2025/09/30 更新

写真a

マツモト マサカズ
松本 正和
MATSUMOTO Masakazu
所属
学術研究院先鋭研究領域(異分野基礎) 准教授
職名
准教授
ホームページ

学位

  • 博士(理学) ( 総合研究大学院大学 )

  • 工学修士 ( 京都大学 )

研究キーワード

  • Water Network-forming substance structure dynamics topology hydrogen bond

  • 水 ネットワーク性物質 物性 構造 ダイナミクス トポロジー ネットワーク 水素結合

研究分野

  • ナノテク・材料 / 基礎物理化学

  • 自然科学一般 / 生物物理、化学物理、ソフトマターの物理

  • 自然科学一般 / 数理物理、物性基礎

学歴

  • 総合研究大学院大学   Graduate School, Division of Mathematical and Physical Science  

    1992年4月 - 1996年3月

      詳細を見る

  • 京都大学   Graduate School of Engineering   Department of Molecular Engineering

    1990年4月 - 1992年3月

      詳細を見る

    国名: 日本国

    researchmap

  • 京都大学   Faculty of Engineering   Department of Industrical Chemistry

    1986年4月 - 1990年3月

      詳細を見る

    国名: 日本国

    researchmap

所属学協会

  • 理論化学会

    2019年6月 - 現在

      詳細を見る

  • 分子シミュレーション学会

    2019年1月 - 現在

      詳細を見る

  • 日本高圧力学会

    2012年6月 - 現在

      詳細を見る

  • Japan Society for Molecular Science

      詳細を見る

  • 分子科学会

      詳細を見る

  • 日本物理学会

      詳細を見る

  • Physics Society of Japan

      詳細を見る

▼全件表示

委員歴

  • IDMRCS   Organizer committee  

    2023年1月 - 2023年8月   

      詳細を見る

    団体区分:学協会

    researchmap

  • 計算科学研究センター   運営委員  

    2022年4月 - 現在   

      詳細を見る

    団体区分:その他

    researchmap

  • 日本学術振興会   特別研究員等審査会専門委員  

    2022年4月 - 現在   

      詳細を見る

    団体区分:学協会

    researchmap

  • 分子シミュレーション学会   第35回分子シミュレーション討論会実行委員  

    2021年10月 - 2021年12月   

      詳細を見る

    団体区分:学協会

    researchmap

  • 錯体化学会   広報・ホームページ委員  

    2019年4月 - 現在   

      詳細を見る

    団体区分:学協会

    researchmap

 

論文

▼全件表示

書籍等出版物

  • 化学が好きになる数の物語100話

    松本 正和, 佐藤 聡, 松本, 正和( 担当: 監修)

    ニュートンプレス  2020年10月  ( ISBN:4315522902

     詳細を見る

    総ページ数:173   記述言語:日本語

    CiNii Books

    ASIN

    researchmap

  • OpenMosixのすすめ

    名古屋大学情報連携基盤センターニュース  2007年 

     詳細を見る

  • 水が凍るメカニズムの解明

    現代化学  2002年 

     詳細を見る

  • Landscape of water dynamics and chemical reactions

    New Kinds of Phase Transitions: Transformations in Disordered Substances  2002年 

     詳細を見る

  • 水のダイナミックスとクラスター

    The Bulletin of the Cluster Science and Technology  1999年 

     詳細を見る

  • Water Dynamics ; Fluctuation, Relaxation, and Chemical Reactions"

    Advances in Classical Trajectory Methods  1999年 

     詳細を見る

  • 水の中でクラスター構造と変化

    化学総説「マイクロクラスター科学の新展開  1998年 

     詳細を見る

  • Liquid Water Dynamics ; Hydrogen Bond Rearrangement, Phase Space Dynamics and Proton Transfer

    The Physics of Complex Liquids  1998年 

     詳細を見る

▼全件表示

MISC

▼全件表示

Works(作品等)

  • TrainScanner

    M. Matsumoto

    2016年11月11日
    -
    現在

     詳細を見る

    作品分類:ソフトウェア  

    researchmap

  • GenIce

    M. Matsumoto

    2015年6月20日
    -
    現在

     詳細を見る

    作品分類:ソフトウェア  

    researchmap

  • 過冷却液体の準安定相転移と物性の間の相互作用の理論研究

    2008年

     詳細を見る

  • vitrite database

    2007年

     詳細を見る

  • ネットワーク性液体の理論研究

    2007年

     詳細を見る

  • yaplot

    2004年
    -
    現在

     詳細を見る

    作品分類:ソフトウェア  

    researchmap

  • CPML(化学・物理メーリングリスト)

    1995年

     詳細を見る

▼全件表示

共同研究・競争的資金等の研究

  • 機械学習による広域大気汚染予報システムの開発

    2024年04月 - 2025年03月

    公益財団法人 天野工業技術研究所  天野工業技術研究所研究助成金 

      詳細を見る

    担当区分:研究代表者 

    researchmap

  • 正四面体型分子結晶の多様性と特異性

    研究課題/領域番号:21H01047  2021年04月 - 2026年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    松本 正和, 田中 秀樹

      詳細を見る

    配分額:12610000円 ( 直接経費:9700000円 、 間接経費:2910000円 )

    メタンに代表される、正四面体型の分子の結晶構造を俯瞰的に調査する。水分子は4面体型ネットワークにより、19種類もの結晶構造を持つことが知られており、単成分の単純な物質としては異常に多様な相があると言われている。しかし、水素結合の向きの乱雑性に起因する水素無秩序性の効果を除くと、実質的には6種類(I, II, III, V, VI, VII)の安定結晶相を持つ。一方、水分子よりもさらに対称性が高く単純な分子と言えるメタンには、実に9種類の安定結晶相が知られている。また、単純な分子の結晶構造は単純とは限らず、メタンB相は単位胞に29分子を含み、最も複雑な高圧氷相である氷Vの28分子を凌ぐ超複雑結晶を持つと言われている。四面体型分子の結晶が複雑になる原因の一つは、立体構造のパッキングしにくさにあると考えられる。実際、剛体正四面体の最密充填構造は準結晶になると言われている。メタンを含む正四面体型分子は、球と正四面体剛体の中間構造とみなすことができ、どのように結晶構造が決定されるのかが興味深い。そこで、我々は今年度は手始めに幅広い温度圧力範囲におけるメタンの結晶構造を計算機シミュレーションにより調査し、超高温超高圧条件で実験的に観察されたA相、B相に似た結晶構造が生じること、また面心立方格子のような、球では最密充填となるような結晶構造は、メタンではむしろ低圧でしか生じないことを確認した。今後、さらに長時間のシミュレーションにより、結晶構造の同定と新規結晶構造の探索を行う。それに平行して、メタン以外の四面体分子のシミュレーションに着手する。

    researchmap

  • 正四面体型分子結晶の多様性と特異性

    研究課題/領域番号:23K20830  2021年04月 - 2026年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    松本 正和, 田中 秀樹

      詳細を見る

    配分額:12610000円 ( 直接経費:9700000円 、 間接経費:2910000円 )

    メタンに代表される、正四面体型の分子の結晶構造を俯瞰的に調査する。水分子は4面体型ネットワークにより、19種類もの結晶構造を持つことが知られており、 単成分の単純な物質としては異常に多様な相があると言われている。しかし、水素結合の向きの乱雑性に起因する水素無秩序性の効果を除くと、実質的には6種類 (I,II,III,V,VI,VII)の安定結晶相を持つ。一方、水分子よりもさらに対称性が高く単純な分子と言えるメタンには、実に9種類の安定結晶相が知られている。ま た、単純な分子の結晶構造は単純とは限らず、メタンB相は単位胞に29分子を含み、最も複雑な高圧氷相である氷Vの28分子を凌ぐ超複雑結晶を持つと言われてい る。四面体型分子の結晶が複雑になる原因の一つは、立体構造のパッキングしにくさにあると考えられる。実際、剛体正四面体の最密充填構造は準結晶になると 言われている。メタンを含む正四面体型分子は、球と正四面体剛体の中間構造とみなすことができ、どのように結晶構造が決定されるのかが興味深い。2023年度は幅広い温度圧力範囲におけるメタンの結晶構造を計算機シミュレーションにより調査し、各条件での結晶構造を生成した。そして、複数の結合配向秩序指標を組みあわせた特徴量を用いて結晶構造の並進構造を識別した上で、多様体学習により構造の分類を行った。その結果、実験の相図と比べて多少の温度圧力のずれはあるものの、相図を再現できることがわかった。2024年度は分子配向の情報を含めることで、プラスチック相などの配向の多様性も含めたさらに詳細な分類を試みる。

    researchmap

  • ソフト準結晶の形成機構の理論研究

    研究課題/領域番号:20H05272  2020年04月 - 2022年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  新学術領域研究(研究領域提案型)

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )

    本計画では、準結晶が生じる機構を探るべく、できるだけ単純な分子モデルを使い、自由エネルギー計算等を駆使して、相互作用を最適化することを目指した。 また、最も単純な分子の一つであるが、非常に複雑な結晶構造を生じうる、水について、新奇な結晶構造を生じさせる方法を検討した。
    その過程で、氷に異常に長距離の相関と、それによる異常に均質なエネルギー状態が実現していることを発見した。氷には残余エントロピーが観測されること、それはポーリングのモデルにより非常によく近似されることが知られている。氷の結晶の中では、水分子はアイスルールを満たしながら乱雑に配向していることは理解されていたが、その乱雑さに隠された秩序構造には関心が払われていなかった。氷の中のある分子と周囲との相互作用を近い順に積算していくと、近距離では非常に相互作用のばらつきが大きいにもかかわらず、そのばらつきが(何らかの遠距離相関の存在により)相殺され、遠距離まで積算するとほぼ0に収束する。この現象を我々は発見し、超均質性と名付けた。近距離相互作用が(隣接分子のさまざまな配向のせいで)いかに不均質であっても、超均質性のおかげで氷の中の水分子はほぼ同じエネルギー状態になり、それがポーリングの近似を成り立たせている。ではなぜ、近距離の不均質さを、遠方の分子が相殺できるのか。これを説明する合理的なモデルを我々は構築した。超均質性は水素無秩序氷および水素無秩序包接水和物のすべてで発現する。
    この研究に付随して、氷の中で、位相幾何学的条件(アイスルール)を満足しながら乱雑な分子配置を高速で生成する新たなアルゴリズムを提案した。このアルゴリズムは、従来広く用いられていた手法に比べて格段に短時間で構造を生成でき、系の大きさに対して線形時間しかかからない最速アルゴリズムである。

    researchmap

  • 水のキラル秩序の理論研究

    研究課題/領域番号:16K05658  2016年04月 - 2019年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:4940000円 ( 直接経費:3800000円 、 間接経費:1140000円 )

    常温の水、過冷却水と、いくつかの種類の氷の構造を分子レベルで識別する新たなオーダパラメータを提案した。これを用い、過冷却水が秩序化して氷に変化する過程を可視化できるようになった。高圧下で分子動力学シミュレーションを実施し、少なくとも2種類の新たな氷の結晶が自発的に形成されることを発見し、その構造を同定するための手法を開発した。負圧における氷の相図はこれまでにも提案がなされてきたが、我々はそれに関しより深い考察を行うとともに、前例のない数の結晶構造を調査し、より現実的な負圧の相図を提案した。シミュレーションのために、あらゆる氷の結晶構造を容易に作成するソフトウェアを作成し無償公開した。

    researchmap

  • 新奇な高圧氷の理論的予測とその相挙動

    研究課題/領域番号:25288008  2013年04月 - 2016年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    田中 秀樹, 松本 正和

      詳細を見る

    配分額:18070000円 ( 直接経費:13900000円 、 間接経費:4170000円 )

    新たに発見された氷XVIとその他のハイドレート格子に対して、負の熱膨張率をはじめ種々の物性を理論的に予測・計算した。さらに、これらにゲスト分子が導入されてクラスレートとなったときに起こる、ゲストによる収縮や負の膨張率の消失などの物性の大きな変化の機構を解明した。また、ハイドレート分解過程の大規模並列計算により、実験に近い穏やかな条件でのメタンハイドレートの分解のシミュレーションを行い、分解機構を明らかにした。さらに、氷VII相に隣接するプラスチック相について、高温高圧側では、その相境界は一次相転移としてではなく、臨界線として現れること大規模長時間のMDシミュレーションから示した。

    researchmap

  • クラスレート化合物の結晶化制御と、新規な結晶および準結晶構造の設計

    研究課題/領域番号:24550025  2012年04月 - 2015年03月

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(C)

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:5460000円 ( 直接経費:4200000円 、 間接経費:1260000円 )

    シミュレーションにより、様々な相転移過程における、新規な準安定構造・中間状態の発見があった。例えば氷が水になる(融解)過程でも、その変化は単に氷の構造が崩壊して液体になるわけではなく、いくつかの微視的なステップが介在する。同じように、メタンハイドレートの分解、超高圧下での氷VIIの凍結と融解でも、実験では見えていなかった多様で興味深い中間過程があることをシミュレーションにより多角的に示した。理論面では、クラスレートハイドレートの安定性に関する理論を拡張するとともに、結晶構造則をより明快に理解できる、一般化相図を提案した。

    researchmap

  • 仮想コンピューティング実験室によるクラウド型専門教育実習環境とその応用

    研究課題/領域番号:22300288  2010年 - 2012年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    梶田 将司, 中野 秀雄, 河口 信夫, 松本 正和, 長谷川 明生, 山里 敬也, 武田 一哉, 間瀬 健二, 内藤 久資, 後藤 明史, 鈴木 常彦, 山口 由紀子

      詳細を見る

    配分額:17680000円 ( 直接経費:13600000円 、 間接経費:4080000円 )

    本研究では,ブレードコンピュータを用いた高密度・高性能計算機群上に専門教育で必要なコンピュータベースの実習環境を仮想計算機として実現することにより,様々な専門教育現場において多数の教員・学生が低コストかつオーダーメードで利用できる「仮想コンピュータ実験室 VCL 基盤」の構築を目的として
    (1) VCL 基盤の構成・運用
    (2)教育現場での利活用
    (3) VCL 基盤の応用展開,の3つの軸から「クラウド型専門教育実習環境とその応用」に関する研究開発を行った.

    researchmap

  • ナノ細孔とイオンチャンネル中のイオンの水和と輸送現象

    研究課題/領域番号:21245006  2009年 - 2012年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    田中 秀樹, 松本 正和, 甲賀 研一郎, 大久保 貴広, 大峯 巌

      詳細を見る

    配分額:27170000円 ( 直接経費:20900000円 、 間接経費:6270000円 )

    ナノサイズの空間における構造と相挙動および物質移動、イオンチャンネルを想定した水と種々のイオンのダイナミクスの微視的描像を確立することを目的とする。これまでに見出された制約空間における水の特異な相挙動に加えて、異方かつ限定的な水和によるイオンの輸送過程を、計算機シミュレーションにより明らかにした。ナノ細孔としてクラスレートハイドレートと呼ばれる水が作る籠状の空間について、ゲスト分子の種類により結晶構造はどのような影響を受けるかどうかについて詳細に調べた。

    researchmap

  • 過冷却液体の準安定相転移と物性の間の相互作用の理論研究

    研究課題/領域番号:20038024  2008年 - 2009年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  特定領域研究

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:3000000円 ( 直接経費:3000000円 )

    メタンハイドレート(MH)の均一核生成過程を、分子動力学シミュレーションにより再現し、その機構を詳細に解析した。水和したメタン4分子が正四面体の頂点に位置し、四面体の重心に水1分子が配位した会合体は、水の中でも安定に存在することができる。このため、水和したメタンは正四面体配置を好み、MHには、Frank-Kasper(FK)相と呼ばれる、非常に多様な準安定結晶相が潜在する。本計算で得られたMHは、8μ秒の長い計算の後でも既知のFK相のいずれとも完全には一致せず、アモルファス構造であると考えられる。
    レーザーで結晶内部を昇温する方法などにより結晶が内部から融解する場合には、熱揺らぎにより結晶の一部が目発的に壊れ、均一核生成を経て液化すると考えられる。ここでも、氷の場合には、水分子の性質を反映して、独特な融解様態を見出すことができた。温度が融点に近付くにつれ、熱揺らぎが水素結合を切り、局所的に欠陥が対生成する。さらに温度が上がり過熱状態になると、欠陥対のそれぞれが独立にネットワーク上を拡散して分離しはじめる。一旦分離した欠陥対は、再び会合するまで、トポロジー的な矛盾を解消することができないため、欠陥対め生成は完全な結晶構造を復元する可能性を下げる。我々は、完全な結晶に戻す経路の長さを編集距離という指標で計量した結果、一見するとほぼ完全な結晶に見える構造でも、編集距離が非常に長いケーズがあること、つまり幾何学的な構造の壊れ度合いと、トポロジー的な構造の壊れ度合いが一致しないことがわかった。前者は実験的に測定可能な情報だが、融解過程をより的確に捉えるオーダパラメータは後者である。実際、氷の融解確率はトポロジー的な構造の壊れ度合いと相関していることが、多数のシミュレーションにより明らかになりつつあり、ネットワークのトポロジー的な特性を考慮した融解のモデル化が必要である。

    researchmap

  • ネットワーク性液体の理論研究

    研究課題/領域番号:19029018  2007年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  特定領域研究

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:1900000円 ( 直接経費:1900000円 )

    1)水、シリコンなどのネットワーク形成性液体のネットワーク構造を詳細に解析し、そのネットワークが、フラグメントと呼ばれる要素に分解できることを示した。過冷却水および過冷却液体シリコンに微視的不均一性が存在し、その起源をネットワークの構造により明確に特徴付けた。水およびシリコンの構造因子の第1ピークの起源にたいする合理的な説明を与えた。
    2)水が4℃以下で膨張する理由について、ネットワークの歪みという観点から新しい説明を提案した。
    3)氷中でのプロトン移動と秩序化のメカニズムを、新たな方法論を導入して解析した。氷のプロトンディスオーダによってプロトン移動のポテンシャルエネルギー面がでこぼこになり、それが非常に低温でプロトンのホッピング移動を抑止する可能性を指摘した。
    4)氷の、均一核生成からの融解過程の微視的ダイナミクスを調べ、氷のプロトンディスオーダのせいで、融解核が形成される場所が不均一に分布し、その形成までの待ち時間が幅広い分布を持つこと、融解核と結晶の界面にごく薄い濡れ層が存在すること、臨界核サイズを決定している因子を明らかにした。

    researchmap

  • 均一核生成の化学:結晶化の動的過程の理論研究

    研究課題/領域番号:15685002  2003年 - 2005年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  若手研究(A)

    松本 正和

      詳細を見る

    配分額:20800000円 ( 直接経費:16000000円 、 間接経費:4800000円 )

    シリコンや水などのネットワーク性液体の過冷却融液状態での構造の特徴を抽出する方法として、水の水素結合ネットワークを多面体様フラグメント(擬多面体)に一意的に分割する手法を考案した。擬多面体は、通常の多面体の定義を拡張したもので、低温の水等の水素結合ネットワークの特徴を抽出するのに適している。この手法により、結晶のような明らかな秩序構造をもっていない場合でも、局所構造の特徴を直接識別分類できる。この手法を、シリコンや水、あるいはメタンハイドレートの核生成と結晶化プロセスに適用することで、融液状態から、どのようにして局所的秩序が形成され、それが結晶の長距離秩序につながっていくのかを、余すところなく観察できることを示した。水の液液相転移においては、低密度液相のネットワークの大部分が、ごく少数のフラグメントの組合せで被覆できることを示した。我々の行った過冷却水の均一核生成過程の場合、初期に出現する核は、少数種類の非晶質状のフラグメントを多く含む非晶質核であると推定された。一方、シリコンが均一核生成する場合は、核の構造はすでに結晶の部分秩序を持つことがわかった。低密度水と低密度非晶質シリコンの構造は非常によく似ていることが、フラグメント解析からも裏付けられた。メタン水溶液からメタンハイドレートの結晶が成長する場合には、12面体型ケージが速度論的にまず急激に増加し、あとからそれらに隣接する形で14面体型ケージがゆっくり増加することが観察された。

    researchmap

  • 結晶化のメソタイムスケールダイナミクス

    研究課題/領域番号:14077210  2002年 - 2005年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  特定領域研究

    松本 正和, 斉藤 真司, 岡崎 進

      詳細を見る

    配分額:9300000円 ( 直接経費:9300000円 )

    液体から固体への相転移においては、運動のタイムスケールと秩序の距離相関が大幅に変化する。相転移の進行する界面では、タイムスケールの大きなギャップを埋めるような、中間的時間尺度の特徴的な運動や、中間的距離尺度の特徴的な空間構造が観察される。我々は、このような中間的な尺度の空間構造を特徴付ける方法として、構造をフラグメント分割し、フラグメントのデータベースを作成して、予断なしに局所構造を識別分類する手法を研究した。過冷却水の水素結合ネットワークの構造(トポロジー)の特徴を抽出する方法として、ネットワークを多面体様フラグメント(擬多面体)に一意的に分割する手法を考案した。この手法により、結晶のような明らかな秩序構造をもっていない場合(低密度水、低密度非晶質など)でも、局所構造の特徴を直接識別分類でき、類似の相(高密度水など)と明確に区別することに成功した。この手法を、シリコンや水、あるいはメタンハイドレートの核生成と結晶化プロセスに適用することで、融液状態から、どのようにして局所的秩序が形成され、それが結晶の長距離秩序につながっていくのかを、余すところなく観察できることを示した。我々の行った過冷却水の均一核生成過程の場合、初期に出現する核は、少数種類の非晶質状のフラグメントを多く含む非晶質核であると推定された。メタン水溶液からメタンハイドレートの結晶が成長する場合には、12面体型ケージが速度論的にまず急激に増加し、あとからそれらに隣接する形で14面体型ケージがゆっくり増加することが観察された。

    researchmap

  • Topology, Dynamics, and Statistical Mechanics on Network Fluids

    2002年

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

    researchmap

  • ネットワーク性液体の幾何学と動力学と統計力学

    2002年

      詳細を見る

    資金種別:競争的資金

    researchmap

  • 凝縮化学系に於ける揺らぎと反応ダイナミックスの理論的研究

    研究課題/領域番号:10206201  1998年 - 2000年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  特定領域研究(B)

    大峯 巖, 住 斉, 松本 正和, 斎藤 真司

      詳細を見る

    配分額:52500000円 ( 直接経費:52500000円 )

    我々は本研究において、水に関する非常な重要な3つの問題を解決した。
    (a)水の氷化過程(NatureのCover Article,March 28,2002)、
    (b)水・氷中のプロトン移動の分子機構を解決し、(c)最近、最も注目されている5次の非線形分光法スペクトルのシミュレーションに成功し、その物理的帰属を明らかにした。
    (1)水の結晶化の分子機構の研究:我々は、世界で初めてシミュレーションによる純水の結晶化に最近成功した。非常に長時間のシミュレーションを行い、長い導入時間の後、結晶核が急速に生じることを見つけた。初期核の生成機構や、氷化にかかわるポテンシャルエネルギー面が大域的には漏斗型をしていることなどを見つけた。
    (2)水分子の集団運動を直接観測するのための新しい分光法の開発:液体の中の集団運動を観測するための実験手段として5次非線形分光法(2次元ラマン分光法)に注目し、そのスペクトルがいかなる物理的現象に対応しているかを、初めてシミュレーションを用いて明らかにした。そのスペクトルのシミュレーションを行い,それをもとに、Fleming(米国カルフォルニア大学バークレー校の)グループによる最近の実験データーの中から5次のスペクトル成分を抽出することに成功した。さらに、そのスペクトルが、どのような溶液内分子間運動の特性を反映しているかを明らかにした。
    (3)氷中のプロトン移動の分子機構の解明:氷中のプロトンでは、非常に長距離からの(氷の水分子からの)溶媒和が非常に重要であり、その移動のポテンシャルエネルギー面を計算するためには約10,000個の水分子を含めることが必要である。それら水分子からの溶媒和の微妙なバランスにより速いプロトン移動が起きており、このバランスは、いわゆる「氷則」から生まれているがことが分かってきた。

    researchmap

  • 水の揺らぎと機能に関する研究

    研究課題/領域番号:10044074  1998年 - 1999年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(B)

    大峰 巌, 松本 正和, 斉藤 真司, STANLEY Huge, FLEMING Grah, BERRY R.Step

      詳細を見る

    配分額:5700000円 ( 直接経費:5700000円 )

    水のクラスター及び液体のダイナミックスの様相を実験の両面から解析することを目的とし、特にミクロレベルの揺らぎ、集団運動の様相を調べ、それらが化学反応のダイナミックスに及ぼす影響を解析し、基本構造の運動を取り出すかために大域的ポテンシャルエネルギー面また長時間域ダイナミックスの特徴を抽出する理論的方法の開発を行った。また非線形フェムト秒分光法を用いた、これらのミクロレベルの運動、揺らぎの観測が可能性を調べその限界と新しい実験法、また観測すべき物理量を明らかにした。さらに「水が低温になると、広いPhase-Spaceの中からどのように結晶氷を選びだし収束していくか」の氷化に関する研究を行った。また水、氷、生体高分子中でのプロトン移動の分子論的機構を明らかにする共同研究を行った。
    具体的には;(1)溶液、特にミクロレベルの揺らぎ、集団運動の様相を調べるための高次5次非線形分光スペクトルに関する理論を完成させ、さらにシミュレーションを行い、カルフォルニア大学バークレー校Flemingグループと協力して実験の解析を進めた。(2)水液体及びクラスターの氷化過程をを解析刷るために、系の大域的ポテンシャル・エネルギー面の構造を解析さらに、シミュレーションを用いた水の氷化に初めて成功した。さらにそれを大きな系でしらべており、氷化の分子機構が明らかになると期待できる段階まできた。また小さな水分子クラスターの氷化、融解、それにともなう揺らぎも調べた。
    (3)生体高分子に於ける水の役割とプロトン移動の機構について解析した。特にバクテリオロドプシンに於けるプロトンポンプ機構の初期段階を明らかにした。

    researchmap

  • 水中のプロトン移動のダイナミックスと水の揺らぎが化学反応へ及ぼす影響の理論的研究

    研究課題/領域番号:08404040  1996年 - 1998年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  基盤研究(A)

    大峰 巌, 松本 正和, 斉藤 真司

      詳細を見る

    配分額:37900000円 ( 直接経費:37900000円 )

    我々は液体の水また氷の中のプロトン移動の分子論的機構の解明、また超臨界水の反応性の起源について研究を行い、次のようなことを明らかにした。
    水中ではH_3O^+は3配位を好み、プロトンが3配位の水分子へ選択的に移動する。また、プロトンが移動する際、水分子のO-O間距離が短くなり、プロトンは最近接の2つの水分子と(H_5O_2^+)構造を形成しており、プロトン移動は、これらの水分子間の往復運動である。氷では、液体の水での結果と異なり、プロトンが結合距離から4配位の水分子へ付着している。配位する4つの水分子のうち1つの水分子との結合は非常に不安定であり、エネルギー的に配位を形成していない。プロトンの移動に伴い、不安定な結合をする4配位目の水分子との距離、相互作用エネルギーが大きく変化しており、この水分子が氷のプロトン移動の機構に大きく関わっている。
    水のpHと超臨界水の非常に高い反応性について、水和の機構との関係を調べるために、電子状態理論および溶液論を組み合わせ、水の中で水分子が解離するときのポテンシャルエネルギー曲線を求めた。真空中で水分子が解離するときのポテンシャルエネルギー曲線では、ラジカル解離(radical channel)がイオンで解離する(ion channel)よりも安定である。水の中ではion channelの方がradical channelよりも安定となり、これは実際に水は一般条件下でpH=7になっておりion channelが安定であることと一致している。
    超臨界水の条件下では、ion channelは水和によって更に安定化する。これは、溶媒(水)が希薄のため、超臨界水では水和によるイオンの安定化は小さいが溶媒間の構造を壊す不安定化も小さいためである。したがって超臨界水自身では、一般の水と同じようにion channelの方が安定であり、少し酸性に傾いている。さらに有機分子の周りの水和の様子、そこにおける水分子の解離の状態を調べ、超臨界水の高い反応性の分子機構(特にradical channelの役割)を明らかにしつつある。

    researchmap

  • 溶液内光励起分子反応のダイナミックスの理論

    研究課題/領域番号:08218228  1996年

    日本学術振興会  科学研究費助成事業  重点領域研究

    大峰 巌, 松本 正和, 斉藤 真司

      詳細を見る

    配分額:1400000円 ( 直接経費:1400000円 )

    光異性化反応で重要である最低励起状態2Ag、基底状態1Agの2つの一重項状態のポテンシャルエネルギー面、その間の非断熱カップリングを記述するためのモデルスピンハミルトニアン(Heisenberg型ハミルトン)を構築した。非経験的電子状態記述法を用い、非線形最小自乗法によりこのHeisenberg型モデルのパラメーターを決定し、様々な異性化経路に沿ったポテンシャルエネルギー面の起伏、非断熱カップリングの変化が、このHeisenberg型モデルで十分に定量的な精度で再現できることを示し、またこれらポテンシャルエネルギー面、非断熱カップリングの特徴の物理的原因を明らかにした。
    このHeisenberg型モデルを電子状態の記述に用い、半古典動力学シミュレーションにより非断熱遷移を含むトラジェクトリー計算を行い、異性化の速度、非断熱遷移の確立、異性化に伴う分子内エネルギー緩和の機構を解析した。トラジェクトリーの解析から、最低励起状態2Ag、基底状態1Agへの非断熱遷移は,3つのCC結合がねじれてそのエネルギー差が小さくなり、さらにCCC結合角の大きな減少することにより引き起こされていることを示した。この非断熱過程に於て、二重結合まわりのねじれが緩和し、一重結合がねじれめ始めるまでの誘導期間の存在と2Ag状態の減衰の様相などを明らかにした。基底状態に遷移してからは、パイ電子エネルギーが多くのaccepting modeに分散し、promoting modeであるCC結合ねじれ、CC伸縮、CCC変角のモードに充分に集中しないため状態遷移は不可逆となる様相などがこの研究で初めて明らかになった。

    researchmap

▼全件表示

 

担当授業科目

  • 分子科学演習(理論化学) (2024年度) その他  - その他

  • 分子科学演習(理論化学) (2024年度) 通年  - その他

  • 基礎化学実験 (2024年度) 第4学期  - 木5~8

  • 基礎物質化学 (2024年度) 1・2学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2024年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2024年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学2 (2024年度) 第2学期  - 金3~4

  • 物理化学5 (2024年度) 第1学期  - 金1~2

  • 物理化学6 (2024年度) 第2学期  - 金1~2

  • 物理化学III (2024年度) 1・2学期  - 金1~2

  • 理論化学特別演習 (2024年度) 通年  - その他

  • 理論化学特論 (2024年度) 前期  - その他

  • 複雑系化学 (2024年度) 前期  - 水5~6

  • (T7)Molecular Data Science (2024年度) 特別  - その他

  • 分子科学演習(理論化学) (2023年度) 通年  - その他

  • 基礎化学実験 (2023年度) 第4学期  - 木5~8

  • 基礎物質化学 (2023年度) 1・2学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2023年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2023年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学2 (2023年度) 第2学期  - 金3~4

  • 物理化学5 (2023年度) 第1学期  - 金1~2

  • 物理化学6 (2023年度) 第2学期  - 金1~2

  • 物理化学III (2023年度) 1・2学期  - 金1~2

  • 理論化学演習 (2023年度) 通年  - その他

  • 理論化学特別演習 (2023年度) 通年  - その他

  • 理論化学特論 (2023年度) 前期  - その他

  • 理論化学特論 (2023年度) 前期  - その他

  • 複雑系化学 (2023年度) 前期  - 水5~6

  • 複雑系化学 (2023年度) 前期  - 水5~6

  • (T7)Molecular Data Science (2023年度) 特別  - その他

  • 基礎化学実験 (2022年度) 第4学期  - 木5~8

  • 基礎物質化学 (2022年度) 1・2学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2022年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学1 (2022年度) 第1学期  - 金3~4

  • 基礎物質化学2 (2022年度) 第2学期  - 金3~4

  • 物理化学5 (2022年度) 第1学期  - 金1~2

  • 物理化学6 (2022年度) 第2学期  - 金1~2

  • 理論化学演習 (2022年度) 通年  - その他

  • 理論化学特論 (2022年度) 前期  - その他

  • 複雑系化学 (2022年度) 前期  - 水5~6

  • 先端化学特別講義Ⅱ (2021年度) 集中  - その他

  • 基礎物質化学 (2021年度) 1・2学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学1 (2021年度) 第1学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学1 (2021年度) 第1学期  - 木5~6

  • 基礎物質化学2 (2021年度) 第2学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学2 (2021年度) 第2学期  - 木5~6

  • 物理化学5 (2021年度) 第1学期  - 金1,金2

  • 物理化学6 (2021年度) 第2学期  - 金1,金2

  • 物理化学III (2021年度) 1・2学期  - 金1,金2

  • 理論化学演習 (2021年度) 通年  - その他

  • 理論化学特論 (2021年度) 前期  - その他

  • 複雑系化学 (2021年度) 前期  - 水5,水6

  • 基礎物質化学1 (2020年度) 第1学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学1 (2020年度) 第1学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学2 (2020年度) 第2学期  - 木5,木6

  • 基礎物質化学2 (2020年度) 第2学期  - 木5,木6

  • 物理化学5 (2020年度) 第1学期  - 金1,金2

  • 物理化学6 (2020年度) 第2学期  - 金1,金2

  • 物理化学III (2020年度) 1・2学期  - 金1,金2

  • 理論化学演習 (2020年度) 通年  - その他

  • 理論化学特論 (2020年度) 前期  - その他

  • 複雑系化学 (2020年度) 前期  - 水5,水6

▼全件表示

 

メディア報道

  • 氷の粒に珍しい五角形 一定割合で出現 計算機シミュレーションで発見 岡山大 インターネットメディア

    KSB瀬戸内海放送  https://news.ksb.co.jp/article/15528099  2024年12月

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

    researchmap

  • 「冥王星に海は」謎解く鍵 新聞・雑誌

    朝日新聞社  朝日新聞  岡山23面  2021年4月23日

     詳細を見る

  • 極寒の星の地下 海洋ある? インターネットメディア

    朝日新聞社  朝日新聞  大阪夕刊8面  2021年2月12日

     詳細を見る

  • 極寒の星地下に海洋あるのか 「鍵」の生成条件解明 新聞・雑誌

    朝日新聞社  朝日新聞デジタル  ウェブ  2021年2月12日

     詳細を見る

  • Testing the waters: Analyzing di!erent solid states of water on other planets and moons インターネットメディア

    Eurekalert  2021年1月19日

     詳細を見る

    執筆者:本人以外 

    researchmap

  • 氷の衛星の表面と内部の氷の正体を理論的に特定! 会誌・広報誌

    岡山大学  プレスリリース  2020年12月23日

     詳細を見る

▼全件表示