2024/11/06 更新

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キム ドウチュル
キム ドウチュル
KIM Doo-Chul
所属
環境生命自然科学学域 教授
職名
教授
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学位

  • 博士(地理学) ( 名古屋大学 )

  • 文学修士 ( (韓国)ソウル大学 )

研究キーワード

  • 住民組織

  • 農村地理学

  • 農村開発

  • 過疎問題

  • 日韓比較

  • ベトナム地域研究

  • 国際人口移動

研究分野

  • 人文・社会 / 地理学

  • 人文・社会 / 地域研究  / ベトナム

  • 人文・社会 / 人文地理学  / 農村地理学

学歴

  • 名古屋大学    

    1993年4月 - 1996年6月

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    国名: 日本国

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  • ソウル大学   大学院地理学科修士課程  

    1989年3月 - 1991年2月

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    国名: 大韓民国

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  • ソウル大学   社会科学部   地理学科

    1982年3月 - 1989年2月

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    国名: 大韓民国

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経歴

  • (台湾)国立東華大学   アジア太平洋地域研究プログラム   兼任教授

    2021年2月 - 現在

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    国名:台湾

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  • Hue University   Honorary Professor

    2016年9月 - 現在

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  • IGU Commission on Sustainabilty of Rural Systems   Co-chair

    2012年8月 - 2016年8月

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  • 岡山大学   学術研究院環境生命自然科学学域   教授

    2011年8月 - 現在

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  • Okayama-Hue International Master's Program on Sustainability of Rural and Environmental System   Coordinator

    2006年9月 - 2012年3月

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  • The University of Auckland   Honorary Visiting Lecturer

    2001年3月 - 2001年12月

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  • 筑波大学

    2000年 - 2002年

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  • 岡山大学   環境理工学部   准教授

    1999年4月 - 2011年7月

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  • 東北大学   理学研究科   助手

    1996年7月 - 1999年3月

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  • 日本学述振興会 特別研究員

    1994年 - 1996年

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  • JSPS Research Fellow for Young Scientist

    1994年 - 1996年

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  • United Nations Centre for Regional Development(UNCRD)   UN Researcher

    1992年2月 - 1993年8月

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  • 国連地域開発センター 研究員

    1992年 - 1993年

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所属学協会

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委員歴

  • 日本学生支援機構   留学生交流事業実施委員会  

    2020年4月 - 現在   

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    団体区分:政府

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  • NPO法人岡山県国際団体協議会(COINN)   実行委員会・委員  

    2020年1月 - 現在   

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    団体区分:その他

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  • 地域地理科学会   幹事  

    1999年   

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    団体区分:学協会

    地域地理科学会

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  • 日本地理学会   編集委員  

    1998年 - 1999年   

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    団体区分:学協会

    日本地理学会

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  • 東北地理学会   編集委員  

    1996年 - 1998年   

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    団体区分:学協会

    東北地理学会

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論文

  • Unraveling Factors Influencing Local Willingness to Participate in Sustainable Komodo Conservation and Protected Area Tourism

    Imelda Masni Juniaty Sianipar, Chun-Hung Lee, Hurng-Jyuhn Wang, Doo-Chul Kim, I Wayan Koko Suryawan

    Forest and Society   2024年8月

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.24259/fs.v8i2.32880

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  • Income Analysis of Robusta Coffee Farming in Sumbermanjing Wetan Subdistric 査読

    Yogi Pasca Pratama, Hurng-Jyuhn Wang, Doo-Chul Kim

    Proceedings of the 1st Bengkulu International Conference on Economics, Management, Business and Accounting (BICEMBA 2023)   148 - 157   2023年12月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)   出版者・発行元:Atlantis Press International BV  

    DOI: 10.2991/978-94-6463-328-3_18

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  • The Impact of Climate Change on Crop Water Requirement for Crops on Dryland Area: A Case Study for Coffee Plantation in Sumbermanjing Wetan 査読

    Yogi Pasca Pratama, Hurng-Jyuhn Wang, Doo-Chul Kim, Chun-Hung Lee, Lina Saraswati

    International Journal of Multidisciplinary Research and Publications   6 ( 3 )   40 - 46   2023年8月

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    記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • Sedentarization program and everyday resistance to state intervention in Vietnam’s upland 査読

    Quy Le Ngoc Phuong, Doo-Chul Kim

    Nature, Society, and Marginality: Case Studies from Nepal, Southeast Asia and other regions   237 - 250   2023年1月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

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  • Why the Land Consolidation of Vietnam is Incomplete: A Case Study of Binh Dao Commune, Central Vietnam 査読

    DUONG Thi Thu Ha, KIM Doo-Chul

    Geographical Review of Japan Series B   95 ( 2 )   1 - 14   2022年12月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • Contract Farming Through a Cooperative to Boost Agricultural Sector Restructuring: Evidence from a Rural Commune in Central Vietnam 査読

    Thi Thu Ha Duong, Doo-Chul Kim

    Journal of the Economic Geographical Society of Korea,   25 ( 1 )   109 - 130   2022年4月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

    DOI: 10.23841/egsk.2022.25.1.109

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  • “Does an Agricultural Products’ Certification System Reorganize Vegetable Farmers? A case of VietGAP in Lam Dong Province, Vietnam 査読

    Doo-Chul KIM, Tuyen Thi Duong, Quang Nguyen, Hung The Nguyen

    Rural Transformations: Globalization and its Implications for Rural People, Land, and Economies   200 - 216   2022年3月

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

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  • 地域性と女性のライフステージが 農村女性グループに与える影響―岡山県内のJA女性部フレッシュミズ部会を事例に― 査読

    本田 恭子, 岡本 彩花, 金 枓哲

    地域地理研究   26 ( 2 )   23 - 43   2022年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:地域地理科学会  

    本研究は、岡山県内の農業協同組合(JA)の女性部フレッシュミズ部会を事例に、農村女性のグループ活動を都市近郊地域と中山間地域で比較した。その結果、農村女性のグループは女性のライフステージのみならず地域性によっても異なることが明らかになった。都市近郊地域には狭い範囲でも20~50代の女性が一定数以上存在するため、メンバーを集めやすく、頻繁な活動が可能である。非農家が中心となることがあり、非組合員が含まれることもある。これに対して中山間地域では、数少ない女性が広範囲に住んでいるため、活動の範囲を広げざるを得ず、頻度を上げることも難しい。農家や組合員もメンバーに含まれる。また、乳幼児期から学童期(特に小学校低学年まで)の子どもを持つ女性にとって、フレッシュミズ部会はママ友作りの場であり、子連れでの参加が基本となる。この傾向は子どもが小さいほど顕著となる。一方、子どもが青年期を迎えた女性にとってフレッシュミズ部会は同世代の女性同士の交流の場であり、女性だけの参加が基本となる。以上をふまえると、都市近郊地域では従来の地縁の女性組織と似た特徴をもつ女性グループが存続しやすく、子どもの年齢が小さいことや年配の女性組織との深い付き合いをもつことなどの一定の条件を満たすことで、地域活性化の主体として地域に貢献していく可能性がある。一方、中山間地域では、メンバー数を確保するために広域化せざるを得ない状況になっている。これにより、従来の地域の範囲を超えた交流などの新たな魅力が生まれている反面、移動の負担が大きいことや活動回数を増やしづらいというデメリットも抱え、女性の社会進出も相まって、組織自体の存続が難しくなっている。

    DOI: 10.24580/cck.26.2_23

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  • グローバル経済下におけるキャットフィッシュ 加工・輸出企業の経営戦略―ベトナム南部カントー省を事例に― 査読

    本田 恭子, 金 枓哲

    地域地理研究   26 ( 2 )   1 - 22   2022年

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   出版者・発行元:地域地理科学会  

    本研究では、グローバルな市場競争下におけるベトナム社会主義共和国(以下、ベトナム)のキャットフィッシュの加工・輸出企業の経営戦略を明らかにした。キャットフィッシュ産業が輸出を本格化させた2000年以降、加工・輸出企業はアメリカ合衆国(以下、米国)によるダンピング税の課税、養殖業者と加工企業間の需給の不均衡、食品安全に関する認証基準の強化という3つの課題に直面してきた。ベトナム南部カントー省内の加工・輸出企業16社への聞き取り調査によると、企業は自社養殖池の確保、認証の取得、輸出市場の転換と開拓、輸出に向けての企業間連携といった4つの方法で上記の3つの課題に対応していることが明らかとなった。また、これらの企業の対応を事業規模別に比較した結果、事業規模が大きい企業ほど安定的に原料を調達し、市場のニーズに応えた高価格な商品を安定的に輸出しているのに対し、事業規模の小さい企業は原料調達に不安要素を抱え、市場のニーズに応えることができず、不安定な条件での輸出を強いられており、企業の二極化が進んでいることも明らかとなった。一般的に、規模の小さい企業では商品の差別化による高付加価値化が市場戦略となりやすいが、キャットフィッシュ産業においては高価格で販売可能な輸出市場の参入障壁が高いためにこれを採用することができず、企業間の連携が強化されている。ベトナムのキャットフィッシュ加工・輸出企業は、上記の3つの課題への対応を通じてグローバル市場における諸問題への解決能力を高めてきており、今後も大きな成長が見込まれる。ただし、輸出市場の多角化やグローバルな認証基準への対応を通じて、加工・輸出企業の階層分化が一層進むことも予想される。

    DOI: 10.24580/cck.26.2_1

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  • Depopulation, aging, and rural restructuring in Japan 招待 査読

    Doo-Chul Kim

    Journal of Depopulation and Rural Development Studies   33   1 - 17   2021年12月

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    担当区分:筆頭著者, 責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • グローバル経済下におけるキャットフィッシュ養殖業の経営戦略― ベトナム南部カントー省を事例に― 査読

    NGUYEN The Hung, 本田恭子, 金枓哲

    経済地理学年報   67 ( 3 )   172 - 190   2021年9月

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    担当区分:責任著者   記述言語:日本語   出版者・発行元:経済地理学会 ; 1955-  

    本研究は,ベトナムにおけるキャットフィッシュ養殖業の形成過程と,キャットフィッシュ養殖業のグローバル化に伴う養殖業者の適応戦略を明らかにする. <BR>    ベトナムにおけるキャットフィッシュ養殖は,1999年の稚魚繁殖技術の確立を境に,輸出指向型の一大産業へと発展した.しかし2000年代後半より,需給の不均衡に伴う価格の乱高下と,食品安全基準の厳格化を受けて,個別に生産してきた養殖業者の中から加工・輸出会社との契約生産に切り替えるものが出てきている. ベトナム南部のカントー省内のキャットフィッシュ養殖業者45戸への聞き取り調査結果から,個別生産を続ける養殖業者と,契約生産に切り替えた養殖業者では,外部資源へのアクセス条件が有意に異なることが明らかとなった.具体的に,資金力や社会関係に恵まれた養殖業者は,価格変動によるリスクを抱えながらも,高収益が期待できる個別生産を続けるが,資金力や社会関係に乏しく市場変動に脆弱な養殖業者は,期待収益の低い加工・輸出会社との契約生産に転じざるを得ないと考えられる.一般的に,資本力に恵まれない農家は,原材料の調達先である飼料会社,販売先である加工・輸出会社とのつながり,いわば社会関係を通じてこれを克服しようとするが,キャットフィッシュ養殖業の場合は,飼料などの投入財の外部依存度が高いために,社会関係を通じた克服が難しい.そのため,キャットフィッシュの契約生産が,資本力の乏しい養殖業者にとっての生存手段となっていると考えられる.

    DOI: 10.20592/jaeg.67.3_172

    CiNii Article

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  • ダム建設における水源地域対策が地域社会に及ぼす影響:岡山県苫田ダムを事例に

    大西 達也, 金 枓哲, 本田 恭子

    日本地理学会発表要旨集   2021   72 - 72   2021年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <p>1.研究の背景と目的</p><p> 洪水防止や工業用水の安定的な供給等を目的としたダム建設を巡っては、水没地域のコミュニティ崩壊や環境破壊への懸念等からしばしば反対運動が生じてきた。水没地域への補償や対策は、大きく「損失補償基準」と「水源地域対策特別措置法(以下、「水特法」とする)」の2本立てになっている(浜本、2015)。まず損失補償基準によって、公共施設(学校や役場等)の機能回復と水没地権者への財産補償がなされる。そして、水特法によって水源地域への影響緩和や活性化のための、宅地造成や農地・公園等の整備が講じられる。とりわけ水特法によるダムや周辺施設を活かした水源地域活性化への取り組みには注目が集まっている(浜本、2009)。ただし、水特法の適応対象となるダムの水没規模は、水没住宅数が20戸、または水没農地面積が20ha以上の大規模ダムに限られる(国土交通省、2005)。</p><p></p><p>従来、水源地域活性化に関する研究(中崎、2003など)や水没移転者に関する研究(国光ら、1978など)は数あるが、建設前の経緯をも踏まえて、水特法に指定された地域社会への影響を分析した研究は未だ少ない。そこで本研究では岡山県で唯一、水特法に指定された苫田ダムを事例に、ダム建設に伴う補償交渉プロセスから現在の地域活性化までの中長期的な視点で地域への影響を分析し、水源地域対策への取り組みを俯瞰的に評価する。</p><p></p><p>2. 研究対象と方法</p><p> 研究対象は岡山県旧奥津町に建設され、半世紀にわたる反対運動の末、約500戸が移転を余儀なくされた、苫田ダムとその周辺地域である。主な研究方法は聞き取り調査(2019.10-2020.12)と文献調査及びアンケート調査(2020.9-2020.10)である。</p><p></p><p>3. 結果と考察</p><p> 1957年にダム建設が発表されてから、旧奥津町では国や岡山県を相手に1990年頃まで反対運動が展開されていた(表1)。1982年に県は奥津町の同意なしに苫田ダムを水特法に指定し、奥津温泉を軸にした観光振興を町再生のために計画した。その反面、奥津町の方針をダム賛成へと導くために、道路整備や圃場整備等の補助事業の凍結による行政圧迫を行った。その手法は、水特法の指定によって行われる水源地域整備計画の中に、奥津町が既に計画していた補助事業を取り込むというものであった。1985年に推進派地権者が損失補償基準に調印し移転が始まったが、奥津町は反対の姿勢を変えなかったため、移転者用の町内公営団地建設を講じることができなかった。そのため、水没地区の住民の約9割が奥津町から、なし崩し的に奥津町内ではなく、津山市等の都市部へと流出した。また、移転を機に農業を辞めるなど、生活が変化した住民もいた。</p><p>国と県による行政圧迫や人口流出が続く中、1990年に町政がダム建設容認へ大きく転換すると、県主導の水源地域対策が講じられ始めた。その事業内容は、凍結されていた国道のバイパス工事や、観光物産館や温泉センター等の建設によるインフラ整備である。国道のバイパス工事は利用者にとって、移動時間の短縮に大きく貢献した。しかし温泉センターのホテル併設計画は客足流出を恐れた老舗旅館の反対により頓挫し、温泉センター内のテナントは撤退が相次いだ。また、観光物産館内のダム展示室は所有者である国土交通省からの補助金削減により閉鎖した。そして、現在、町内の観光団体はダム湖等を利用した事業を新たに行うことは考えていない。水特法により整備された国道等の社会基盤整備は地域にとって、移動時間短縮等の重要な役目を果たしているものの、水源地域対策が地域の観光振興につながっていないことが明らかになった。</p><p></p><p>4. 結論</p><p> 従来、水特法は水源地域の影響緩和や活性化を目的としている。しかし、苫田ダムの場合、国・県が奥津町の同意なく苫田ダムを水特法に指定し、県の町内補助事業を水特法事業の対象とした行政圧迫を行った。その結果、町内からの人口流出等の影響を招いた。また、水特法による活性化施設は利活用が進んでいない。このように、水特法の運用方法を誤ると地域社会に中長期的な悪影響を与えると言えよう。</p>

    DOI: 10.14866/ajg.2021a.0_72

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  • Reconsidering rural land use and livelihood transition under the pressure of urbanization in Vietnam: A case study of Hanoi 査読

    Quang Nguyen, Doo-Chul Kim

    Land Use Policy   99   104896 - 104896   2020年12月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Elsevier BV  

    Over the last two decades, land acquisition for urbanization has caused a huge loss of farmland on the fringes of Hanoi, Vietnam. Previous studies have often criticized this policy for pushing farmers out of farming and disrupting peri-urban endogenous development. This study provides a case report of a peri-urban commune in western Hanoi to show how this claim is misleading. We found that livelihood transitions in this commune took place early on, and this helped most local laborers prepare to move on from farming when urbanization sped up and land acquisition policies were implemented. As a result, they were able to adapt to farmland loss without experiencing major difficulties and to transform their livelihoods for the better. This early transition was popular in the peri-urban context of northern Vietnam, where the inherent lack of employment and income from farming as well as the favorable location induced local laborers to go beyond the villages in pursuit of new opportunities. They actively took advantage of the changes around them to find new means of livelihood in order to earn higher incomes. This study calls for improvements in the compensation scheme and urban planning processes to make urbanization and land acquisition policies work for people on the fringes of cities in northern Vietnam.

    DOI: 10.1016/j.landusepol.2020.104896

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  • The Effects of Vietnam’s Tourism Development and Payments for Forest Environmental Services Policies on Local Livelihoods in Phong Nha-Kẻ Bàng National Park Areas 査読

    Thi Khanh Van MAI, KIM Doo-Chul

    Geographical review of Japan series B   93 ( 1 )   1 - 10   2020年11月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:The Association of Japanese Geographers  

    DOI: 10.4157/geogrevjapanb.93.1

    Web of Science

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  • Farmers’ landholding strategy in urban fringe areas: A case study of a transitional commune near Ho Chi Minh City, Vietnam 査読

    Quang Nguyen, Doo-Chul Kim

    Land Use Policy   83   95 - 104   2019年4月

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    担当区分:責任著者   記述言語:英語   掲載種別:研究論文(学術雑誌)   出版者・発行元:Elsevier BV  

    Farmers in peri-urban areas across Vietnam are experiencing rapid transformations in their livelihood and land use practices. Peri-urbanization is progressing rapidly, along with the risk of conversion of large amounts of farmland into non-agricultural land. Additionally, an increasing number of laborers are moving away from both agriculture and rural areas. Understanding households’ strategies in landholding and livelihood under such circumstances is crucial to the development and planning of these fringe areas. This study investigates the landholding behaviors of farmers in a transitional commune on the fringe of Ho Chi Minh City, Vietnam. Our data demonstrated that farmers delayed land transfers to their successors, adopted more flexible crop choices, and diversified their livelihoods in order to deal with the lower access to land and the outflow of labor from farming. The combination of these strategies helped farmers in Thanh Loi significantly in maintaining their landholdings and benefiting from increasing land prices, while keeping adequate levels of income. These findings suggest that peri-urban farmers should be viewed as economic entities that actively interact with the ongoing transition on the fringe to improve their own wellbeing rather than as passive peasants that are negatively affected by the process.

    DOI: 10.1016/j.landusepol.2019.01.038

    Web of Science

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  • Balancing heritage and innovation: Pathways towards the sustainability of rural systems an introduction

    Ana Firmino, Doo Chul Kim

    BSGLg   69 ( 2 )   5 - 7   2017年

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    掲載種別:研究論文(学術雑誌)  

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  • 過疎山村における住民組織の自治機能の維持―広島県安芸高田市川根地区を事例に―

    夫 惠眞, 金 枓哲

    人文地理   62 ( 1 )   36 - 50   2010年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:一般社団法人 人文地理学会  

    DOI: 10.4200/jjhg.62.1_36

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    その他リンク: https://ndlsearch.ndl.go.jp/books/R000000004-I10630661

  • Rural Poverty and Livelihood Changes under the Aquacultural Development around Tam Giang Lagoon, Central Vietnam

    Huu Ngu NGUYEN, Doo-Chul KIM

    Geographical review of Japan series B   81 ( 1 )   79 - 94   2009年

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    記述言語:英語   出版者・発行元:The Association of Japanese Geographers  

    This research attempts to clarify the characteristics of the "poor" households in Phu An Commune, located on the shore of Tam Giang Lagoon, Central Vietnam. To understand the socioeconomic background of poverty in the area, the authors examine the changes in agriculture as well as shrimp aquaculture since the adoption of "Doi Moi", an open-door policy, in 1986. Then, the constraints which make it difficult for them to escape from poverty are discussed. The results of this study show that agricultural and aquacultural changes have diversified the locals' livehoods. The positive changes are reflected in the decline of the number of "poor" households as well as in their evaluation of their lives compared with 20 years ago. Nevertheless, there are still many constraints which cause the "poor" households to remain poor in spite of the remarkable economic growth during the last 20 years. Insight into the detailed situation of poverty in the area is given through the categorization of the residents by their livelihood: mobile gear fishing (usually called "Sampan people"), fixed gear fishing, farming, farming and fishing, and service. In the process of the "Doi Moi" policy and following the introduction of shrimp aquaculture around 1999, the water surface of Tam Giang Lagoon, which used to be an open-access common resource, was allocated to individuals for their exclusive use and exploited mainly for shrimp aquaculture. Due to these drastic changes in local resource, the "Sampan people", who have been engaged in only fishery in Tam Giang Lagoon, have changed their position in the commune from the greatest beneficiaries to those of sacrifices. Now the poorest in this area are those who engage in mobile gear fishing, the "Sampan people".

    DOI: 10.4157/geogrevjapanb.81.79

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  • Symposium II: Regional transformation after fiscal crisis in Korea

    Kamiya Hiroo, Kazutoshi Abe, Satoru Itoh, Doo Chul Kim, Shin Kajita, Shizuaki Shibuya, Takatsugo Yamamoto

    Geographical Review of Japan   80 ( 5 )   120 - 123   2007年4月

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    掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

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  • Some environmental issues caused by large-scale land reclamation projects

    Toshihisa Asano, Tatsuya Ito, Yukihiro Hirai, Toshihisa Asano, Osamu Matsuda, Doo Chul Kim, Seontae Hogn

    Geographical Review of Japan   78 ( 5 )   317 - 321   2005年4月

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    掲載種別:研究論文(国際会議プロシーディングス)  

    DOI: 10.4157/grj.78.317

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書籍等出版物

  • 「山村の生活」再訪 : 岡山県北部・大地区の70年

    加賀, 勝, 青尾, 謙, 金 枓哲, ほか3人( 担当: 共著 ,  範囲: 第6章)

    吉備人出版  2022年9月  ( ISBN:9784860696900

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    総ページ数:viii, 157p   記述言語:日本語

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  • 図説 世界の地域問題 100

    漆原, 和子, 藤塚, 吉浩, 松山, 洋, 大西, 宏治, 金 枓哲( 担当: 分担執筆 ,  範囲: 第63章)

    ナカニシヤ出版  2022年1月  ( ISBN:4779516137

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    総ページ数:224   記述言語:日本語

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    ASIN

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  • 自然の社会地理

    淺野, 敏久, 中島, 弘二, 小野, 有五, 石山, 徳子, Funck, Carolin, 菊地, 直樹, 伊賀, 聖屋, 河本, 大地, 金, 枓哲, Nguyen, Huu Ngu, 佐々木, 緑

    海青社  2013年3月  ( ISBN:9784860992750

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    総ページ数:315p   記述言語:日本語

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  • Globalization and new challenges of agricultural and rural systems : proceeding of the 21st Colloquium of the Commission on the Sustainability of Rural Systems of the International Geographical Union (IGU) : Nagoya (Japan), August 2013

    金, 枓哲, Firmino, Ana, 市川, 康夫, International Geographical Union. Commission on the Sustainability of Rural Systems

    IGU Commission on the Sustainability of Rural Systems : Graduate School of Environmental Studies, Nagoya University  2013年  ( ISBN:9784904316108

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    総ページ数:v, 182 p.   記述言語:英語

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  • 地方自治復活後の韓国農村部における「場所マーケッティング」と地方財政

    金, 枓哲

    金枓哲  2009年4月 

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    総ページ数:61p  

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  • The Development of Information Technology and the Process of Rural Informatization in Japan: A Case Study in Yamada Municipality in Japan

    Gerhard Gustafsson (eds.) Communication and Regional Development, Karlstad University Studies  2004年 

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  • Enhancing self-organizing capabilities of rural communities

    in A.M. Bicalho and S.W. Hoefle (eds.), The Regional Dimension and Contemporary Challenges to Rural Sustainability, Laget-UFRJ/CSRS-IGU  2004年 

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  • Mismatching Labor Information in Rural Industrialization of South Korea

    Gerhard Gustafsson (eds.) Communication and Regional Development, Karlstad University Studies  2004年 

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  • 過疎政策と住民組織 : 日韓を比較して

    金, 枓哲

    古今書院  2003年2月  ( ISBN:4772230300

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    総ページ数:viii, 255p   記述言語:日本語

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  • 韓国過疎山村における内生的住民組織の存立基盤―江原堂横城郡晴日面春堂1里を事例に

    石原 潤(編)『農村空間の研究(下), 大明堂  2003年 

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  • Reality in Paradise: A Pilot Study of Korean Immigrants in New Zealand using the 1996 Census

    in Ishikawa,Y. and Montanari, A. (eds.): The New Geography of Human Moblity: Inequality Trends?, Home of Geography  2003年 

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  • 過疎政策と住民組織―日韓を比較して

    古今書院  2003年 

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  • Changes in Agricultural Land Use in the Sendai Metropolitan Area of Japan : 1970s-1990s

    Developing Sustainable Rural System  2001年 

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  • Rural Development and Endogenous Self-Oranization in the Context of the Far-East Asia

    Local Knowledge and Innovation,MARG  1999年 

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  • 過疎地域の変貌と地域の内発的対応に関する日韓比較研究-住民組織の変容と地方行政の役割に注目して

    博士論文  1997年 

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  • Changes and Responses of Depopulated Remote Areas-A Comparative Study between South Korea and Japan with Special Emphasis on Self-organizing Capabilities and Local Governments

    Doctoral dissertation.  1997年 

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MISC

  • 地方消滅論は現実なのか?政策的な修辞なのか?

    金 枓哲

    日本地理学会発表要旨集   2024s   249   2024年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    1.はじめに

    2040年までに全国の市町村の約半数が消滅する可能性があるとした増田レポート(2014)の衝撃的な予測が公になってからすでに10年が経っている。その間,「地方消滅」は近未来の現実として受け止められ,内閣府に「まち・ひと・しごと創生本部」が設置され,各自治体は「まち・ひと・しごと創生総合戦略」の策定が求められた。その内容は自治体によって若干の違いはあるものの,核となるのは将来人口推計をもとに30年後に約80~90%人口を維持するためには毎年何組の移住者が必要であるという「移住増加モデル」であった。この総合戦略が増田レポートのショックに対するアンチテーゼ的な性格を強く帯びていることを勘案しても,結果的に過疎問題の本質を再び人口問題に矮小化したと言わざるを得ない。

    ところで,「地方消滅」という用語から伝わってくるイメージは何だろうか。一般的にはある自治体が丸ごと急になくなることではないだろうか。しかし,現実ではそのようなことは起こりえない。起こりうることは自治体としての維持が困難となり,周辺の自治体に編入されることだろう。そこで疑問が生じる。ほかの自治体への編入ないし統合が「消滅」なのか。行政区域が再編されると,そこに住んでいた人々や集落がなくなるだろうか。そうではない。自治体の統廃合により合併される側の行政サービスが著しく低下することはすでに経験済みであるが,自治体の統廃合が,ある地域が丸ごと急になくなるといった文字通りの地方消滅ではないはずである。したがって,自治体の統廃合の可能性を「地方消滅」という刺激的な用語で心理的恐怖を助長することは,社会的に警鐘を鳴らそうとする意図があるとしてもなお行き過ぎた主張だと言わざるを得ない。2.選択と集中および地方消滅論でいう「地方」とは

    地方消滅論でいう「地方」とは何を指すだろうか。増田レポート等では市町村単位の自治体を想定しているように思われる。しかし,ある自治体が丸ごとなくなることは起こりえないとするならば,消滅の可能性があるのは自治体ではなく,集落レベルだろう。実際に集落レベルでは廃村もそれほど珍しくない。つまり,消滅危機の地方とは自治体ではなく,過疎地域の集落である。したがって,地方消滅前に財政の「選択と集中」で国土を再編しなければならないとする増田レポートの主張は,結果的に地方中心都市への集中と農村の切り捨てに帰結してしまう。過疎地域の立場からは,栄養不足で衰弱になっている患者に全身麻酔の手術を勧めるような処方箋に他ならない。3.地方消滅論と田園回帰論:二卵性双子

    増田レポート(2014)が発表された直後に,小田切(2014)は近年の大都市から地方への若年層を中心とする自発的な人口移動の動きに注目し,著書『農山村は消滅しない』で農山村の強靱さを浮き彫りにし,田園回帰論を主張した。小田切(2014)の主張は,農村と地方に対して,増田レポート(2014)とは全く異なる認識から出発しているが,結果的に過疎問題の本質をまたも人口(問題)に矮小化させてしまったと言わざるを得ない。その結果,過疎地域の現場では毎年何組の移住者があれば,現在の人口の7~8割程度を維持できるといった数字の一人歩きが横行し,過疎問題は再び人口という数字の罠に落ちいてしまった。小田切(2014)は,増田レポートのショックに対するアンチテーゼとして出されたことを勘案しても,昨今の過疎地域をめぐる議論を再び人口(問題)に矮小化させてしまったことから,増田レポートの「二卵性双子」と批判されても仕方ないだろう。

    4.「人口」は地域再生の結果であり,前提条件ではない

    発表者は過疎問題の本質について,人口減少それ自体よりも人口減少や人口密度の低下が社会的な問題に化す構造的なコンテクストにあり,外部環境の変化の激しさに耐えられず,村落社会のもつ自己調整メカニズムが機能しなくなった,社会的なアノミー現象(金,1998)と指摘したことがある。すなわち,日本の過疎問題は歴史的にも地域的にも限定的な条件のもとに生じた社会現象であり,人口減少や人口密度の低下が過疎問題の本質ではない。また,現在は急激な人口減少による社会的なアノミー現象もおさまり,日本の過疎地域は高齢化低人口密度社会として一定の安定を取り戻していたと思われる。むしろ,平成の大合併以降の行政サービスの低下が問題となる「ポスト過疎」の時代に入っていると考えられ,過疎地域の将来は人口規模の維持そのものより,地域自治組織の再編にかかっている。

    DOI: 10.14866/ajg.2024s.0_249

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  • 途上国の湿地管理に及ぼす国際的条約の影響―ベトナムのチャムチム国立公園を事例にー

    MAI Thi Khanh Van, 金 枓哲

    日本地理学会発表要旨集   2024s   240   2024年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    This study explores the influence of international conservation schemes on wetland management in a developing country. Using Tram Chim National Park (TCNP) in Vietnam as a case study, a mixed-methods approach including in-depth interviews with 10 local conservation managers and semi-structured interviews with 30 community members is employed. Research results have shown that since 2003, international conservation schemes have acted as catalysts for reshaping Vietnam's wetland management policies, aiming to enhance community engagement and contribute to wetland’s conservation and sustainable utilization. The evolution of wetland management policies in Vietnam has transitioned from state-based management to co-management involving local communities. Nonetheless, these policy-level transformations have not been effectively translated into practical co-management or Wise Use practices. The resource use groups, conceived as part of co-management, yielded only transient gains in augmenting community participation in TCNP’s wetland management. The development of tourism as a manifestation of Wise Use practices has demonstrated only partial efficacy as the beneficiaries of local tourism did not include impoverished individuals relying on wetland resources. Despite the long-standing recognition of local communities’ role in wetland conservation due to international schemes and national policies, the execution of wetland management in the TCNP has remained entrenched in the fortress conservation paradigm without actively encouraging community participation in managing wetland resources. Based on the findings, this study concludes that without a fundamental shift in internal paradigms within the host country, international conservation endeavors can only generate transient co-management systems and incomplete Wise Use practices in developing countries such as Vietnam.

    DOI: 10.14866/ajg.2024s.0_240

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  • 中山間地域の高等学校によるESD学習の実践と課題:岡山県内の3高校を事例に

    岡本 彩花, 金 枓哲, 本田 恭子

    日本地理学会発表要旨集   2018   20 - 20   2018年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    1.はじめに<br><br> 近年、日本は急速に少子高齢化が進み、地域の活気が失われている。特にこの傾向が顕著であるのが中山間地域である。中山間地域は土地は広いが年々人口が減少しており、学校の統廃合も進んでいる。そこで学校の統廃合を回避するために、中山間地域と高校の連携が進んでいる(例:島根県立隠岐島前高校の高校魅力化事業)。同様に、本研究の対象地である岡山県では、主に2000年代から中山間地域の高校が地域と連携したESD学習(持続可能な開発のための教育、Education for Sustainable Development)が先進的に取り組まれている。<br><br>2. 研究目的と方法<br><br> 本研究では、岡山県内の中山間地域に属するESD学習先進事例である岡山県立矢掛高校、和気閑谷高校、林野高校の取り組みを取り上げる。そしてESD学習の効果を教育と地域の面から評価することを通して、その現状と課題を明らかにする。教育の面からは、高校生と卒業生、教員などへの聞き取り調査を通じて、地域の面からは、地域住民への聞き取り調査を通じて評価する。調査対象者の内訳は次のとおりである。矢掛高校は高校生10名と教員2名(元矢掛高校教員を含む)、卒業生1名、関係先スタッフ4名、和気閑谷高校は高校生2名と教員1名、地域住民2名、地域おこし協力隊員1名、和気町教育委員会職員1名、卒業生保護者1名、林野高校は高校生7名と教員1名、NPO法人職員1名、地域住民1名である。なお、一部の高校生に対しては、数名のグループインタビューも行った。<br><br>3. 結果と分析<br><br> 教育の面では、ESD学習を通じて生徒にコミュニケーション能力や責任感など、内面的な発達が促されていることがわかった。そして教員の方が進学に関する効果を重視していることがわかった。地域との接点という視点では、まず矢掛高校では、生徒が週に1回矢掛町内の実習先で勤務している。和気閑谷高校では、閑谷学校ボランティアガイドとして生徒が閑谷学校の歴史などを説明する活動を行っている。林野高校では、地域のNPO法人が「みまさか学」のプログラムを考えたり授業をしたりしている。このように地域の面では、いずれの高校も地域との接点をもっている。しかし聞き取り調査では、矢掛高校の地域からの評価が高いことと対照的に、和気閑谷高校と林野高校は地域からの評価が低く、地域側と高校側で方向性の違いによるミスマッチが起きていることがわかった。この背景要因として①生徒のモチベーションの差、②学校側による生徒管理の難しさ、③「課題解決型学習」という目標設定上、地域の課題解決の姿勢が前面にでていることが指摘できる。①と②はプログラムの改善で解決できるが、③は地域と教育がどのように関わるべきかという本質的な問題であるといえる。<br><br>4. 価値創造型の地域づくりの必要性<br><br> これからの地域づくりは課題解決型ではなく、価値創造型の地域づくりが求められる(吉本,2011)。各学校の取り組みを分類すると、矢掛高校は価値創造型、和気閑谷高校と林野高校は課題解決型であるといえる。矢掛高校のESD学習である「やかげ学」では住民と一緒に働き、YKG60では矢掛の″価値″を再発見できるような活動(例:耕作放棄地を利用した雲の上カフェなど)を行っている。このため、取り組みの前提として「地域の″価値″を認める」という姿勢が考えられるからである。一方で和気閑谷高校と林野高校のESD学習の目標は「課題解決型学習」であり、その前提には地域の現状を問題視し、これを改善しようとする姿勢がみられる。このため、課題解決型に当てはまると考えられる。価値創造型の矢掛高校と対照的に、課題解決型の和気閑谷高校と林野高校はミスマッチが起きていることから、課題の解決に取り組む前に、まずは地域の″価値″を認めることが必要であると考える。すなわち地域にあるものを活かし、″価値″を見出していく。そして地域と高校が協働できる関係性を構築することが、ESDの望ましい形であり、本質的な問題を解決するための一助となると考える。

    DOI: 10.14866/ajg.2018a.0_20

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  • 中山間地域における高齢者の買い物の現状 : 津山市阿波地区を事例に

    本田 恭子, 金 枓哲, 生方 史数

    地域地理研究 = Journal of systematic regional geography   23 ( 2 )   10 - 15   2017年12月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:地域地理科学会  

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  • 水力発電ダム建設による地域ガバナンスと生業の変化 : 中部ベトナムのカトゥ少数民族集落を事例に

    Quy Ngoc Phuong LE, KIM Doo-Chul

    地域地理研究 = Journal of systematic regional geography   23 ( 1 )   1 - 17   2017年6月

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    記述言語:英語   出版者・発行元:地域地理科学会  

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  • 湿地の資源をめぐる権利とコミュニティ:――韓国済州道のラムサール条約湿地を事例に――

    金 枓哲

    地理科学   72 ( 3 )   134 - 140   2017年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:地理科学学会  

    DOI: 10.20630/chirikagaku.72.3_134

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  • 延辺朝鮮族自治州における農村社会の過疎化:― 龍井市東盛涌鎮仁化村を事例に ―

    金 枓哲

    人文地理学会大会 研究発表要旨   2017   86 - 87   2017年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:人文地理学会  

    DOI: 10.11518/hgeog.0.0_86

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  • Negotiating the state-making in Vietnam borderland-case study of an ethnic minority group in central Vietnam

    Trinh Nguyen Minh Anh, Doo Chul Kim, Fumikazu Ubukata

    BELGEO   2016 ( 4 )   2016年

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    掲載種別:書評論文,書評,文献紹介等  

    The human geography of Vietnam's upland area has been transformed significantly during the last 40 years due to the increasing control from the central government. We argue that State territorialisation, understood as a strategy of State-making and assertion of the State's authority, has the tendency to marginalise, socially and politically, local ethnic minority peoples by excluding them from indigenous social and economic geography and the use of natural resources. At the receiving end of these official policies, the local ethnic minority people do not passively accept their marginalisation but are able to initiate the use of traditional cross-border cultural resources to improve their condition. By analysing the tolerance from local official towards illicit cross-border activities daily carried out by local people, the case study provides some insights on the dynamics of power struggle between the State and local people. We concluded that local ethnic minority peoples actively re-negotiate with more powerful State and economic actors and re-shape local border politics while the State is not always uncompromising and monolithic as it is usually portrayed.

    DOI: 10.4000/belgeo.19409

    Scopus

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  • ベトナム農村におけるゴム・アカシア農家の現状:Hue 省 Houng Binm 村 Bing Duong 集落を対象として

    駄田井 久, 二階堂 裕子, 生方 史数, Le Ngoc Phuong Quy, 金 枓哲

    農業経営研究   54 ( 3 )   109 - 114   2016年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:日本農業経営学会  

    DOI: 10.11300/fmsj.54.3_109

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  • 日本におけるラムサール条約湿地に対するイメージ : インターネット調査による <論文>

    淺野 敏久, 金 枓哲, 伊藤 達也, 平井 幸弘, 香川 雄一

    広島大学大学院総合科学研究科紀要. II, 環境科学研究   8   53 - 67   2013年12月

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:広島大学大学院総合科学研究科  

    DOI: 10.15027/35653

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    その他リンク: http://id.ndl.go.jp/bib/025327181

  • 農村観光における供給者ネットワーク形成 : ベトナム・プーコック島を事例に

    HOANG Chau Ngoc Minh, KIM Doo-Chul

    地域地理研究 = Journal of systematic regional geography   19 ( 2 )   25 - 46   2013年12月

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    記述言語:英語   出版者・発行元:地域地理科学会  

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  • ベトナムにおける韓国人ディアスポラの融合・隔離・妥協

    金 枓哲

    人文地理学会大会 研究発表要旨   2013   94 - 95   2013年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:人文地理学会  

    東南アジア最大の韓国人コミュニティが形成されているベトナムのホーチミン市を事例に,韓国人ディアスポラの実態を明らかにする。

    DOI: 10.11518/hgeog.2013.0.94.0

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  • ラムサール条約湿地・ウポ沼(大韓民国)の環境保全と住民

    淺野 敏久, 金 枓哲, 平井 幸弘, 香川 雄一, 伊藤 達也

    8 ( 2 )   223 - 241   2013年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    本稿では,韓国で2番目にラムサール登録されたウポ沼について,登録までの経緯とその後の取り組みをまとめ,沼周辺住民がそうした状況をどのように受け止めているのかを明らかにした.ラムサール登録されるまでの過程や,その後のトキの保護増殖事業の受け入れなどの過程において,ウポ沼の保全は,基本的にトップダウンで進められている.また,湿地管理の姿勢として,「共生」志向というよりは「棲み分け」型の空間管理を志向し,生態学的な価値観や方法論が優先されている.このような状況に対して,住民は不満を感じている.湿地の重要さや保護の必要性への理解はあるものの,ラムサール登録されて観光客が年間80万人も訪れるようになっているにも関わらず,利益が住民に還元されていないという不満がある.ウポ沼の自然は景観としても美しく,わずか231 haほどの沼に年間80万人もの観光客が訪れ,観光ポテンシャルは高い.湿地の環境をどう利用するかが考慮され,地元住民を意識した利益還元や利益配分の仕組みをつくっていくことが課題であろう.

    DOI: 10.4157/ejgeo.8.223

    DOI: 10.6012/jwei.32.23_references_DOI_xZCmdfQGQnabxR1D6dbXQGUZtq

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    その他リンク: https://kaken.nii.ac.jp/grant/KAKENHI-PROJECT-23520960/

  • 北部ベトナム・サパにおける少数民族の棚田開発と耕作の現状

    神田 竜也, グエンホー ヌー, グエンホー バン, 四本 幸夫, 金 枓哲, 磯田 弦

    日本地理学会発表要旨集   2013a   100031   2013年

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    出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    ベトナムでは、棚田のことを「ルン・バック・タン」(階段状の水田)とよぶ。北部ベトナムでは少数民族が耕作する壮大な棚田がみられる。報告者らの予察調査やGIS分析によると、北部ベトナム・サパでは棚田の開発が現在もなお進行中である(Isoda et al 2011)。北部ベトナムにおいて、モン族やザオ族に代表される少数民族は、急速な人口増加を経験し、農業の集約化高度化によって人口増加に対応してきた。そうした北部ベトナムの棚田地域におけるかれらの生活には、少数民族の伝統的な山地資源利用のほか、タックァ(ブラック・カルダモン)に代表される商品作物の存在が欠かせないこともわかってきた。また、1990年代以降、サパでは外国からの観光客の増加にともない、自家製の工芸品を売ったり、観光客のガイドをしたりする少数民族の姿も多くなった。当地の棚田景観や民族分布の多様さなどが、国内外から注目されてきた。<br> サパでは、棚田の開発が進んだのは1980年以降であるという。村のなかには、以前ほどではないとはいえ、今なお棚田開発が進んでいる。すでに多くの土地が開発された状況下で、今後どのような展開をみせるのだろうか。本報告では、北部ベトナム・サパの村落を事例として、少数民族による棚田開発と耕作の現状を、現地調査結果をもとに描出することを試みる。対象村については、モン・ザオ両民族が居住するラオカイ省サパ(県)のチュンチャイ村を中心に取り上げたい。棚田開発へのアプローチは、日本だけでなく東・東南アジアを含めた総合的な棚田地域の開発や現状解明に資すると考えられる。本報告の調査は、2009年9月、2010年9月、2011年7月、2012年3月、2013年3月に断続的におこなった。<br> チュンチャイ村は、サパの北東部に位置し、面積39.10k㎡、7つの集落からなる。世帯数641戸、3,541人が居住している(2011年)。民族別では、モン族が全体の7割、ザオ族とキン族が3割を占める。当村では、農業や山地資源利用、家畜、蒸留酒、商店が生計の主であり、観光の影響はほぼない。畑ではトウモロコシの作付が顕著で、これは家畜の飼料に利用される。家畜は、自給用かまたは販売用に供される。<br> サパでは、2000年代以降、従来の在来種にかわってハイブリッド種が普及し、収量は飛躍的に向上した。また、1970年代から化学肥料が使用され始めた。こうした化学肥料や農薬の類は、中国から輸入されたものが多くを占める。村の生活や生業面でも近代化が進んで、とくに国境を接する中国との関係は無視できない。<br> 棚田の開発過程は、相続との関係で考える必要がある。棚田の相続は、概して均分相続であるものの、末子は結婚後も両親と同居するため、他の兄弟と面積に違いが生じることがある。分家後は、家族人口の増加にともない棚田を新規に開発する。したがって、相続した棚田と開発したそれとの所有パターンとなるのが一般的である。<br> 世帯における棚田開発のケーススタディによると、兄弟親戚や友人間の労働交換がみられる。開発時期は、農閑期の冬であり、労働力の調達量などによって同一面積でも短期から中長期におよぶ場合がある。棚田の造成には、クワやスコップ、鉄の棒、柄の長いカマ、小型のオノといったおもに5種類の道具を使用する。<br> 棚田の耕作管理は、おもに4月~9月であり、田植えなどでは家族労働以外に兄弟・親戚間の労働交換もみられる。検討の結果、棚田での農作業と、他の生業とのかかわりあいのなかで労働配分がなされている。すなわち、米は自給的性格が強く、棚田の存立基盤には主要な現金収入源(タックァや賃金部門)の存在があらためて認識される。チュンチャイ村では観光の恩恵を直接受けていないため、上述した収入部門の依存度や位置づけの詳細な検討が求められる。

    DOI: 10.14866/ajg.2013a.0_100031

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  • 現代の韓国地理学界と地理学教育 (特集号 世界の地理学(Part 2))

    金 枓哲

    地学雑誌   121 ( 5 )   815 - 823   2012年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:東京地学協会  

    DOI: 10.5026/jgeography.121.815

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  • ベトナムで働く日本人女性のライフコース

    神谷 浩夫, 金 枓哲, 土屋 純

    日本地理学会発表要旨集   2011s   104 - 104   2011年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    ベトナムで働く日本人女性のライフコース

    DOI: 10.14866/ajg.2011s.0.104.0

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  • 環境問題論争における空間スケールに応じた争点の相異と運動の連帯―韓国・セマングム干拓問題を事例として―—──韓国・セマングム干拓問題を事例として──

    淺野 敏久, 金 枓哲, 伊藤 達也, 平井 幸弘

    地理学評論 Series A   82 ( 4 )   277 - 299   2009年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    韓国全羅北道のセマングム地域で大規模な干拓事業が行われている.同国最大の干潟を失うことや事業目的が不明確な公共事業の必要性への疑問などから,セマングム干拓問題は大きな社会問題となった.本稿ではこのセマングム干拓問題を事例として,地域開発に関連した環境問題論争が持つ空間的な特徴を,市民・住民運動団体の主張に焦点を当てて検討した.新聞記事による出来事の整理と5年間の断続的な現地調査(環境運動関係者への聞取り)に基づいた分析の結果,全国・道・地区という三つの空間スケールごとの「セマングム問題」の存在と,その時間的な変化が明らかになった.また,異なる空間スケールを射程に入れた環境問題の争点が,地域的に異なる論争の場において複層的に存在しており,全体としての「セマングム問題」は,各運動体の事情や思惑に応じて,交流や連帯という手段によって,構成・提起され続けていることも確認した.

    DOI: 10.4157/grj.82.277

    DOI: 10.5026/jgeography.129.71_references_DOI_BbpDwP3DYXuFavnwYnkE7FEcgV1

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    その他リンク: http://id.ndl.go.jp/bib/10384356

  • ベトナム中部タムジャンラグーンにおける養殖の拡大と資源管理

    グエン・ホウ ヌ-, 金 枓哲

    日本地理学会発表要旨集   2007f   73 - 73   2007年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    [abstract in English]

    DOI: 10.14866/ajg.2007f.0.73.0

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  • ベトナム農村部における貧困問題—フエ県プアン村を事例として

    グェン ホウ ヌー, 金 枓哲

    日本地理学会発表要旨集   2007s   164 - 164   2007年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <BR>1. Introduction<BR>
    Although Vietnam has achieved significant economic development and poverty reduction since the Doi Moi policy, poverty in Vietnam is still prevailing. Nowadays, poverty is mainly concentrated in rural areas, especially in coastal areas, remote and ethnic minority areas. Besides great achievements that the government and Vietnam people obtained, they have still numerous problems that need to be done in order to continue rapid reduction in rural poverty. It would therefore be very useful to explore the main reasons which lead to the poverty situation and consider the constraints of exiting poverty alleviation programs and to discuss recommendations for more promising options and approaches. Phu An commune is one of 21 communes and towns of Phu Vang district, Thua Thien Hue Province. The total area is 1,128 hectares. A part of the commune’s area is covered by Tam Giang lagoon around 699 hectares for fishing and transportation with diversified biological resources. The residents exploit the lagoon’s resources, while farming on the sandy land at its edges. Administratively, Phu An commune is divided into 4 villages, the population is 8,749 habitants with 1,583 households, 80% of them involved in agricultural production, 15% involved aquaculture and 5% involved handicraft industry and service. <BR><BR>

    2. Reasons of Poverty in Phu An commune.<BR>
    The survey of poverty in Phu An commune has been constituted of questionnaires for households regarding to the reasons leading to poverty. As a result, main reasons of the poverty as well as those the vicious circle has been extracted as follows; lack of capital, production experience, labour, land; not enough jobs for local people; many children; poor health<BR>
    <BR>
    3. Conclusion<BR>
    The poor in the rural areas gain their livelihoods in a variety of ways from different types of income and employment. Since the unification, poverty alleviation has been a key objective of the government. In the last 10 years, the People’s Committee of Thua Thien Hue Province as well as Phu An commune has paid a lot of its efforts for poverty alleviation, the initial results are considerable proved that the poverty alleviation strategies has been going on the right way. However, it is far from the final goal due to the poor society is complicated and it requireseffective solutions. This paper has explored an overview of poverty society as a case of Phu An commune, the realities of the poor as well as their difficulties. In addition, the authors also pointed out the constraints of existing poverty alleviation programs such as defining criteria for poverty situation and poverty – escaped household, agricultural extension services, people’s participation in the decision-making process, employment, preserving the environment, health care, land use and water surface use planning.

    DOI: 10.14866/ajg.2007s.0.164.0

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  • セマングム干拓問題と反対運動の変化

    淺野 敏久, 金 枓哲, 伊藤 達也, 平井 幸弘

    日本地理学会発表要旨集   2007s   139 - 139   2007年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:公益社団法人 日本地理学会  

    <BR>1.はじめに<BR>
    2006年4月に韓国・セマングム干拓事業の防潮堤がつながった。2箇所の水門はまだ開放されているものの,約33kmの堤防により干拓事業地は外海から締め切られた。事業はまだこれからが肝心の部分であるが,ここに至るまで,世界的な巨大開発事業に対して,環境への影響を懸念した反対運動が全韓国的に展開されてきた。<BR>
    報告者らは,セマングム問題に関する調査を,2003年度より共同研究として続けてきた。2006年度は,科研費は切れていたが,締め切り後の状況を知るために現地を訪れた。今回は,セマングム問題の現状を報告するとともに,断片的に状況を把握したレベルではあるが,この間のセマングム問題をめぐる環境運動の変化について,運動体の支持層・参加層の空間的な違いに注目しつつ指摘することを目的とする。<BR>
    2.セマングム問題の経緯<BR>
    韓国西南海岸では,1970年代に干潟の開発が注目され,西南海岸干拓農地開発事業基本計画が策定された。セマングムはその10分の1を占める巨大開発で,閉め切り面積は約4万ha,干拓面積は28,300haに及ぶ。セマングム開発は1991年に起工されるが,1996年に同様の干拓地であるシファ地区での水質悪化が社会問題化し,これをきっかけに,セマングム開発への懸念が全羅北道の環境団体から投げかけられると,全国的な注目を集めることになった。<BR>
    全羅北道が強く要望する産業・都市開発に対して,1998年末に用途変更は認めないと農林部が表明,セマングム開発は建前上,農地開発を行うものとして進むことになる。水質問題が争点になり,環境影響評価を行うための民・官共同調査団が組織され工事が一時中断した。この間,反対運動は全国的に広がり,環境団体,労働・社会団体などが抗議行動を次々に起こしていった。<BR>
    一方,高まる事業反対世論に抗して,全羅北道の有識者らが環境に配慮した事業の推進を求め,全道的な事業推進運動に発展していく。農地だけではない産業・都市開発が提案され,「親環境的な開発」がキーワードになっていく。 <BR>
    2003年3月,キリスト教や仏教の宗教指導者が,三歩一拝デモを始めると,賛否双方の運動はますます過熱化し,社会的混乱が生じ,同年7月にソウル行政法院が,反対派の求めた本訴判決までのセマングム工事執行停止を命じると,それはピークに達した。翌年1月に,ソウル高裁はこの仮処分決定を取り消し,2005年2月にソウル行政裁判所が事実上の原告(反対派)勝訴判決を下すものの,進行中の防潮堤補強工事と残る区間の防水工事の工事中止決定を出さなかったために工事は進み,さらに控訴審で原告敗訴の判決が下ると一気に防潮堤工事が進んで,2006年4月にはセマングムは水門部分を除いて外海から隔てられることになった。<BR>
    3.ケファの変化<BR>
    ところで,筆者らは,地元の反対運動の拠点となったケファ地区を2003年から2006年まで毎年訪れ,この問題に翻弄されたこの集落の変化を見た。初めての時は,過激な行動を辞さない抵抗運動が行われ,ソウルから若い「活動家」が住み込んでいたが,工事が再開した2005年には彼らはいなくなり,絶対反対のこの地区と親環境的な開発を視野に入れた方針転換を図りつつあった全国的環境団体との温度差がみられるようになった。2006年にはこの地区の干潟は消失(陸化)して,砂地がどこまでも広がる景観が現れ,この地区では干潟の恵みを生活の糧にすることはできなくなっていた。絶望感が漂う一方で,これからどうするかというアイディアが,反対を続けてきた住民の中から出されてもいて,この土地で生き続けてきた人のしぶとさも感じられた。<BR>
    4.環境運動の変化<BR>
    この問題について調べる中で,韓国と日本の環境運動の違い,例えば,民主化運動とのつながり,大衆的な運動スタイル,運動団体の規模・人員の充実度,労組や宗教団体などとの幅広い連帯,運動の舞台となるソウルの重要性といったことや,セマングム問題を理解する上で重要な全国レベル・道レベル・地区レベルそれぞれの空間的な枠組み,例えば,運動がこの空間ごとに異なる様相を示し,それぞれでの利害関係が問題の社会的な側面を構成していることなどに気づかされた。本報告では,この環境運動の空間構造について論じるつもりである。

    DOI: 10.14866/ajg.2007s.0.139.0

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  • 金融危機後の韓国農村部自治体の新たな地域開発戦略 : 全羅南道咸平郡の「場所マーケティング」を事例に

    金 〓哲

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   ( 70 )   14 - 14   2006年9月

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  • 近年の地方分権と地域開発ー地方整備局への権限委譲を中心に

    科学研究費報告書『構造改革期における農山村・人口減小地域の変動と政策課題』   55-65   2005年

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  • 中山間地域における自然再生と地域コミュニティー岡山県の棚田保全を中心にー

    溝口常俊・高橋誠(編)『自然再生と地域環境史』、自然再生のための地域環境史創出プロジェクト報告書   127-136   2005年

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  • コリアン・ディアスポラの視点からみた済州道出身の海女と戦前の小作農民

    金 科哲

    立命館言語文化研究   17-1、55-58 ( 1 )   55 - 58   2005年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:立命館大学国際言語文化研究所  

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  • 韓国農村の内側

    金 斗哲

    歴史と地理   584 ( 588 )   61 - 69   2005年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:山川出版社  

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  • 日本と韓国における大規模干拓問題論争

    淺野 敏久, 金 〓哲

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   ( 66 )   12 - 12   2004年9月

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  • 韓国の国土開発とセマングム干拓事業

    金 〓哲

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   ( 66 )   17 - 17   2004年9月

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  • 岡山県における棚田保全事業の現状と展望

    金 〓哲, 丁 致榮

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   ( 64 )   26 - 26   2003年10月

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  • 村落社会の内生的住民組織論―日本と韓国を中心に

    地域地理研究   8   1 - 11   2003年

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  • 21世紀の山村空間 : 内生的住民組織論からの提案

    金 〓哲

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   ( 62 )   8 - 8   2002年9月

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  • 山地における農耕地保全対策の模索―日本岡山県の棚田保全事業を事例にー

    大韓地理学会誌   37-2 ( 143-160 )   2002年

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  • The Coservation Policy for Arable Land in Mountainous Areas-A Case Study of Okayama Prefecture in Japan-

    Journal of the Korean Geographical Society   37 ( 2 )   143 - 160   2002年

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  • 戦後開田地域における農業生産およびコメ生産調整の現状と問題点―岩手県東和町新地集落を事例としてー

    関根 良平, 金 ?哲, 大場 聡

    福島地理論集   44、21-28   21 - 28   2001年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:福島大学  

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  • Investigating the effects of employment-housing change on migration: Evidence from Japan

    Boris A. Portnov, Doo-Chul Kim, Yoshitaka Ishikawa

    International Journal of Population Geography   7 ( 3 )   189 - 212   2001年

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    記述言語:英語  

    The effect of employment growth on internal migration depends on corresponding adjustments of the local housing market. If employment growth in a geographical area is accompanied by a sharp increase in housing prices, the net outcome may be net out-migration rather than migration gain. In the present paper, this concept is tested using statistical data available for 47 prefectures in Japan. The analysis covers the two five-year periods of 1983-87 and 1988-92, and confirms that the use of a combined representation of employment and housing variables makes it possible to improve considerably the performance of an empirical migration model. Copyright © 2001 John Wiley &amp
    Sons, Ltd.

    DOI: 10.1002/ijpg.218

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  • Imformatization in Rural Areas : A case Study of Yamada-mura, Toyama Prefecture

    92   44 - 49   2001年

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  • 富山県山田村のコンピュータ利用状況調査(速報資料)

    神谷 浩夫, 山田 晴通, 金 枓哲, 許 宇亘, Kamiya Hiroo, Yamada Harumichi

    地理学報告   92   44 - 49   2001年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:愛知教育大学地理学会  

    金沢大学人間社会研究域人間科学系

    DOI: 10.24517/00001062

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    その他リンク: http://id.ndl.go.jp/bib/5874996

  • 地域情報化による農村の活性化 - 富山県山田村の事例 -

    神谷 浩夫, 山田 晴通, 金 科哲, 許 宇亘

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   59   44   2001年

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  • 20世紀北朝鮮における土地利用・被覆変化-平壌周辺200Km四方を対象とするパイロット・サーベイー

    LU/GECプロジェクト報告書(]G0006[),国立環境研究所   281 - 288   2000年

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  • Regional process of Dependency and Changes of Endogenous Self-organization in a Depopulated Remote Area : A Case Study of Namiai Village,Nagano Prefecture,Japan

    D. C. Kim

    The Human Geography(Jinbun-Chiri)   52-1 ( 1 )   28 - 50   2000年

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    This study analyzes the regional process of dependency and changes of endogenous self-organizations in a depopulated remote area of Japan, via the case of Namiai village, Nagano Prefecture, Japan. Namiai village lost almost half of its population during the period 1952 to 1995. As a result, the population of the village was reduced to 778 persons in 1995, with the aged ratio (over 65 years old) being almost 30%. Since the 1960s, in an attempt to counteract depopulation, Namiai village has implemented a pioneering and grass-roots resort development. As a result of grass-roots efforts, tourists in this village have increased from 80 thousand persons in 1967 to currently 300 thousand persons. This rise in tourism is related to an increase in employment and income. At its peak, more than 100 persons were employed by the resort-related facilities, where the total population was less than 800 persons. Rapid depopulation was thus curtailed. As the tourist industry grew, however, it fell under the control of the logic of capital. This in turn prevented the voluntary involvement of residents. From the 1970s, the Central Government of Japan started to implement financial transfers to local governments on a large scale. As a result, with subsidies from the Central government the village government was able to continue investing in the resort development. In other words, the village government didn't need to negotiate with the residents on their policies. But at times these policies opposed the wishes of the residents who needed more investment in education, helth and other public services for themselves rather than for tourists. And the village government no longer needed to organize people for the community mobilization. As a result the foundation of the village government changed from the community to the Central government. In the meantime, with the increase in public investment, only the construction sector could continue growing rapidly. Finally, the owners of construction companies appeared as a new political elite, with the result that unnecessary public construction by subsidy increased. In short, the resort development of Namiai village deteriorated to a situation of dependency. This was due to an over-emphasis on economic aspects such as employment while ignoring social aspects such as organizing the development actors. The institutional intervention resulted in two conflicting phenomena - the strengthening of the financial autonomy of municipal governments and the weakening of self-reliance capabilities. As a result, most of the traditionally endogenous organizations of a community have been disorganized or reorganized under the leadership of the municipal government. The endogenous self-organizations thus changed roles to pseudo-organizations of the local government.

    DOI: 10.4200/jjhg1948.52.28

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  • Land-use/cover Changes of North Korea in 20 Century-A Pilot Survey of 200km×200km Area around Pyongyang -

    281 - 288   2000年

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  • 過疎地域における従属的地域構造の形成過程と内生的住民組織の変容-長野県下伊那郡浪合村を事例に-

    人文地理   52-1   28 - 50   2000年

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  • Can local government substitute for rural community? -An alternative framework for rural development in the context of the East Asia-

    Doo-Chul Kim

    Geographical Review of Japan, Series B   72 ( 2 )   100 - 110   1999年12月

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    記述言語:英語   出版者・発行元:Association of Japanese Geographers  

    Comparing the remarkable economic growth of Japan and South Korea (hereafter, Korea), many scholars have adopted the modernization theory and/or the stages theory of development. They argue that development is about the modernization of traditional societies. Moreover, it is also widely accepted that developing countries could and should learn from the pioneer countries that have already developed. However, they fail to explain the opposite side of the remarkable economic growth in both countries
    namely rapid depopulation and wide collapse of rural communities. This study is an attempt to build an alternative theoretical framework for sustainable development of rural communities in East Asia, focusing on Japan and Korea. The endogenous self-organization that functions as a substantial social unit for rural development is emphasized. To accomplish this purpose, a case from each country is introduced and interpreted in an alternative way. The cases demonstrate that endogenous self-organizations function as a coordinator in policy implementation. While the two countries differ from each other in their method of local government intervention, the comparison of the two cases shows that rural development initiated by a local government cannot be sustainable without enhancing endogenous self-organizations. Ironically, it could be argued that no intervention strengthens the self-organizing capabilities of a rural community.

    DOI: 10.4157/grj1984b.72.100

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  • 水稲単地域における米生産調整の推移と地域農業条件-岩手県東和町を事例として-(共著)

    関根 良平, 金 〓哲, 大場 聡

    季刊地理   51 ( 4 )   273 - 290   1999年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:The Tohoku Geographical Association  

    本研究は, 戦後の大規模開田地域にあたり, 水稲を地域農業の中心としてきた岩手県東和町を事例とし, 米生産調整の推移を地域農業との関連から考察することを目的としている。<br>東和町における生産調整は, 戦後開田地域, 伝統的水田地域ともに, 牧草転作を主な対応として推移してきたが, 1990年代は牧草転作以外の対応を迫られている。農家個別的な農業経営が展開している開田地域では調整水田の増加が特徴的であるが, 飯米確保的傾向を強めている下層農家では粗放的な対応が増加している。<br>一方, 戦前からの水田地域では, 第二次農業構造改善事業によって設立された水稲生産組合の特性ごとに, 生産調整対応の推移に差異がみられる。組合機能が縮小し, 下層農家の脱農化が進行している館では粗放的な対応が増加しているのに対し, 組合が個別零細経営を温存させている中田では, 牧草に依存するものの極端に粗放的な対応がみられない。生産調整に対して集団的な対応をとる沖では, 組合農家の農地を有効に利用し, 高収益の見込める作物を導入することで, 牧草に依存しない生産調整対応が可能となっている。

    DOI: 10.5190/tga.51.273

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    その他リンク: https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00119867426?from=CiNii

  • 水稲単作地域における米生産調整の推移と地域農業条件 : 岩手県東和町を事例として

    関根 良平, 金 〓哲, 大場 聡

    季刊地理学 = Quarterly journal of geography   51 ( 4 )   273 - 290   1999年

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    記述言語:日本語   出版者・発行元:The Tohoku Geographical Association  

    本研究は, 戦後の大規模開田地域にあたり, 水稲を地域農業の中心としてきた岩手県東和町を事例とし, 米生産調整の推移を地域農業との関連から考察することを目的としている。<br>東和町における生産調整は, 戦後開田地域, 伝統的水田地域ともに, 牧草転作を主な対応として推移してきたが, 1990年代は牧草転作以外の対応を迫られている。農家個別的な農業経営が展開している開田地域では調整水田の増加が特徴的であるが, 飯米確保的傾向を強めている下層農家では粗放的な対応が増加している。<br>一方, 戦前からの水田地域では, 第二次農業構造改善事業によって設立された水稲生産組合の特性ごとに, 生産調整対応の推移に差異がみられる。組合機能が縮小し, 下層農家の脱農化が進行している館では粗放的な対応が増加しているのに対し, 組合が個別零細経営を温存させている中田では, 牧草に依存するものの極端に粗放的な対応がみられない。生産調整に対して集団的な対応をとる沖では, 組合農家の農地を有効に利用し, 高収益の見込める作物を導入することで, 牧草に依存しない生産調整対応が可能となっている。

    DOI: 10.5190/tga.51.273

    CiNii Article

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    その他リンク: https://jlc.jst.go.jp/DN/JALC/00119867426?from=CiNii

  • 岩手県東和町における農業経営の変遷と生産調整

    関根 良平, 金 〓哲, 大場 聡

    日本地理学会発表要旨集 = Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers   54   192 - 193   1998年9月

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  • On the concept of"Kaso"

    Quarterly Journal of Geography   50-2   157 - 159   1998年

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  • The Geography of the Changes in Agricultural Land Use in the Sendai Metropolitan Area, Japan : An Examination of the Topographic Characteristics Using the Geographical Information System

    Yuzuru Isoda, Doo Chul Kim, Keigo Matsuoka

    The Science Reports of the Tohoku University, 7th Series(Geography)   48 ( 1-2 )   35 - 64   1998年

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    This study explored the changes in agricultural land use in the Sendai metropolitan area since the 1970s using the Geographical Information System. The study area, being a regional center for the Tohoku region, has experienced rapid urban expansion since the 1970s. It was found that notwithstanding the transfer of 18% of arable land to urban use, there has been a slight increase in arable land due mainly to the reclamation of forests into pasture. Urban development in the study area occurred mainly on forest-covered hills, and it was arable land unsuited for agriculture that had been released for urban developments. The development of arable land suitable for agriculture has been slower than expected, considering the rapidity of urban expansion during the study period. An extrapolation of the changes in arable land use since the 1970s suggests that paddy fields and dry fields close to existing urbanized areas are likely to be urbanized by 2020 ; whilst arable land unsuitable for either agricultural or urban use, and arable land newly developed since the 1970s are likely to be abandoned.

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  • Administrative Area System and Policy Process in the Republic of Korea : Focus on Rural Areas

    KIM Doo-Chul

    Jaurnal of Systematic Regional Geography   3   79 - 86   1998年

  • 韓国の行政区域体系と政策過程-農村部を中心に-

    地域地理科学   3   79 - 86   1998年

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  • 過疎の概念について

    金〓哲

    季刊地理   50-2   157 - 159   1998年

  • 隣接過疎山村における過疎対策の展開と内生的住民組織-長野県下伊那郡の浪合村と平谷村との比較-

    地域問題研究   54   16 - 24   1997年

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  • Economic Growth, Migration and Rural Depopulation in the Republic of Korea : Comparison with Japan's Experiences

    KIM Doo-Chul

    Regional Development Studies   3   239 - 259   1997年

  • Tackles against Depopulation and Endogenous Self-organization-Case studies and their Comparison

    54   16 - 24   1997年

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  • Regional Characteristics of Depopulated Areas in Korea- From a comparative perspective with Japan's experiences

    Geographical Perspectives on Sustainable Rural Systems   305 - 315   1996年

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  • Current Trends and Issues in Studies of Rural Depopulation Areas in Korea

    Doo chul Kim

    THE HUMAN GEOGRAPHY(Jinbun-Chiri)   47 ( 1 )   21 - 45   1995年

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    The main issue in the rural geography of Korea has been the regional impacts of rapid rural-urban migration. In the process of industrialization since the 1960s, rural areas lost more than half of their population during the period 1970-90. Depopulation rates were about 25% in the 1970s and 35% in the 1980s. As a result, almost all of rural Korea, excluding areas near metropolitan areas, have been undergoing depopulation at rates in excess of 3% per year. In this paper, the current research on rural depopulation of Korea has been reviewed with three sub-themes, that is, its cause, the pattern of rural-urban migration, and regional impacts. The rural areas in Korea were transformed to scarce population areas as a result of the rapid rural-urban migration since the 1960s. The main cause of rural-urban migration has been the urban-oriented national policy, the so-called growth centre strategy. The national planners selected a few metropolitan areas as growth centres and fostered a regional disparity. This led to the migration of, particularly, highly educated rural youths to urban areas seeking non-agricultural occupations and increased incomes. In addition, remote mountainous areas in which most of the underground resources are found, have been experiencing more severe depopulation since the 1970s, due to the new energy policy, namely, the transfer from a coal-oriented to a petroleum-oriented policy and the restrictions placed on utilization of forest areas. In this process, the most severe depopulated areas in Korea shifted from plain agricultural areas near metropolitan areas (1960s) to remote mountainous areas (1970s and the first half of the 1980s) and agriculture areas remote from metropolitan areas (after the latter half of the 1980s). With this background, the pattern of rural-urban migration in Korea can be characterized as follows from the current research. © 1995, The Human Geographical Society of Japan. All rights reserved.

    DOI: 10.4200/jjhg1948.47.21

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  • 韓国における農山村の人口減少に関する研究の動向と課題

    人文地理   47 ( 1 )   21 - 45   1995年

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  • 観光開発の経済的な波及効果分析-白岩温泉を事例に-

    17   41 - 58   1990年

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  • Economic Impacts in the Development of Tourist Resorts-A Case Study of Paekam Hot Spring

    Journal of Geography(Jirihak Nonchong)   17   41 - 58   1990年

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Works(作品等)

  • International Migration in New Zealand

    2001年

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  • ニージランドにおける国際人口移動

    2001年

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  • 農村における地域情報化

    2000年

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  • Rural Informatization

    2000年

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  • 農村工業化

    1999年

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  • Rural Industrialization

    1999年

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受賞

  • 第1回人文地理学会論文賞

    2001年  

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    受賞国:日本国

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  • 地域地理科学会 学会賞

    2001年  

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    受賞国:日本国

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共同研究・競争的資金等の研究

  • ベトナム・メコンデルタにおけるグローバル果樹産地の形成過程および土地制度との関係

    研究課題/領域番号:18K01140  2018年04月 - 2022年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    金 どぅ哲

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    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    本年度は昨年度の成果を踏まえて、調査対象地であるティエンジャン省・チャウタン 郡・ヴィンキム村における果樹産地の形成過程と地域社会の変容に関する現地調査を行った。また、ヴィンキム村の特産物であるスターアップルの流通経路を確認するため、ホーチミン市を中心に市場調査を並行して行った。主な成果は下記のとおりである。
    ヴィンキム村は、かつては一般的なメコンデルタ農村のように自給的な水田農業に依存していたが、1980年代半ば以降急激にスターアップルを中心とする果樹栽培へと転換させた。現在は、果樹栽培の大幅な拡大によって、村内には水田として利用されている農地が全く無い。このような果樹生産集積地が比較的短期間に形成された要因としては、世帯当たりの水田面積が小さく生活に必要な収入を得るためには果樹生産へ転換せざるを得なかったという自然環境的な要因のほかにも、1980年代以降に大消費地(ホーチミン市)への陸路でのアクセスが可能であったことや仲買人による分業化が市場システムの構築へとつながったことが挙げられる。
    一方、ヴィンキム村のスターアップルは全国的な知名度を持っているにもかかわらず、サプライチェーンの未成熟により、消費地では他地域のスターアップルと混じってしまい、知名度の優位性が十分に発揮できない状況であった。また、ヴィンキム村のスターアップル生産農家の多くは認証制度(VietGAPなど)を受けているが、独自のサプライチェーンが構築されておらず、認証制度のメリットも実現されていない。

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  • 集落再編の国際比較と生活空間論による再考

    研究課題/領域番号:16H01963  2016年04月 - 2021年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

    小島 泰雄, 金 どぅ哲, 佐藤 廉也, 今里 悟之, 作野 広和, 中川 秀一, 筒井 一伸, 磯田 弦, 中條 曉仁, 中辻 享, 吉田 国光, 小方 登, 山村 亜希

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    配分額:38350000円 ( 直接経費:29500000円 、 間接経費:8850000円 )

    本研究課題の3年目にあたる本年度は、1月12日に京都大学楽友会館において国際シンポジウム International Workshop for the Reorganization of Rural Settlement System を開催した。科研メンバーに加えて、国内と海外(イギリス・エチオピア・ラオス)から研究者を招聘し、日本、中国、韓国、スコットランド、エチオピア、ラオスにおける集落再編の国際比較をめぐる討論を通して、研究成果の国際交流を実現するとともに、集落再編と農村の地域特性が深く結びつく様態に関する認識共有が醸成されたことは、今後の農村研究の展開に対する貢献として特筆されよう。
    6月に刊行された「月刊地理」(古今書院)において「変わる農村と田園回帰」の特集を組んだ。科研メンバーによる日本における農村変化のフロンティアを理論・実証・実践の3つの位相から地理学的に定位した論考を掲載することにより、地理学界内部における研究の方向性を示すとともに、地理教育関係者などひろく社会一般に対しても研究成果を発信することとなった。
    10月5日~7日に東京日本橋等において「都市と地方・農村を結ぶしかけ―東京の拠点を訪ねる」と題した臨地研究集会を開催し、農村の商品化の諸相について討論を行った。とくに都市の側で農村交流にかかわるキーパーソンを採訪したことは、農村研究の新たなフィールドの存在を印象づけるものであった。
    このほか科研メンバーはそれぞれのフィールドにおける調査研究を進め、多数の論著を発表している。

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  • 中国朝鮮族の韓国への移住と適応過程からみた「韓民族」言説の多重性

    研究課題/領域番号:26370925  2014年04月 - 2017年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    金 どぅ哲

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    配分額:4810000円 ( 直接経費:3700000円 、 間接経費:1110000円 )

    中国朝鮮族が,国籍としては「中国」,民族としては「漢民族」として認識しており,これらの多重アイデンティティは話者と相手との関係によってその強弱を変えられる。現在、中国朝鮮族の韓国への移住の歴史も20年を超えており,中国朝鮮族コミュにティの中でも階層分化が生じている。
    一方、1990年代から始まった中国朝鮮族の出稼ぎにより、中国朝鮮族集住の農村地域では激しい過疎化が進行している。その結果、不足する農業労働力は地域外から出稼ぎにきた漢族によって担われており、その結果水田から畑への転作が進行している。

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  • 湿地のワイズユース再考:グリーン経済化の流れとその問題点

    研究課題/領域番号:25284166  2013年04月 - 2016年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

    淺野 敏久, 伊藤 達也, 金 どぅ哲, 平井 幸弘, 香川 雄一, フンク カロリン

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    配分額:13000000円 ( 直接経費:10000000円 、 間接経費:3000000円 )

    日韓欧越のラムサール条約湿地の保全と利用を調査した。ラムサール条約は国際的に定められた一つの制度であるにも関わらず,その受容には国による差が大きい。日本と韓国では対応が似ているものの,住民に与える影響を最小にしようとする(保護の観点からすると登録効果が薄い)日本と,環境管理を重視し住民の関与を減らそうとする韓国との間に対照的な差が認められた。ドイツやフランスでは,ラムサール条約はEUの保護制度の下に埋没している。ベトナムでは,ワイズユースとは住民に保護区の自然資源を違法に使わせないように管理することを意味し,先進国のように観光や教育に利用することが重視されるのとは異なっている。

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  • 中国東北における地域構造の変化に関する地理学的調査研究

    研究課題/領域番号:24401035  2012年04月 - 2015年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

    小島 泰雄, 秋山 元秀, 小野寺 淳, 松村 嘉久, 高橋 健太郎, 柳井 雅也, 小方 登, 金 どぅ哲, 阿部 康久, 柴田 陽一, 石田 曜

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    配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )

    本研究は、中国東北で進行している地域構造の変化を地理学的な調査に基づいて解明することをめざして、3年間にわたって行われた。フィールド調査は、初年度が長春、2年度が松原、3年度が延吉という、吉林省の異なった性格をもつ3つの地域で行われた。農業と農村は近代的開発としてのフロンティア性を残す一方、都市は資源・生産依存から消費志向へと発展軸を交替させていることなど、本研究は構造変化の多様性を実態的に明らかにした。

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  • ベトナムにおける韓国人ディアスポラの融合・隔離・妥協

    研究課題/領域番号:23520954  2011年 - 2013年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    金 どぅ哲

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    配分額:5070000円 ( 直接経費:3900000円 、 間接経費:1170000円 )

    本研究では,ホーチミン市に居住する韓国人ディアスポラの属性と彼らの定住意識を明らかにすると共に,彼らのホスト社会と融合・隔離・妥協について現地調査を行った。調査の結果,就業目的の移住が最も多く,居住期間は5年未満が約半数を占めていた。ベトナム語能力は片言の会話程度の初級レベルが大半で,日常生活にも不自由を感じているが,約6割の人々がベトナム生活に満足していた。居住地域は外国人集中地区であるPhu My Hung地区をはじめ数ヵ所に限られており,空間的な隔離が進んでいることがわかる。また,韓国人とベトナム人のカップルで形成する「 韓ベ家族」を除けば,定住意識は総じて低い水準であった。

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  • ベトナム北部の少数民族による棚田開発とその生業形態の持続可能性

    研究課題/領域番号:23520972  2011年 - 2013年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    磯田 弦, キム ドゥチュル, 四本 幸夫

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    配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )

    ベトナム・サパ地域における、衛星画像による土地利用変化の分析と農家調査による分析により以下の知見を得た:(1)棚田の面積は1970年代より約2倍に拡大し、現在も拡大している、(2)新しい棚田はより傾斜の大きい斜面にて開発された、(3)新しい棚田は、化学肥料の用量・用法によっては高い単収を得うる、(4)当地の少数民族は、ハイブリッド米を採用することにより単収を2倍にした、(5)観光やカルダモン生産による現金収入は、種、化学肥料、農業機械の購入にあてられ、自給的農業の近代化に貢献している、(6)農地の外延化と集約化により、過去40年間に年率3%の人口急増を超える米の生産量増加を実現した。

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  • ラムサール条約登録湿地の保全と利用をめぐる政治地理学的研究

    研究課題/領域番号:22320171  2010年 - 2012年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

    淺野 敏久, 伊藤 達也, 金 どぅ哲, 平井 幸弘, 香川 雄一

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    配分額:11180000円 ( 直接経費:8600000円 、 間接経費:2580000円 )

    ラムサール条約湿地は,地域づくりの資源として戦略的に利用されている。日本では,世界遺産やジオパークなどと比べると,ラムサール湿地は「保護のための制度」という意識が強く,経済的に積極活用が図られているところは少ない。韓国では保護する場所と開発する場所の差が大きく,保全よりは活用への社会的関心が高い。しかし,保護区においては,日本とは対照的に,トップダウン的「住み分け型」環境管理がなされる場合がある。

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  • 新自由主義政策環境下の過疎地域の日韓比較研究-政策スタイルと住民組織に注目して

    研究課題/領域番号:20520686  2008年 - 2010年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    金 どぅ哲

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    配分額:4420000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:1020000円 )

    本研究では、日韓の過疎政策と住民組織が近年の新自由主義という新たな政策環境の下で、どのように変容し顕在化しているかを明らかにした。その結果,韓国の過疎地域(全羅北道鎮安郡)では,従来「マウル(集落)=基礎組織」単位で完結していた住民組織の議論構造や意志決定プロセスが複数のマウル(集落)の連合体へ移行しつつあることが明らかとなった。一方,日本の過疎地域(広島県安芸高田市)では,合併後に統一したガイドラインのもとに自治組織の再編を行ったにもかかわらず、合併前の住民組織の在り方により、合併後の住民組織の再編の方向性とその後の運営に相違が見られた。

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  • 東アジアにおける湖沼と干潟の環境問題と共有資源の管理システム

    研究課題/領域番号:19500883  2007年 - 2009年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    浅野 敏久, 伊藤 達也, 金 どぅ哲, 平井 幸弘

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    配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )

    本研究では,日韓中越各国の水環境問題の現場を調査した。湖沼や干潟の環境保全や資源利用において,市民の要望や活動(管理や利用をめぐる市民運動)の有無や強弱の差(日韓と中越の差)が施策展開速度の違いとして現れること,環境対策と都市・地域開発との結びつき方(それが連動する中国と,環境対策は環境対策として行われる日本,その中間に位置する韓国)が環境対策をとる行政の姿勢を左右することなどが重要な視点になる。

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  • 地方自治復活後の韓国農村部における「場所マーケッティング」と地方財政

    研究課題/領域番号:17520537  2005年 - 2007年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    金 どぅ哲

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    配分額:3700000円 ( 直接経費:3400000円 、 間接経費:300000円 )

    近年、「場所マーケティング」の概念を取り入れ、新しい地域のイメージを創り出し、地域経済の活性化を図る動きが盛んになっている。本研究では固有の場所性とは関係のない(もしくは薄い)要素を導入し「場所マーケティング」に成功している事例に注目し、場所マーケティングの主体たる自治体や地域住民が如何なるプロセスで新しい場所性を創り出し、それを「商品」としてマーケティングしているのか、またその過程で人為的に形成された場所性が地域住民にとって「自分のもの」として認識されていくのか否かを明らかにした。韓国全羅南道咸平郡の「チョウまつり」においては、固有の場所性とは関係のない要素、すなわち「チョウ」に代表される環境アイコンを導入し、都市住民に生態的なサービスを提供することで、自らの地域を「商品」としてマーケティングする戦略を取ってきた。咸平郡の事例は初期における都市部からの反響が、人為的に形成された新たな場所性を地域住民にも「自分のもの」として認識させるきっかけになったと言える。一方、兵庫県豊岡市のコウノトリの野生復帰事業の事例では、害鳥としての認識と新たなまちのシンボルとしての認識が共存しながらも、コウノトリの野生復帰事業に対する全国からの反響、すなわち「外部からの目」によりそれらの矛盾が繋ぎ合わさっている。韓国咸平郡の事例と兵庫県豊岡市の事例に共通することは、(1)環境アイコンとして外部や地元住民ともに分かりやすい生物を選んでいること、(2)その環境アイコン自体に美しさと希少性が含まれていること、(3)小規模な自治体であるゆえ、単一の環境アイコンに集中する場所マーケティングを行ったこと、(4)農業と環境との矛盾を無理に解決しようとせず、その矛盾を抱え込む戦略を取ったこと、(5)「外部からの目」に投影された己の姿や評価が人為的に形成された場所性を「自分のもの」として認識させる過程で少なからず役割をしたこと、などである。

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  • 東アジアとその周辺地域における伝統的地理思考の近代地理学の導入による変容過程

    研究課題/領域番号:16202023  2004年 - 2006年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(A)  基盤研究(A)

    千田 稔, 鳴海 邦匡, 渡邊 欣雄, 秋山 元秀, 藤巻 正己, 野間 晴雄, 土居 浩, 澁谷 鎮明, 金 ドウ哲, 金坂 清則, 八木 康幸, 南出 眞助, 石原 潤

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    配分額:33540000円 ( 直接経費:25800000円 、 間接経費:7740000円 )

    研究成果は、以下の5項目に集約できる。
    (1)東アジアの伝統的地理学は、今も各地に足跡を残している。とりわけ風水思想は、中国、韓国や、日本の沖縄で、土地占いの方法として、現在も日常生活の中で意味をもっている。
    (2)近代地理学の導入は、東アジアとその周辺地域では、年代差があるが、ヨーロッパ地理学の受容によって、世界観の拡大がもたらされた。
    (3)植民地となった諸地域の地理学は、宗主国の地理学の影響を受けながら、地理学の近代化をはかった。ベトナム、マレーシア、韓国について事例的な検討を試みた。
    (4)近代における東アジアは、ヨーロッパ地理学の方法論による研究対象であった。例えば、ムギ作農業はヨーロッパ地理学にとっては、関心があったが、稲作については、本格的な研究がされることはなかった。そのような偏りの反作用として、アジアにおける稲作観が熱帯地理学の新しい局面を切り開いた。
    (5)現代の東アジアとその周辺諸国の地理学は、欧米と類似した体系のもとで、研究活動がなされているが国家計画に参画する割合は、国によって異なる。

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  • 金融危機後の韓国における地方都市および農村の社会変動

    研究課題/領域番号:15401031  2003年 - 2005年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(B)  基盤研究(B)

    神谷 浩夫, 山田 正浩, 阿部 和俊, 伊藤 悟, 渋谷 鎮明, 金 科哲, 梶田 真

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    配分額:13200000円 ( 直接経費:13200000円 )

    1.地方都市では金融危機後、全国展開する企業の支店・支所の廃止や再編が行われた。その結果、韓国の都市システムにおいてソウルの地位が以前にもまして上昇した。逆に地方都市は相対的に地位が低下した。
    2.交通ネットワークから見ると、金融危機による地方都市への影響ははっきりしない。バス交通と鉄道交通、道路網のネットワークは、高速道路やKTXなどの整備によって、地方都市間のアクセスが最近20年間で格段に改善された。
    3.大邱の労働市場は、繊維産地であるため輸出依存度が高く金融危機の影響を強く受けた。事業所規模が縮小し、男性ブルーカラーでは正規職から非正規職への転換が進んだ。しかし大邱繊維産地では、こうした影響は女性生産職従事者の減少となって現れた。これは、金融危機への対応はコスト削減が主であって、高付加価値への産業構造の転換が進んでいないことを示していることが明らかとなった。
    4.農村への工業立地が金融危機後に進んだが、その影響はかなり断片的である。
    5.農村における産地形成は、高度成長期における都市市場の成立を契機としていた。金融危機によって都市から帰農者が一時的に増えたが、全体としてみればそれほど大きいものではない。
    6.地方自治体主導の地域振興策は、金融危機後にさらに活発となったが、これは1995年の地方自治制の導入や中央-地方間の税配分制度の見直しと切り離して考えることはできない。

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  • 日本と韓国の大規模干拓事業をめぐる環境問題論争への地理学的アプローチ

    研究課題/領域番号:15500684  2003年 - 2005年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    淺野 敏久, 伊藤 達也, 金 どう哲, 平井 幸弘

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    配分額:4200000円 ( 直接経費:4200000円 )

    本研究の目的は,日本と韓国の社会問題化した大規模干拓事業を取り上げ,それをめぐり展開される環境問題論争を分析し,それぞれの国において,いかに問題が構築されるのか,その際にいかなる利害関係,地域的背景が関わっているのかを明らかにすることである。研究の結果として以下がわかった。
    1.韓国においてセマングム干拓事業という大規模な事業が進められており,大きな社会問題になっている。この事業は韓国南西海岸開発の一環と位置づけられるが,規模が大きく環境への影響が甚大なことが懸念されている。特に先行したシファ干拓が環境悪化により断念されて以降,セマングムでの環境悪化への懸念が国民的関心を集めるようになった。
    2.韓国においては,民主化運動を経て,市民運動の影響力が強く,環境運動も例外でない。セマングム問題も中央の環境団体によって反対運動が主導されることにより大きな社会問題となった。
    3.一方,韓国では道による経済格差が大きく,セマングム開発が計画される全羅北道は後進地域にあたり,道民の開発志向が強く,セマングム問題は全国的な環境問題への関心と地方的な経済開発への関心という次元の異なる論点からの議論が錯綜する中に成立している。
    4.ただ,全羅北道の中にあっても干潟との関わりの深かった漁村では事業に反対する活動がある。これらは道をあげての推進運動の中で孤立した存在となり,中央の環境団体と結びつくことによって,その立場をアピールし続けている。しかし,この1,2年の状況の変化により,孤立化が深まっているように見受けられる。
    5.セマングムの事例をみるにつけ,諫早湾や中海・宍道湖のような日本の干拓問題との類似点(問題の社会経済的背景や公共事業システム)が強く認識されるとともに,環境運動の性格や進められ方にみる両国の相違点,特に日本の環境運動の独特な性格について気づくことができた。

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  • 構造改革期における農山村・人口減少地域の変動と政策課題

    研究課題/領域番号:15520497  2003年 - 2004年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 基盤研究(C)  基盤研究(C)

    堤 研二, 西原 純, 岡橋 秀典, 西野 寿章, 関戸 明子, 金 科哲

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    配分額:3400000円 ( 直接経費:3400000円 )

    構造改革の流れの中で、現在、農山漁村・旧産炭地域などの人口減少地域をめぐる経済・政治・社会構造に大きな変動が生じつつある。そして、従来の人口減少地域を支えていた構造が崩れ、新たな方向への転換が緊急に求められてきている。こうした状況をふまえた本研究の目的は、構造改革による大変動期を迎えた中での人口減少地域・農山村を対象として、(1)これまでの地域政策を「点検」し、(2)当該地域での現実問題を整理して、「現状分析」を行い、(3)これらの地域がいかなる方向に動きつつあるのか、またそれに対応してどのような政策課題や地域生活機能の問題が新たに生じ、今後構想されるべき政策・対策は何かを「展望」することであった。
    初年度の平成15年度には、本科学研究費の実質的支出が可能となった7月の第一回目の会合で研究分担を確認し、年度末には初年度の総括と次年度の計画・分担の確認を行うための第二回目の研究代表者・研究分担者による会合を開催、また中部山岳地帯の先進的林業地域の視察調査を行った。二年度目の平成こ16年度には、'研究進捗状況確認と報告書作成のための会合を11月に開催した。この二年間で、個別の調査・研究として、関戸は北海道、金は諌早湾、堤は中国山地などを各々フィールドとした農山漁村の調査を行った。堤は国際学会でも二回発表した。岡橋は関西大学での学会発表と資料収集を行った。西原は産業地域ごとの特色を踏まえながら地域変動・地域振興の情報を整理する作業に従事し、西野は林業振興に関する資料収集を行った。それぞれの担当地域で現状を観察し、現在の政策課題について整理した。
    その結果、地域政策の見直しを早急に行うべきこと、地域生活機能の自立を促進すべきこと、NPOなどの組織の有効活用の重要性などを明らかにした。さらに地域振興関係の法令や地域振興政策に関するデータベース構築も行い、最終年度内に報告書の印刷・刊行も行うことができた。

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  • 戦後国土開発の日韓比較-折衷型開発パラダイムと過疎地域の形成過程に注目しつつ-

    研究課題/領域番号:13780058  2001年 - 2002年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 若手研究(B)  若手研究(B)

    金 どぅ哲

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    配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )

    本研究は日本と韓国における国土開発の類似性と異なる結果に着目し、(1)両国の戦後国土開発を開発パラダイムの観点から比較・検討し、類似点と相違点を明らかにするとともに、(2)「折衷型開発パラダイム」への転換後の結果の違いを、実行計画への反映と実際の財政配分および地方行政の役割といった3つの側面から比較・検討し、「折衷型開発パラダイム」の可能性と限界を明らかにするものである。
    以上のような研究目的を鑑み、今年度は昨年度の成果を踏まえ、国土開発の成果の比較分析を行った。すなわち、(1)地域別の建設受注額と種類や地域内生産と家計消費の経年変化等を分析し、国土開発計画の成果を定量的に把握した。(2)地方行政の裁量権の拡大など非定量的な側面を評価するため、地方行政に権限が委ねられる地方交付税の経年変化を分析した。(3)国土開発計画の策定に関わる専門家に対する深層インタビューを行い、国土開発計画における技術的な側面とイデオロギー的な側面を突き止め、計画と実行そして結果との乖離の原因を比較分析した。(4)過疎対策関連の財政投資の経年変化を比較分析し、過疎地域の形成・維持と国土開発との関連について検討した。
    以上の分析から、次のような成果が得られた。すなわち、(1)韓国における国土開発は、1990年代の第3次国土総合開発計画以降「地方分散型開発戦略」を標榜しているが、地域別の建設受注量は依然として京釜軸(ソウルと釜山をつなぐ地域軸)及び東南臨海地域に集中している。しかし、1990年代後半以降全羅南道および江原道にも地方中心都市を中心に局地的に建設受注量を伸ばしていることは注目に値する。一方、家計消費の推移は1990年代後半の金融危機の時期を除けば、飛躍的に増加している。(2)自治体の歳入に占める地方交付税の比重は全般的に増加しているものの、基礎自治団体である「郡」の管轄区域が広範に及ぶため、ミクロレベルでの地方交付税による財の配分にはいまなお課題が残る。(3)しかしながら、全般的な傾向としては韓国の国土開発も1990年代以降日本と同様に「折衷型開発パラダイム」にシフトしていると言える。

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  • 韓国の農村工業化はなぜ兼業化を伴わないのか-戦後日本の農村工業化との比較-

    研究課題/領域番号:11780060  1999年 - 2000年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究(A)  奨励研究(A)

    金 どぅ哲

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    配分額:2000000円 ( 直接経費:2000000円 )

    今年度は平成11年度の成果を踏まえて、韓国の農工団地の典型的な事例として慶尚南道陝川郡に位置する「栗谷農工団地」とその周辺地域に対するフィールドワークを行った。また、農村工業化の日韓比較のため、富山県八尾町と鳥取県日南町における現地調査もあわせて実施した。主な研究成果は次の通りである。
    1.栗谷農工団地は1987年に農工団地の指定を受け、1990年から操業を始めており、現在19の企業に474人の従業員が働いている。最寄りの大都市であるテグからの通勤は不可能であるため、生産職はほとんど地元出身であるが、管理職および熟練労働者は大都市から招いてこなければ確保できず、熟練労働力の不足は深刻である。立地企業のほとんどは中間財を下請けで生産する、従業員30人未満の零細企業であり、雇用の波及効果が及ぼす範囲は陝川郡の郡庁所在地である陝川邑とその周辺といったごく限られていた。
    2.1997年以降の韓国における金融危機以降、栗谷農工団地にも企業の倒産が相次ぎ、1998年頃まで稼働率は55%まで落ち込んだが、最近輸出の好調を追い風に回復に向かっている。
    3.陝川郡では行政(郡庁)が求人・求職の斡旋を行い、成果を上げているが、日雇いのが多く低賃金であるため、大都市への移出・転職が多く、人口減少の歯止めにはなっていない。
    4.また、それぞれの企業の技術水準と地元住民の雇用状況との関連でみると、明らかな傾向が認められる。すなわち、技術力の低い生産工程を持つ企業は、付帯施設の費用が削減できる上、必要な労働力を迅速に確保できるというメリットから地元住民の雇用を希望するが、技術力の高い生産工程を持つ企業は、地元住民の場合、農繁期での無断欠勤など労働倫理が希薄であるという理由で地元住民の雇用を控えるという両極の現象が見られる。
    こうしたことは本研究の仮説であった、「地域労働市場をめぐる供給側(地域住民)と需要(誘致企業)とのミス・マッチ」を支持することであり、その原因の一つは外部から移転してきた企業が該当地域のライフパターンと調整(regulation)されていないことと言えよう。
    以上のような結果を日本の事例と比較してみると、日本の場合は周辺的でありながらも地域との連携により着実に技術力を高めてきた企業が中枢をなしているが、韓国の場合は依然として低賃金と行政の誘導策に依存する企業が多いと言えよう。

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  • 過疎地域における内生的住民組織の変容と地方行政の役割-大分県湯布院町と山形県小国町の事例

    研究課題/領域番号:09780110  1997年 - 1998年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業 奨励研究(A)  奨励研究(A)

    金 〓哲

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    配分額:2100000円 ( 直接経費:2100000円 )

    今年度は山形県小国町において過疎問題への対応をめぐる政策プロセスや住民組織のあり方を中心に調査を行った.さらに,山村のみならず平野農村における過疎問題との比較も行うべく,水田単作農村である岩手県東和町での調査をも並行して行った.今年度の調査により得たおもな成果は以下の通りである.
    1. 山形県小国町の面積は東京23区よりもやや広く,一時期には115を数えるほどの集落が町全域に散らばっており,昭和30年代以降激しい人口流出が生じたが,その空間的構造は町役場所在地を中心に同心円構造をなしていた.こうした問題に対処すべく小国町では拠点集落方式による集落再編成が行われた.すなわち,二次生活圏(町全域),一次生活圏(主に旧村),基礎集落圏の3段階に定住体系を築き,それぞれの中心を拠点集落として諸施設を整備しようとするものであった.しかし集落の移転は,結果として都会への挙家離村を促し,過疎を促進する結果となってしまった.また,旧滝集落からの移転によって形成された幸町の例から,内生的住民組織は移転先においても伝統行事の担い手として引き継がれていることが確認できた.
    2. 岩手県東和町における生産調整は牧草転作を主な態様として推移してきたが,1990年代は牧草転作以外の態様を迫られている.農家個別的な農業生産が展開している開田地域では,調整水田の増加が特徴的であるが,総じて圃場条件の優劣が生産調整の対応を規定する.伝統的水田地域では,政策的な受け皿として設立された生産組合の特性ごとに,農家の階層分化の度合いが異なり,生産調整態様の推移にも差異がみられる.組合の形骸化によって下層農家の脱農化が進行している館では粗放的な態様が増加しているのに対し,生産調整に対して集団的な対応をとる沖では,組合農家の農地を有効に利用し,高収益の見込める作物を導入することで,牧草に依存しない生産調整態様が可能となっている.

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  • 日韓比較文化論

    1992年

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    資金種別:競争的資金

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  • Camparative Study of Culture and Society between Korea and Japan

    1992年

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    資金種別:競争的資金

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  • Change of Endogenous self-organization in Depopulated Rural Areas

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    資金種別:競争的資金

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  • 環境政策と環境マネジメント

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    資金種別:競争的資金

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  • Environmental Policy and management

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  • 過疎地域における内生的住民組織の変容

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担当授業科目

  • コース演習3 (2024年度) 1・2学期  - その他

  • コース演習4 (2024年度) 3・4学期  - その他

  • 卒業論文 (2024年度) 1~4学期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2024年度) 前期  - その他

  • 国際農村開発学演習 (2024年度) 前期  - その他

  • 国際農村開発学演習 (2024年度) 後期  - その他

  • 国際農村開発学特別演習 (2024年度) 通年  - その他

  • 地域開発論 (2024年度) 第4学期  - 水5,水6

  • 持続的農村システム学 (2024年度) 前期  - 水3~4

  • 持続的農村システム特論 (2024年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2024年度) その他  - その他

  • 環境と地理 (2024年度) 第1学期  - 月3,木1~2

  • 環境地理学 (2024年度) 第3学期  - 木5~8

  • 環境地理学演習 (2024年度) 第4学期  - 月7~8,木7

  • 研究科目演習1 (2024年度) 1・2学期  - その他

  • 研究科目演習2 (2024年度) 3・4学期  - その他

  • 英語論文執筆法 (2024年度) 後期  - その他

  • 農村地理学 (2024年度) 第1学期  - 火5,火6

  • コース演習3 (2023年度) 1・2学期  - その他

  • コース演習4 (2023年度) 3・4学期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2023年度) 前期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2023年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2023年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2023年度) 前期  - その他

  • 国際農村開発学演習 (2023年度) 前期  - その他

  • 国際農村開発学演習 (2023年度) 後期  - その他

  • 国際農村開発学特別演習 (2023年度) 通年  - その他

  • 地域開発論 (2023年度) 第4学期  - 水5,水6

  • 持続的農村システム学 (2023年度) 前期  - 水3~4

  • 持続的農村システム学 (2023年度) 前期  - 水3~4

  • 持続的農村システム特論 (2023年度) 前期  - その他

  • 持続的農村システム特論 (2023年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2023年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2023年度) その他  - その他

  • 特別研究 (2023年度) 通年  - その他

  • 特別研究 (2023年度) その他  - その他

  • 特別研究 (2023年度) 後期  - その他

  • 環境と地理 (2023年度) 第1学期  - 月3,木1~2

  • 環境地理学 (2023年度) 第3学期  - 木5~8

  • 環境地理学演習 (2023年度) 第4学期  - 月7~8,木7

  • 英語論文執筆法 (2023年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2022年度) 前期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2022年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2022年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2022年度) 前期  - その他

  • 持続的農村システム特論 (2022年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2022年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2022年度) 通年  - その他

  • 特別研究 (2022年度) その他  - その他

  • 特別研究 (2022年度) 後期  - その他

  • Community Development in Asia (2021年度) 第4学期  - 月7,月8,木7

  • 国際農村環境学演習 (2021年度) 前期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2021年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2021年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2021年度) 前期  - その他

  • 持続的農村システム学 (2021年度) 前期  - 水3~4

  • 持続的農村システム特論 (2021年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2021年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2021年度) 通年  - その他

  • 特別研究 (2021年度) 後期  - その他

  • 環境と地理 (2021年度) 第1学期  - 月3,木1~2

  • 環境と地理 (2021年度) 第1学期  - 月3,木1~2

  • 環境と地理 (2021年度) 第1学期  - 月3,木1~2

  • 環境地理学 (2021年度) 第1学期  - 木3~4,金3~4

  • 環境地理学演習 (2021年度) 第4学期  - 月7~8,木7

  • Community Development in Asia (2020年度) 第4学期  - 月7,月8,木7,木8

  • 国際農村環境学演習 (2020年度) 前期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2020年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2020年度) 後期  - その他

  • 国際農村環境学演習 (2020年度) 前期  - その他

  • 土地利用計画学演習 (2020年度) 第4学期  - 月7,月8,木7

  • 地域開発論 (2020年度) 第1学期  - 木3,木4,金2,金3

  • 持続的農村システム学 (2020年度) 前期  - 水2,水3

  • 持続的農村システム特論 (2020年度) 前期  - その他

  • 特別研究 (2020年度) 後期  - その他

  • 特別研究 (2020年度) 通年  - その他

  • 環境と地理 (2020年度) 第1学期  - 月3,木1,木2

  • 環境と地理 (2020年度) 第1学期  - 月3,木1,木2

  • 環境と地理 (2020年度) 第1学期  - 月3,木1,木2

  • 環境地理学 (2020年度) 第1学期  - 木3,木4,金2,金3

  • 環境地理学演習 (2020年度) 第4学期  - 月7,月8,木7

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