共同研究・競争的資金等の研究 - 三谷 奈見季
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イネのケイ素集積ロジスティクス
研究課題/領域番号:24H00571 2024年04月 - 2028年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A)
山地 直樹, 櫻井 玄, 三谷 奈見季, 小西 範幸
配分額:48360000円 ( 直接経費:37200000円 、 間接経費:11160000円 )
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有害半金属のチャネルおよび輸送体における基質透過の分子基盤
研究課題/領域番号:23H02450 2023年04月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B)
菅 倫寛, 三谷 奈見季
配分額:18720000円 ( 直接経費:14400000円 、 間接経費:4320000円 )
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土壌環境変動に応答する植物のミネラル輸送システムの可塑性の解明
研究課題/領域番号:21H05034 2021年07月 - 2026年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(S)
馬 建鋒, 山地 直樹, 宮地 孝明, 三谷 奈見季, 菅 倫寛
配分額:189280000円 ( 直接経費:145600000円 、 間接経費:43680000円 )
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イネ科作物の有害ミネラル集積機構の解明
研究課題/領域番号:21H04716 2021年04月 - 2025年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
馬 建鋒, 山地 直樹, 三谷 奈見季
配分額:41860000円 ( 直接経費:32200000円 、 間接経費:9660000円 )
1.イネカドミウム集積とヒ素集積 QTL 遺伝子のマッピング
イネのカドミウム品種間差を利用して作出したマッピング集団を用いて、新しいマーカーを作成しながら、染色体7番と11番のQTL遺伝子の候補領域を狭めることができた。7番染色体にあるQTL遺伝子についてプロモーター領域配列の比較、発現パータンの比較などを行い、この遺伝子の発現の違いがカドミウム集積に寄与している可能性を示した。またカドミウム集積における側根と根毛の役割を解析し、根毛ではなく、側根がカドミウムの吸収に大きな役割を果たしていることを明らかにした。
ヒ素集積に関して、6番染色体にあるヒ素集積に関与するQTL遺伝子の候補領域を350kbまで狭めることができた。
2.オオムギのカドミウム集積QTL遺伝子のマッピングとヒ素集積の品種間差
オオムギのカドミウム集積の品種間差を利用して、4番染色体にあるカドミウム集積に関与するQTL遺伝子のマッピングを行った。いくつかのマーカーを新たに設計し、候補領域を8375kbまで狭めることができた。
またオオムギヒ素集積の品種間差を調べるために、コアコレクションから100品種を選んで、圃場栽培された種子とわら中のヒ素濃度を測定し、比較した。その結果、ヒ素集積において大きな品種間差があることが分かった。また水耕栽培で幼苗のヒ素集積も比較し、種子のヒ素集積と必ず一致しないことを明らかにした。いくつか集積が大きく異なる品種を選んで、関連遺伝子をマッピングするための交配を行った。 -
Integrated analysis of mineral ion dynamics in rice crop exposed to acute herbivory stress
研究課題/領域番号:21H02196 2021年04月 - 2024年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
Ivan Galis, 網干 貴子, 三谷 奈見季
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
First year of the project was fully devoted to collection of large scale data for further analyses. Two large scale herbivory experiments have been completed in summer season of FY2021. Two herbivore types (chewing insect larvae and sucking insect adults) were used as proposed after implementing hydroponic rice plant cultivation system. Five tissues (young leaf, attacked leaf, old leaves, stem, and root) over time course of three days have been collected. Out of collected samples, all originally proposed analyses have been carried out; in particular, extensive mineral analysis from 440 rice samples by ICP-MS, phytohormones, and secondary metabolites by LC-MS/MS were performed at IPSR (Galis, Mitani). Sumigraph analysis of total nitrogen and carbon from 440 samples was performed at Yamagata University (Aboshi). Large scale RNA sequencing (RNAseq) of 110 pooled replicated samples was outsourced and analyzed data obtained in March 2022. In outcome, several mineral elements showed differential contents in herbivore attacked plants. Furthermore, large increases in nitrogen containing alkaloids (p-coumaroylputrescine, feruloylputrescine, isopentylamine) were found in the attacked leaves. Jasmonic acid was the main phytohormone elicited in locally attacked leaves. A large number of genes related to defense was elicited in locally attacked leaves but many genes for mineral transport have also been observed in the regulated gene set. Overall, a very large amount of data was obtained that clearly depict extensive changes in rice metabolism in response to herbivore attack.
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低投入を目指したイネ体内におけるミネラル再分配機構の分子生物学的解析
研究課題/領域番号:20K05773 2020年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(C) 基盤研究(C)
三谷 奈見季
配分額:4290000円 ( 直接経費:3300000円 、 間接経費:990000円 )
本年度は、維管束組織で高発現する二つ目の輸送体、SIETについての実験を行った。SIETはケイ酸輸送体Lsi2と比較的相同性の高い輸送体であり、イネにはSIET2-5の4つがある。このうち維管束組織に高発現するのはSIET5である。定量PCRの結果SIET5は生育期間を通して地上部とくに葉鞘で高発現していた。タマネギの表皮細胞やイネプロトプラストを用いた系では細胞内局在がはっきりしなかったことから、抗SIET5抗体を作製し免疫組織染色を行った。その結果SIET5は維管束鞘細胞の細胞膜に局在していることが明らかになった。
次にゲノム編集技術を用い、変異体の作出を行った。SIETがケイ酸輸送体のホモログであることならびに、主な発現場所が地上部であることを鑑み、地上部のケイ酸の分配に関する表現型の解析を行った。その結果、葉鞘においてケイ素の濃度が野生型より高く、逆に葉身においては低い傾向が見られたが他のミネラルには野生型と遺伝子破壊株の間に差が見られなかった。
さらにこのSIET5と相同性の高いSIET4の解析も行っている。SIET4はケイ酸の排出輸送活性を持ち、地上部で恒常的に発現していることがあきらかになった。siet4変異体についてはすでに作成済みのため、次年度はその解析を行い、機能を明らかにする。 -
イネの環境応答統合メカニズムにおける節の役割
研究課題/領域番号:19H03250 2019年04月 - 2023年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
山地 直樹, 三谷 奈見季, 横正 健剛
配分額:17290000円 ( 直接経費:13300000円 、 間接経費:3990000円 )
イネ科植物は「節」を構成単位とするモジュール化された体制を採用しており、節には栄養素の分配や成長/休眠の制御などの機能が高度に集約されていることから、個体レベルの環境応答においても様々なシグナルの受発信/変換/転送を担う主要な情報処理の場であると考えられる。
本年度は、節の環境応答に関与する遺伝子を見出すため、出穂期のイネに対し、短期的なストレス処理を行った最上位節(節I)と下位節(節V~VI)の次世代シーケンサーを用いたRNA-seq解析を実施した。各処理区で発現が有意に変動した転写調節因子、受容体、ペプチドホルモン、などをコードする数十の機能未知遺伝子を選抜した(一次選抜)。さらに定量的RT- PCRによるより詳細な遺伝子発現解析を行い、既存の発現データベース等の情報も加味して検討した結果、節において他の器官よりも特に発現レベルが高く、いずれかのストレス処理に顕著に応答する13の遺伝子を選抜した(二次選抜)。これらの遺伝子についてCRISPR/Cas9法による遺伝子破壊株の作出を進めている。
イネ節の肥大維管束木部転送細胞に極めて高発現し、ケイ酸の分配を制御する輸送体Lsi6の遺伝子発現を制御する転写調節因子の探索については、酵母one-hybridシステムによるスクリーニングを計画していたが、Lsi6プロモーターの候補領域が酵母において著しい偽陽性を生じることが判明した。
イネのアルミニウム耐性遺伝子でバクテリア型ABC輸送体のサブユニットをコードするSTAR1については節の維管束系でも高発現していることなどが確認できた。 -
オオムギにおける形質転換適性の制御メカニズムの解明
研究課題/領域番号:19H02930 2019年04月 - 2022年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
久野 裕, 三谷 奈見季, 松島 良
配分額:17550000円 ( 直接経費:13500000円 、 間接経費:4050000円 )
本研究では、オオムギの形質転換適性に関わる遺伝因子を明らかにし、それらを制御することにより、品種や系統に依存しない形質転換やゲノム編集を実現することを目的とする。
1.オオムギの形質転換効率に関わる3つの主要なTransformation amenability (TFA) 遺伝子座の絞り込みを目的として、形質転換できる品種「Golden Promise」(GP)とできない品種「Haruna Nijo」(HN)または「Full Pint」(FP)の交雑集団を用いて、アグロバクテリウム法による形質転換実験を行った。FP×GPから得られた形質転換体16個体を解析したところ、2H染色体長腕の約30Mbpの領域にGPアレルの集積が見られた。この領域にはGP由来のTFA3遺伝子座が存在すると考えられる。一方、HN×GPについては、TFA1が分離する個体を用いて20以上の形質転換体を作成した。
2.オオムギ幹細胞のライブイメージングを目的として、既知の幹細胞化関連遺伝子(Baby boom遺伝子およびWuschel2遺伝子)のオオムギホモログのプロモーターを用いてGFPレポーター遺伝子を発現制御する形質転換オオムギを作成し、形質転換後代種子(T1)を得た。
3.再分化等の培養適性に関わる物質の探索を目的として、名古屋大学から分譲された化合物ライブラリの各物質を含んだ培地を作成し、HNの未熟胚由来のカルスを培養した。再分化シュート、緑色細胞、根の再生および生長点形成等の評価を行った。これまで、約400の化学物質のスクリーニングを終えた。 -
研究課題/領域番号:19K21145 2019年04月 - 2020年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
三谷 奈見季
配分額:2990000円 ( 直接経費:2300000円 、 間接経費:690000円 )
リンは、体内で移動しやすくリン欠乏時には古い組織から新しい組織への転流が特に活発になる。本研究ではリンの組織間輸送に関わる因子を同定するため、ソース葉とシンク葉からLMD法によって大維管束を分取しトランスクリプトーム解析によってリンの転流に関わる候補遺伝子を選抜した。そのうちOsSultr3;3は細胞質膜局在型輸送体で古葉の大維管束組織で恒常的に高発現していた。この輸送体遺伝子の破壊株は、野生株に比べてソース葉にリンが高蓄積した。以上の結果からこのOsSultr3;3はリンの組織間輸送に関与することが示唆された。
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研究課題/領域番号:16H06296 2016年04月 - 2021年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別推進研究 特別推進研究
馬 建鋒, 山地 直樹, 宮地 孝明, 三谷 奈見季, 横正 健剛, 菅 倫寛, 櫻井 玄
配分額:536250000円 ( 直接経費:412500000円 、 間接経費:123750000円 )
イネのケイ素輸送体OsSIET3とOsSIET5,リン輸送体OsSULTR3;3、鉄輸送体OsOPT7、ムギネ酸輸送体OsVMT、ソバの金属輸送体Nramp5などの発現パターン、組織局在、輸送活性及び変異体の表現型を解析し、それぞれミネラルの輸送に果たす役割を明らかにした。そのうち、OsVMTはイネ節の維管束間の柔組織に発現し、鉄および亜鉛の維管束間輸送過程に関与し、その変異体では結果的に精白米中の鉄および亜鉛の蓄積が1.5~2倍に増加したことを明らかにした。 またイネのカスパリー帯形成に必要な遺伝子OsCASP1を同定し、ミネラルの選択的吸収におけるカスパリー帯の重要性を解明した。さらにリン酸輸送体AtSPDTの解析を通じて、双子葉植物がイネ科植物と異なるミネラルの分配機構を持つことを突き止めた。
導入したLA-ICP-MSを用いて、植物サンプルの元素イメージング法を確立した 。この方法は根、葉、節など様々な植物組織上で、細胞/組織レベルの元素分布を可視化でき、多元素や同位体も同時に検出できる。また定量的イメージング法も開発した。
ミネラル輸送体の結晶構造に関して、ケイ酸輸送体、3種類の金属輸送体、アニオン小分子輸送体の大量発現・精製・結晶化・機能解析を推進した。ケイ酸輸送体はH30年度に解析した立体構造に基づいて機能解析を終了した。また1種類の金属輸送体、アニオン小分子輸送体は低分解能データが得られた。さらにその他2種類の金属輸送体についても精製条件を検討して安定な状態で精製できるようになった。
イネ全体におけるトランスポータ配置の最適性解析を行い、その生物学的な意義を検証した。イネが有害な物質を若い器官に蓄積しないために、どのようなトランスポーター配置を行うべきなのかなどをモデル解析で示す例示研究を行った。 -
研究課題/領域番号:16K14871 2016年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 挑戦的萌芽研究 挑戦的萌芽研究
山地 直樹, 馬 建鋒, 三谷 奈見季, 横正 健剛
配分額:3770000円 ( 直接経費:2900000円 、 間接経費:870000円 )
土壌pHは植物の栄養素の獲得に大きな影響を及ぼす。酸性土壌では、主に土壌から溶け出すアルミニウムイオンによって植物の生長が阻害される。アルカリ土壌では、主に鉄が不溶化し植物は鉄欠乏となって生育が悪化する。植物種によって土壌pHへの適応性は大きく異なるが、その種間差を規定する分子メカニズムは解明されていない。本研究では土壌pH適応性が大きく異なる3種のイネ科作物イネ(野生型、star1 変異体、art1変異体)・オオムギ・ライムギを用い、3つの条件、Alストレス条件(pH 4.5)、通常条件(pH6.0)、鉄欠乏条件(pH7.5)で根の比較トランスクリプトーム解析を実施した。
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イネの有害ミネラル集積を制御する因子の同定
研究課題/領域番号:16H02540 2016年04月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
馬 建鋒, 山地 直樹, 三谷 奈見季
配分額:40560000円 ( 直接経費:31200000円 、 間接経費:9360000円 )
これまでにイネのカドミウム集積の品種間差を利用して、幾つかカドミウム集積に関与する新規QTLを検出している。そのうちの一つ、7番染色体に座乗するqCd7についてファインマッピングを行い、候補遺伝子の絞込みに成功した。この遺伝子の発現をカドミウム集積量の異なる両親間で比較すると、差が認められなかった。またこの遺伝子はカドミウムによる誘導がなかった。両親間の配列を比較すると、1塩基の違いによる1アミノ酸の変化があった。しかし、酵母を用いたアッセイでは、両アリルともカドミウムに対する輸送活性を示した。両親のイネを用いて生理学的な解析も行った。その結果、カドミウム高集積品種では、マンガンによるカドミウムの抑制効果が見られたが、カドミウム低集積品種では、この抑制効果はほとんど見られなかった。これらの結果から、この1アミノ酸の変化はカドミウム輸送に対する親和性が低くなっている可能性があり、現在更なる解析を行っている。
ヒ素に関しては、ヒ素集積の異なる3種類のイネを用いて、関連遺伝子の発現量を比較した。その結果、ヒ素低集積品種のOsLsi1とOsLsi2の発現量が高集積品種より低いことが分かった。またケイ酸の吸収量も低くなっていた。これらのことはヒ素の低集積がケイ酸輸送体遺伝子の低発現に起因することを示唆している。 -
研究課題/領域番号:15H06421 2015年08月 - 2017年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 研究活動スタート支援 研究活動スタート支援
三谷 奈見季
配分額:3120000円 ( 直接経費:2400000円 、 間接経費:720000円 )
イネ由来の内向きケイ酸輸送体Lsi1と外向きケイ酸輸送体Lsi2は共に根の外皮細胞と内皮細胞に局在し、このLsi1とLsi2の協調的な働きがイネにおける効率的なケイ酸吸収に重要である。まず、それら輸送体のmRNA発現量は地上部のケイ素集積量に応答してケイ素十分条件下で数分の一程度に低下することを明らかにした。ケイ酸応答性シス配列候補因子を探索するため、Lsi1についてpromoter解析を行った結果、シス配列候補領域は転写開始点より上流-327から-292bpの間に存在することが示唆された。
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研究課題/領域番号:15H04469 2015年04月 - 2018年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(B) 基盤研究(B)
山地 直樹, 三谷 奈見季, 馬 建鋒
配分額:16900000円 ( 直接経費:13000000円 、 間接経費:3900000円 )
イネ科植物の節は著しく発達した維管束群が高度に組織化されており、栄養素の“維管束間輸送”によってその分配を制御していることが次第に明らかになってきた。本研究ではイネの節においてリン、ホウ素、鉄の維管束間輸送と器官間の分配に関わる新奇輸送体を同定し、その生理機能解析を行った。このうちリンの新規輸送体SPDTは節の維管束木部などに発現し、リンの維管束間輸送を促進することで新葉や種子へのリンの優先的な分配に寄与する。
また節の肥大維管束木部転送細胞で高発現するケイ酸輸送体Lsi6のプロモーター解析を行い、組織特異的な遺伝子発現を制御する領域を推定した。 -
研究課題/領域番号:24248014 2012年04月 - 2015年03月
日本学術振興会 科学研究費助成事業 基盤研究(A) 基盤研究(A)
馬 建鋒, 山地 直樹, 三谷 奈見季
配分額:44850000円 ( 直接経費:34500000円 、 間接経費:10350000円 )
イネのカドミウムやヒ素の集積に関与する新規遺伝子の同定を行った。カドミウムの集積に関して、カドミウム吸収の主要輸送体OsNramp5を同定した。OsNramp5は根の外皮と内皮細胞の遠心側に偏在していた。また液胞膜に局在するカドミウム輸送体遺伝子OsHMA3を過剰発現させると、カドミウムの耐性も増加した。さらにカドミウムの種子への分配には節で発現しているOsHMA2が関与していた。一方、ヒ素の集積に関して、OsABCC1が種子へのヒ素の集積を抑制していることを明らかにした。OsABCC1は主に節の篩部伴細胞の液胞膜に局在していた。
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研究課題/領域番号:23780069 2011年 - 2012年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 若手研究(B) 若手研究(B)
三谷 奈見季
配分額:4550000円 ( 直接経費:3500000円 、 間接経費:1050000円 )
植物の有用元素であるケイ素。そのケイ素の輸送体 Lsi1 のケイ素に応答した発現量調節メカニズムおよび、発現部位制御メカニズムの解明に向けた基礎的研究を行った。ケイ素集積植物であるイネにおいては、地上部のケイ素集積量に応じて、根でのケイ酸輸送体の発現量を調節していることが分かった。またその発現の調節に関わるシス配列がLsi1 の上流-600bp から-400bp の領域に存在することを明らかにした。発現場所制御には-1600bp-1420bp までの領域が関与することを明らかにした。
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イネケイ酸吸収遺伝子の機能解析
研究課題/領域番号:06J01562 2006年 - 2008年
日本学術振興会 科学研究費助成事業 特別研究員奨励費 特別研究員奨励費
三谷 奈見季
配分額:2800000円 ( 直接経費:2800000円 )
イネ科植物は一般的にケイ素集積植物とされているが、その集積程度は種によって大きく異なり、イネがオオムギやトウモロコシより高い集積を示す。しかし、これまでにイネやオオムギ、トウモロコシから同様なケイ酸トランスポーター遺伝子が同定されている。本研究ではケイ酸吸収における種間差の機構を明らかにするために。ケイ酸内向きケイ酸トランスポーターLsi1と外向きケイ酸トランスポーターLsi2の局在性、発現量、輸送活性などについてイネ、オオムギとトウモロコシ間で比較検討した。
オオムギとトウモロコシのLsi1およびLsi2について生化学的手法を用いて細胞内局在性を調べたところ、両者のLsi1,Lsi2とも細胞膜に局在することが明らかになった。抗体染色でLsi2の組織局在性を調べた結果、イネのLsi2とは異なり、オオムギとトウモロコシのLsi2は内皮細胞だけに局在していた。またイネとオオムギとの間で根でのそれぞれの遺伝子の発現量をReal-time RT-PCRを用いて絶対定量法により比較した結果、根におけるmRNAの発現量はLsi1、Lsi2共にオオムギに比ベイネの方が数倍から10倍高かった。さらにアフリカツメガエルoocyteを用いたヘテロ発現系でそれぞれの輸送体の持つケイ酸輸送活性の比較も行った。Lsi2に関してoocyteで発現させた同時にoocyteよりmicrosomeを抽出しwestern blotで発現しているタンパク質の定量を行い、発現タンパク質レベルでの輸送活性を比較した。その結果、イネとオオムギと比較してイネの方がわずかに高かった。これらの結果はイネのケイ酸吸収能力の高さは主にケイ酸吸収関連遺伝子がオオムギやトウモロコシより高いのに加え、トランスポーターの組織局在性に起因することを示唆している。