアが有意に上昇していた。 -
医療・心理・教育におけるナラティブ・データの分析手法の確立と文学研究への応用
研究課題/領域番号:16K02606 2016年04月 - 2019年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
奥田 恭士, 井上 靖子, 保坂 裕子, 糟屋 美千子, 内田 勇人, 寺西 雅之, 小比賀 美香子, 奥 聡一郎
配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )
本研究の成果は、(1)ナラティブ・データの分析手法の確立に向けて、物語論・文体論・ディスコース分析から援用した分析手法を統合・発展させ、手法の改善と精度向上に寄与したこと(2)文学研究を認知科学や医療と関連づけることにより、少子高齢化社会において文学が新たなひとつの貢献をなし得る点を示したこと(3)本研究を通して非文学テクスト分析から得られた手法は、文学領域においても一定の有効性を持つ点が確認できたこと、の三点である。これらの成果は、本文に記載の二つのシンポジウムおよび本課題の総括を目的として発行した『研究成果報告書』で公表されている。
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初期臨床研修医の共感性 (Empathy) に関する量的および質的研究
研究課題/領域番号:15K08551 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C)
小比賀 美香子, 片岡 仁美, 三好 智子, 大谷 尚
配分額:4680000円 ( 直接経費:3600000円 、 間接経費:1080000円 )
本研究の経時的調査では、「共感性」スコアに大きな変化がない年度も認めた。女性研修医は男性研修医よりJSEスコアが高く、共感性が高いことが示唆されたが、研修開始後12ヶ月以降は、女性のスコアが低下し、男女差が消失した。志望診療科については、人間指向診療科を志望する研修医が、技術指向診療科を志望する研修医より共感性が高い傾向にあった。研修開始時のJSEスコアが高いほど、1年後、2年後のJSEスコアも高いことが示唆された一方、1年後、2年後にスコアが低下しやすいことも示唆された。研修医のインタビュー解析結果から、研修医が共感性育成を促進する要因と阻害する要因の間で葛藤している様子が窺えた。
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潜在性B型肝炎ウィルス感染と肝細胞癌発症との関連について
2004年04月 - 2011年03月